


介護業界で働いている方や、目指す方なら知っておきたい「仕事・働き方」について紹介するページです。各施設のサービスの特徴や、働き方の違い、年収といった就職・転職時で気になる点もまとめています。ぴったりの職場を見つけるために、求人票のチェックポイントもぜひお役立てください。

介護職にとって勉強会・研修への参加は、スキルアップやモチベーションアップにつながる貴重な機会です。しかし、開催者側からは「ネタがなくて困っている」「マンネリ化してきた」という声も…。今回はそんな悩みにお応えして、介護業界での勉強会・研修に使えるおすすめのネタを集めてみました。企画のマンネリ化を防ぐ方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
介護保険制度は利用者さんにとって重要なトピックであり、介護職の勉強会ネタとしても採用すべき話題のひとつ。3年に1度改正されるため、その都度、改正前との変更点を取り上げてもいいでしょう。
ケアプラン作成は、介護職としての幅広い知識はもちろん、効果的なアセスメントや分かりやすい資料作りなどさまざまなスキルが問われる業務。アセスメントの効率化や資料作成のコツなどが勉強会ネタとしておすすめです。
認知症は患者さんによって症状や求められる支援が異なるため、勉強会の参加者同士で事例や対応方法を意見交換するといいかもしれません。その際、医学的知識だけに偏らず、患者さんへの接し方に重点を置くことも大切です。
食事介助は難易度が高いうえ、一歩間違えると命の危険につながってしまいます。食事の基本姿勢から嚥下のメカニズムまで、専門性の高い知識を取り上げることは大切です。また、口腔ケアの知識も誤嚥性肺炎のリスクを減らすために欠かせません。食事介助と口腔ケア、それぞれ独立した勉強会かつ連続開催にすると知識が定着しやすいでしょう。
コロナ対策が緩和されつつあるとはいえ、高齢者にとって感染症は依然として重症化リスクの高い疾患です。介護職向けの勉強会でも採用すべきネタのひとつと言えるでしょう。
多くのヒヤリハット(危険回避の事例)について知ることは、今後の事故防止に役立ちます。参加者同士で意見交換してもらうのもいいでしょう。
災害の種類ごとに対応方法を話し合い、シミュレーションしてもらいましょう。マニュアルに盛り込むべきポイントを解説するのもおすすめです。
ダメだと分かっていることにもかかわらず、介護施設における残念なニュースは無くなりません。利用者さんの尊厳を守りつつ、適切な介護を実践するために大切な内容です。不適切なケアの要因は?スタッフが取り組むべき手順は?などテーマを設けて学んでいくと良いでしょう。
利用者さんや職場の同僚との信頼関係が築けるように、トラブル回避の方法や好印象につながる会話術など取り上げるといいでしょう。
アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールするための心理トレーニングです。介護の現場で怒りをため込むことは、施設内でのトラブルだけでなく、最悪の場合、利用者さんへの虐待につながることも。介護職の勉強会でぜひ伝えてほしいネタです。
多くのスタッフが職場環境や業務内容へのストレスを抱えているというのが介護業界の現状。ストレスケアを適切に行うことで、仕事へのモチベーションアップやサービスの質向上も期待できます。
介護の仕事は体力的な負担が大きく、腰痛や肩こりに悩むスタッフも少なくありません。体ほぐしに有効なストレッチや仕事の合間にできる対策など紹介するといいでしょう。
ハンドマッサージやアロマセラピーが身体や心に与える影響を知り、実践を交える勉強会です。マッサージの手法やセラピーの方法を理解したあと、スタッフ同士でやってみると理解も深まります。学びながらスタッフたち自身も癒される時間になりますよ。
介護職にとって利用者さん本人や家族からのクレームは身近な話題ですよね。できるだけ事を荒立てず、速やかに対処するための対応方法はおすすめの勉強会ネタといえます。
施設での献立づくりや利用者さんへの食事指導に悩んだときに役立ててもらえるよう、栄養管理や調理方法について取り上げるのもおすすめです。あわせて、高齢者の誤嚥リスクについて解説してもいいかもしれません。
オムツ交換や衣類の着脱介助は、介護の基本的な業務のようでいて、実はコツのいる仕事です。参加者同士で意見交換できる場を提供すれば、効率アップのきっかけづくりになるかもしれません。
日々こなす仕事に追われていると、スタッフのみんなに褒められる機会は多くはありません。しかし、誰かのあの対応良かったな!と思う点はあるはず。その事例を共有しましょう。同じ職場で働き、大変さを知っている仲間にこそ認められるとモチベーションアップにつながります。また、他のスタッフの良い事例を知ることで介護の質も高められるでしょう。
介護の現場では、介護に関する資格手当を設けているケースが大半です。勉強会では、実際に有資格者を講師役とすると良いでしょう。勉強のポイントやテキストを教えてもらう、資格取得を目指すスタッフ同士で勉強方法を共有するのもおすすめです。
外部講師が遠方で呼ぶのが難しい場合におすすめの方法です。オンラインであれば、これまで依頼を断念していた講師の選択肢がグッと広がります。施設として外部のオンライン研修に参加するという方法もありますよ。
介護職が実際にどんなことに悩んでいるのか、事前にアンケートを取ってみましょう。そうすれば、現場のニーズを取り入れた勉強会ネタを採用できるようになります。
講師から参加者へ一方的に話すばかりでは、だんだんと退屈になり、飽きられてしまうかもしれません。適度に実践や意見交換の時間を挟みつつ、参加者にも当事者意識を持ってもらえるように計らいましょう。
いつも同じネタで変化がないと悩んだときは、外部講師を呼んでみましょう。特に、介護職の勉強会という枠にとらわれないネタは、参加者にとってもいい刺激になるはずです。
介護職向けの勉強会でネタに困ったら、介護の枠にとらわれず、自由なネタ探しをするのがマンネリ化を防ぐコツです。現場の介護職の意見も取り入れつつ、真面目な勉強会に小ネタも挟みながら、講師と参加者にとって有意義な時間となるよう目指してみましょう。

介護業界で活躍する現役の方にとっての“理学療法士あるある”をご紹介!「自身も経験がある」「思わずうなずいてしまった」そんなあるあるネタをピックアップしました。患者さんの基本動作能力の回復、維持、障害の悪化防止などをサポートする理学療法士。プライベートでの言動に“理学療法士らしさ”が表れることも多いようです。家族や友人、見知らぬ人にもつい…そんなあるあるをチェックしていきます。
介護業界で働く理学療法士は、常に高齢の利用者さんと接しています。そのため、仕事では[btp_line]“聞き取りやすい話し方”[/btp_line]を意識しなければいけません。仕事での話し方がそのままプライベートに浸透し、つい声が大きくなったり、ゆっくり話したりするのは“療法士あるある”のひとつでしょう。
医療機関で働く方が、患者さんへの挨拶で使う「お大事に」というフレーズ。介護業界で働く理学療法士も利用者さんに対し、リハビリ後の定番フレーズとして日常的に使っているでしょう。仕事で何度となく口にしているせいか、友人や知人、家族にも「お大事に」と言ってしまう“理学療法士あるある”。仕事とプライベートでの挨拶の使い分けについては、「意識していないと混ざってしまう」「自然と口に出る」などの意見があります。
日々の業務で利用者さんの動作分析をするうちに、自然と周りの人を理学療法士目線でチェックしてしまうのは“理学療法士あるある”と言えるでしょう。特に、介護業界で働く理学療法士にとって、高齢の方の動作が気になるのはよくある話。プライベートで見かけた高齢の方を対象に、[btp_line]要介護度や治療方針を自然とイメージしてしまう[/btp_line]ようです。
利用者さんの治療方針を考えるには、動作の問題点を把握する必要があります。歩き方で言えば、靴のかかと部分の減り方がヒントになるもの。道行く人のかかとを気にしては、歩き方の問題点をチェックしてしまうことも“理学療法士あるある”だと言えます。
日々の買い物で、リハビリに使えそうなグッズについ目が行くという“理学療法士あるある”。特に、100円ショップには種類豊富なグッズがそろっており、理学療法士にとって[btp_line]アイデアの宝庫[/btp_line]だと言われています。「プライベートで必要なものを買いに行っただけなのに、仕事で使えそうなものにも目が行って長々と滞在してしまった」という経験のある方も少なくないでしょう。
プライベートで友人や家族の動作を見て、アドバイスしがちなことも“理学療法士あるある”のひとつ。身体に負担のかかる動作や癖の強い動作を見ると、仕事柄つい口が出てしまうようです。アドバイスに関しては「自然と出たアドバイスだったけど、感謝してもらえて嬉しかった」「余計なお世話だと思われたようで反省」などさまざまな意見があるので、相手にどう取られるかはケースバイケースと言えます。
理学療法士にとって、隣の芝生が青く見えるのはあるあるだと言います。例えば、他の理学療法士が利用者さんと楽しそうにやり取りする姿に[btp_line]「コミュニケーション能力が高い」[/btp_line]と思ったり、こまかな部分にまで目が行く様子に「気遣い上手だな」と感じたりするなど。しかし、うらやむ気持ちから他の理学療法士を見習えば、自身のスキルアップにつながるのでチャンスとも言えるでしょう。
リハビリが終了に近づくと、利用者さんはできることが増えてほとんど回復している状態になります。理学療法士にとって利用者さんの回復は嬉しいことですが、一方で「自分は何をすればいいのだろう」と複雑な気持ちも出てくるようです。利用者さんに寄り添う仕事だからこそ味わえる“理学療法士あるある”と言えるでしょう。
ご紹介した理学療法士あるあるは、どれも仕事熱心だからこそうなずけるものではないでしょうか。利用者さんのことを考え、じっくりと向き合う真剣さが、プライベートに影響を及ぼすのだと思います。介護業界で働く方のあるあるについて、こちらの記事でもご紹介しているのでぜひご一読ください。

病院やクリニックで働くイメージのあるリハビリ職。実は、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士などのスキルがあれば介護業界でも活躍できます。訪問介護ステーションに在籍し、利用者さんの自宅や介護施設などを訪ねてリハビリする「訪問リハビリ」もそのひとつです。今回は、訪問リハビリに向いてる人によくある10の特徴をご紹介します。今後もリハビリ職に従事するにあたって、自分に合った働き方を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
訪問リハビリは、要介護1以上の方でリハビリテーション施設や病院への通院が困難な方、退院後の生活に不安がある方などが対象です。利用者さんの自宅や介護施設で心身機能の維持と回復、日常生活の自立を促すためのリハビリを行います。
利用者さんがリラックスした状態でアプローチできる、実際の生活環境に合った訓練が行えることなどが大きなメリットです。
訪問リハビリに向いてる人にある10の特徴をまとめました。
利用者さんの自宅を訪れて施術する訪問リハビリでは、[btp_line]特におもてなしの心やマナーを意識[/btp_line]する必要があります。日常的に身だしなみやあいさつ、言葉遣いなどに気を配っている方は、訪問先で良好な関係を築きやすいでしょう。
コミュニケーション能力が高いことも訪問リハビリに向いてる人にある特徴です。利用者さんや介護している家族の方に対して、思いやりと尊重する気持ちを持ってコミュニケーションが取れる方は、訪問リハビリの現場において重宝されるでしょう。
訪問リハビリに向いてる人の特徴としては、[btp_line]時間管理ができる[/btp_line]ことも挙げられます。訪問リハビリでは、それぞれの利用者さんのもとへスムーズに訪れるために適切なスケジュールを立てなければいけません。時間を意識した施術ができることも求められるスキルと言えます。
多数の医療従事者がいる病院やクリニックと異なり、ひとりで作業することが多い訪問リハビリでは、自己管理能力の高さが重要です。心身ともに負担がかかりすぎないよう意識してスケジューリングできる方は、訪問リハビリに向いてる人と言えるでしょう。
利用者さんの自宅には、病院やクリニックのような設備が十分に整っていません。限られた環境で施術する訪問リハビリは、自らのアイデアで工夫しながらリハビリ効果を最大限に引き出す必要があります。創意工夫しながら臨機応変に対応できる方は、訪問リハビリでも活躍するでしょう。
訪問リハビリが向いてる人は、[btp_line]人を元気にしてあげたい気持ちが強い[/btp_line]傾向にあります。病院のリハビリ職として勤務する中で、患者さんの退院後の生活まで気になっている方は、訪問リハビリに向いているかもしれません。
個人で活動することが多い訪問リハビリは、常に自ら進んで新しい知識や技術を取り入れていく必要があります。より良いサービスを提供するための勉強意欲が高いほど、信頼されるスタッフとして認識されやすいでしょう。
訪問リハビリは、[btp_line]施術すればするほど収入面にも反映[/btp_line]されます。自分で実績を上げてより多くの収入を得ることにやりがいを感じられる方は、訪問リハビリに向いてる人と言えるでしょう。
訪問リハビリでは、日常生活の自立を促すリハビリを行います。施術者が家事に慣れていれば、利用者さんから料理や洗濯の際に感じた不便さを解消しやすくなるのです。相手に寄り添った手順を提案できるため、家事に慣れていることも訪問リハビリに向いている人の傾向と言えます。
十分な体力があることも訪問リハビリに向いてる人の特徴です。1日に複数人の利用者さんのもとを訪れることもある訪問リハビリ。[btp_line]施術だけでなく移動にかかる労力も必要[/btp_line]です。体力に自信があり、身体を動かすことが苦ではないことも訪問リハビリで求められる能力と言えます。
訪問リハビリは、より利用者さんに寄り添ったサポートを届けたい方におすすめです。また、「自分らしく働きたい」という思いがある方は、訪問リハビリに向いてる人と言えます。時間やスケジュールを自分で管理する必要はありますが、自発的に行動していく訪問リハビリの仕事からは大きなやりがいを感じられるでしょう。該当する特徴が多かった方は、介護業界で勤務することを検討しても良いかもしれません。

事務系の仕事に就きたい方にとって、医療事務や介護事務は人気の仕事でしょう。ただ、どちらも似ている分野のため、実際に働くとなると「どんな違いがあるのだろうか」と疑問に思っている方もいらっしゃるはずです。そこで今回は、医療事務と介護事務の違いや、どんな方におすすめなのかを紹介します。医療事務や介護事務を目指すにあたって、持っておくと良いスキルについてもふれていますので、参考にしてみてください。
医療事務と介護事務の大きな違いは、[btp_line]医療保険を取り扱うのか、介護保険なのか[/btp_line]という点です。ここでは、医療事務と介護事務の違いを知るために、各仕事の内容について見ていきましょう。
医療事務は主に、病院や診療所などの医療機関で勤務します。主な仕事は、[btp_line]レセプト(診療報酬明細書)作成と保険請求事務[/btp_line]です。その他には、窓口での接客や電話対応、カルテの作成・管理などを行います。
医療機関は、来院した患者さんから医療費を受け取るだけではありません。日本の医療費制度は患者さんと健康保険組合などの負担によって成り立っており、一般的に患者さんの自己負担額は最大3割です。残りの7割を健康保険組合などに請求する必要があります。
そこで医療事務の方が、毎月健康保険組合や市区町村などに診療報酬を請求する書類作成なども担っているのです。
介護事務は主に、老人ホームやデイサービスなどの介護施設で勤務します。主な仕事は、[btp_line]レセプト(介護給付費明細書)作成と介護報酬請求事務[/btp_line]です。その他には、窓口での接客や電話対応、事務書類の作成、職員の勤怠管理などを行います。
介護サービスの費用負担も医療費制度と同じく、患者さんが最大3割の費用を負担し、残りを市区町村が負担。市区町村に請求する介護報酬請求は、介護事業所が国民健康保険団体連合会に請求します。そのときに必要な書類作成も、介護事務の方が行っているのです。
医療事務も介護事務も共通点が多い仕事ではありますが、分野が違うため求められる専門知識が異なります。
結論から言うと、医療事務も介護事務も資格がなくても働ける仕事です。ただし、正確さとスピード、スケジュール管理力を求められるでしょう。
よりスムーズに仕事を進めたい方や、専門知識を深めたい方は、医療事務や介護事務にまつわる資格を取得することをおすすめします。
例えば、医療事務の場合は、医療事務技能審査試験や医療事務管理士、診療報酬請求事務能力認定試験、医療事務認定実務者など。
介護事務の場合は、介護事務管理士やケアクラーク、介護報酬請求事務技能検定、介護保険事務士、介護事務実務士、介護保険事務管理士、介事管理専門秘書検定資格などがあります。
医療事務も介護事務も似た事務仕事ではありますが、それぞれに特性があり、向き不向きがあります。そこで、どんな方に各仕事内容が向いているのか見ていきましょう。
医療事務では、[btp_line]年齢も性別も病状も異なるさまざまな方に接する[/btp_line]ため、相手の立場に立って物事を考えられる方、コミュニケーションが好きな方に向いている仕事です。もちろん医療業界に興味がある方にもおすすめ。
医師や看護師などと連携することもあるため、チームワークを大切にしたい方にも向いているでしょう。また、複数の作業を同時進行で進めることもあるため、マルチタスクでも仕事を効率的にこなせる能力も必要です。
第一に介護業界に興味がある方、高齢な利用者さんやそのご家族のサポートをしたいなど「人の役に立ちたい」と考える方におすすめです。
福祉サービスにはさまざまな助成制度などがあるため、制度についても学ぶ姿勢も求められます。その他には、事務作業を正確にコツコツ作業できる方も向いているでしょう。
医療事務も介護事務も資格がなくても働けますが、資格を持っておくと就職や転職に有利なケースも。また、どちらも育児中にパート勤務しやすいなど、家庭とのバランスを取りやすい仕事でもあります。事務職に興味がある方は、自身がどういった分野に興味があるのか、どんな知識を深めたいと思っているのかを考えて選ぶと良いでしょう。

介護の現場で活躍する「義肢装具士」とは、義手や義足、装具を作る国家資格。介護施設においては、リハビリに必要な装具を利用者さんへ提供する専門職でもあります。本記事では、義肢装具士の仕事内容ややりがい、つらいことなど詳しく解説。「義肢装具士になるにはどうすればいい?」という方へ向けて、資格取得方法についても分かりやすくお伝えします。
まずは、義肢装具士とはどのような仕事なのか見ていきましょう。
義肢装具士とは、[btp_line]医師の処方に基づいて義肢・装具を作る専門職[/btp_line]です。「義肢」とは病気やケガなどで失った手足の機能や形を復元するための人工器具のこと、「装具」とは低下した身体機能を補うサポーターやコルセットなどの器具のことをいいます。
義肢装具士の具体的な仕事内容は、次のとおりです。
・障害のある部位を観察しながら、装着部位の採寸・型取りを行う
・装着部位や体格などを考慮したうえで素材・構造・パーツなどを選定し、設計する
・義肢・装具を利用者さんの身体に合わせて調整する(医師のチェックを受ける)
義肢・装具を制作する過程で、利用者さんや医師、医療従事者ともコミュニケーションをとりながら情報収集するというのも大切な仕事です。こうして得られた情報と、医学知識・制作技術をかけ合わせ、義肢・装具を作ります。
義肢装具士が義肢や装具を提供するのは、身体の欠損や機能低下によってつらい思いをしている方々です。その中には、日々の不自由さに対するストレスから義肢装具士とのコミュニケーションを拒んだり、攻撃的になったりする方も少なくありません。義肢装具士の仕事には、こうした方々とも粘り強く接しながら、限られた納期の中で義肢や装具を完成させなければならないというつらさがあるでしょう。
しかし違う見方をすれば、義肢装具士の仕事は、日々不自由さに悩まされる方々の生活の質を高め、前向きな気持ちになってもらうためのサポートともいえます。自分が制作した義肢や装具によって、利用者さんが笑顔になる姿を見られれば、きっと大きなやりがいを感じられるでしょう。
[btp_line]義肢装具士になるには、国家資格が必要[/btp_line]です。取得方法にはいくつかのパターンがあるため、確認しておきましょう。
義肢装具士の受験資格を得るためには、主に以下の3つの方法があります。
①義肢装具士養成施設で学ぶ(3年以上)
②大学・短期大学・高等専門学校のいずれかで指定科目を履修(1年以上、高専は4年以上)した後、義肢装具士養成施設で学ぶ(2年以上)
③職業能力開発促進法に基づく義肢及び装具の製作の技能検定に合格した後、義肢装具士養成施設で学ぶ(1年以上)
このほかにも「海外で義肢装具士相当の資格を取得する」などの方法もありますが、一般的ではありません。多くは①~③の方法のいずれかで受験資格を得た後に、国家試験を受験、合格することで、義肢装具士デビューとなります。
なお、資格取得後には、義肢装具製作所・病院・リハビリテーション施設へ就職することになるでしょう。高齢化の影響で義肢・装具需要は高まりつつあるため、今後は必要とされる現場が増えていくといわれています。
利用者さんのリハビリに義肢・装具の製作者として関わる義肢装具士は、同じくリハビリのサポートを担う理学療法士と関わりの深い仕事です。そのため、介護の現場ではこれら2つの資格取得を目指す方も少なくありません。
義肢装具士と理学療法士のダブルライセンスを取得するメリットは、主に次の2つです。
・利用者さんのリハビリ・サポートの質を高められる
・介護業界でのキャリアアップができる
2つの資格を持つことで仕事の幅はますます広がるはず。利用者さんに対しても、より密接に関わることができるようになるでしょう。
関連記事:
介護の現場において義肢装具士は、日々の生活でつらい思いをしている利用者さんの助けとなれる、とてもやりがいのある仕事です。専門職の義肢装具士になるには、国家資格が必須条件。介護業界で将来性のある仕事に就きたい、キャリアアップを目指したいという方はぜひ資格取得を目指してみましょう。

訪問入浴サービスとは、在宅の利用者さんに向けて入浴介護を行うことです。寝たきりの利用者さんなど、1人で入浴することが難しい方が利用するサービスのため、サポートする側の負担も大きくなります。そのため訪問入浴サービスを提供する仕事は「きつい」と言われることも。そこで今回は、訪問入浴サービスの仕事内容や向いている人、考えられるトラブルについて紹介します。
まずは訪問入浴サービスとはどのような仕事なのか、必要な資格などについて見ていきましょう。
一般的に、訪問入浴サービスでは介護スタッフ2人、看護師1人の計3人でサービスを提供します。寝たきりで1人では身体を動かせない高齢の利用者さんや障害を持つ方に向けて、専用の浴槽を利用者さんの自宅に持ち込んで入浴をサポート。
利用者さんの自宅訪問後は、手洗いなどの感染予防を行って看護師が入浴前の健康チェックをします。そのあいだに入浴準備をし、利用者さんの着脱介助後に浴槽へ移動。洗顔や洗髪、洗身を済ませたのち、ゆっくり浸かってリラックスしてもらうという流れです。
入浴後は看護師が利用者さんに変化がないかを確認して、入浴機器の片付けが終わればサービス終了。準備から片付けまでは、1時間弱程度かかります。
訪問入浴サービス提供については、[btp_line]専用の資格がなくてもOK[/btp_line]。ただし、訪問入浴サービスでは要介護度の高い利用者さんを支援するため、介護に関するスキルを持っていたほうが良いでしょう。
例えば、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、介護福祉士などです。
訪問入浴サービスは1人で入浴することが難しい利用者さんやその家族にとって、とても大切なサービスです。しかし、さまざまなトラブルから訪問入浴サービス事業を退職する介護スタッフも。どういったトラブルがあるのでしょうか。
・身体への負担
・手荒れ
・人間関係
訪問入浴サービスは、浴槽や利用者さんの移動、入浴サポートなど力仕事と言えます。寝たきりの利用者さんの場合、全体重を支えることになるため、介護スタッフへの身体的負担は大きいでしょう。また、1日に5件以上訪問することもあるため、[btp_line]疲労がたまりやすい[/btp_line]です。
次に手荒れについてですが、訪問入浴サービスに限らず介護スタッフは、衛生面から手洗いをする頻度が高く発症のリスクが高まります。これに加えて訪問入浴サービスでは、お湯でのケアや長時間のサポートで手が乾燥しやすい傾向に。こまめなハンドケアが欠かせません。
訪問入浴サービスはチームで行うため、人間関係がギクシャクしてしまうと作業が滞ることがあります。定期的にミーティングを行い、コミュニケーションを深めておきましょう。
訪問入浴サービスは「きつい」と言われがちですが、やりがいもあります。どのようなやりがいがあるのでしょうか?主なものは以下のとおりです。
・利用者さんやその家族からの感謝
・チームワークの構築
やはり、利用者さんやその家族から感謝されることが多いです。頻繁に入浴できないと、汗や汚れでかゆみが生じたり不快に感じたりするもの。訪問入浴サービスを受けている利用者さんがリラックスしている姿を見ると、こちらまで心温まるはずです。
また、ご家族は毎日利用者さんのケアをし、心身ともに大変な負担がかかっているケースがあります。訪問入浴サービス利用中は、[btp_line]利用者さんのご家族もほっと一息つける時間と言える[/btp_line]でしょう。
そして訪問入浴サービスはチームで行います。看護師や介護スタッフそれぞれが自身の能力を発揮してサービスを提供すると、とてもスムーズに作業が進むはずです。こういったチームの成功体験は各スタッフの自信につながり、モチベーションアップを図れるでしょう。
訪問入浴サービスには「きつい」と言われる側面もありますが、介護にまつわる知識や技術を究めてやりがいを見つけられる側面もあります。最後に、どんな方が訪問入浴サービスに向いているのでしょうか。
・日勤で働きたい方
・体力に自信のある方
・コミュニケーション能力が高い方
・チームで仕事をしたい方
訪問入浴サービスは主に日中行います。そのため夜勤ではなく、[btp_line]日勤を希望する方におすすめ[/btp_line]です。また浴槽や利用者さんの移動などでエネルギーを消費するため、体力に自信があり健康な方にも向いています。
利用者さんは介護されることに慣れている場合もありますが、やはり他の方から身体を見られたり洗われたりすることが苦手と感じる方も。その際に気軽に話しかけ、緊張をほぐせるようなコミュニケーション能力が高い方にもおすすめの仕事です。
訪問入浴サービスではチームワークが大切なため、チーム内でのコミュニケーションも欠かせません。[btp_line]協調性があり、チームで目標達成に向けて行動できる方にも向いている[/btp_line]でしょう。
訪問入浴サービスにはきつい面もありますが、やりがいのある仕事でもあります。今回「自分は向いてる人かもしれない」と感じた方は、挑んでみてはいかがでしょうか。介護の知識や技術を活かし、利用者さんやその家族を笑顔にすることができるかもしれません。ただし、トラブルには注意しましょう。

本記事では、グループホームの夜勤に関する情報をお届けします。認知症の高齢者が支援を受けながら共同で生活するグループホーム。支援は24時間体制なので、日勤の介護スタッフが交代で夜勤を担当します。しかし、夜勤の介護スタッフは不足しがちなので“夜勤専従”の求人も多いのが現状です。「夜勤の仕事は楽?きつい?」「無資格でも働ける?」などの疑問を持つ方に向けて、グループホームの夜勤をテーマに仕事内容や働くメリットをご紹介しましょう。
グループホームでは、入居者さんの生活しやすい環境を整え、心身状態を穏やかに保つために介護スタッフが支援を行います。まずは仕事内容をチェックしていきましょう。
グループホームの[btp_line]夜勤で行う業務は、基本的に日勤と同じ[/btp_line]です。“入居者さんの自立した生活を支援すること”がグループホームで働く介護スタッフの要務なので、入居者さんを主体にご自身では難しい部分を介護スタッフが手助けします。
| 健康管理 | 体調チェックや服薬管理 |
| 生活援助 | 調理や洗濯など、利用者さんが行う家事全般のサポート |
| 身体介護 | 入浴介助、排泄介助 |
| 認知症の進行緩和 | リハビリやレクリエーションの実施 |
| 夜間の見守り(巡回) | 利用者さんの徘徊に備える |
[btp_line]日勤との大きな違いは“夜間の見守り(巡回)”[/btp_line]です。認知症により夜間に徘徊する入居者さんもいることを意識して見守りを行います。
介護の夜勤業務については、無資格でも可能です。しかし、入居者さんの身体にふれる介護は有資格者のみ担当できるので、無資格だとできない業務もあることをふまえておきましょう。グループホームの夜勤で実際に無資格で働けるかどうかは、事前に勤務先へ確認しておくと安心です。
夜勤の勤務時間は施設ごとに異なりますが、日勤と夜勤で交代する2交代制シフトの場合、16時間勤務のケースが基本です。仕事の流れの例として、17時出勤、翌日9時退勤のスケジュールをご紹介しましょう。
| 17時 | 出勤。日勤から引き継ぎ・申し送り |
| 18時 | 入居者さんの食事介助・口腔ケア・臥床(がしょう)介助・おむつ交換。 食後の片付け・入浴準備 |
| 20時 | 服薬介助 |
| 21時 | 消灯・随時休憩。 1~2時間ごとに巡回し、体位変換・おむつの交換・コール対応。 介護記録の作成や事務作業を行う。 |
| 4時 | 朝食準備 |
| 6時 | 利用者さんの起床時間。更衣介助・身体整容介助 |
| 7時 | 朝食。食事介助・口腔ケア・トイレ介助。 |
| 8時 | 日勤への引き継ぎ・申し送り |
| 9時 | 退勤 |
介護スタッフの夜勤の仕事内容やスケジュールについては、こちらの記事も参考にしてください。
続いて、グループホームの夜勤のメリット&デメリット、仮眠について掘り下げていきましょう。
メリットは主に2つあります。
1つ目は求人の選択肢が増えること。グループホームの夜勤は人材が不足しやすく、夜勤専従を含め募集も多くあります。選択肢が広がればより良い条件の勤務先に出会える確率が上がり、自分に合う求人情報を見つけやすくなるでしょう。
2つ目は夜勤手当を受け取れること。基本給にプラスで手当が付くため、日勤と比べて高収入を期待できます。夜勤手当は勤務先によって異なりますが、1回3,000~8,000円ほどです。
まず、グループホームの夜勤が大変と言われる理由は[btp_line]負担の大きさ[/btp_line]です。勤務時間が長いため体力面ではもちろん、入居者さんの緊急事態にも備える必要があり精神面の負担も大きくなるでしょう。そのほか、対応が重なれば休憩が取りづらいこと、一人体制が多いことなども理由に含まれます。これらの理由はグループホームの夜勤のデメリットと言えるでしょう。
介護職の夜勤の大変さについては、こちらの記事でもご紹介しています。
グループホームの夜勤については、仮眠を取れるかどうか事前に勤務先へ確認しておくことが大切です。現場で活躍中の介護スタッフによると、「仮眠は取れない」「一応取るものの、安心できないため休んだ気がしない」など意見はさまざま。勤務先の夜勤体制や方針によっても異なるので、はっきりと“仮眠が取れる・取れない”を言い切るのは難しいようです。
介護施設の夜勤の仮眠についてはこちらもチェックしてください。
グループホームの夜勤において重要視されるのが、体力があること。夜勤中は入居者さん対応を一人で行い、生活リズムも乱れます。体力に自信のある方なら、幅広い業務で活躍できるでしょう。また、臨機応変な対応に自信のある方、給料を重視する方もグループホームの夜勤に向いていると言えます。
グループホームの夜勤には、日勤にはない業務も含まれます。一見大変そうに思えますが、実際にやってみると大きなやりがいを感じられることもあるでしょう。関連記事では介護スタッフの夜勤エピソードもご紹介しているので、“グループホームの夜勤スタッフ”として働くことを考える際の参考にしてください。

介護業界で注目されているのが「介護DX」という取り組み。デジタル技術の導入によってさまざまな介護業務を効率化していくことで、人材不足による介護職の負担増を解消できるのでは、と期待されています。本記事では「介護DX」の概要やメリット、推進のポイントを詳しくまとめました。日本での「介護DX」の現状についても触れているので、介護業界の今を知りたい方はぜひ読んでみてください。
「介護DX」とは、介護現場における「デジタルトランスフォーメーション」の略称であり、[btp_line]介護現場にデジタル技術を取り入れ、介護業務のワークフローを変革すること[/btp_line]をいいます。
これとよく似た言葉でICT(情報通信技術)やAI(人工知能)、IoT(インターネット技術)などもありますが、これらはすべてDXを実現するための手段。「介護DX」は、ICT・AI・IoTといった技術を含めた、より大きな意味で使われています。
※関連記事
介護現場における「介護DX」の推進には、次のような現状があります。
「介護DX」が現場で求められるようになったのは、急速な高齢化と慢性的な人材不足が主な理由です。日本では年々高齢化が進み、介護を必要とする人口が増えつつありますが、その一方、介護業界では人材拡充がなかなかできない状況が続いています。
そのため「介護DX」によって、人材不足による介護業務負担の軽減や効率化を目指す動きが生まれたのです。
介護の現場をより良いものにできるとして注目されている「介護DX」ですが、実際にはあまり普及が進んでいません。これには、さまざまな理由があるようです。
その1つは、[btp_line]介護職のITスキル不足[/btp_line]。今までアナログ作業が当たり前だった介護施設では、デジタル機器や介護システムを導入したとしても、かえってスタッフの効率を下げてしまうことになりかねません。「前のままで良かったのに…」と新たな業務に不満を持つスタッフが出てきてしまうと、現場でのDX化も進めにくくなるでしょう。
また、「介護DX」のノウハウを持つ介護施設の管理者が足りていないというのも普及が進まない理由の1つです。「介護DX」は導入したからといってすぐに効果が出るものではありません。現場の課題に合わないツールを選択したり、効率的に進められなかったりすると、ますます成果を出すことが難しくなってしまいます。
介護現場における「介護DX」の普及には、現場の介護職と施設の管理者、双方がその必要性を理解し、情報収集しながら進めていくことが大切なのです。
「介護DX」を推進するとどのようなメリットがあるのでしょうか。主に次の3つが挙げられます。
「介護DX」を導入すると、これまで人手で行っていた業務がデジタル化され、いくつかの作業は自動化や省力化ができるようになるでしょう。その結果、現場の人員不足が解消され、[btp_line]業務負担を理由に離職する介護職も少なくなるのでは[/btp_line]、といわれています。
アナログでの作業の中には、どうしてもスタッフの経験やスキルに左右される部分が出てきてしまいます。1つの仕事にかける時間もスタッフによってばらつきがあるでしょう。その点、業務のデジタル化が進めば、これまでの非効率な部分がどんどん改善され、いつでも誰でも一定のクオリティーでサービスを提供できるようになります。業務進捗や利用者さんのデータなどもすぐに確認できるようになれば、緊急時にも対応しやすくなるでしょう。
「介護DX」の導入は、2021年から開始された「LIFE(科学的介護情報システム)」の運用においてもメリットがあります。LIFEとは、介護施設が提供するケアの計画・内容、利用者さんの情報などのデータを厚生労働省へ送ると、その情報が分析され、施設側にフィードバッグされる情報システムです。LIFEが運用開始されたことで介護サービスの質の向上につながるとされていますが、いまだLIFEデータの生成に苦労している施設も少なくありません。しかし「介護DX」を導入すれば、普段からケア記録がデータ化した状態で保管してあるため、[btp_line]LIFEデータの生成もスムーズに[/btp_line]。LIFEデータの生成による業務負担を軽減することにつながります。
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最後に「介護DX」を推進するときに気をつけたいポイントをお伝えします。
DX化によってこれまでの業務を大きく変革することになるため、現場が混乱してしまう可能性は高いでしょう。そうならないように、介護施設や事業所の管理者が最初に[btp_line]推進の目的や方針を明確化[/btp_line]し、現場へ分かりやすく伝えることが大切です。
「介護DX」を推進するプロジェクトメンバーを決めましょう。その際には、重要な決定事項をスムーズに実行できるように、管理者から現場へのトップダウン形式になるようにします。人員が足りない場合には、外部から第三者をメンバーに含めてもいいでしょう。
「介護DX」を推進する目的や体制が決まったら、現場の課題を明確化します。普段の業務フローやすでに使用しているシステムなど、現状の洗い出しを行いましょう。
課題が明確化されたら、次はその中のどの課題から取り組むのか優先順位を決める必要があります。優先順位を決めずに、いくつもの業務を一度に変更することは現場の混乱を招くためおすすめできません。
優先順位が決まったら、その順にそってDX化を進めましょう。その際に参考になるツールが[btp_line]「介護DXカオスマップ」[/btp_line]です。これは、介護分野におけるICT関連情報を発信する「つながる介護さっぽろ」が、毎年無償で公開しているもの。介護現場で活用できるIT・ICTサービスが目的や機能ごとに分類され、一目で分かるようになっています。
◆つながる介護さっぽろ「介護DXカオスマップ」はこちら
業務のDX化が実践できたら、必ず効果検証を行い、改善点を明確化しましょう。しっかりと効果検証・改善まで行うことで、取り組みが現場へと定着し、最適化されていくようになります。
「介護DX」は、高齢化が進む今の日本において、介護業界が抱える人材不足を解決に導く手段として注目されています。さまざまな理由から普及が思うように進まないという現状がありますが、数年後には今よりもさらに「介護DX」の波は大きくなっているかもしれません。介護職のみなさんもぜひ、「介護DX」の必要性について一度考えてみてはいかがでしょうか。

高齢者の生活をサポートする仕事の介護職。老人ホームや介護施設、訪問介護など、さまざまな現場で活躍できる職種です。幅広い活躍の場があるなかで、フリーランス介護士という働き方が登場し、注目を集めています。そこで今回は、一般的な介護士との違いや具体的な働き方、フリーランス介護士になるメリットなどを詳しくご紹介しましょう。フリーランス介護士として働く際の注意点もまとめたので、今後の働き方の参考にしてみてください。
フリーランス介護士とは、老人ホームや介護施設といった特定の施設や会社と雇用契約を結ばず、[btp_line]業務委託や個人として介護サービスを提供する働き方[/btp_line]です。つまり、会社員やパート、アルバイトなどではなく、個人事業主として働くことになります。これまで培ってきた介護のノウハウを活かし、自由な働き方が叶うとして注目を集めているのです。
▼自由な働き方を探す方はこちらの記事も参考してください
フリーランス介護士は、施設や会社などに属さずに働くため、介護保険制度を活用して仕事を行うのが難しくなります。そのため、介護保険制度外のサービスを提供することが一般的です。すると、制度に縛られない、自由な働き方を実現できます。ここからは、フリーランス介護士が具体的にどのような働き方ができるのかを詳しくチェックしていきましょう。
まずひとつめにご紹介するのは、介護施設と業務提携を結んで働く方法。自分の条件とマッチする施設を探し、[btp_line]直接業務委託の契約[/btp_line]を結びます。業務委託先を探すには、介護求人サービスに相談する、介護を依頼したい方と介護職のマッチングを行うプラットフォームを活用するといった方法が代表的です。
特定の施設や会社と業務委託を結ばず、利用者さんやその家族と直接契約を結ぶ方法もあります。
例えば、高知県在住の高松ひとみさんは、近所に住んでいる高齢夫婦の介護を始めたことがきっかけでフリーランス介護士として活動をはじめたのだとか。
▼高松ひとみさんのブログはこちら
また、関東を中心に活動するフリーランス介護福祉士アルゴさんは、自身で会社を立ち上げ、介護保険外サービスなどを提供するかたわら、フリーランス介護士としての働き方の情報発信を行っています。
▼フリーランス介護福祉士アルゴさんのnoteはこちら
他にも、SNSを活用して介護を必要としている方を探す、知り合いのソーシャルワーカーやケアマネージャーから依頼を受けて契約を結ぶ方法も選択肢のひとつ。自分で直接利用者さんと契約を結ぶ場合には、その自由度の高さから副業をすることも可能です。
▼介護職の副業についてはこちらの記事もチェック!
ここからは、フリーランス介護士になることで得られるメリットをご紹介しましょう。
フリーランス介護士は、特定の施設や会社に所属しないため、働く場所や時間を自由に選択できる点がメリットです。自宅から近い場所だけ、子供が保育園や学校に行っている時間だけなど、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。そのため、仕事と家庭の両立がしやすいでしょう。また、働く場所が選べる点から、職場の人間関係に悩まされる機会も減るはずです。
フリーランス介護士は、自分で働く環境や時間を選択できるため、ゆとりをもった介護サービスの提供がしやすい立場です。そのため、利用者さん一人ひとりに寄り添った、きめ細やかな介護サービスが提供できます。[btp_line]介護保険外の要望にも応えやすく、柔軟な対応ができる点もメリット[/btp_line]といえます。介護施設ではできなかった利用者さんの細かい要望に応えられることで、仕事に対するやりがいも増すでしょう。
フリーランス介護士は、会社から給料をもらうのではなく、利用者さんやその家族から直接料金をもらいます。そのため、自分が頑張ったぶんだけ収入アップができる仕事です。また、フリーランス介護士としてスキルを高めると、選ばれる介護士として成長でき、[btp_line]リピーター獲得などによって収入アップ[/btp_line]が見込めます。
フリーランス介護士として働く際に、覚えておきたい注意点もチェックしておきましょう。
一般的な介護施設や会社に所属していれば日々一定の仕事がありますが、フリーランス介護士はそうはいきません。ただ待っていても仕事は得られないため、[btp_line]自ら営業活動をする[/btp_line]必要があります。
また、今まで利用していた方が入院した、亡くなったといったケースなどで、仕事がゼロになってしまう可能性があることも覚えておきましょう。ほかにも、自分が体調不良となり仕事ができない状況になると、収入が減ることも考えられるため注意が必要です。
フリーランス介護士は個人事業主として働くこととなるため、収入や経費の管理、確定申告といった事務作業を自分で行う必要があります。また、委託業務元への請求書や利用者さんへの領収書発行なども、自分で行うのが基本。忘れないように実施しましょう。税理士にお願いできる項目もありますが、費用が発生するため、収入とのバランスを考えなければいけません。
利用者さんからクレームがあった、けがをさせてしまったなど、何らかのトラブルが発生した際、フリーランス介護士の場合は自分で対応する必要があります。ある程度のトラブルを想定して対応方法を考えておく、[btp_line]助け合える介護士同士のつながりを作っておく[/btp_line]といった対策が必要です。ほかにも、トラブルを見据えて保険に加入しておくのも良いでしょう。
どのような方がフリーランス介護士として向いているのかをチェックしていきます。
施設や会社に所属している場合には、決まった時間に出勤して与えられた仕事をこなします。しかし、フリーランス介護士は勤務場所や勤務時間などは自分で決めるため、[btp_line]自己管理能力が重要なポイント[/btp_line]。うまく自己管理できる方ほど、自分にマッチしたワークスタイルを確立しやすいのです。サービス料金も自分で設定するため、お金の管理が得意な方もフリーランス介護士として向いています。
フリーランス介護士は、自らアクションを起こして顧客を獲得する必要があるため、フットワークの軽さも求められます。また、介護事業所や利用者さんの元にすぐに駆けつけることで、業務委託先や利用者さんとの信頼関係が築きやすくなり、今後の活躍の場を広げられるでしょう。さらに、フットワークが軽いことで、より広範囲の利用者さんの元へ行くことができ、多くの顧客獲得が目指せるはずです。
フリーランス介護士は、場所や時間を自由に選択して働くことができますが、自らの営業努力やスキルによって、日々収入が上下しやすい傾向に。つまり、仕事量や収入に幅があり、[btp_line]ワークライフバランスやワークスタイルが変化しやすい[/btp_line]のです。こういった変化が、ときにストレスになる場合もあります。そのため、ある程度環境の変化を気にしない考え方を持っている方が向いているでしょう。
フリーランス介護士は、働く場所や時間を自分で選べる自由度の高い仕事です。また、介護保険外サービスをメインで提供できることで、きめ細やかなケアができる点も魅力。一方で、自分で営業活動や事務作業を行う、トラブル対応能力を身に付けるといった注意点もあります。こういったフリーランス介護士というワークスタイルを視野に入れ、自分にぴったりな働き方を見つけてみてください。

フリーランス看護師やフリー看護師という働き方があるのをご存知でしょうか?特定の勤務先に在籍せず、独立した看護師として医療の知識・スキルを提供する働き方のことです。こちらの記事では、看護師がフリーランスで働くメリットや注意点を詳しく解説します。実際にフリーランス看護師として活躍している方の仕事内容についてもご紹介しますので、自由な働き方に興味がある方はぜひ目を通してみてください。
フリーランス看護師(フリー看護師)とは、医療機関や介護施設といった特定の組織に属さない働き方のこと。デザイナーやエンジニアなどのフリーランスと同じように、勤務場所や時間、スケジュールをライフスタイルに合わせて自由に選択できるのが特徴です。
フリーランス看護師は、場所や時間の制約を受けずにさまざまな働き方ができます。ここでは、代表的な働き方をご紹介しましょう。
正規で雇用されている[btp_line]常勤看護師のヘルプ要員[/btp_line]となる働き方です。「退職者の欠員が補充できるまで」「常勤看護師の長期休暇の間だけ」といた場面で求められ、即戦力としての活躍が期待されます。
一部の訪問看護ステーションでは、[btp_line]登録制でフリーランス看護師を受け入れ[/btp_line]ています。訪問看護は、利用者さんが暮らす自宅や施設に訪問し、医療サービスを提供するのが役割です。訪問中は、健康状態の観察をはじめ、療養生活の相談やアドバイス、リハビリテーションなどさまざまな業務を任されます。また、利用者さんだけでなく、ご家族・主治医・介護スタッフとの連携も必要です。
フリーランス看護師には、学校や企業、健診センターなどで実施される定期健診スタッフ・イベントなどの会場で応急処置を担当するイベントナース・旅行会社主催のツアーや学校行事に付き添うツアーナースとしての働き方もあります。これらの仕事は、単発のアルバイトとして求人が出ることも多く、[btp_line]隙間時間を有効活用[/btp_line]したい看護師にぴったりです。
看護関係の研修や学会で、[btp_line]スタッフ・講師として働く[/btp_line]方法です。経歴が長く、高度な技能が認められている看護師や、専門的なスキルを身につけた看護師が活躍しています。全国でマルチに活動したい方に、おすすめの働き方です。
看護師がフリーランスとして働くメリットは大きく2つあります。
フリーランス看護師は、勤務時間や休日が固定されておらず、自分の都合に合わせてスケジュールを決められます。キャリアを積みたい・午前中だけ働きたい・まとまった休みを確保したいなど、理想とする働き方を実現することが可能です。
職場の人間関係で悩みにくいのも、フリーランスならではのメリットです。フリーランス看護師は、基本的にスポット的なヘルプ要員として求められるため、働くメンバーが固定されません。仮に苦手な方がいたとしても気持ちを割り切りやすく、人間関係でのストレスを感じにくくなるでしょう。
一方で、フリーランスという働き方には注意点もあります。
フリーランスは、看護師に限らず収入が安定しません。自ら動かなければ仕事を得られず、報酬も現場や仕事内容によって異なるためです。勤務時間を自由に選択できるのがフリーランス看護師のメリットですが、都合ばかりを優先すれば、当然毎月の収入は少なくなります。
フリーランス看護師には、仕事の受注・スケジュール管理・書類作成・税金や保険の手続きといった[btp_line]医療提供以外の業務[/btp_line]が発生します。特定の施設に属するわけではないため、わからないことがあっても自分で対応しなければなりません。
立場が不安定なフリーランス看護師は、社会的な信用を得にくい側面があります。日本では「フリーランス=いつどうなるかわからない」とみなされるためです。仮にフリーランスに転向してから収入がアップしたとしても、ローンやクレジットカードの審査に落とされるケースは少なくありません。
安定した収入を得ようと、頑張って仕事を詰め込みすぎてしまう可能性があります。たしかにフリーランスは、案件を獲得するために自分を売り込む必要がありますが、忙しくなりすぎるとかえって自由度が低くなることも。理想とする働き方と収入の両立に悩む方も多くいます。
看護師のニーズは年々高まっており、活躍の場は広がりつつありますが、フリーランスとして成功するには必要な資質がいくつかあります。フリーランスへの転向を考えている方は、自分に当てはまるかどうかをチェックしておきましょう。
[btp_line]自己管理能力に優れている[/btp_line]方は、フリーランス看護師に向いています。フリーランスは、健康や睡眠時間、食生活、スケジュール、会計といったさまざまな場面での管理能力が必要となるためです。管理がずさんだと、クライアントからの信用を失い仕事をもらえなくなるリスクがあります。
[btp_line]自主的に新しいことを学べる向上心がある[/btp_line]方も、フリーランス看護師に向いていると言えます。フリーランス看護師は、すでに看護スキルに長けているとみなされるため、誰も指導はしてくれません。だからこそ、新しい知識や技能は自ら積極的に習得する必要があります。
状況や環境の変化を楽しめるかどうかも、フリーランス看護師に求められる資質です。フリーランス看護師は現場ごとに仕事内容が大きく変わります。保守的で変化への対応に抵抗がある方は、フリーランス看護師としての働き方に強いストレスを感じる可能性も。新しい状況や環境をワクワク感じるような気性でなければおすすめできません。
[btp_line]コミュニケーションスキルが高い[/btp_line]方は、フリーランス看護師に向いています。クライアントと信頼関係を築く力があれば、コンスタントに仕事の依頼をもらえるからです。また、現場では毎回のように新しい方との出会いがあります。対人スキルが高いほど、短時間で環境やチームメンバーに馴染みやすく、円滑に仕事を進められるでしょう。
実際にフリーランス看護師として活躍している方は、SNSなどを活用したり派遣会社にツアーナースとして登録したりといったさまざまな方法で、日々営業活動を行っています。
・「てごナース きたひろ」さん
広島県山県郡北広島町を活動拠点とするフリーランス看護師です。総合病院と精神科病院での勤務を経て、フリーランスに転向したそう。事業内容は簡単な調理・洗濯・掃除といった[btp_line]「家事援助」[/btp_line]や、食事や入浴介助・オムツ交換などの[btp_line]「身体援助、見守り」[/btp_line]、買い物やお墓参りなどの[btp_line]「代行サービス」[/btp_line]など多岐にわたります。もちろん、吸入や注入、インスリン注射といった医療行為も提供。日常の困りごとから病状急変時の対応まで、幅広い場面で高いスキル・技能を提供されています。
▼「てごナース きたひろ」さんの詳しい事業内容はこちらから

介護施設は利用者さんとの世代間ギャップだけでなく、スタッフ同士の世代間ギャップも大きい職場です。ときには、世代間の意識のズレが原因でトラブルが起きたり職場の雰囲気が悪くなったりすることも。すべての方が気持ち良く働けるために、ギャップが起きる原因を知っておきましょう。今回は、介護職同士で起きやすい世代間ギャップの具体例やトラブルに発展させないための方法などを紹介します。
そもそもなぜ世代間ギャップが起きるのでしょうか?それは生まれ育った年代によって価値観や文化などが違うためです。生まれ育った年代が近ければ近いほど、ギャップは生じにくいでしょう。
「昭和とはこういうものだ」というわけではありませんが、一般的に、昭和の時代だと年長者を敬い、上司の命令や仕事なら残業も当たり前という考え方が多くありました。平成~令和にかけては年上を敬いつつも成果主義に変わっていき、仕事とプライベートをきっちり分けるような考え方になっているように感じます。
このように時代とともに価値観が変化するため、以前の価値観に執着してしまうと世代間ギャップが大きくなりやすいでしょう。
最近よく話題になる世代間ギャップの具体例を紹介します。
<電話対応>
メールやSNSの普及で、電話対応が苦手な方が増えています。とくに10代や20代に多く、[btp_line]電話の応対がわからない[/btp_line]というのです。近頃は固定電話が減っているため、他の家に電話をかけるという経験が少ないことが原因と言われています。
<報告の方法>
報告の方法でも世代間ギャップが生まれることも。メールやメッセージアプリが身近にある10代~20代は、「メールのほうが早い」や「確実に伝わる」と思っていることもあります。しかし年配の方ほど、報告は「口頭ですべきもの」と考えているケースも。
<ワークライフバランス>
健康を意識して、仕事を効率的に行うためにもワークライフバランスの推進が進んでいます。そのため若い世代ほど、仕事とプライベートを区切りプライベートを充実させたい考える傾向があるでしょう。一方、年配の方は「仕事を優先させることが当たり前」という環境で仕事をしてきた方が多いため、[btp_line]仕事への取り組み方に対してギャップが生じやすい[/btp_line]のです。
以上のように、世代間ギャップが起きることは仕方ありません。しかし、世代間で自分の意見を曲げずに働くと、さまざまなところで支障が起きる可能性があるでしょう。
世代別に苦手と感じる部分をフォローする勉強会を開いたり、連絡方法を統一したりするなど対策を考えるのもおすすめです。
では、どうすれば世代間ギャップを埋めて、トラブルを起こさず働けるようになるのでしょうか?ここでは、世代間ギャップを防ぐための対策方法について紹介します。
まずは相手を否定しないことです。誰でも否定されると心を閉ざしてしまうもの。世代に関係なく考え方は人それぞれであることを意識し、[btp_line]「そういう考え方もあるのか」と共感[/btp_line]してみましょう。
人は相手が何を考えているのかわからないと不安になるものです。また、自分の考え方と違うと、「相手が間違っている」と感じるケースもあります。
そういったときは一旦冷静になり、どうして相手がそのような行動(発言)をしたのか考えてみると良いでしょう。
普段、仕事の指示や同僚と会話をするときはどのような話し方をしていますか?早口で話したり、目を合わせず会話したりしているケースもあるかもしれません。これでは相手を思いやっているようには感じにくいです。
話している方の目を見る、または目線の高さを合わせるなどの工夫をすると良いでしょう。また話しやすい雰囲気を演出するために、落ち着いて穏やかなトーンで話すようにすると良いです。
どんな職場でも同じですが、とくに介護施設では「報・連・相」を意識しましょう。介護スタッフが困るだけでなく、[btp_line]利用者さんに迷惑をかけてしまう可能性があるため[/btp_line]です。
また、こまめに「報・連・相」をすることで自然と会話が生まれ、世代間の垣根が崩れる良いきっかけになることも。継続することで、コミュニケーション能力アップにもつながるかもしれません。
世代間ギャップはどうしても生じるものです。しかし、年代に関わらず相手を敬い、共感して思いやる気持ちを持って接すれば、世代間ギャップによるトラブルは防げます。また当たり前ですが、挨拶をする・悪口を言わないなど社会人としての基本的なマナーも忘れないようにしましょう。

介護現場は利用者さんの最期を看取る場面が多い職場です。だからこそ、他の職場と違って特別な作法や葬儀対応があるのか心配になってしまいます。そこで今回は、介護現場別に利用者さんが亡くなった後、ご家族へのお悔みの言葉や葬儀対応はどうするべきなのかをまとめて解説。自分の職場の規則や雰囲気と照らし合わせながら確認してみましょう。
まずは介護現場で利用者さんが亡くなったときの葬儀までの流れを確認していきましょう。例として、施設入居者さんが亡くなった場合から解説します。
医師による死亡宣告があった後、ご家族の方へ亡くなった経緯の説明と処置対応の希望をお聞きします。スタッフがエンゼルケアを行い、医師から死亡診断書が発行されるという流れです。
次に、ご家族が指定した安置場所へご遺体が搬送されます。
通夜・葬儀が行われます。参列は施設・事業所による判断で、施設長が参列するか、弔電・供花を送るのが一般的な流れです。
利用者さんが亡くなられたときにご家族へかける[btp_line]お悔やみの言葉は、介護現場であっても違いはありません[/btp_line]。「ご愁傷さまです(ございます)」「お悔み申し上げます」など一般的に使う言葉を使用しましょう。なお「ご冥福をお祈りいたします」という言葉は、宗派によっては使えず、そもそも故人本人へかける言葉なので安易に使うのは禁物です。
以上を踏まえて、ここからはケアマネジャーや訪問ヘルパーなど、介護現場それぞれの立場・利用形態ごとの葬儀対応をご紹介していきます。
利用者さんが亡くなられたとき、今後の流れについてもご説明が必要な立場のケアマネジャー。ご訃報を聞いたとき、心身ともにお疲れのご家族へどこまで伝えるか迷うものです。
最初の電話ではご家族へ労いの言葉をかけ、福祉用具の引き上げや、サービス事業者などの関係機関へご訃報を伝えてよいかなどの事務的なことも取り急ぎお伝えするという方が多いよう。通夜・葬儀への参列は事業所の方針によって違いますが、個人としては参列しないケースが一般的なようです。参列しない場合は後日ご焼香に訪問する、福祉用具引き上げの際に同行してご焼香するというケースもあります。
訪問ヘルパーや訪問看護師の場合も、個人の裁量に任せるという事業所がほとんど。しかしながら、訪問ヘルパーや訪問看護師は利用者さんと家族のような信頼関係で強く結ばれていることから、[btp_line]個人的に通夜か葬儀のどちらかに参列する方が多い傾向[/btp_line]です。通夜・葬儀に参列しない場合、後日ご焼香へ訪問する方もおられます。
入居型施設で入居者さんが亡くなった場合、まずは他の利用者さんへ配慮することが必要です。ご家族が荷物を取りに来られて遺品の整理をされる場合などがあるため、パーテーションで仕切ったり、同室の方が不在の時間帯にお通ししたりなど工夫しましょう。ただし、亡くなったことを隠しすぎると悪い噂話として広まってしまう場合があるため、他の入居者さんに聞かれたら答えるなど、亡くなったことを伝える対応も場合によっては必要です。
葬儀については、施設の代表者が参列する場合が多いよう。スタッフがするのは故人が施設を出られる際のお見送り程度です。
最後に、デイサービスのみ利用されていた方が亡くなった場合も確認していきましょう。
訃報が入るのは利用を休止してからの場合がほとんどで、休止前の利用状況や休止期間の長さで葬儀への対応を判断する傾向です。また、葬儀には参列せず施設として弔電を送ったり、ご家族が落ち着いてからご焼香に訪問したりするケースもあります。スタッフが参列することは個人的な思いが強いとき以外は少ないようです。
利用者さんが亡くなった際の葬儀までの流れと、介護現場別の葬儀対応をご紹介しました。介護現場だからといって、特別な作法があるわけではありません。施設や事業所の対応として葬儀に出向くのは基本的に施設長のみの場合、利用者さんに関わったスタッフとして後日お悔みの気持ちをご家族にお伝えすると丁寧な印象になるでしょう。この記事をきっかけに、今一度所属施設・事業所の決まりを確認してみても良いかもしれませんね。

「病院の外に出て経験を積んでみたい」「現場から離れているけれど、資格があるから看護師に復職したい」と考えている方にこそ、訪問看護師はおすすめの仕事です。そこで、訪問看護師へ転職するメリットや、転職する方法をご紹介します。迷っている方は、まずはこの記事から訪問看護師という働き方について考えてみませんか?
訪問看護師は、施設や病院で働くよりも利用者さんやご家族と密な関係を築けるため、やりがいをより感じやすい環境です。業務面では、家でどのような生活をしているかがわかるため細かなケアがしやすいほか、目の前の利用者さんへ時間をしっかりとって向き合えます。働き方の面では、定時で帰りやすく夜勤がないなど、自分のペースで仕事を進められるという点が魅力でしょう。
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訪問看護師へ転職するには、大きく分けて2つの方法があります。詳しくご紹介していきましょう。
転職を意識したとき、まず考えるのが求人サイトの利用ではないでしょうか。看護師専門の転職サイトもあり、サイト内に掲載された個別の訪問看護師の求人へ応募するほか、転職エージェントと相談して応募する方法もあります。未公開求人や全国の求人へ対応しているのが特徴で、複数の事業所を比較できる点が魅力です。
訪問看護ステーションへ直接応募するという方法もあります。目当ての事業所のホームページに掲載された募集要項を参考に、転職にまつわるすべてを自分で行う方法です。第三者を介さない分スムーズに転職が進めることができ、問い合わせれば細かな部分も融通が利く可能性が高い点が魅力といえるでしょう。
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訪問看護師へ転職するなら、まずは自分に合った訪問看護師のステーションを見つけることが重要です。ここからは、転職する際に注目したいポイントを3つご紹介しましょう。
まずは働く際の条件です。みなし残業がどれくらいあるのか、定期昇給は毎年あるのか、退職金制度は完備されているかといった点を中心に比較しましょう。昇給や退職金といった給与に関する点は、訪問看護ステーションが医療法人なのか、民間企業が運営する株式会社なのかで変わってきます。
次に、年間休日とオンコールの回数を比較しましょう。訪問看護は一般的に土日祝日休みの職場が多い傾向です。また夏季や冬季に長期休暇を設けているケースもあり、年間休日は約120日程度が目安でしょう。しかし、ステーションの規模によってはスタッフの人数が少なく、休みに関して融通が利きにくいという場合もあるため注意する必要があります。
オンコールは基本的にはどの事業所にもありますが、日勤だけの求人ではオンコールがないという場合も。ただし、その後スタッフが少なくなってオンコール対応も頼まれるようになることもあるため、月の担当回数や緊急訪問の頻度は確認しておくと良いでしょう。
最後は職場環境のチェックです。転職後どれくらいの期間先輩スタッフと同行訪問をして1人での訪問へ切り替わるのかは気にしておきたいポイント。また、訪問看護ステーションによってターミナルケア・リハビリ・難病ケアなど、メインとなる利用者さんの傾向が異なります。どんな方をメインに訪問看護に関わりたいか希望がある場合は、面接などで確認しておくのがおすすめです。
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訪問看護師へ転職するメリットや方法、気を付けたいポイントなどを簡単にご紹介しました。訪問看護の現場は需要に対して人手不足の傾向のため、転職して即戦力になる方だけでなく、ブランクがある方も募集していることが多い傾向です。施設や病院とは異なる風土で働きたい方や、運営や管理、経営といった点についても学びたい方は、今回の記事を参考に訪問看護ステーションへ転職することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

介護職からの転職として検討する方が多いのが、看護助手です。最近は看護助手を募集している医療機関も多く、看護助手の求人を目にすることもあるのではないでしょうか。看護助手と介護職の仕事内容には共通点もあるため、気になる方も多いよう。そこで今回は、看護助手の仕事内容や勤務形態、年収、介護職から転職するメリットについて解説していきます。介護職からの転職を検討している方必見です。
[btp_line]看護助手は医療機関に在籍し、看護師のサポートを行うのが主な仕事[/btp_line]です。看護補助者やナースエイドと呼ばれることもあります。施設や配属場所によっても異なりますが、看護助手の行う主な仕事内容を確認していきましょう。
看護助手は、看護師の指示のもと患者さんをサポートします。疾患により体が思うように動かすことができない入院患者さんの食事介助や排泄介助、移動介助など身の回りのケアを行うのが看護助手の役目。着替えのサポートや検査への付き添いなどを行うこともあるでしょう。医療行為ができるのは医師または看護師のみとなっているため、それ以外の範囲でお世話を担当します。
入院患者さんが気持ちよく過ごせるよう、施設内の環境整備を行うのも看護助手の仕事です。具体的には、病室の清掃やシーツ交換、ゴミの回収といった業務が挙げられます。洗濯やベッドメイキングを担当することもあるかもしれません。
看護助手は、業務がスムーズになるよう看護師の補助業務を担当します。例えば、処置に必要な備品の補充・準備、医療機器の消毒など。患者さんが医療行為を受けるときのサポートに呼ばれることもあります。医師に検査結果を伝える、患者さんに書類を渡すなどといった、医師と患者さんの橋渡し役を担うこともあるでしょう。
診察に必要な伝票やカルテの伝達・運搬を行うこともあります。患者さんごとに個別のカルテがあるため、診察のたびに運搬することもあるかもしれません。電子カルテも増えていますが、紙でないといけないケースもあるため、必要なときにすぐ使用できるよう整えておきます。
働く病院や診療科によっても異なりますが、2交代制や3交代制、シフト制など、看護師と同じような勤務形態になることが多いようです。入院患者さんがいる病棟勤務の場合、土日出勤や夜勤があるところもあるでしょう。アルバイトやパートの場合は日勤のみも可能ですが、正社員で働く場合は夜勤が避けられない可能性も。クリニックの場合は病床がないため、夜勤は基本的にありません。
看護助手の年収も気になるポイントです。厚生労働省が提供する職業情報提供サイトjobtagによると、[btp_line]令和4年の看護助手の年収は309万円[/btp_line]となっています。働くエリアや勤務先によっても異なりますが、おおよその目安になるでしょう。
介護職の年収はというと、施設に勤務する介護職の場合年収は362万円、訪問介護員やヘルパーの年収は353万円となっており、看護助手の年収が低い傾向にあります。介護報酬の改定による賃金の改善が年収にも反映しているようです。
介護職から介護助手に転職するメリットには、以下のような点が挙げられます。
患者さんの身の回りのお世話は、介護職と看護助手に共通する仕事です。これまで介護職で介助をしてきた方には慣れ親しんだ業務となり、対応もしやすいでしょう。病気で不安を抱える患者さんにより近い場所から寄り添い精神的なサポートするなど、介護の仕事と近しい部分もあります。カルテの整理や器具の清浄など看護助手ならでは業務もありますが、[btp_line]これまでの経験が活かせる仕事も多い[/btp_line]でしょう。
看護助手の場合、医師や看護師のような国家資格はありません。一定のスキルを示す民間資格はありますが、[btp_line]資格がなくても就業可能[/btp_line]です。これまで介護職しか経験していない方でも、挑戦しやすい仕事でしょう。介護の現場で働いていた経験があれば、即戦力として採用される可能性もあります。
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今回は看護助手の仕事について詳しく解説しました。医療の現場でサポート役を担う看護助手は、近年需要が高まっています。看護助手の求人を出している病院も多く、転職先を見つけやすいでしょう。介護職との共通点も多々あり、看護助手に転職する方も多いよう。転職先を検討しているなら、看護助手も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

介護の現場でよく耳にするショートステイ(短期入所生活介護)ですが、どんな内容の介護サービスなのか、意外と知らない方もいるはずです。また、実はショートステイには、短期入所生活介護だけでなく、いくつか種類があります。そこで今回は、ショートステイの詳しい内容を簡単にわかりやすくご紹介しつつ、3つあるショートステイの種類についても解説。また、それぞれの特徴や人員体制など、知っておくと役立つ情報も一緒にお届けしましょう。
ショートステイとは、介護施設で暮らす入居系介護サービスとは違って、[btp_line]短期間だけ介護施設で高齢者に介護サービスを提供する[/btp_line]ことを指します。利用者さんは1日単位で利用することができ、食事や入浴などの介護を行うサービスです。サービスの提供期間は、最短で1泊か、最長で30日間まで、連続して提供することができます。デイサービスとは違って、ショートステイはホテルのように宿泊を含めて利用してもらうことが可能です。主に、在宅介護をしている方で、子どもの世話や仕事などの都合でどうしても自宅で介護できなくなった際に活用する方が多いようですね。また、病院から退院後、利用者さんの生活リズムを整える目的や、将来の介護施設への入居に備えるためなど、さまざまなシーンでショートステイが活用されています。
このように限られた短い期間だけ介護施設で提供される介護サービスがショートステイです。ショートステイは短期入所生活介護・短期入所療養介護・介護保険適用外の3種類に分けられます。どのように違うのかを次に解説していきましょう。
まずひとつめは、短期入所生活介護について解説します。
短期入所生活介護は、主に[btp_line]介護をメインに行っている[/btp_line]点が特徴のショートステイです。要介護者の心身の機能をできるだけ維持するためや、精神的な負担を減らすためのサービスを提供しています。介護者であるご家族が仕事や冠婚葬祭などの都合で介護できない場合や、ご家族の精神的な負担を軽減するためにも活用されるサービスです。短期入所生活介護は、介護老人保健施設や介護保険療養型医療施設、療養病床を持っている病院や診療所などで行っています。
短期入所生活介護でのサービスは、食事や入浴といった日常生活のサポートやリハビリなどの機能訓練がメインです。また、施設によっては、レクリエーションサービスを提供している場合もあります。昼間の利用はもちろん、夜間も介護サービスを受けることが可能です。短期入所生活介護は、できるだけ自宅での生活に近い形で過ごせるよう、介護スタッフなどがサポートを行います。
続いては、短期入所療養介護の詳細をチェックしていきましょう。
短期入所療養介護では、介護スタッフだけでなく、[btp_line]医師や看護師による医療的なケアを行うこと[/btp_line]が特徴です。要介護者がもっている能力に応じた自立した生活が送れるよう、医療的な介護や訓練を行います。必要であれば、投薬をすることも可能です。要介護者がどの様な生活を送っているかなどを把握するため、短期入所療養介護のサービスを契約する前に、介護スタッフが要介護者の自宅を訪問する場合もあります。
短期入所療養介護では、介護スタッフのサポートだけでなく、医師や看護師による医療ケアやリハビリといった、専門的な知識を必要とするサービスを提供しています。もちろん、短期入所生活介護のように、食事の提供や入浴といった日常生活のサポートを行うことも可能です。
ここでは、介護保険適用外サービスの詳しい内容をご紹介していきます。
介護保険サービスは、介護保険法によって、提供できるサービスが厳格に定められています。例えば、掃除や洗濯、衣服の整理、食事や入浴のサポート、入浴介助に排泄介助などのサービスは提供可能。一方で、同居する利用者さんのご家族の援助とみなされる掃除や洗濯といった家事、趣味のための散歩の付き添いなどは提供できません。このように[btp_line]介護保険サービスで提供できない点を補うため[/btp_line]のものが、介護保険適用外サービスです。
介護認定を受けている方・受けていない方どちらも利用できるのが特徴のひとつです。介護保険適用外サービスは、地方自治体が実施しているサービスや民間企業が行っているサービスなど、さまざまな機関が提供しています。短期入所生活介護や短期入所療養介護のように施設に来てもらうのではなく、スタッフが利用者さんの自宅を訪問することが多いです。
介護保険適用外サービスでは、移送や送迎、散歩や趣味などの付き添いといったサービスを提供します。また、訪問美容師や、認知症の方の見守りといったサービスを提供することも可能です。介護保険サービスでは、基本的に同居しているご家族がいる場合には、掃除や洗濯といった生活援助を行うことはできません。介護保険適用外サービスを利用することで、利用者さんはもちろん、同居するご家族についても、さまざまな面からサポートすることができます。
「介護保険を使わずにショートステイを利用する」ということは、簡単にいえば介護サービスを提供している施設に自費で泊まるということです。利用者さんからすると、保険を使わないぶん費用は割高ですが、条件が厳しくない(介護度や年齢に関係なく利用できる)ので、急に必要に介護サービスが必要になった場合に、部屋さえ空いていれば柔軟に対応してもらえるというメリットがあります。
逆に、短期入所生活介護と短期入所療養介護は、要介護認定を受けている人しか利用できません。
ショートステイでは、[btp_line]医師や看護師、資格を持った介護スタッフなどが配置されている[/btp_line]ので、安心できる医療体制が整っているといえるでしょう。例えば、短期入所療養介護では、主に介護老人保健施設や介護保険療養型医療施設、療養病床を持っている病院や診療所などで提供しているサービスです。そのため、病気の治療が必要な要介護者が安心して利用できる配慮がなされています。
また、短期療養介護だけでなく、短期入所生活介護のショートステイを行っている施設でも、医師が常駐している場合があり、医療体制にはあまり心配いらないでしょう。介護保険適用外サービスは、医師がいない場合もありますが、きちんと研修を受けたスタッフや介護福祉士なとの資格保有者が介護を行うため、介護を必要としている方々に安心して利用してもらえるでしょう。
短期入所生活介護のショートステイでは、医師や生活相談員、介護もしくは看護職員や栄養士などの職員の配置が必要です。厚生労働省の資料「短期入所生活介護及び
短期入所療養介護(参考資料)」によると、医師は利用者さんの人数に関係なく各施設に1人、生活相談員は利用者さん100人に対して1人以上となっています。また、介護もしくは看護職員は利用者さん3人に対して1人以上、栄養士は利用者さんが40人以上いる場合に1人以上必要です。
短期入所療養介護では、介護老人保健施設や介護保険療養型医療施設、療養病床を持っている病院や診療所でのサービス提供となります。それぞれの施設の人員基準にのっとった人員配置が必要です。
ショートステイでは、短期入所生活介護が[btp_line]リーズナブル[/btp_line]な価格設定であることが多いようです。短期入所療養介護は医療ケアを行うため、利用料金を[btp_line]高く設定している傾向[/btp_line]があります。また、追加で特別なサービスを受けた場合や、施設ごとにサービス提供体制によっては、利用料金に加算されることもあるようです。
短期入所生活介護と短期入所療養介護は、居室の種類によっても料金が異なるため、利用者さんやそのご家族の希望によって[btp_line]料金に変動[/btp_line]があることも覚えておきましょう。食費や住居費は自己負担ですが、世帯収入によって公費補助がありますので、覚えておきましょう。
介護保険適用外サービスは、基本的に自費負担となるため、ほかの2つのショートステイに比べて利用料金は高く設定されています。
ひとくちにショートステイとっても、短期入所生活介護や短期入所療養介護、介護保険適用外サービスの3つの種類があることがお分かりいただけたと思います。それぞれのショートステイは、違った特徴やサービス内容のため、まずはしっかりと把握しましょう。

介護老人保健施設とは、病院から退院した高齢者や、健康に不安がある高齢者でも入りやすい施設の1つです。医師や看護職員、リハビリテーションの専門スタッフたちが、チームで利用者さんの生活をサポートしてくれます。今回は、介護老人保健施設の特徴や受けられるサービスなどを詳しくご紹介。[btp_line]提供しているサービスが多岐に渡り、多様な専門性を持った人材が必要となる施設[/btp_line]ですので、介護業界で働きたい人は勤務先の候補として検討してみてくださいね。
厚生労働省が発表した「介護老人保健施設」についての資料によると、介護老人保健施設とは、病院から退院した高齢者や病状が安定している高齢者が在宅での生活に復帰できるよう、医療や介護・リハビリテーションなどのサービスを受けられる施設です。省略して「老健」と呼ばれる施設で、基本的には65歳以上かつ要介護1以上の人が利用できます。在宅での生活に復帰することが目標のため、原則として入居期間は3~6ヶ月に限定されており、いわゆる「終の棲家」としては原則として利用できません。入居期間が限定されておらず、終の棲家として利用可能な「特別養護老人ホーム」への入居待ち期間に利用されることもあります。
厚生労働省が作成した資料によると、介護老人保健施設の利用者さんの要介護度でもっとも多かったのが要介護4の人です。次いで要介護3の人、要介護2の人、要介護5の人、要介護1の人という結果でした。利用者さんの年齢は85~94歳が全体の半数以上を占めています。介護老人保健施設に入所するときの傷病名でもっとも多かったのは認知症で、次に多かったのは脳卒中でした。(出典:厚生労働省 第183回社会保障審議会介護給付費分科会 資料2)
介護老人保健施設では、施設に入居する以外にもさまざまな利用の仕方が可能です。自宅から通所でリハビリテーションを受けたり、自宅で訪問リハビリテーションを受けたりすることもできます。[btp_line]ショートステイ・通所・訪問リハビリテーションのすべてが提供できるのが、介護老人保健施設の特徴です。[/btp_line]
介護老人保健施設(老健)では、介護や看護はもとより、食事や入浴・リハビリテーションといったサービスを受けることができます。ここでは、介護老人保健施設で受けられるサービスの一例を見ていきましょう。
お風呂やトイレ、食事や移動など、日常生活の中で行うすべての動作がよりスムーズにできるようになるための訓練を受けることができます。認知症の人向けの訓練やサービスも利用可能。医師やリハビリテーションの専門スタッフの指導のもと、利用者さん一人ひとりに合ったメニューを行います。
風邪や腹痛などの体調不良時には、看護職員が対応します。インシュリン注射や経管栄養など、常時必要となる医療ケアを受けることも可能。介護老人保健施設とは本来自宅に帰ることを目的としていますが、施設によっては最期の看取りが可能な場合もあります。
入浴や食事・着替えなどの介助や、場合によってはオムツの交換など排泄に関する介助が受けられます。
部屋の掃除やシーツの交換などのサービスが受けられます。衣服の洗濯は家族に依頼するか、別途費用が発生しますが外部業者に委託できる場合が多数です。
栄養士が栄養やカロリーを計算した食事が提供されます。利用者さんの体調や食べる力に応じて、治療食や介護食の提供も可能。利用者さん一人ひとりに合わせて、個別に対応可能です。
介護老人保健施設は、医療から介護まで幅広いサービスを提供するという特性上、さまざまな専門性を持った人員が配置されています。ここではその一例を見ていきましょう。(人員配置の出典:厚生労働省 第144回社会保障審議会介護給付費分科会資料 参考資料2)
定期的な診察に加え、病状が悪化したときは施設内で治療を行います。利用者数100名に対して常勤の医師1人以上の配置が必要です。
利用者数3人に対して1人以上の配置が必要。看護・介護職員のうち2/7程度は看護職員でなければなりません。
入退所に関する相談や、入所後の生活についてなど、利用者さんや家族のあらゆる相談に対応します。利用者数100名に対して1名以上の配置が必要です。
利用者さんの状況に合わせて、リハビリテーションの計画を作成し、実行します。利用者数100名に対して1名以上の配置が必要です。
食事の献立を作成し、利用者さんの栄養管理を行います。入所定員が100人以上の場合、1人以上の配置が必要です。
介護や看護・リハビリテーションなどの施設サービス計画を作成します。利用者数100名に対して1人以上の配置が必要です。
利用者さんに必要な投薬管理を行います。その施設の実用に応じた適当数の配置が必要で、利用者数300人につき1人の配置が標準です。
介護老人保健施設には、以下のような設備が整えられています。(広さや幅の出典:厚生労働省 第144回社会保障審議会介護給付費分科会資料 参考資料2)
居室とも呼ばれる部屋で、利用者さんが自分の部屋として寝泊まりする部屋のことです。療養室には3種類あります。2~4人で1部屋を使う「従来型多床室」と、1人で1部屋を使う「従来型個室」、個室の療養室と共有スペースの生活設備がセットになっている「ユニット型個室」です。従来型多床室の場合、1人当たり8平方メートル以上の広さが必要で、従来型個室・ユニット型個室の場合は10.65平方メートル以上の広さが必要です。
数ある老人介護施設の中でも、介護老人保健施設は機能訓練室が充実しているのが特徴です。機能訓練室には、平行棒や階段などの用品があり、歩いたり段差を越えたりするためのリハビリテーションが行えるようになっています。利用者さん一人ひとりの趣味に合った折り紙や手芸をして、手先や脳のトレーニングをするのもリハビリテーションの一環。スポーツジムにあるような筋力トレーニングに使うマシンなどが設置されていることもあります。
2平方メートル×入所定員数以上の広さが必要です。
1.8メートル以上の幅が必要です。(中廊下は2.7メートル以上)
身体が不自由な利用者さんの入浴に適したサイズの浴室の設置が必要です。
介護老人保健施設の費用は施設によって差異があるものの、[btp_line]公的施設のため利用者さんの負担額は少ない傾向にあります。[/btp_line]介護保険が適用されるため利用者さんの負担額は1~3割程度で、入居一時金などの初期費用もかかりません。介護老人保健施設を利用するためにかかった居住費や食費、介護サービス費などは医療費控除の対象になるので、申請すればお金が戻って来る場合もあります。
介護老人保健施設の費用を構成しているのが、「居住費」「食費」「介護サービス費」の3つ。居住費は療養室のタイプによって異なりますが、従来型多床室、従来型個室、ユニット型個室の順に費用の負担額が大きいです。厚生労働省によると、食費は3食で日額1,445円という基準が定められていますが、これを上回る施設もあります。介護サービス費は、食事や入浴の介助など、受ける介護サービスに応じて支払うお金です。要介護度が高いほど負担額も大きくなります。このほかにも、理美容代や電話代・新聞代など、日用品は利用した分だけ実費の負担が必要です。
費用の支払いが難しい場合、条件に当てはまっていれば負担額が軽減される「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」という制度もあります。生活保護を受給している場合や、世帯全員が市町村民税非課税など、状況によって第1~4段階に分類され、第1~3段階に該当する人が限度額の適用対象です。この制度を利用するには、市区町村で手続きをして負担限度額認定を受ける必要があります。
介護老人保健施設では、高齢者の生活を医療と介護の両面からサポートできます。医師や看護師などの医療系専門職から、理学療法士や作業療法士などの介護系専門職、さらには、事務スタッフや調理員といった幅広い人材が必要となる介護老人保健施設。自分の得意分野を活かせる求人が出されているかもしれないので、お近くの介護老人保健施設の求人情報をチェックしてみてくださいね。

グループホームとは(認知症対応型共同生活介護)、認知症の高齢者に特化した住居型施設です。介護業界で働く人の中には、どのようなサービスを提供している施設か気になる点も多いと思います。そこで、グループホームとはどのような施設か、人員配置数や医療体制、利用者さんが支払う費用について解説。認知症高齢者を専門とした介護に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
まず、グループホームとは何かを簡単に解説していきます。
厚生労働省によると、グループホームは以下のように定義されています。
「知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などが専門スタッフの支援のもと集団で暮らす家のこと」
その中でも[btp_line]認知症の高齢者を対象[/btp_line]としたグループホームでは、ユニットと呼ばれる少人数のグループで共同生活を送ることが特徴。1ユニット5~9人で、原則1つの施設につき2ユニットまでと定められています。認知症は、新しいものを覚える、認識するといったことが難しくなる疾患です。介護職員や同居者と信頼関係を築きやすくするために、最大で2ユニット18人までの[btp_line]小規模[/btp_line]施設となっています。グループホームとは認知症の方ができるだけ穏やかに過ごせるよう、家庭に近い形で生活を送ることに配慮した施設です。
グループホームに入居できる条件は以下のとおりです。
認知症の方に特化した施設のため、入居には必ず医師の診断書が必要です。認知症ではない高齢者は入居できません。
上記記載の条件に加え、生活保護法による指定を受けた施設であれば入居が可能です。施設全てが生活保護対応になっている場合と、一部の居室のみ入居可能な場合があります。生活保護の方は、全てのグループホームに入居できるわけではないので注意が必要です。
グループホームではどのようなサービスが提供されているのかご紹介します。
グループホームはADL(日常生活動作)がある程度保たれている利用者さんが多い施設です。よって提供するサービスは、食事や掃除、洗濯などの[btp_line]日常生活の介助、見守りなどがメイン[/btp_line]となります。食材の買い出しや、調理、掃除など、利用者さんが自分でできることはスタッフの見守りのもと積極的にやってもらうところが、ほかの介護施設との違いです。維持された機能を活かしつつ、難しくなってきたことをサポートしながら生活していくイメージとなっています。利用者さんが安全に生活できるよう介助をせず見守るという場面も多くあることが特徴です。
2009年の介護保険法の改正によりグループホームで看取り介護加算が取れるようになりました。[btp_line]看取り対応[/btp_line]を行う施設は増加傾向にあります。しかし、看取りまでとなると少なからず医療行為が必要となる場合がほとんどです。施設がどこまで対応するのか、看護師は常駐しているか、医療機関とはどのように連携しているのか確認しておきましょう。看取り対応となると不安に思う方も多いはずです。医療体制については次項で詳しく解説しますので参考にしてください。
グループホームでは看護師の配置義務がありません。基本的には介護職員による服薬管理や、日々の健康観察程度が提供されている医療サービスといえるでしょう。近年は医療ケアの需要性から、医療連携加算や、前事項で記載した看取り介護加算が法律の改正により取れるようになりました。したがって、常勤看護師の配置や、訪問看護ステーションと24時間対応で連携するといった施設も増加傾向にあります。持病のある高齢者も少なくないため、医療連携体制について、しっかりと確認をしましょう。安心して働くポイントのひとつです。
グループホームでは、認知症の高齢者が集まった施設だからこそできるサービスを実施しています。
音楽療法や園芸療法、手先を動かす遊びや作業など[btp_line]認知症に効果があるとされるサービス[/btp_line]が提供されています。最近では、地域の祭りに参加したり公園の掃除を行ったりと、地域交流を取り入れている施設も多いようです。人とのつながりを実感することで利用者さんの暮らしを豊かにするといった効果があります。
認知症高齢者専門の施設だからこそ、認知症に関する専門的な知識や経験豊富なスタッフが多く在籍しています。認知症の方は、対応方法によっては精神的不安定になりやすく、怒りやすい、幻覚や妄想といった症状が出現することも。良好なコミュニケーションをとるには、認知症ならではのポイントを押さえた対応が大切となってきます。利用者さんが穏やかに生活するためには、スタッフの接し方がとても重要です。グループホームでの仕事に従事したいと考えている方は、専門的な認知症対応の知識を身につけておきましょう。就職時のアピールポイントにもなるのでおすすめです。
厚生労働省の「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」の資料によると、グループホームで働く職員は、代表者、管理者、計画作成担当者、介護職員で構成。メインとなる介護職員は、日中は利用者さん3人に対し1人、夜間はユニットごとに1人の配置義務が決められています。しかし、利用者さん3人に対し、常時介護職員が1人確保されているわけではありません。3:1基準は施設に常勤している介護職員の総数が、利用さん者に対して3:1と定められているためです。日中は介護職員が3人、夕方には2人、夜間は1人など時間帯で職員数が異なる場合が多くあります。職員数が手薄となる時間帯があることを理解しておきましょう。
さらに常勤職員は1人以上となっているため、1人の職員を除いてあとはアルバイトやパート従業員という可能性もあります。どの程度人員を配置するかは施設により異なります。1人で働く時間が多いことに不安がある場合は、新人職員に対するサポート体制について確認しておくと安心できるでしょう。
グループホームの設備、種類について解説していきます。
厚生労働省の「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」の資料によると、グループホームは、自宅で過ごしているような落ち着いた環境にすることが推奨されています。居室は個室(1人1室)を原則とし、床面積は7.43㎡(4.5畳)以上。共用施設として、台所や食堂、トイレ、洗面、お風呂、消防設備(スプリンクラー)の設置が必要です。また、地域交流ができる環境であるよう、住宅地など地域住民と交流が確保できる地域であることも設備要件のひとつとなっています。見た目も普通の住宅のような施設が多いため、[btp_line]アットホームな雰囲気[/btp_line]が特徴です。
グループホームには大きく種類はありません。ですが、施設ごとによる違いはあります。たとえば、生活保護者の受け入れができる生活保護法指定施設、人員配置が多い施設、独自のサービスが充実した施設などです。施設ごとにある特色も踏まえて職場選びを検討してみてください。
働く上で利用者さんがどのくらいの費用を払っているのか知っておくことも大切です。見ていきましょう。
グループホームの入居には、まず初期費用となる入居一時金や保証金を支払います。数十万円から数千万円と施設により大幅に異なることが特徴です。入居後は月額の利用料として、住居費や食費などの生活費、入居者の要介護度により変わる介護サービス費が必要となります。介護サービス費は、要介護度が重い人ほど高く設定されていることが多いようです。さらには雑費として、光熱費や理美容費、娯楽費、おむつ代などが加算されます。
初期費用である入居一時金や保証金の相場は、[btp_line]数万~20万円程度[/btp_line]となっていますが、0円の施設も多くあるようです。一方、100万~数千万前後かかる施設もあるため、どのような利用者さんが入居する施設かを把握しておきましょう。
初期費用は賃貸住宅で例えると敷金のようなものです。よって、退去時には必要経費が差し引かれて戻ってくる仕組みとなっています。引かれる費用の内容は、居室の現状回復費、家賃滞納費、入居中の必要修繕費などです。また、施設により年々償却される場合もあるため、数年で0円となる可能性もあります。利用者さんのご家族とのトラブルに繋がらないよう、施設による費用面の仕組みも知っておくとよいでしょう。
つぎは、生活費、介護サービス費、雑費などの月額利用料についてです。月額利用料の相場は[btp_line]12~30万程度[/btp_line]となっています。設備やサービスにより費用に開きが出るのはもちろんですが、それ以外の要因として土地代が月額利用料に直結しています。都会の方が賃貸住宅の家賃が高いように、グループホームも同様に土地代が高い場所の方が、住居費が高くなるようです。同じ設備、サービス内容でも場所により費用が異なることも念頭に置いておきましょう。
グループホームとは認知症高齢者に特化したサービスを提供しているため、ほかの介護施設とは異なる特徴が多い職場です。グループホームならではのアットホームな雰囲気に加え、少人数制ということもあり、利用者さんと家族のように向き合うことができます。ぜひ、認知症高齢者とのかかわりに興味のある方は転職先として考えてみてはいかがでしょうか。

高齢者が利用する老人ホーム施設でも、施設数が最も多いといわれている有料老人ホーム。中でも、日常生活の補助や介助だけでなく、介護サービスも行うのが介護付有料老人ホームです。看護師が常駐しているため、さまざまなニーズに答えることができる介護付有料老人ホームは、需要が高いことでも知られています。今回は、そんな介護付有料老人ホームの概要から、設備や人員配置までを解説。知っておきたいポイントをまとめました。
はじめに、介護付有料老人ホームについてみていきましょう。介護付有料老人ホームとは、[btp_line]介護のサービスを提供する高齢者施設のこと[/btp_line]です。介護サービスだけでなく、生活に欠かせない洗濯や掃除、食事、さらに入浴や排泄の介助と健康管理も行います。同じ有料老人ホームとして、住宅型有料老人ホームがありますが、大きな違いは施設のスタッフによる介護サービスを提供しているか、いないかです。
介護付有料老人ホームを運営しているのは、主に民間事業者。介護保険で定められた運営基準をもとに、設備や人員配置がされています。これらの基準を満たし、自治体から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合のみ「介護付有料老人ホーム」と名乗ることが可能です。
次に、介護付有料老人ホームで提供されているサービスについてみていきましょう。施設で提供されているサービスは、主に3つあります。
特定施設入居者生活介護とは、介護付有料老人ホームの利用者さんを対象に行われる介護サービスを指します。具体的には、食事や入浴・排泄などの介助です。また、利用者さんの身体の運動機能の回復を目的とした機能訓練も行います。
介護付有料老人ホームでは、利用者さんの日々の健康管理が欠かせません。健康管理では、体温や血圧のチェック、投薬管理などを実施。また、医療機関と提携して、定期的な健康診断や訪問診療も実施されます。
利用者さんには、介護サービスのほかに、部屋の掃除や洗濯などの生活支援サービスも提供。生活支援サービスに含まれるのは、部屋の掃除や洗濯・食事の用意などです。また、必要があれば、不在中の部屋の管理や生活用品の買い物、行政手続きの代行も行います。
このほか、提供しているサービスが、レクリエーションやイベントです。イベントやレクリエーションを通して、運動機能の向上や利用者さん同士のコミュニケーションを図ります。また、看護師による医療行為もサービスの一部です。こちらは次の章で解説します。
介護付有料老人ホームには、看護職員が日中常駐しています。健康管理や服薬管理のほかに、緊急時は提携している医療機関へ連絡することも可能です。
また、介護付有料老人ホームでは、医師の指示のもとで一定の医療行為が行われる場合があります。看護職員が医師の指示のもとで行う処置は下記のとおりです。
施設によっては、看護師が24時間常勤している場合もあります。24時間看護師がいる場合、[btp_line]夜間の医療行為も可能[/btp_line]です。例えば、夜間のたんの吸引や朝食前のインスリン注射などがあります。
看護師が常駐していることが条件とされる介護付有料老人ホーム。しかし、医療施設ではないため、できる医療行為は限られています。そのため、「協力医療機関」と協力契約を結ぶことも、施設運営基準として定められているのも特徴です。
介護付有料老人ホームと協力している医療機関では、健康管理のアドバイスなどを実施。利用者さんの定期健診や健康相談なども行います。さらに、ケガなどで入院が必要になった場合には、生活支援面の対応が可能です。提携医院があることで、高齢者の病気やケガなどの処置も円滑に行えるようになっています。
また、看取り介護を行っている介護付有料老人ホームもあり、その利用者さんの数は、近年増加傾向にあります。
厚生労働省の特定施設入居者生活介護に関する資料によると、配置される職員の種類と人員については、下記のように定められています。
介護付有料老人ホームに配置されている主な業種は、看護職員・准看護師・介護支援専門員・栄養士・管理栄養士・社会福祉士・介護支援専門員などです。ほかにも、リハビリを行う作業療法士や理学療法士が配置されている施設もあります。
さまざまな資格をもった人が働く介護付有料老人ホームですが、[btp_line]無資格でも働くことも可能[/btp_line]です。無資格で仕事をはじめ、働きながら勉強をして資格を取得するといったケースもあります。
介護付有料老人ホームは、設備基準も厚生労働省によって詳しく定められています。主な基準は次の通りです。
介護付有料老人ホームの館内には、壁に手すりがあったり、部屋や廊下などは車いすでも通過できる幅となっていたりします。
介護付有料老人ホームは、[btp_line]基準を満たせばさまざまな体制が可能[/btp_line]です。上記の設備をクリアしたうえで、利用者さんがより快適に過ごせるよう、さまざまな設備を完備しています。最近では、温泉がある施設やペットと暮らせる施設などもあり、その種類はさまざまです。
最後に、介護付有料老人ホームの費用についてみていきましょう。介護付有料老人ホームの入居には、以下の種類のお金がかかります。
介護付有料老人ホームの月額利用料の平均は、[btp_line]毎月15万~35万円[/btp_line]。月額利用料には、介護保険料の1割(所得によっては2~3割)の負担と食費も含まれています。
また、入居前には「入居一時金」が発生するのも特徴です。入居一時金とは、施設に入るさいに発生するお金。入居一時金の金額は、設備内容や立地条件によって違います。入居一時金の施設による差は大きく、入居一時金が不要な施設もあれば、1億円以上かかる施設もあるようです。
このように施設によって費用に差がある介護付有料老人ホームですが、月額利用料は定額のところも多く存在します。費用は介護度別に設定されているため、わかりやすく利用しやすいという点が特徴です。
今回は、介護付有料老人ホームがどんなところなのか、設備や人員の配置基準、必要な費用についてお伝えしました。高齢者向けの施設は、全国さまざまな場所にあります。老人ホームの種類を把握しておくことで、より自分の経験や知識が活かせる職場を探すことができるでしょう。「介護について知りたい」という方はもちろん、「有料老人ホームの違いと特徴を把握したい」「今後の転職や就職に役立てたい」という方も、ぜひ参考にしてください。

住宅型有料老人ホームとは、主に介護度が低い人や自立生活が可能な人が利用する有料老人ホームのことです。今回は、そんな住宅型有料老人ホームの概要について説明します。住宅型有料老人ホームではどのような人材が求められているのでしょうか。住宅型有料老人ホームの施設概要やサービス内容についてはもちろん、人員配置や設備についても解説。さらに費用感についてもまとめました。
食事の提供や介護、家事のサービスや健康管理などのいずれか、または複数のサービスを提供している「有料老人ホーム」。そのなかでも、住宅型有料老人ホームとは、利用者さんへの生活支援サービスが行われている施設のことをさします。
住宅型有料老人ホームでは、直接的な[btp_line]介護サービスは提供されません。[/btp_line]そのため、介護がほぼ必要ない利用者さんが多い点が特徴です。また、途中で介護が必要になった場合は、「居宅介護支援事業所」を通じて、必要な介護サービスを受けることができます。
住宅型有料老人ホームによく似た施設として「サービス付き高齢者向け住宅」があります。別名サ高住と呼ばれているサービス付き高齢者向け住宅は、介護サービスを直接提供しない点は住宅型有料老人ホームと同じですが、契約形態が異なる施設です。住宅型有料老人ホームが「利用券方式」なのに対して、サ高住は「賃貸借方式」になっています。
次に、住宅型有料老人ホームで提供しているサービスについてみていきましょう。住宅型有料老人ホームでは以下のようなサービスを提供しています。
食事は、1日3食+おやつを提供。バランスの取れた食事を提供します。施設によっては、利用者さんの好みによって味付けを変えるサービスも実施。また、高齢者の場合、噛む力や飲む力の個人差が大きいため、硬さや柔らかさの変更に対応しています。
生活支援を目的としたサービスも提供。日常に必要な買い物の代行やお部屋の掃除、洗濯など、家事全般を行います。また、利用者さんに会いに来た方への対応も生活支援として実施される項目のひとつです。
利用者さん一人ひとりの健康管理も欠かせません。体温測定や血圧測定などを行い、必要があれば健康相談や医療機関との連携も行います。
利用者さん相手に行うイベントやレクリエーションも住宅型有料老人ホームのサービスのひとつです。頻度は施設によってさまざまですが、軽い運動やあそび、脳トレなどをしたり、歌や創作を行ったりします。イベントやレクリエーションの目的は、利用者さんの身体の機能の向上やサポート、利用者さん同士のコミュニケーションを図ることです。また、利用者さんの生きがいとしての役割もあります。
利用者さんの安全を確保するために行うのが、見守りサービスです。転倒や事故を防ぐために、深夜の巡回や日中の見守りを行います。
利用者さんの日々の困りごとや不安を聞き取る生活相談は、施設を運用するうえで大切なサービスです。受けた相談をもとに施設サービスの改善に役立てます。
前述したように、住宅型老人ホームには介護サービスが付いていません。そのため、住宅型有料老人ホームに在籍しながら、デイサービスなどの外部の介護サービスを利用する人も多くいます。
また、[btp_line]施設にはスタッフが常駐しているため、緊急時の対応も可能[/btp_line]です。
住宅型有料老人ホームとは、医療サービスを提供していない施設でもあります。医療機関と連携を行っている施設も多くありますが、医療に関する規定がないことも住宅型有料老人ホームの特徴です。
利用者さんが医療ケアを必要とする場合には、利用者さん自身で医療機関を受診する必要があります。外部の医療機関に通う手間が省けるよう、訪問看護の受け入れを可能としている施設があるのも特徴です。
厚生労働省の特定施設入居者生活介護の資料によると、住宅型有料老人ホームの職員の種類や人員の配置については規定がありません。しかし、標準指導指針では、利用者数やサービスに応じた数の専門家の配置が求められています。専門家とは、生活相談員・栄養士・管理者・調理員などです。
また、介護サービスを提供する場合は、以下の職員の配置も求められます。
さらに、住宅型有料老人ホームの管理者や責任者には、[btp_line]経験と知識がある人[/btp_line]が求められます。
基準が定められていない住宅型有料老人ホームでは、施設ごとに専門家の数や人員に差があることも特徴です。
ここからは、住宅型有料老人ホームの設備基準についてみていきましょう。住宅型有料老人ホームの施設の規定については、定められていません。しかし下記の設備基準が必要とされます(出典:厚生労働省 第179回社会保障審議会介護給付費分科会 資料7)。
住宅型有料老人ホームの施設内は、[btp_line]利用者さんが住みやすいようバリアフリー設計[/btp_line]です。また、居室やトイレ、入浴施設などの基本的な設備を備えたうえで、さまざまな娯楽施設を完備した施設もあります。
実際に取り入れられている設備例は、カラオケルームや図書室、理美容室、売店などです。さらに、シアタールームやフィットネスジムを備えている住宅型有料老人ホームもあります。設備の種類によって、安く利用できる住宅型有料老人ホームから、高級志向の住宅型有料老人ホームまでさまざまです。
上記のように、住宅型有料老人ホームは、施設や設備によって費用も異なります。ここでは、住宅型有料老人ホームの費用についてみていきましょう。
住宅型有料老人ホームの利用には、初期費用と月額費用が必要です。
初期費用は、入居一時金として支払われます。その施設を利用する権利を購入するという意味をもつのが入居一時金です。0円の施設もあれば数千万円が必要な施設もあります。施設によって償却期間と償却率が設定されているため、一定期間内に退去した場合は、返還金が発生することもあるようです。
月額費用は、施設の設備によってさまざまです。介護サービスを利用した場合には、[btp_line]国の介護保険が適用[/btp_line]されます。住宅型有料老人ホームの場合、介護サービスは使った分だけ支払う仕組みなので、介護度が低い場合は負担も少なくなります。
しかし、介護度が高い場合、介護保険の負担額の上限を超えると、超えてしまった額は全額負担になります。
現在、日本には多数の高齢者施設があります。老人ホームの種類もたくさんあり、施設によって提供するサービス内容や費用もさまざまです。そんな中、老人ホームへの就職や転職を希望しているという人の中には、どのような施設に行くべきか迷っている人も少なくありません。「住宅型有料老人ホームの特徴を知りたい」という方はもちろん、「有料老人ホームに転職したい」「どのような人材が求められているのか気になる」という方は、参考にしてください。

有料老人ホームなどと比べ、入居者さんの自由度が高いとされるサービス付き高齢者向け住宅。一般社団法人 高齢者住宅協会によると、2021年9月時点でのサービス付き高齢者向け住宅の登録件数は27万戸あまりです。登録制度がスタートした2011年から80倍近くの増加となっています。サービス付き高齢者向け住宅とはなにか、その内容や魅力を知って、あなたもスタッフとして高齢者のセカンドライフをサポートしませんか?介護スタッフ経験者、医師や看護師など幅広い有資格者にとって活躍の場となるでしょう。ぜひ転職やキャリアアップの参考にしてください。
サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住)とは、[btp_line]単身の高齢者や夫婦が住むことができる賃貸住宅[/btp_line]を指します。2011年に国土交通省と厚生労働省が管轄する「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正を受けて創設された登録制度で、これをきっかけにサービス付き高齢者向け住宅が全国に設置されるようになりました。登録基準として、バリアフリー構造や規定の面積を満たした施設において、安否確認と生活相談のサービスを提供することが必須条件となっています。なお、ここでいう高齢者は原則として60歳以上が対象です。ただし、介護認定を受けている場合は60歳未満でも入居可能(入居対象)となっています。
よく比較されるものとして代表的なのが、有料老人ホームです。サービス付き高齢者向け住宅と異なる点としてもっとも大きいのは、契約形態となります。有料老人ホームの契約形態は「終身利用権方式」。施設に住む権利や利用する権利、介護などのサービスを受ける権利といった”利用権方式”の契約形態となります。一方、サービス付き高齢者向け住宅は「賃貸借方式」で、あくまでも賃貸住宅のひとつとして契約を結ぶのが一般的です。
サービス付き高齢者向け住宅で提供するサービスには、必須のサービスが2つ設けられています。ほかにも、施設ごとに異なるサービスや入居者さんが選択して受けるサービスの提供が可能です。
見守りサービスとも呼ばれるサービスで、安否確認(状況把握)や生活相談サービスの提供を行います。サービス付き高齢者向け住宅では”ケアの専門家”が少なくとも日中は建物内に常駐していなければなりません。
ケアの専門家とは医師や看護師を含む専門家です。ケアの専門家については、詳しくは後述する「職員の種類と人員配置」をご覧ください。
食事の提供や清掃、洗濯などの家事援助サービスをオプションとして提供することができるケースもあります。また、健康の相談や増進についてのサービスを提供する場合も。入居を検討する高齢者は、どのようなサービスを利用することができるか、入居前にこれらを比較検討することが多くなっています。
入居した高齢者が介護保険サービスを受けたい場合、[btp_line]自身で必要なサービスを選んで利用[/btp_line]します。この場合は、外部のサービスを利用するのが一般的です。ただし、サービス付き高齢者向け住宅が「特定施設入居者生活介護」と呼ばれる施設の指定を受けているケースでは異なります。この指定を受けた施設では、介護保険の対象となる日常生活の介助や機能訓練などのサービスを、施設スタッフが提供。この部分においては、サービス付き高齢者向け住宅ではありますが、有料老人ホームと重なるサービスを提供することになります。
サービス付き高齢者向け住宅とは、施設の形態によって介護や看護などの体制が大きく変わります。前項で少し触れた通り、必須サービス以外は、入居者さんの必要に応じて、外部サービスを利用してもらうのが基本です。医療サービスを受けたい場合も、同様に外部のサービスを利用することになります。入居者さんによっては、訪問看護やデイサービスなどを利用する人も。いずれの場合も、施設には日中は医療や介護の有資格者(ケアの専門家)が常駐し、家事援助などのサービスを提供するのが一般的です。
一方、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設では、介護スタッフや看護師が常駐しています。そのため、24時間体制でサポートを受けることが可能です。施設によっては、医療施設などとの連携が整っていれば看取りを行っているケースもあります。「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない施設でも看取りの対応は可能な場合もありますが、多くの費用がかかってしまうのが現状です。
サービス付き高齢者向け住宅では、次に挙げるうち、いずれかの[btp_line]ケアの専門家[/btp_line]が日中1名以上は常駐している必要があります(出典:国土交通省および厚生労働省 高齢者の居住の安定確保に関する法律/高齢者住まい法)。また、このほかにも都道府県ごとに基準が定められているので確認が必要です。
<ケアの専門家>
サービス付き高齢者向け住宅のうち、90%以上がこれらの専門家によりケアが行われています。残りの10%未満は厚生労働省が定める「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、上記の条件とは異なり、介護スタッフは24時間常駐、看護師も日中常駐となります。
サービス付き高齢者向け住宅とは、国土交通省および厚生労働省によっての設備や種類が定められている施設のことを指します。
入居者さんごとの専用部分の床面積は25平方メートルが基本です。ただし、ほかの入居者さんと共同で利用する部分で十分な面積が確保できている場合は18平方メートル以上となります。各専用部分の必須設備は、キッチンや水洗トイレ、収納、洗面およびお風呂です。この場合も、共同で利用できるキッチンや収納、お風呂が十分な環境で備えられていれば、各戸に設置の必要はありません。
また、施設全体としてバリアフリー構造が求められます。たとえば、段差のない床や手すりの設置、幅のある廊下などです。
サービス付き高齢者向け住宅は、契約形態が賃借契約のため[btp_line]初期費用と月額費用の負担[/btp_line]が必要です。
初期費用である敷金は、10万~20万円が相場となっています。月額費用としては家賃や管理費が含まれ、平均15万円ほどです。ただし周辺の賃貸マンションやアパートの相場に左右されるため、5万円の場合や20万円を超えるケースもあります。
一方、24時間体制で介護が受けられる「特定施設入居者生活介護」タイプの場合は全体的に費用が増加することも。契約形態も有料老人ホームと同様に利用権契約が多くなります。初期費用として入居一時金が数十万~数千万円、月額費用は家賃と管理費、食費も含まれて15万~40万円ほどになります。これは、特定施設では食事の提供を受けることが前提となっているためです。
上記に加え、介護サービスやその他の生活費を個々で加算したものが、入居者さんが月々負担する費用となります。
サービス付き高齢者向け住宅とはどのような施設か、ご理解いただけたでしょうか?あくまでも賃貸住宅のひとつであるため、入居者さんの生活の制限は有料老人ホームなどと比べると随分少なくなります。自由度の高いサービス付き高齢者向け住宅。普段の生活に寄り添う形で入居者さんのセカンドライフを支援してみませんか?

デイサービスとは、「通所介護」とも呼ばれる高齢者のための施設です。介護関係の仕事に就いている方が気になるポイントは、デイサービスにおける人員配置の規定や仕事内容についてでしょう。2019年の厚生労働省の調査よると、通所介護を展開している事業所は全国で約1万5000箇所あります。施設数が多いということは、それだけ利用者さんも多いということです。記事を読んで、デイサービスについて知識としてしっかり身につけませんか?
デイサービスとは、簡単に言うと要介護の利用者さんの生活の質の向上を目指すサービスや、機能訓練が行われている施設のこと。利用者さんの状態に合わせたさまざまなサービスが提供され、利用者さんは日帰りで利用します。
要介護状態になった方が、デイサービスに通いながら最低限の入浴や食事などの生活動作を自宅で行えるようにするために、[btp_line]生活面の機能の維持や向上を目指す機能訓練[/btp_line]が行われています。
また、デイサービスの利用は、利用者さんのご家族への精神的サポートになる面もあります。デイサービスの利用中は、日頃の介護から解放されて気分転換や仕事に打ち込むことが可能です。
これらは、厚生労働省の「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」内に、通所介護における基本指針として記されています。
食事や入浴などの、生活面のサポートはもちろん、利用者さん同士の交流の場を設けて社会からの孤立感などを解消する目的もあります。各サービス内容の詳細と、それぞれの目的を確認していきましょう。
利用者さん一人ひとりの目標に合わせて、各デイサービスの機能訓練指導員が指導を行います。目標として設定されるのは、生活に必要とされる動作で、例として入浴・トイレに行くこと・食事を作ることなどです。デイサービスの機能訓練指導者には、理学療法士や作業療法士などが挙げられます。デイサービスでの機能訓練によって、利用者さんが生活動作を維持・獲得することが目的です。
デイサービスの利用時間中は、施設で食事を提供する場合があります。その際に食事介助が必要な利用者さんには介助を行い、食事の摂り方について形態や食器などの福祉用具貸与の提案を行う場合も。厚生労働省の通所介護における人員基準によると、管理栄養士の配置基準はありませんが、栄養バランスの整った食事メニューを提供している施設がほとんどです。中には、デイサービス利用後にお弁当の販売を行っている施設もあります。
利用者さんの入浴をサポートするのも、デイサービスの提供内容のひとつ。自力での入浴が難しい利用者さんは、介護職員のサポートのもと入浴を行う場合が多いです。施設内に大浴場や浴室が用意されているケースが多く、利用者さんが自力でできる動作を加味しながら必要なサポートのみを行います。機械浴といって、介護度が重い利用者さんには、座ったまま・横になったまま入浴可能な介護専用の入浴マシーンで入浴を行う施設もあるようです。
デイサービスでは、利用者さんの気分転換や、認知機能の低下予防を目的としたレクリエーションを実施しています。カラオケや作品作りのような個人でできる内容のもの、演劇やジェスチャーゲームなど団体で行う内容のものとさまざまです。施設によって沢山のアイデアを出しながら、楽しいレクリエーションが企画・実施されているため、利用者さんは自分の参加したいレクリエーションが行われる日に利用する場合もあります。
自宅からデイサービス施設までの送迎も、提供サービスのひとつです。普通の乗用車での送迎や、バリアフリー車での送迎など、利用者さんのニーズに応じて施設で送迎車を用意しています。施設職員が送迎する場合もありますが、送迎専門の運転手を雇って送迎を行っている施設も多いです。利用者さんやご家族の負担を軽減するためのサービスとなっています。
通所介護のサービス提供時間や事業所の体制によって評価される、厚生労働省が定めた基準によって、各施設にさまざまな加算がされます。医療・看護体制などを整備している施設を評価したり、利用者さんの個別機能訓練を行ったりしたときに加算されるポイントのことです。ほかにも、認知症の利用者さんに対する「認知症加算」や、利用者さんの口腔内の健康を維持するための「口腔機能向上加算」などの種類があります。
それ以外にも、「入浴介助加算」といって、入浴介助を行うことができる職員の配置や設備の設置によって評価される項目も。医療体制や個別指導の体制を整えた通所介護施設は加算されるポイントも高くなるため、サービスの向上に直接繋がる制度です。入浴介助や個別機能訓練などを行った利用者さんには、この加算ポイントが利用料として反映されます。
デイサービスで働く上で最も気になるポイントとなるであろう、通所介護施設の職員の人員配置と仕事内容についてです。まずは、厚生労働省の通所介護の概要をもとに人員配置の表を確認してみましょう。それぞれの職種のデイサービスでの仕事内容も紹介します。
| 職種 | 必要人員数 |
|---|---|
| 生活相談員 | 施設ごとにサービスの提供時間に応じて専従で1人以上 |
| 看護職員 | 単位ごとに専従で1人以上 |
| 介護職員 | 単位ごとにサービスの提供時間に応じて専従 ①利用者数が15人以下の場合1人以上 ②16人以上の場合は15人を超える利用者数の0.2人以上の職員数を加える |
| 機能訓練指導員 | 1人以上 |
生活相談員は、社会福祉士・社会福祉主事・精神保健福祉士のいずれかの資格を持つ人のことを指します。地域によっては、介護福祉士の資格保有者のみでも可能です。仕事内容は、利用者さんの生活面の相談や指導などを行います。ソーシャルワーカーと呼ばれる場合もあります。
看護師または、准看護師の配置も必要です。仕事内容は、利用者さんの健康状態を把握すること、健康面でのサポートを行うことなどがあげられます。デイサービスは医師の常駐がない施設のため、緊急の場合には率先して利用者さんの対応にあたることが必要です。
看護職員の人員基準は、2015年度の介護報酬等制度改定により緩和されています。施設に1人以上の看護職員が居れば、専従でなくても良いという改定内容です。ただし、病院や訪問看護ステーションとの連携が必要になります。
デイサービスでの介護職員の仕事内容は、主に食事や入浴の介助などです。送迎や、レクリエーションの準備なども行います。デイサービスでの利用者さんのサポート全般が介護職員の仕事です。介護職員と言うと、不規則な勤務形態が多いように感じます。しかし、デイサービスは基本的に日中に提供するサービスであるため、夜の勤務がない施設がほとんどです。介護職員または、生活相談員のどちらか1人は常勤する必要があります。
通所介護施設を利用してもらう目的のひとつとして、利用者さんの機能訓練があると上記で説明しました。機能訓練のサポートを行う人員として、機能訓練指導員の配置が必要です。機能訓練指導員としての勤務で必要な資格は、理学療法士・言語聴覚士・作業療法士、さらに、看護職員・柔道整復師または、あん摩マッサージ指圧師などがあげられます。機能訓練指導員は、同じ施設内で他の職務と兼任することが可能です。
厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」の資料内、通所介護における設備基準は以下の通りです。
| 設備 | 基準内容 |
|---|---|
| 食堂 | 合計した面積が利用定員人数×3.0平方メートル以上 |
| 機能訓練室 | 合計した面積が利用定員人数×3.0平方メートル以上 |
| 相談室 | 相談内容の漏洩を防ぐための部屋 |
この基準を満たしていることが運営基準条件となります。
その他にも、事務室や静養室、トイレや浴室など基本的な設備の用意、緊急呼び出し用のボタンの設置も必須です。機能訓練の器具は、施設によってさまざまな種類があります。送迎車は利用者さんのニーズに合わせて、バリアフリー車を準備することも必要です。
デイサービスの種類は、大きく分けて大規模型や小規模型があります。大規模型は、「機能訓練特化型」や「リハビリ特化型」のように何かに特化した施設もあり、定員19名以上と比較的多いのが特徴です。各自治体では「介護予防特化型」のデイサービスも展開されているケースもあります。
小規模なものには、「地域密着型」とも呼ばれるタイプがあり、利用定員が18名以下の比較的小規模なデイサービスです。また、認知症の専門的なケアを行う「認知症対応型」の施設もあります。
デイサービスの利用時間は、以下の通りです。
上記の利用時間は、[btp_line]「サービス提供時間区分」[/btp_line]として定められており、この区分に従って、利用料の請求額が決定されます(出典:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」)。
利用者さんの費用感は、施設によって変わってくるので、各施設で確認するのが一番です。介護職に就く職員が知っておくべき点は、なぜ施設ごとに費用感が異なるのかということでしょう。利用者さんが支払う利用料は、介護保険が適用される費用と、適用外の費用の合算によって確定されます。さらに、費用の内訳として「利用料」と「サービス加算」という項目があります。
| 介護保険の適用 | 項目 | 概要 |
|---|---|---|
| 適用 | 利用料 | デイサービスへの滞在費や送迎・レクリエーションの費用 |
| 適用 | サービス加算 | 入浴や個別機能訓練を行った場合はその分加算されます |
| 適用外 | 食費 | 昼食やおやつなどの食費 |
| 適用外 | その他の費用 | おむつやお弁当の購入などで発生する追加費用 |
介護保険適用がされるサービスと適用外のサービス費用どちらも合わせた金額が利用者さんの負担額です。さらに大規模型、小規模型によっても費用感が異なります。
1単位が10円の場合の、通常規模のデイサービスの介護費の目安を確認してみましょう。
| 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間 | 368 | 421 | 477 | 530 | 585 |
| 4~5時間 | 386 | 442 | 500 | 557 | 614 |
| 5~6時間 | 567 | 670 | 773 | 876 | 979 |
| 6~7時間 | 581 | 686 | 792 | 897 | 1,003 |
| 7~8時間 | 655 | 773 | 896 | 1,018 | 1,142 |
| 8~9時間 | 666 | 787 | 911 | 1,036 | 1,162 |
(単位:円)
上記の金額に、入浴や個別機能訓練を行った際のサービス加算・昼食代やおやつ代の食費がプラスされた金額が合計の負担額となります。
利用者数が多く、施設も全国に多数あるデイサービス。今回は、デイサービスとはなんなのか、理解を深めるための基本的な情報をお伝えしました。配置人員の職種や仕事内容の理解を深めていただくことができたでしょうか?数多くある介護施設の施設形態の理解を深めることは、介護の仕事に就く上で糧になる知識でしょう。

要介護の認定を受けている方が日帰りでリハビリを受けるデイケア(通所リハビリテーション)。リハビリや他者との交流などを通して、利用者さんがその人らしく生活できるようサポートを行う施設です。この記事では、デイケアとは何か?というところから、サービス内容、デイケアで活躍する職員の種類などを解説します。リハビリ業務やデイケアでのお仕事に興味のある方は、知識を深めるために役立ててください。
元気に過ごしていた高齢者が病気にかかったり、ケガをしたりすることによって、今まで日常生活でできていたことが困難になるケースがあります。また、脳梗塞や骨折などによって入院した場合、退院後の自宅での入浴などに不安を抱くこともあるでしょう。
このように[btp_line]生活動作に難しさを抱えた高齢者が、在宅でできるだけ自立して生活できるように、リハビリなどを行っているのがデイケア(通所リハビリテーション)[/btp_line]です。
要介護認定を受けた人が主治医の指示によって提供を受けるもので、自宅から日帰りで利用します。
デイケアには2種類あります。要介護認定1~5の認定を受けた人が利用できる「通所リハビリテーション」と、要支援1~2の人が利用できる「介護予防通所リハビリテーション」です。ここでは前者の「通所リハビリテーション」について解説しましょう。
デイケアを行っている主な施設は、医師が常駐する介護老人保健施設や病院、診療所など。医師による運動機能検査と指示書のもと、通所リハビリテーション計画書を作成し、リハビリを行います。
リハビリを実施するのは、[btp_line]理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの国家資格を持つ専門職員[/btp_line]です。利用者さんが安心して日常生活を送れるよう支援します。
また、看護師・准看護師による健康管理や服薬の管理のほか、介護職員が食事や入浴の介助を行う場合も。そのほか、レクリエーションを行って脳の活性化を図ったり、他者との交流を通じて楽しみを見出したりと、施設ごとに特色あるサービスが行われています。リハビリだけでなく、人とのふれあいを大切にすることで、利用さんの生きがいづくりや認知機能の維持につなげることが狙いです。
上記のように要介護者が受けるデイケアのほかに、精神的な疾患を持つ人が日帰りのリハビリを受ける「精神科デイケア」もあります。社会活動に難しさを感じている人に、対人でのコミュニケーションや活動を通して社会復帰をサポートする場所です。
デイサービスは、レクリエーションを通じて他者と交流を楽しんだり、看護師・介護職員の指導のもと運動を行ったりといった主に健康維持や認知症予防を目的とした施設です。
対してデイケアは、主に心身機能に問題を抱える方に対して、常駐の医師の診察のもと、専門職によるリハビリを行い、回復を図る施設。名称は似ていますが、「医師の常駐が義務とされているかどうか」「心身機能の改善などの治療をともなうサービスを行っているかどうか」という点が、デイサービスとの大きな違いといえます。医師以外のデイケアに必要な人員配置については後述していますので、チェックしてみてください。
加齢によって体力や身体の機能が低下した方にはデイサービス、病気や骨折などによって生活動作が困難になった方や、入院生活で体力が低下したという方にはデイケアが適していると考えられます。特に、専門的なリハビリを通して心身の回復を図る必要がある方はデイケアを利用すると良いでしょう。
デイケアではじめに行われるサービスの一つに、施設の職員による[btp_line]車での送迎サービス[/btp_line]があります。職員は玄関から車までの移動介助や車いすの乗降介助を行い、移動中の車内では利用者さんとのコミュニケーションの時間を持ちます。
[btp_line]リハビリ[/btp_line]では医師の指示書のもと計画書が作られ、専門の職員によって利用者さんに合ったプログラムが行われます。器具や機器を用いた歩行訓練や、筋力トレーニングによる運動機能の向上、口腔機能向上のための訓練などです。
各専門職によるそれぞれのリハビリ内容は、人員配置の項目で紹介します。チェックしてみてください。
また、リハビリのほかにも、食事・入浴などの介助やレクリエーション、コミュニケーションを楽しむ時間が設けられていることもあります。リハビリに重点を置きながら、利用者さんの状況に合わせたサポートを行うのがデイケアの特徴です。
デイケアでは、退院して間もない人や病状に不安を抱える人も安心して通所できるよう、体温・血圧測定などの健康チェックを実施。問題が見つかった際は、常駐する医師や看護師が適切な処置を行ったり、併設する病院・診療所で対応を行ったりします。心身機能の回復や維持を目的としたサービス内容のため、介護サポートだけでなく[btp_line]医療ケアへの対応力が高い[/btp_line]という特徴があります。
介護保険サービス施設は、厚生労働省の介護保険法によって人員配置基準が決められています。特にリハビリに特化した介護サービスを行うデイケアでは、配置基準の要求が高いものになっています。リハビリをはじめ、医療・介護の資格を持つ職員が活躍するデイケア。ここでは、必要な専門職員の種類と人員について解説します。
<医師>
デイケアに常駐し、利用者さんのリハビリ内容を決定するほか、医療管理や病状が急変した際の対応も行います。
<理学療法士:PT>
歩いたり座ったりなどの基本的動作の維持や回復、悪化を予防するためのリハビリを行う専門職です。筋力トレーニングなどの運動療法などを用いて生活動作の安定を支援します。
<作業療法士:OT>
日常生活を想定して、食事や着替え、洗濯や料理などで必要な動作の訓練を行う専門職です。利用者さんが介助なしで日常の活動を行えるよう支援します。
<言語聴覚士:ST>
言語コミュニケーションや摂食・嚥下に問題を抱える人に対してリハビリを行う専門職です。日常のコミュニケーション能力の回復を図り、自分らしい生活ができるよう支援します。
<看護師・准看護師>
利用者さんの健康管理や薬の管理のほか、医師の指示のもとでの処置やリハビリの補助などがデイケアでの主なお仕事です。
<介護職員>
利用者さんに必要な食事や入浴、排泄などの介助や、レクリエーションも中心となって計画・実施。利用者さんが安心してリハビリに集中できるよう支援します。
厚生労働省の「通所リハビリテーションの概要・基準」によると、デイケアを提供するために必要な職員の人数は、それぞれ以下のとおりとなっています。
<医師>
専任の常勤医師が1人以上必要です。ただし、病院や診療所に併設されている事業所や、介護老人保健施設、介護医療院については各病院・施設の医師との兼務で差し支えありません。
<理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護師・介護職員>
サービス提供時間において利用者さんの数が10人以下の場合は、リハビリに関わる上記の職員が1人以上必要です。また、利用者さんの数が10人を超える場合は、利用者さんの数を10で割った数の職員が必要となります。例えば利用者数が35人の場合、35を10で割ると3.5になり、4人の職員が必要です。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士については、利用者さんが100人増えるごとに、上記の人員のうちリハビリの提供に当たる人員が1人以上必要です。
ただし、リハビリ提供時間が1~2時間の場合は上記の専門職員の代わりに、定期的な研修を受けた看護師や准看護師、柔道整復師やあん摩マッサージ師を配置することも可能としています。
厚生労働省が発表している「通所リハビリテーション」に関する資料によると、デイケアを開設する施設は、[btp_line]病院や診療所・介護老人保健施設・介護医療院[/btp_line]の3種類です。また利用者数が750人以内の「通常規模型」、750~900人以内の「大規模型Ⅰ」、900人以上の「大規模型Ⅱ」があります。滞在時間にもいくつかのバリエーションがあり、6~8時間の1日型と、3~4時間の半日型、1~2時間の短時間型です。
設備に関しても介護保険法によって基準が設けられています。厚生労働省の「通所リハビリテーションの概要・基準」によると、リハビリを行うための部屋は3平方メートルに利用定員を掛けた面積以上の広さが必要です。また、リハビリに必要な専用の機器や器具の設置はもちろん、消防法などで規定された災害時に必要な消火設備などを備える必要があります。
デイケア(通所リハビリテーション)を利用する人の費用感はどのくらいでしょうか。
1割負担時の利用料の目安を、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」の情報をもとにして紹介します。
要介護1~5の認定を受けた利用者さんの負担額
通常規模型(1か月の平均利用延べ人数750人以内)の事業所の場合
(6時間以上7時間未満)
| サービス費用の設定 | 利用者負担(1割) 1回の費用 |
|---|---|
| 要介護1 | 667円 |
| 要介護2 | 797円 |
| 要介護3 | 924円 |
| 要介護4 | 1,076円 |
| 要介護5 | 1,225円 |
なお、要支援1~2の認定を受けた方の「共通的サービス」における負担額(1割)の目安は以下の通りです。
| サービス費用の設定 | 利用者負担(1割) 1回の費用 |
|---|---|
| 要支援1 | 1,712円 |
| 要支援2 | 3,615円 |
自宅から施設までの送迎にかかる費用も含まれているため、送迎を必要としない人は上記より負担額が安くなります。食事やおむつなどの[btp_line]日常生活費は実費負担[/btp_line]です。
デイケアとは?というところから費用などについて解説しました。デイケア(通所リハビリテーション)は、在宅で介護を受ける高齢者が日常生活への意欲を取り戻せるようリハビリを中心にサポートする介護サービスです。専門職員がそれぞれの知識と技術を発揮し、一丸となってケアに取り組んでいます。医療・介護の資格を活かしたい人も、これから資格取得を目指す人も、デイケアのお仕事を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

本記事では、デイサービス開業に関する情報をご紹介します。高齢化が急速に進み、介護施設の需要が高まる昨今。時代のニーズに合わせたビジネスチャンスのひとつとして、“デイサービス開業”に注目が集まっています。将来的な事業拡大を考えている介護施設の経営者、独立希望の現役介護職員の方は、デイサービス開業の指定基準や費用、注意点をチェックしておくことが大切です。それぞれ解説していくので、知識を身に付ける際に役立ててください。
デイサービス開業を考えるにあたり、気になるのは[btp_line]デイサービス経営が儲かるかどうか[/btp_line]という点でしょう。2020年度の独立行政法人福祉医療機構の調査では、約4割の施設が赤字です。黒字経営を目指すには、以下の項目を意識する必要があります。
職員の定着率は、[btp_line]職場環境や仕事に対する満足度に比例します[/btp_line]。定着率が高まればサービスの質が向上し、利用者さんの満足度も高くなるでしょう。サービスに満足した利用者さんが他の方を紹介してくれるケースもあるので、スタッフの定着率を高めることは黒字経営につながる要素とも言えます。
稼働率はデイサービス経営における重要指標です。[btp_line]稼働率が高いほどに売り上げは大きい[/btp_line]と言えるので、運営を安定させるためにも稼働率を意識しましょう。
利用者さんがどのデイサービスに通うかを決める際は[btp_line]魅力的に感じる要素があるもの[/btp_line]です。自社ならではの強みを打ち出して施設の魅力を高め、他との差別化を図りましょう。
デイサービス開業には、必要条件と指定基準を満たす必要があります。
まず必要条件として、報酬請求のために[btp_line]法人格を取得[/btp_line]しなければいけません。法人の形態は複数あり、それぞれ特徴が異なります。
<営利法人>
<非営利法人>
デイサービス開業の指定基準は、人員・設備・運営の3つに分かれます。
<人員基準>
| 職種 | 配置条件/資格要件 |
| 管理者 | 1名以上/資格要件なし |
| 生活相談員 | 1名以上(兼務可)/介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士など |
| 看護職員 | 1名以上(利用定員が10人未満なら配置基準なし)/看護師、准看護師 |
| 介護職員 | 1名以上/資格要件なし |
| 機能訓練指導員 | 1名以上/理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、はり師、きゅう師など |
[btp_line]管理者は2職種のみ兼務できます[/btp_line]。たとえば、介護福祉士の資格を持つ管理者なら生活相談員との兼務が可能です。
<設備基準>
| 設備 | 基準 |
| 食堂・機能訓練室 | 利用者数×3平方メートルの面積の確保 |
| 浴室 | 使いやすく安全が確保される設備 |
| トイレ | 手すりやブザーの設置 |
| 相談室 | プライバシーに配慮した構造 |
| 事務室 | 机、イス、書庫、鍵付きキャビネットの設置 |
| 消防設備 | スプリンクラー・消火器の設置 |
こちらは主な設備の例です。その他、厨房や静養室などにも基準があります。
<運営基準>
他にも運営基準は複数あります。運営側がサービスを一方的に押し付けることのないよう、定められた基準を守らなければいけません。
デイサービス開業でおもに必要となる項目は5つあります。
デイサービス開業には都道府県・市町村の事業所指定が必要で、事業計画書は提出書類のひとつ。融資を受けるなら金融機関へも提出することになります。また、売り上げの見通しを立てて収支計画を作成するためにも必要な書類です。
“誰のために、どんなサービスを、どのように提供するのか”を明確にしましょう。
事業概要は経営テーマと事業内容に分かれます。
マーケティングは施設を利用してもらうための強みにあたります。“儲かる・儲からない”を分ける要素でもあるので、他社にはない独自の強みを打ち出せるよう、戦略を立てましょう。
デイサービス開業には、法人設立費や改修費用、広告宣伝費、人件費など複数の項目に費用がかかります。どのくらいの費用が必要なのか事前に確認しておきましょう。
デイサービス開業に必要な[btp_line]費用の相場は約1,200万円[/btp_line]と言われています。開業にあたり融資を受けることもできるので、自己資金は約400~500万円を想定しておきましょう。
法人格の取得にかかる費用。法人の形態によって費用に差はありますが、約11~25万円が相場です。
既存の建物を改修して開業する場合の費用。初期投資として十分確保しておくといいでしょう。改修内容によって費用は前後しますが、約200万円が相場です。
事業所として指定を受けるために必要な費用。約3万円が相場です。
優秀な職員を確保できればサービスの質も高まります。介護報酬の売り上げが入るタイミングも考慮し、余裕を持った費用を確保しましょう。約800万円が相場です。
利用者さんの送迎に使う車両の費用。安全面はもちろん利用者さん一人ひとりの状態に合わせた対応をするために、改造が必要なケースもあります。スロープ付き送迎車の中古相場は50万円~120万円なので、約70万円を想定しておきましょう。
広告宣伝費や備品にかかる費用など。合わせて約80万が相場です。
デイサービス開業時にチェックしておきたい3つの注意点を見ていきましょう。
施設としてのコンセプト・サービス内容は、利用者さんに選ばれ、継続的に通ってもらうためにじっくり考える必要があります。たとえば、どんなサービスを提供すれば利用者さんが快適に過ごせるか、安心してもらえるか、という視点でサービス内容を考えてみましょう。既存の施設を参考にするのもひとつの方法ですが、[btp_line]“自社ならでは”のサービスを織り交ぜると差別化できます[/btp_line]。
職員の確保は、利用者さんに適切なサービスを提供し、安全性を高めるために不可欠です。定められた人数をクリアすることはもちろん、十分な経験やスキルを持つ職員を確保しましょう。
デイサービス開業の初期費用は膨大で、開業後もしばらくは多くの運転資金が必要です。準備段階で収支のバランスをしっかりシミュレーションし、安定した運営を目指しましょう。開業後はさまざまな税金が発生するので、[btp_line]税理士や弁護士とのコネクションを作っておくことも大切[/btp_line]です。
デイサービス開業には、十分な知識を身に付けて必要な物をそろえる“準備”が欠かせません。3つの指定基準については項目ごとに細かく定められているので、一つひとつ確実にクリアしていくことが大切です。費用についても、どんな項目にどれくらいかかるのかチェックする必要があります。ご紹介した相場を参考にしながら、実際に必要な費用を計算してみましょう。

介護の現場において、さまざまな仕事を担っているケアマネジャーは、各事業所・施設にとってなくてはならない存在です。そんなケアマネジャーの業務のなかには、ケアマネ営業と呼ばれる仕事も含まれます。ケアマネ営業は、新たな利用者さん獲得や地域との密接な関係をつくる大切な業務です。そこで今回は、ケアマネ営業の詳しい内容をはじめ、営業効果を高めるポイントや注意点などをご紹介しましょう。
まずは、ケアマネ営業の概要と、基本的な仕事内容を詳しく解説していきます。
ケアマネジャーは、[btp_line]介護が必要な方のケアプランを作成[/btp_line]したり、[btp_line]施設やサービス業者などとの連絡調整[/btp_line]を行ったりするのがメインの仕事です。利用者さんをはじめ、その家族が自立した生活を送れるよう、専門的な知識と技術を持ち合わせている必要があります。介護施設や介護事業所、地域包括支援センターなどが主な職場です。
ケアマネ営業とは、新規の利用者さんを獲得するために、あちこちの介護施設や病院、地域包括支援センターなどに[btp_line]営業に回る業務のこと[/btp_line]です。ときには、パンフレットやチラシを作製して、配布するケースもあります。ケアマネ営業によって、地域包括センターといった地域の施設との信頼関係を深め、[btp_line]自身が所属する事業所・施設の魅力をアピールする[/btp_line]ことも目的のひとつです。
ケアマネ営業は、なんとなく実行してもうまくいきません。まずは基礎知識を身に付けましょう。
ケアマネ営業では、自身が所属する事業所・施設の魅力をアピールしなければならないため、まずは特色や強みをしっかりと把握しましょう。特に、他事業所・他施設と差別化できるような特徴をピックアップすることが大切です。
例えば、経験年数が長いケアマネジャーが所属している、困難事例を多く受け入れてきた実績があるといったことも強みになります。こういった事業所・施設の特色や強みを把握したら、わかりやすく伝えられるようきちんと言語化することも忘れてはいけません。もちろん、空き状況や利用料金、サービスの具体的な内容など、基本的な情報もしっかり頭に入れておく必要があります。
事業所・施設の特色や強みをわかりやすく営業先に伝えるには、パンフレットやチラシといった、目に見えるツールを用意するのがおすすめです。相手にスムーズに伝えることができ、なおかつ資料として手元に残すことができるなどのメリットがあります。
パンフレットやチラシには、ケアマネジャーの強みや困難事例を解決した実績など、アピールポイントを盛り込むのが基本です。内容にこだわるのはもちろん、印象に残りやすいデザインに仕上げることや、スタッフの写真を盛り込んで、見やすい工夫を凝らすことも大きなポイント。紙の資料と一緒に、ホームページやSNSで発信するのもひとつの方法です。
ケアマネ営業で訪れる先は、地域包括支援センターや医療機関、各施設や事業所などがメインです。営業先をリストアップし、電話やメール、訪問といった形で営業を行いましょう。
初対面の場合は、営業担当者に対してどうしても警戒心が湧いてしまいがちです。定期的に連絡したり足を運んだりして、顔を合わせる機会を増やし、信頼関係を築きましょう。ただし、先方の邪魔にならないよう、訪問回数の増やしすぎには要注意です。また、営業に行く場合は、事前にアポを取ることも忘れてはいけません。
ケアマネ営業の基礎知識を身に付けたうえで、さらに業務効率化を目指すべく、営業効果を高めるポイントを3つまとめました。
まずは、自身の事業所・施設を利用する方々の満足度を高めましょう。利用者さんやその家族の満足度が高ければ良い口コミが地域に広がり、新規の利用者さん獲得につながることもあります。
他事業所や医療機関との連携を増やすことで、サービスの幅が広がります。すると、利用者さんそれぞれに適切なケアが可能であるというアピールポイントになるため、ケアマネ営業の効率がアップするでしょう。連携を増やすためにどのような事業所があるか調べる、他施設にはない独自のサービスを充実させるなど、利用者さんやその家族に、真摯な姿勢で寄り添ってみてください。
地域包括支援センターは、介護の相談窓口ともいえる施設です。そのため、しっかりと信頼関係を築いておけば、新規利用者さんを紹介してもらえる場合もあります。より信頼関係を深めるために、地域包括支援センターで行われる研修や事例検討会といった催しに、定期的に参加してみてください。
ケアマネ営業の効率を高めるには、注意点もしっかり把握しておくことが大切です。相手にマイナスの印象を与えないために、最後までチェックしてみてください。
営業先の繁忙期や、忙しい時間帯などは避けて訪問しましょう。電話で営業活動する場合も同様です。特に月末や月初は、請求業務に追われていることも多いため、避けるのがおすすめです。先方が忙しそうな場合には、挨拶だけにする、資料を送るといった、時間を取らない方法を選択してみてください。
営業先で先方から質問された内容には、的確に答えられるよう十分に準備しておきましょう。相手の質問に答えられなければ、営業の意味がありません。また、不信感を抱かれる場合もあります。特に、空き状況や送迎の範囲、利用料金など、基本的な情報をしっかり把握しておくことが大切です。覚えられない場合は、メモや資料を持参するなど、工夫しましょう。
ケアマネ営業を行う際、つい手土産などを持参したくなりますが、利益収受に該当する場合があるため、要注意です。ケアマネ営業に訪れる先として代表的な施設である地域包括支援センターは、市区町村から委託されたNPO法人や社会福祉法人などが運営しています。この委託を受けることが可能な事業者は、公正で中立的な立場でなければならないため、利益収受が禁止されているのです。
ケアマネ営業では、清潔感のある服装やヘアスタイルといった、身だしなみに注意しましょう。身だしなみが乱れていた結果、マイナスな印象を与えてしまえば、営業効率がダウンする可能性もあります。ほかにも、たばこの臭いや汗といった、エチケット面にも配慮するのがおすすめです。事業所・施設を代表して営業に行っていることを忘れず、相手に不快感を与えないようにしましょう。
ケアマネ営業では、相手にとって有益である情報を的確に伝える必要があります。そのために、自身が所属する事業所・施設の特色や強みをしっかり把握しておきましょう。また、空き状況や利用料金といった、基本情報も覚えておきたい内容のひとつです。基本から注意点までしっかり勉強して、ケアマネ営業の効率を高めましょう。

介護の仕事は辛くて大変な仕事…そんなマイナスイメージを払しょくするべく、介護の現場で活動するお笑い芸人がいることはご存知ですか?彼らは“介護芸人”と呼ばれ、お笑いの力を介護の現場に取り入れながら、新たな取り組みを行っています。今回は、そんな“介護芸人”の活動に注目しました。実際にどんな活動が行われているのか、詳しくご紹介します。
[btp_line]“介護芸人”とは、介護の現場で活躍するお笑い芸人のこと[/btp_line]。その活動は幅広く、介護施設へ出向いてコントや漫才を披露している方もいれば、芸人の仕事と並行して本格的に介護職として働いている方もいます。
以前、インタビューをした鹿見勇輔さんも広島で活躍する“介護芸人”のひとり。ぜひこちらの記事も読んでみてください。
介護芸人の中には、テレビでおなじみの有名人も!注目を集める“介護芸人”の活動を、ピックアップしてご紹介します。
「あるある探検隊!」のリズムネタで一躍人気になった「レギュラー」は、現在、介護施設などで漫才を披露する“介護芸人”として活躍しています。レギュラーの松本康太さん、西川晃啓さんは、2人とも「介護職員初任者研修」と「レクリエーション介護士」の有資格者。2019年に出版した『レギュラーの介護のこと知ってはります?』は、笑えて役立つ介護入門本として話題を呼んでいます。
そんなレギュラーの新ネタは、「リズムネタ脳トレあるある体操」。高齢者が思わず「懐かしい!」となるようなフレーズを使いながら、認知症予防や脳トレ要素も取り入れているんだとか。現在も「[btp_line]介護とお笑いを融合させた芸を生み出すこと[/btp_line]」をモットーに、積極的な介護施設訪問を続けているそうです。
テレビでも活躍する「メイプル超合金」安藤なつさんには、実は“介護のスペシャリスト”としての顔もあります。
学生時代から介護のボランティアなどしていた安藤さんの介護職歴はなんと20年以上!「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修」の有資格者でもあり、現場経験も豊富です。
高校在学中にお笑い芸人の道に進んだもののなかなか芽が出ず、しばらく夜間の巡回介護の仕事を掛け持ちしていた安藤さん。
当時の介護の現場は、[btp_line]お笑いの仕事で心が折れかけていた自分を奮起させてくれる場所[/btp_line]でした。決して、世間が抱くような“介護の仕事は大変で辛い”といったネガティブな気持ちにはならなかったといいます。
現在では、そんな介護の現場のマイナスイメージを払しょくするために、書籍やテレビ番組などを通して、介護職の魅力を発信し続けています。
お笑いコンビ「マッハスピード豪速球」のさかまきさんも、夜勤でデイサービスの仕事を続けながら、お笑い芸人としても活動する“介護芸人”のひとり。介護職歴は10年以上になり、「介護福祉士」や「認定心理士」の資格も持つプロの介護職です。
そんなさかまきさんに、周囲からは「介護職って大変そう…」と心配の声もあるようですが、むしろ[btp_line]介護の現場は明るく、面白いもの[/btp_line]なんだとか。
さかまきさんが出版した電子書籍『介護芸人のコントな世界』でも、日々の笑える介護エピソードが語られています。「介護現場は、まさにボケとツッコミ」と語るさかまきさんは、現在も介護職として働きながら、お笑い芸人として介護のポジティブな面を発信しています。
「細かすぎて伝わらないモノマネ」で人気のお笑い芸人オラキオさんは、介護職としての顔も持つ“介護芸人”です。2020年からは、介護人材の定着支援サービス「kaigo FIKA」の第1号「プロフィッカー(※若手介護職員のメンタリングを行う人)」として、介護職のケア活動にも従事しています。
ケア活動とは、介護職の悩みを聞き、話をする仕事。より親身になって相談にのれるように、週に一度は介護の現場で実際に働いているといいます。「[btp_line]介護とお笑いはすごく似ている職業[/btp_line]」だと語るオラキオさん。
お笑い芸人は相手が何を欲しているか察する能力に長けているので、介護の現場で活かせることも多いんだとか。現在も、介護の現場を明るく元気にするために、若手の介護職のメンタルケアに注力されています。
今回、“介護芸人”として紹介したお笑い芸人の方々はみな、介護という仕事に対してポジティブなイメージを持っていましたね。彼らの活動がさらに話題になり、広まれば、介護職に対する世間の印象も変わってくるのではないでしょうか。そして何より、利用者さんや介護職の笑顔も増えていくはず。介護業界に明るい風を吹かせる“介護芸人”の活動に今後も注目してきましょう。

介護リーダーはフロアリーダーや介護主任と呼ばれる、介護スタッフ全体をまとめる立場にある職種です。利用者さんへの介護サービスを提供しつつ、上司との取次や部下の指導なども行うため、責任のある仕事でもあります。しかしその半面、上司と部下との板挟みになってストレスを抱える方も。そこで今回は「介護リーダーを辞めたい」と考える方に向けて、「辞めたい」と思ってしまう理由や解決方法について紹介します。
「介護リーダーを辞めたい」と思う瞬間には、どういったことがあるのでしょうか。まずは、「介護リーダーを辞めたい」と考えるシチュエーションを紹介します。
介護リーダーは、介護職全体をまとめる立場にあります。そのため、他の介護スタッフが円滑に介護サービスを提供できない、各介護スタッフの技術力が均一でない、退職希望のスタッフが多いなどのマイナス面が大きくなると、介護リーダーの運営能力を問われることも。
「介護リーダーだからこうなしなければいけない」という基準はありません。それぞれのリーダー論に則って行動する必要があるため、介護リーダーの仕事について誰かに教えてもらったり相談したりする機会が少ないと言えるでしょう。
そういった背景から、介護リーダーであることにプレッシャーを感じてしまう方もいるのです。
介護リーダーは、上司からの指示を部下に伝えることも仕事であり、部下の意見を上司に申し出る役割もあります。つまり、上司と部下との間に挟まれてしまうわけです。
経営面や介護サービスの効率化を考える上司の言い分も理解できるでしょう。また、現場で働く部下の理想の職場環境整備もしたいと思うはずです。部下から上司や施設の不満を聞くこともあるでしょう。
しかし上司も部下も気にするあまり、「どのように間を取り持てば良いのやら…」と伝え方に悩む介護リーダーも少なくありません。
介護リーダーになった場合、介護リーダーの役割だけに集中できる介護施設もあります。しかし、ほとんどのケースでは、介護リーダーをこなしつつ利用者さんへの介護サービスの提供や部下の育成などさまざまな仕事を行わなければなりません。
部下の育成以外に、書類の作成や会議への出席、シフト調整などの多くの仕事があるため、介護リーダーになるとやりがいはあるものの仕事量が格段に増える可能性が高いでしょう。
介護施設では、新人研修や部下への指導マニュアルが作成されているはずです。しかし指導は対人間に行うもの。一人ひとり個性があるため、マニュアル通りの指導はできません。また、仕事に対するモチベーションや理解力についても差があります。
つまり、部下の性格や知識・技術力に応じて指導方法を考えなければなりません。また、介護業界での人材不足も背景にあることから、「いろいろ言って辞められたら困る」と思ってしまうことも。
そうなると、部下への指導や注意がしづらくなり困ってしまうケースもあるのです。
介護施設で働く介護スタッフの年齢層は幅広いです。そのため介護リーダーのほうが若く、自分よりも年上の介護スタッフが部下になることもあります。
また、入社したときは自身の先輩だったものの、介護リーダーになったことで年長者の介護スタッフが部下になるケースも。急に態度を変えるのは違和感がありますが、ときには注意が必要なこともあります。
そういった際に、「人間関係が難しい」と辞めたくなることもあるでしょう。
介護現場では、介護スタッフとしてさまざま経験をされてきた方や新人スタッフなどいろいろな人材が一緒に働いています。介護リーダーは、そういった考え方も年齢も違う介護スタッフをまとめなければなりません。
「何を持ってチームがまとまっている」という基準がないために、介護リーダーが思い悩んでしまうこともあるのです。
なかには、役割を全うしたうえで「さらにステップアップしたい」と感じて「介護リーダーを辞めたい」と思う方もいます。
こういう方は、介護リーダーより上の役職を目指したり、資格を取得して専門性をたかめたりすると良いでしょう。転職を視野に入れるのもおすすめです。
「介護リーダーでいることが辛いため辞める」というのも1つの方法でしょう。ただし、突発的に退職するのは控えたほうが良いかもしれません。それは、転職しても同じことを繰り返してしまうかもしれないためです。
「介護リーダーを辞めたい」と思ったときは、[btp_line]まずは立ち止まって考えてみましょう[/btp_line]。ここでは、「介護リーダーを辞めたい」と感じた方が辞める前にできる対処法について紹介します。
原点に立ち返ってみましょう。なぜ介護職に就いたのか、今後の夢や計画を考えてみてください。その際は、介護リーダーを続けるメリットやデメリットについても検討してみましょう。そうすることで、冷静に判断できるはずです。
仕事量が多く負担に感じているのであれば、自身の仕事内容を見直して効率化を図ってみてください。仕事内容を見直せば、自身の問題点が見えてくることも。その問題点を解決することで、人間関係が円滑になるケースもあるでしょう。
責任感が強い方ほど、悩みを自身の心のなかに閉じ込めていることも。家族や同僚など信頼できる方に相談することで気持ちが楽になり、「介護リーダーを辞めなくても良い」と思えるかもしれません。
上司のなかには、介護リーダーを経験した方もいらっしゃるはずです。経験者や上司に相談するのも1つの方法でしょう。上司への悩みや職場環境に関することであれば、施設長に相談するのもおすすめです。
「同僚や施設長には相談しづらい」という場合は、市区町村の相談窓口を利用するのも良いでしょう。守秘義務が約束されているため安心です。また、客観的な意見を聞けるかもしれません。
冷静になって考えたものの「やっぱり介護リーダーを辞めたい」と思った場合は、他の進路を考えるのもおすすめです。心を疲弊させて体調を崩しては意味がありません。最後に「やっぱり介護リーダーを辞めたい」と思ったときの選択肢について紹介します。
介護リーダーに選ばれているということは、介護の知識も技術もあり人徳がある方のはずです。また、介護という仕事に誇りを持っていることでしょう。そういった方が、介護職から離れてしまうのはもったいないです。
これまでの経験を活かして、ケアマネジャーや生活相談員などの介護関連職種を検討するのはいかがでしょうか。
「介護リーダーは辞めたいものの介護職は好き」という方は、介護リーダーから外れるのも選択肢の1つ。介護リーダーでなくなれば、これまでの仕事と変わりないため負担軽減になるでしょう。
待遇面や経営方針、人間関係に悩んでいる場合は、職場を変えるのもおすすめです。自分に合った職場環境を見つけられれば、自分らしくのびのびと働けるかもしれません。
介護職や介護関係の仕事に対して悩んでいる方は、介護職以外の仕事を検討しましょう。これまで培った知識や経験は、違う分野の仕事に就いたとしても糧になるはず。また、新しいことに挑戦すると、自身のモチベーションアップにもつながるでしょう。
誰でも介護リーダーになれるわけではありません。だから自信を持ってください。しかし、一人で考えすぎて心を疲弊させるのは違います。他の同僚や家族などの協力を得ながら、自分らしく働ける環境づくりをしていきましょう。試行錯誤したものの「やっぱり介護リーダーを辞めたい」と思ったときは、気持ち新たに一歩踏み出すのもおすすめです。

介護スタッフのストレス原因のひとつが、職場での人間関係。特に、遅刻や無断欠席、暴言を繰り返すような問題スタッフに悩まされているという話も少なからずあるようです。みなさんの中にも「トラブルを起こす同僚に手を焼いている…」という方はいるのでは?そこで今回は、介護スタッフの問題行動事例とその対処法を紹介します。ぜひこの機会に正しい対応を学んでおきましょう。
まずは、実際によくある介護スタッフの問題行動事例を見てみましょう。
とはいえ、このような行動が一度みられただけでは問題スタッフとは認められません。問題行動を繰り返すうえに、[btp_line]自らの非を認めようとせず、他人のせいにするような態度が見られたら要注意[/btp_line]でしょう。
問題スタッフへの対応を間違えると、次のような状況に発展することもあるため、注意が必要です。
問題スタッフが施設内で暴言を吐いたり、パワハラ行為をしたりすることで、スタッフの間では不穏な空気が流れるようになるでしょう。さらに業務中の居眠りや私語が増えてくると、職場内の規律が乱れ、周囲のスタッフの意識もゆるみやすくなるかもしれません。
普段から問題スタッフと関わることが多いと、次第に精神的なストレスから体調を崩すスタッフも出てくるでしょう。そうなると、問題スタッフが原因となって他スタッフが離職してしまうという残念な結果を招くこともあります。
もし問題スタッフによる暴言やパワハラなどによって他スタッフが何らかの疾患にかかった場合には、[btp_line]介護施設側が「安全配慮義務違反」に問われる可能性が高い[/btp_line]です。安全配慮義務とは、施設側がスタッフの労働によって利益を得る代わりに、スタッフの安全や健康に配慮する責任を負うもの。施設の対応が違反とみなされると、損害賠償などさまざまな罰則の対象となることがあります。
問題スタッフには、次のような手順で対応するといいでしょう。
まずは、粘り強く注意指導を続けることが大切です。その際、自ら辞めるよう仕向けるために嫌がらせをしたり、孤立させたりするような対応はしてはいけません。これらの行為は「追い込み型退職」と呼ばれ、パワハラ行為に該当する場合があります。
注意指導を続けても改善されない場合には、他施設や他部署への異動を検討してみましょう。ただ、働き続けられることに変わりはないので、根本的解決にはならない可能性もあります。また、配置転換の必要性が認められない場合には、人事権の濫用とみなされる場合もあるため、慎重にすすめるようにしましょう。
注意指導や配置転換が効きそうにない場合には、懲戒処分を行います。懲戒処分には戒告やけん責といった軽いものから、減給・出席停止・降格などの重いものまであり、場合によっては懲戒解雇の措置がとられることも。ただし、処分の程度が重ければ重いほど、スタッフ側から不当な対応だと訴えられる可能性が高くなります。そのため、段階を踏んで処分を検討し、実施することが大切です。
懲戒処分を段階的に行ったとしても業務態度が改善されない場合には、自主的な退職を促すことになります。スタッフ本人の意向による退職となれば、事後のトラブルや法的なリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
ただ、退職強要にならないように、本人の意思を尊重し、慎重にすすめなくてはなりません。また、本人との合意のうえでの退職だと証明するために、やり取りを記録しておくことも大切です。
さまざまな策を講じても解決できなかった場合には、最終手段として普通解雇、または懲戒解雇に踏み切ることになります。ただし、施設側がスタッフを解雇するためには、それ相応の理由とそれを裏付ける証拠が必要です。当然、曖昧な理由から一方的に解雇することは労働契約法によって認められていません。解雇が認められる正当な理由には、「勤務態度が極めて悪い」「指導を続けても改善が期待できない」「周囲と良好な人間関係が築けない」など。ただし、これらの理由を訴えたとしても、証拠を提示できなければ、問題スタッフの解雇が無効となる場合もあります。
問題スタッフへの対応次第では、施設側が法律に違反したとして訴えられることも。実際過去には、注意指導しても改善が見られなかった問題スタッフを普通解雇したところ、不当に解雇されたとして施設側が訴えられた裁判事例もあります。そうなれば、トラブルが長引き、施設側も疲弊することになるでしょう。さらに、裁判で施設側が敗訴となったら、問題スタッフへ多額の賃金支払いや雇用継続に迫られるだけでなく、世間のイメージダウンも免れません。
そのためにもまずは、[btp_line]段階を踏んで正しく対応することが大切です[/btp_line]。そして、いざというときに証拠として提示できるよう、問題スタッフとのやり取りはすべて、書面やメール、録音など細かく記録しておくようにしましょう。場合によっては、弁護士などの専門家へ相談し、サポートしてもらうことも有効な方法です。
スタッフの問題行動を放置したり、間違った対応をしたりすると、他スタッフや利用者さんへ悪影響が及ぶ場合もあります。そのためにもまずは、正しい手順で適切に対応することが大切です。そして、どうしても解決の糸口が見られない場合には、弁護士など専門家へ相談することも検討するといいでしょう。

介護施設で調理補助スタッフとして働く場合、どんな仕事をすることになるのでしょうか。有料老人ホームやグループホームなどの介護施設で働くのは、利用者さんの介護を担当する介護職員だけではありません。
利用者さんの食事作りをサポートする調理補助スタッフも、欠かせない役割を担っています。
今回は調理補助スタッフの仕事に関する情報をご紹介しましょう。「どんな方に向いている?」「働くときの心得は?」などの疑問解決に役立ててください。
調理補助スタッフの仕事には資格が必要ありません。調理師として働くには調理師免許が必須なので、資格の有無が大きな違いと言えます。[btp_line]調理補助スタッフの立ち位置は“サポート役”[/btp_line]。調理師がメインで調理を行い、調理補助スタッフがサポートを行います。
調理師や管理栄養士の指示を受け、調理作業を行います。基本は“決まったメニューを決まった量だけ作ること”。調理作業のなかでも、食材や調味料の計量は調理補助スタッフに任されることがほとんどです。指示された通りにメニューを完成させるだけでなく、正しく計量することも仕事に含まれます。
また、食事の形態を変える調理作業も仕事のひとつです。たとえば、嚥下機能が低下している利用者さん向けに食材を細かく刻む、ミキサーにかけるなど。利用者さん一人ひとりに合わせた形態を指示されることもあります。
調理補助スタッフが食事の配膳を手伝うこともあります。配膳は介護職員が担当するのが基本ですが、人手が足りない場合は調理補助スタッフのサポートも必要です。規模の大きい介護施設で調理補助スタッフとして働くと、配膳が仕事内容に含まれることもあるでしょう。
また、簡単な盛り付け作業は調理補助スタッフの仕事です。利用者さんが安全に、安心して食べられることはもちろん、おいしく感じるような盛り付けを心がけましょう。
食材の在庫チェックも欠かせない仕事のひとつです。介護施設によっては発注作業も仕事に含まれます。
掃除については、調理補助スタッフに任されることがほとんどです。食中毒のリスクを考えると、調理場を清潔に保つのは大切なこと。
また、調理師のサポート役である調理補助スタッフが調理師のために調理環境を整える、という意味も含まれています。
続いて、介護施設の調理補助スタッフに向いているとされる要素をご紹介します。
調理補助スタッフの仕事には正確さが求められます。指示通りに動くことはもちろん、レシピ通りに調理作業を進めなければいけません。
特に、調味料の計量ミスは利用者さんの健康に影響を及ぼす可能性があります。決められた量をきちんと測ったり、時間に合わせて作業を終わらせたり、正確さを求められるシーンの多い仕事です。
調理場では、食材を切る、鍋の様子を確認するなど、複数の作業が同時に進んでいます。そのため、調理補助スタッフには効率良く作業を進める能力が求められるのです。一度に複数の作業を割り振られる可能性もあること知っておきましょう。
調理場では立ち仕事が基本です。さらに、介護施設によっては利用者さんの数が多く、調理する量が多いこともあるでしょう。また、早朝から朝食の調理作業が始まることもあり、体力面の負担は大きいと言えます。
調理補助スタッフは、調理師や管理栄養士とコミュニケーションを取りながら仕事を行います。
そのため、指示をきちんと聞き、実行する素直さが必要です。調理場で働くスタッフの人数が多いほど協調性が必要になるでしょう。
調理補助スタッフとして働くと、調理師の“プロの仕事ぶり”を間近で見ることができます。
調理のスキルを磨きたい方はもちろん、将来的に調理師免許を取りたいと考える方に向いていると言えるでしょう。
調理補助スタッフの心得としてまず意識したいのが、調理師や栄養士の指示に従うことです。サポート役である調理補助スタッフの基本であり、安全面において欠かせない要素になります。
たとえば自己流で調理作業を進めたり、盛り付けを行ったりすることで、利用者さんが料理をのどにつまらせるきっかけになるかもしれません。“人の命に関わる仕事”という意識を持って取り組み、わからないことはその都度質問・相談するようにしましょう。
また、利用者さん一人ひとりに合わせた調理に対応することも心得のひとつです。利用者さんによって、糖尿病で食事制限がある、アレルギーがある、嚥下機能が低下しているなど、身体の状態はさまざま。嚥下機能の低下だけを見ても、“どの程度の調理で食べられるのか”は一人ひとり異なります。
利用者さんが“楽しくおいしく食べられること”も意識しながら、利用者さんごとの調理にきちんと対応していきましょう。
調理補助スタッフのキャリアプランとしては、調理師を目指すのがおすすめです。
調理師になるには調理師免許の資格を取得することになりますが、合わせて2年以上の実務経験も必要になります。介護施設で調理補助スタッフ経験を積み、資格取得を目指しましょう。
雇用形態がパート・アルバイトの場合は、勤務日数や時間に条件があります。
介護施設で調理補助スタッフとして働くと、利用者さんに食事をおいしく食べてもらえたり、感謝されたりすることがやりがいにつながります。利用者さん一人ひとりに合わせた調理に対応するのは負担も大きいですが、介護施設で働く調理師や調理補助スタッフの腕の見せ所でもあるのです。
また、利用者さんによっては食事時間を日々の楽しみにしている方もいるので、「喜びや生きがいにつながるお手伝いをしている」と考えて仕事に取り組むとやりがいを実感できるでしょう。
調理補助スタッフとして働くことには、社会的にニーズのあるスキルが身に付くというメリットもあります。高齢化により人手不足が深刻化する介護業界では、介護職員だけでなく調理スキルを持つスタッフへのニーズも高まるでしょう。
メリットも念頭において仕事に取り組めば、介護施設の調理補助スタッフの仕事により大きなやりがいを見出せるかもしれません。
介護施設の調理補助スタッフは、調理師の指示に沿って調理作業を進めることをメインに、配膳や掃除など複数の仕事を担当します。立ち位置は調理師のサポート役になりますが、利用者さんに安全でおいしい食事を提供するための大切な仕事です。
将来的に調理師の資格取得も目指せる職種なので、キャリアアップを考えている方にもおすすめと言えるでしょう。

看護職として働いていたけれど、結婚や出産などを機に離職し、そのまま医療現場に戻っていない潜在看護師が多く存在することをご存じですか?看護職に戻りたいけれど、仕事と私生活の両立に不安を感じ、復職できていない方も実は多くいます。そこで今回は、潜在看護師が復職しない理由について詳しく解説。ブランクから抜け出す方法や、おすすめの復職先についても触れています。看護職の免許を活かして医療現場に復職したいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
[btp_line]潜在看護師とは、看護職の資格を保有しながら医療現場で働いていない方[/btp_line]のこと。慢性的な担い手不足が続いている看護職ですが、資格を保有している方の数自体は多いことが分かっています。
2012年時点で働いている看護職員数は約150万人、潜在看護師の数は約71万人です。看護職の資格を持っている方の約3分の1が、医療現場に従事していないことが分かります。
[btp_line]看護職の人材を確保するためには[/btp_line]、新たに看護職を育成することが大切です。しかし、すでに現場での経験がある[btp_line]潜在看護師を、いかに復帰させるかも大きな課題[/btp_line]となっています。
潜在看護師は、あらゆる理由で離職し、そのまま復帰をしていない方がほとんどです。そんな潜在看護師ですが、なかには復帰したいと思っている方も実は多くいます。
しかし、実際に復職を考えると、知識や技術面、体力面、人間関係、家事や育児との両立など、いろいろな不安や悩みが。ブランクが長くなればなるほど、復帰に躊躇する傾向にあるのも潜在看護師の特徴といえるでしょう。
では、潜在看護師が復職しない理由をもっと詳しく解説していきます。
看護師を離職する理由で多いのが「結婚」や「出産・育児」などライフステージの変化です。独身のときは夜勤があっても問題なく働くことができますが、このようなライフステージの変化により、24時間のシフト制で働くことが困難になるケースが後を絶ちません。
さらに、土日祝日関係なく稼働している医療施設も多いため、自分の休みが家族の休みと合いにくいことも復職を遠ざける理由になっています。
潜在看護師が復職するときは経験者として扱われるため、新卒採用に比べると復職後のサポートが不十分になりがちです。しかし、医療は日々進歩しているので、常に新しい知識を得る必要があります。
ブランクがある潜在看護師は、離職したときまでの知識しかなく、技術力も落ちている可能性が高いです。このような不安を抱えながら現場に戻らなくてはならないことも潜在看護師が復職しない理由になっています。
看護職の資格を保有していても、看護師以外の仕事に就いている方もたくさんいます。医療から離れ、まったく異なる分野に従事している、看護の知識を活かして介護職として働いているなど、さまざまです。
資格を持っていても、絶対に看護職にならないといけないというわけではないので、そのほかの仕事をしている方が一定数いることも現状としてあります。
多くの潜在看護師がいる日本ですが、そのことに関連した社会的な問題も生じています。
日本は、総人口の5人に1人が75歳以上になる超高齢化社会を2025年に迎えると予測されています。それにともない、社会保障はもちろん、医療、介護、年金が限界に達する[btp_line]「2025年問題」[/btp_line]が大きな社会問題になっているのが現状です。そのなかでも、ニーズがますます高まっている、医療・介護業界における、看護師などの専門職不足が深刻化。そのため潜在看護師を医療現場に復帰させることが、解決のひとつといえるでしょう。
看護職の不足が続けば、自然と看護職が携わるサービスの質が低下してしまいます。どこの医療現場でも、看護職の数が多いほど患者さんに目が行き届きやすく、質の高いサービスが提供できています。さらに、看護職自身も余裕を持って仕事ができるため、医療ミスを減らせるというメリットも。
しかし、深刻な人材不足が続く現状では、質の高い医療サービスを提供することは困難です。慢性的な人材不足により、病棟の一部を閉鎖する病院も出てきているのだとか。サービスの質の低下だけでなく、病院の運営にも関わる大きな問題になっています。
潜在看護師が復職を目指すためには、ブランクから抜け出す必要があります。では、ブランクという不安を解消する方法をご紹介していきましょう。
潜在看護師の復帰を促進するために、各都道府県にある看護協会ではブランクがある看護職向けの講習会が開かれています。採血や注射、点滴などの技術面だけでなく、感染予防について、急変時の対応などあらゆる分野の研修を受けることが可能です。
基礎知識だけでなく、技術面や最新の医療について学び直すことができるので、ブランクを抜け出すきっかけになるでしょう。
医学の進歩は早いため、3年も経てば知識は古いものになってしまいます。よって、復職を決意したら隙間時間を活用して看護職の知識を再勉強すると安心でしょう。
近年は看護職の知識が学べるアプリも多く登場しています。隙間時間を活用して手軽に勉強を進められるのでおすすめです。
仕事を家庭や育児と両立させることに不安ある場合は、まずはパート勤務で復職を目指すのもひとつの方法です。勤務時間や勤務日数の調整ができるので、家事や育児の時間を確保しつつ職場に慣れていくことができるでしょう。
これまで家事や育児に専念していた場合、復帰とともにあらゆる面でトラブルに見舞われる可能性が高いです。保育園の送迎や、子どもの体調不良時はどうするのか、日々の家事をどのように分担するのか、事前にパートナーと話し合い、協力を得ておくのがおすすめ。
家族の理解があってこその復職なので、すべてをひとりでこなそうとせず、周囲の協力を得ながら復職を進めていきましょう。
ここからは、潜在看護師におすすめの復職場所をご紹介していきます。
短時間で働きたい、土日祝日は休みたい、夜勤をしたくないという方には、訪問看護ステーションがおすすめです。比較的時間の融通が利きやすく、夜勤やオンコールを免除してもらえる職場があります。土日祝日に休みたいという希望も通りやすいので、仕事と私生活を両立させやすい職場といえるでしょう。
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介護・福祉施設は慢性的に人材が不足しているため、短時間でも看護職を確保したいと求人を出しているところが多いです。したがって、希望する条件が通りやすいという特徴があります。ただし、施設により看護職の配置人数が異なるため、1人で働かなくてはならないケースも。復職先として介護・福祉施設を探すときは、利用者さんの介護度や勤務内容をしっかりと確認しておきましょう。
訪問入浴はドライバーと介護職と看護職の3人で訪問をするため、1人ですべてを対応しなくてもいいという安心感があります。最新の医療知識がなくても対応できる利用者さんが多いので、ブランクがある方に向いた職場といえるでしょう。ただし、入浴介助が主な仕事のため、体力が必要です。介護度が高い利用者さんも多いため、看護のスキルだけでなく、介護スキルも求められます。
潜在看護師が復職しない理由や、ブランクを抜け出す方法について解説しました。超高齢化が進む日本では、潜在看護師の活躍が求められています。ブランクがある方へのサポートを手厚くしている職場も増えてきているので、自分に合った復職先も見つけやすいでしょう。看護職として再び活躍できるよう、ご家族の協力も得ながら復職を目指してみてくださいね。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事は、利用者さんからの信頼を得ることから始まると言っても過言ではありません。とはいえ、信頼関係を築くことは簡単ではなく、利用者さんからのクレームに頭を悩ませた経験があるケアマネジャーも多いのではないでしょうか?そこで今回は、利用者さんのケアマネジャーの選び方をヒントに、信頼され、選ばれるケアマネジャーになるための4つの方法をご紹介します。
ご存知のとおり、要介護認定を受けた方が適切な介護サービスを受けられよう、ケアプランの作成や介護サービス事業者との調整を行うことが、ケアマネジャーの主な仕事。ケアマネジャーは、利用者さんやそのご家族にとって[btp_line]介護分野における最も身近な相談役[/btp_line]となり、希望通りの介護生活を送ることができるようサポートを行います。
ケアマネジャーと利用者さんという“人対人”のやり取りの中で、ときには利用者さんやそのご家族からケアマネジャーに対する不満や不信の声が上がることもあるでしょう。
それらのクレームにも、介護のプロとしてしっかりと対応・対処することもケアマネジャーの仕事の1つです。しかし、不満を解決できなかったり、人間関係が悪化したりすると、利用者さんからケアマネジャーの変更願いが出される場合もあります。
では、利用者さんと良好な関係を築き、信頼されるケアマネジャーとはどのような人物なのでしょうか?それを知るために、まずは利用者さんのケアマネジャーの選び方をチェックしてみましょう。
利用者さんはケアマネジャーのどこを見て選んでいるのでしょうか?利用者さんのケアマネジャーの選び方を4つご紹介します。
できるだけ経験豊富なケアマネジャーに担当してもらいたいと思う利用者さんがほとんど。要介護認定を受けた方にとって、今後どのような生活を送ることになるのかがケアマネジャーにかかっているのですから当然のことでしょう。
またケアマネジャーとしての経験年数だけでない場合もあります。医療に重きを置いた介護を受けたい方は看護師資格を持つケアマネジャーを、家事支援に重きを置いた介護を望む方は介護福祉士の資格を持つケアマネジャーを選ぶことも。ケアマネジャーの[btp_line]特定の能力に重点を置いた選び方をする方もいる[/btp_line]ようです。
介護に関する専門的な知識の量はもちろん、知識に偏りがないかどうかについても利用者さんはチェックしています。例えば、介護保険の住宅改修について詳しく教えてくれる、介護だけでなく医療についての知識も豊富か、などです。利用者さんが“今”必要としている情報や知識をピンポイントで提供できるケアマネジャーは、利用者さんから選ばれているようです。
利用者さんによるケアマネジャーの選び方の中で、人柄は絶対に外せない条件と言っても良いでしょう。要介護認定を受けた方やそのご家族の多くは、介護保険サービスや介護施設に関する知識を持ち合わせておらず、大きな不安を抱えています。そのため、不明点や疑問点を気軽に相談でき、いつも笑顔で対応してくれるなど、人柄や態度の良いケアマネジャーを選びたいという方が多いようです。
仕事への熱量も、利用者さんがケアマネジャーを選ぶ際の大切な要素です。いくら話しやすく、人柄が良いとしても、電話がつながりにくく返信も遅いなど、親身になってくれていないと利用者さんが感じる言動が続くと、信頼を欠いてしまうことに…。やはり、仕事への熱量が高いケアマネジャーほど、利用者さんから選ばれています。
利用者さんのケアマネジャーの選び方をヒントに、利用者さんに信頼されるケアマネジャーになるための方法をまとめました。
前項のケアマネジャーの選び方にあったとおり、利用者さんは経験豊富なケアマネジャーを求めます。しかし、経験値はすぐに増やせるものではありません。そこで重要なことは、同業者や看護師、保健師などをはじめとした他の専門職の方と積極的にコミュニケーションを取ることです。すると、自分の知り得なかった知識を得ることができ、経験年数以上の情報や知識のある頼れるケアマネジャーを目指せるでしょう。
利用さんからの質問や疑問に回答するのは当然のこと。しかし、こちらの回答を利用者さんが理解できなければ意味がありません。そのため回答したあとに、利用者さんがしっかり理解できたかどうかを確認してみてください。会話の中で、まだ理解できていないと判断できた場合は、よりかみ砕いた表現やイラスト・資料なども用い、[btp_line]再度ゆっくりと丁寧に説明する[/btp_line]ことをおすすめします。
人柄の良いケアマネジャーが求められることはわかっていても、どうすれば人柄を良くすることができるのだろう?と思う方も多いのではないでしょうか。そんな方は、挨拶や感謝の言葉の数を増やしてみることから始めてみてください。
この挨拶や感謝の言葉とは、利用者さんへ向けたものだけでなく、同業者や介護スタッフへ向けたものも含まれます。身内のスタッフに対しても丁寧に挨拶をしている姿を見ると、利用者さんからの好感度もアップするでしょう。
利用者さんから、不安や不満の声が届くことは少なくありませんよね。クレーム対応は大変な仕事ではありますが、迅速かつ適切に対処することで利用者さんからの[btp_line]大きな信頼を得られるチャンス[/btp_line]にもなります。
中には、クレームにすぐ対応できず、利用者さんを待たせてしまうケースもあるでしょう。その場合にも、迅速に第一報を入れる、途中経過の連絡をするなど、利用者さんが安心できるよう努めることが大切です。
利用者さんのケアマネジャーの選び方を知ることにより、頼られるケアマネジャーになるためには、どうすれば良いかが理解できたのではないでしょうか。今回ご紹介した4つの方法すべてを実践することが難しければ、今すぐできる方法を1つ選んで試してみるのもおすすめです。利用者さんとそのご家族の信頼を集めるケアマネジャーを目指しましょう。

中小規模の介護事業所には労働組合がないため、仕事に関する悩みを相談できる場所がありません。同僚、上司などには言えない悩みを抱えている方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、仕事上の悩みを相談できる窓口や、一人でも加入できる労働組合を6つご紹介しました。介護職に特化した労働組合も多く登場します。有給があっても取りづらい、パワハラを受けているなど、人知れず悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
慢性的な人手不足が続いている介護の現場では、心身ともに疲れてしまっている方も少なくないことでしょう。労働環境のみならず、人間関係、仕事内容、健康面など介護職の悩みが尽きることはありません。
そこで活用したいのが、[btp_line]働く方向けに行政が設置している相談窓口[/btp_line]や、[btp_line]一人でも加入できる労働組合[/btp_line]です。悩み相談だけでなく、職場環境の改善にも尽力してくれるので、介護職として働くあなたの強い味方になることでしょう。誰にも相談できず悩んでいるという方、介護職を辞めようかとお考えの方は、まずは相談をしてみることが大切です。
では、介護職の悩みを相談できる窓口を6つご紹介していきます。
働く方やその家族、企業の人事労務担当者を対象に仕事による悩みを聞いてくれる窓口です。介護職に特化した機関ではありませんが、働いている方なら誰でも利用できます。利用可能日時さえ把握しておけば、いつでも相談できるところが魅力。プライバシーは厳守されるので、ひとまず悩みを聞いてもらいたいときに利用するのがおすすめです。
厚生労働省「働く人のこころの耳相談」
https://kokoro.mhlw.go.jp/tel-soudan/
介護職向けの相談窓口を住んでいる自治体が設置していることがあります。まずは、お住まいの地域に介護職向けの相談窓口があるか調べてみるとよいでしょう。「介護職 相談窓口 地域名」などで検索してみてください。
介護・保育ユニオンは、総合サポートユニオンが介護・保育支部として開設した、労働組合です。介護や保育、障害者福祉に携わる方の相談を無料で受け付けています。相談方法は、電話、LINE、メールがあるため、話すことが苦手という方も文面でのやりとりが可能。労働組合は誰でも個人単位で加入することができます。
介護・保育ユニオン
https://kaigohoiku-u.com/
日本介護クラフトユニオンは、企業単位、個人単位問わず加入できる介護業界専門の労働組合。全国に約86,000人の加入者がいます。加入すれば相談対応はもちろん、介護に関する研修会やイベントにも参加可能。共済事業も行っているので、ライフスタイルを充実させることができます。
日本介護クラフトユニオン
https://www.nccu.gr.jp/
「介護を未来にわたって支えるため、働きやすい、働きがいのある職場づくり」を理念に、介護従事者を支援する目的で設立された公益財団法人です。介護職が抱える悩み相談だけでなく、スキルアップが目指せるセミナーの開催や、復職支援なども行っています。詳しくは各都道府県に設置されている支部の情報をチェックしてみてください。
介護労働安定センター
http://www.kaigo-center.or.jp/
全労連が運営する労働組合のなかで、介護従事者向けの窓口として設立されているのが、全労連ヘルパーネットです。組合員になれば、会社に対し団体交渉を申し入れ、処遇改善などを求めることができます。労働共済の利用もできるので、一般的な保険会社よりも安く、生活への備えができるでしょう。困りごとの相談は無料なので、まずは電話での相談を検討してみてはいかがでしょうか。
全労連ヘルパーネット
http://www.zenroren.gr.jp/jp/helper/index.html
仕事の悩みを相談できる窓口を6つご紹介しました。話を聞いてもらうだけでも、心は軽くなりやすいです。労働組合に加入すれば、職場環境や待遇面などの改善を求めることもできます。悩みを解決しないまま、介護職を辞めてしまおうかと考えている方は、行政の相談機関や、労働組合の利用を検討してみてくださいね。

今回は、未経験から介護職を目指す方へ向けて、面接での志望動機の答え方を解説します。介護職の面接で最も熱意を伝えられるのが、志望動機。介護職は経験者の転職も多いため、経験のなさがマイナスポイントにならないよう、しっかりと自分の強みを伝える必要があります。本記事では、通所系・入居系に分けて志望動機のポイントをまとめました。例文も紹介しているので、ぜひ参考に考えてみてくださいね。
まずは、未経験から介護職を目指す方が面接で志望動機を答えるときのポイントをお伝えします。
介護職は決して楽な仕事ではありません。それでも未経験から挑戦するからには、面接で説得力ある志望動機を答えることが大切です。介護職に対する熱意や魅力に感じていることはもちろん、「なぜその施設で働きたいのか?」についても分かりやすく伝えるようにしてください。
前職で得た経験やスキルには必ず介護職に通じるものがあるはずです。例えば、接客業であればコミュニケーションスキルの高さ、事務職経験者であれば正確性や職場内での連携スキルなど、自己分析から介護職に活かせるアピールポイントを抜き出してみてください。
介護職の面接では、ポジティブな人柄も評価されます。そのため、志望動機では前職への不満や辛かったことなどネガティブな内容を述べることは避けましょう。ただ、トラブル対応スキルや、壁の乗り越え方を伝えるために失敗談を語るのはOKです。
将来、自分のスキルを介護職の仕事にどのように活かし、施設へ貢献していきたいのかを、面接で志望動機の中に具体的に盛り込みましょう。そうすることで、面接担当者があなたを採用するメリットをイメージしやすくなります。
関連記事:
介護業界の面接にはどんな服装がいい?好印象を与えるポイントをチェック
介護職の面接で採用につながりやすい志望動機の伝え方を業態別にご紹介します。
デイサービスなどの通所系介護職を目指す方は、「介護予防」「レクリエーション」というキーワードを盛り込み、業務理解度の高さをアピールしましょう。なぜなら通所系サービスでは、特養などの施設に比べて、介護度の低い利用者さんを担当することになるからです。「自立支援」に力を入れている施設であれば、その観点も入れることをおすすめします。
特養やグループホームなどの施設入居系介護職の場合には、長期的に利用者さんと関わることになります。面接では「一人ひとりに寄り添った丁寧なケア」への熱意が問われるでしょう。そのためには、具体的にどのようなケアやふれあいかたを目指していきたいかを伝える必要があります。
通所系介護職の志望動機例をご紹介します。
「この地域の高齢者やそのご家族に貢献したいため、貴施設を希望しました。実は私の母もデイサービスに通っていて、初めは行くのを嫌がっていたのですが、今ではとても楽しそうに出かけて行きます。母を通して、デイサービスのスタッフの方々の対応力の高さや心遣いに感銘を受けました。貴施設の「一人ひとりの利用者様の介護予防に力を注ぎたい」という理念に魅力を感じます。私も介護職になって、利用者様やご家族に安心して生活を送っていただけるように支援したいと考えています。」
「自立支援について学ぶため、貴施設を志望します。前職は、高齢者の方が多くいらっしゃる飲食店で働いており、『高齢者の方とお話しするのが楽しい』と感じて介護職を希望しました。貴施設では、自立支援に力を入れており、介護職として将来活かせるスキルを身につけられると考えています。ぜひ貴施設で介護職としての知識やスキルを習得し、成長していきたいです。」
入居系介護職の志望動機例をご紹介します。
「利用者様の生活をサポートし、安心感を与えたいという思いから介護職を希望しました。祖母も以前、特別養護老人ホームに入所していて、周りの職員さんとの関わりによって安心して暮らしていました。私もそのように、利用者様やご家族の支えとなるような介護職を目指していきたいです。介護職は未経験ではありますが、前職で培ったコミュニケーション能力や体力を活かし、貴施設へ貢献できるよう尽力していきたいと考えております。」
「地域に密着したグループホームで働きたいという思いから貴施設を志望しました。認知症だった私の祖父は、地域との交流が盛んなグループホームに入所しておりました。施設の職員さんは、祖父が入居後も地域や家族とつながりを持てるよう配慮してくださり、専門的で手厚いケアに感銘を受けたことを覚えています。私は、貴施設の『地域に貢献する』という理念と、ご家族とのつながりを重視するケアに共感しました。未経験ではありますが、積極的に介護スキルや認知症について学び、早く現場に貢献できるように努めていきたいと思います。」
未経験者が介護職の面接を受ける場合には、志望動機で[btp_line]介護の現場への熱意や将来への前向きな想いをアピールする[/btp_line]ことが大切です。前職での経験やスキルについても、介護職としてどう活かせるか、面接で分かりやすく答えらえるようにしておきましょう。今回ご紹介した例も参考にしつつ、ご自身の魅力をしっかりと伝えられる志望動機を考えてみてください。

介護職の就職・転職活動時の面接で、面接官から「何か質問はありますか?」と「逆質問」されることがよくあります。介護面接でも逆質問は一般的ですが、「何を聞けばいいのかわからない」と悩んでしまう方もいるようです。そこで、採用側が逆質問するときの意図や、良い質問・避けたい質問の例をご紹介していきます。介護職として新たな一歩を踏み出す予定の方はぜひご確認ください。
就職・転職活動における介護面接で、「何か質問はありますか?」といった言葉から始まることが多い逆質問タイム。採用側はどのような意図で求職者からの質問を求めているのでしょうか。採用側が注目しているポイント4つをご紹介します。
介護面接の逆質問を通して採用側が見ているポイントのひとつが、職場への興味や仕事へのモチベーションです。
企業研究や職場のリサーチが不十分だと逆質問の内容は薄くなってしまいがち。逆質問の内容を通して求職者の本気度や仕事への熱意が見えるのです。
採用側は、介護面接の逆質問を通して職場と求職者の相性も見ています。求職者の価値観が職場に合うかどうかジャッジしているのです。
例えば逆質問で福利厚生ばかり確認してしまった場合、「社風や働き方より待遇に興味があるのだな」と思われてしまうことがあります。
介護面接の逆質問は、求職者のコミュニケーション能力を図る場としても活用されています。「質問をどうぞ」と言われて戸惑ってしまう場合もあるでしょう。そんなときの対応力も見ています。
求職者が抱えている疑問や不安をヒアリングするために設けているケースも。求職者が実際に採用されたときにスムーズに仕事できるよう、質問に回答することでサポートしています。
介護面接の逆質問は、採用をジャッジするための大切なポイントであることが分かりました。では、印象を良くするにはどうしたらいいのでしょうか?コツをご紹介していきましょう。
逆質問は自分の存在を覚えてもらうチャンスでもあります。「自分をアピールできる質問」と「確認の質問」を使い分けながら相手に良い印象を残しましょう。
[btp_box]<自分をアピールできる質問の例>
仕事へのモチベーションや今後の可能性、採用するメリットを感じさせる、アピール性の高い逆質問です。[/btp_box]
[btp_box]<確認の質問の例>
自分のスキルが職場にマッチするかどうか確認するような質問や、職場の取り組みをより掘り下げるような質問は相手に良い印象を残します。[/btp_box]
介護面接の逆質問では、こちらの意図が伝わるよう簡潔に分かりやすく話すことが大切です。面接時間には限りがあるため、冗長表現は避けてシンプルに質問をしましょう。聞きたい内容を伝え、次にその理由を補足する、といった話し方もおすすめです。
積極的に逆質問する姿勢は良い評価につながりやすいでしょう。あなたが職場や仕事に対して興味を持っていることをアピールできます。逆質問を投げかけられて黙る、「特にありません」と回答する、といった行動は避けましょう。
介護面接の逆質問で印象が悪くなる質問の例もご紹介していきます。以下のような内容には気をつけましょう。
企業研究や施設のホームページで分かるような質問はリサーチ不足を露呈するためおすすめしません。賃金に関する質問も、お金優先といったイメージを与えてしまいマイナスイメージです。
[btp_box]<調べれば分かる質問の例>
賃金に関する疑問は労働条件確認書や転職エージェントの情報から確認すると良いでしょう。[/btp_box]
面接でひと通り質問を受け、回答してきた内容と重複する逆質問も避けましょう。「面接に集中していなかったのでは?」と悪い印象につながってしまうことがあります。
就職・転職のための介護面接で実施される逆質問タイムは、求職者にとって自己アピールの場です。記事内でご紹介したような採用側の意図を汲み、積極的な姿勢で質問してみましょう。急に聞かれて慌てないよう、ご自身のスキルや経験などをふまえてあらかじめ数パターンの質問を準備しておくのがおすすめです。

2019年から厚生労働省が推進する介護事業者認証評価制度。介護の現場の働きやすさを評価し、優良事業所を認定して公表しています。この制度によって、介護職への就職・転職を目指す方が応募先を絞りやすくなるでしょう。事業所も積極的に職場改善に取り組むようになるため、今後は働きやすい職場が増えていくことも期待できます。今回は、介護事業者認証評価制度の内容について詳しく解説。中四国地方の実施事例もご紹介します。
介護事業者認証評価制度とは、人材育成や職場環境の改善などに積極的に取り組んでいるかを評価し、優良と認められた介護事業者を公表する制度です。厚生労働省によってすすめられていますが、実施の決定権は各都道府県に委ねられています。
厚生労働省がこの制度を推進することを明らかにしたのは2019年ですが、いくつかの自治体では先駆けて独自の評価制度を実施していました。実際に、厚生労働省による評価制度は、京都府が2013年から開始した「きょうと福祉人材育成認証制度」をベースに整備されています。
評価制度の評価基準は公表されてはいませんが、モデルとなった京都府の制度によると、人材育成や職場環境の改善(休みの取得率や育児・介護との両立など)といった点だと推察されます。
目的は、介護職の人材確保と育成です。評価によって優良かどうかか可視化されるようになれば、認証を得るために職場環境の改善などに注力する事業所も増えるでしょう。そうなれば、現役介護職はもちろん、これから介護職を目指す方にとっても働きやすい環境が増えることになります。その結果、介護職人口の増加につながり、介護業界全体の人材不足が解決できると考えられているのです。
介護事業者の評価制度には次のようなメリットがあります。
評価制度によって優良認定を受けられれば、その事業所の働きやすさをアピールできるだけでなく、その地域での信頼度も高まります。そうなれば優秀な人材を集めやすくなるため、職場環境を改善しようとする事業所がこれまで以上に増えていくでしょう。介護職の職場環境への不満も解消されやすくなるはずです。
介護職への就職希望者は、優良認定の有無によって就職先や転職先を比較検討しやすくなります。評価制度の評価基準は、教育体制の有無や休みの取得状況、育児や介護との両立のしやすさなどが推察されるため、将来的な働き方もイメージしやすくなるでしょう。
最後に、中国・四国地方の各県の実施状況を見ていきましょう。中でも優良認定件数の多い県について事例を紹介します。
広島県では、2019年に従来の制度を改新し、人材育成や福利厚生、離職率の低さなどから2段階評価を実施。優良認定されると、ICT介護ロボット導入費用の補助や参加費無料セミナー、業務改善アドバイザー派遣などのサポートを受けられます。広島県社会福祉人材育成センターが運営する「ふくしかいごネットひろしま」によると、標準基準をクリアした「スタンダード認証法人」は351法人。その上の段階の「プラチナ認証法人」は33法人が認定済みです。(2023年8月時点)
公式HP:「働きやすい職場について知りたい – ふくし かいごネットひろしま|広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会」
高知県では、2018年から介護事業者に対して独自の評価制度を実施。優良認定されると、求職者へのPRの場が増えるだけでなく、1法人あたり5万円の研修費補助も受け取れます。高知県が運営する評価制度特設サイト「カイゴのシゴト」によると、現在、認定を受けているのは、40法人(254事業所)です。(2023年3月時点)
公式HP:介護の仕事| 高知県 介護人材 応援サイト【公式】
介護事業者認証評価制度の実施は、これまで介護業界を長く悩ませてきた人材不足の問題を解消する糸口になるのでは、と期待されています。現役介護職だけでなく、求職者にとっても今後の働きやすさにつながるのではないでしょうか。介護業界での就職、転職を考えている方は、ご自身の地域の認定事業所について調べてみるといいでしょう。

利用者さんを24時間体制で見守り・サポートする、特養や老健などの入居系介護施設には、夜間~翌朝まで勤務する「夜勤」があります。夜勤専門のスタッフを除いて、多くの介護スタッフは日勤と夜勤を交代で担当するため、不規則な生活リズムで体調を崩す方も少なくありません。そこで今回は、夜勤の際に仮眠を上手にとる方法や、「眠れない」「起きられない」などの悩みをなくすコツについて見ていきましょう。
現場では、その施設の方針や状況に応じて、夜勤の仮眠についての決まりが定められています。そのため、夜勤だからといって仮眠時間が確保されているわけではありません。ただし、長時間の夜勤を行うと集中力低下につながり、注意力散漫になることも。
まずは、夜勤にて仮眠がある理由について紹介します。
夜勤において仮眠時間がないと、勤務開始時刻あたりは元気でも、早朝あたりで強い眠気に襲われることも。夜勤によって疲れが出てきたときに眠気に襲われやすいため、事故やトラブルが起こりやすくなります。
そのため、注意力を保つためにも、夜勤における仮眠は大切だと考えられているのです。例え、短時間の睡眠であっても、仮眠をとった方が疲労回復につながり、介護職の方や利用者さんの安全につながると考えられています。
本来人間は、日中活動する生き物のため夜間は寝るように、体温調整を通じて生体リズムが維持されています。そのため夜勤を行うと、生体リズムが崩れることで、生活習慣が崩れやすくなってしまうのです。
そこで、夜勤にて仮眠をとれば、生体リズムが崩れる原因を排除して昼型の生活スタイルを維持できるようになります。
その他には、夜勤明けに疲労を持ち越さないという理由も。仮眠がとれれば、夜勤中の疲労を少し取り除けますが、仮眠がなければ夜勤明けやその後の休日にも疲労が残ってしまいます。
疲労が残ると、休日の自由な時間を有効に使えず、介護職の方のためになりません。以上のようなことから、夜勤における仮眠はとても重要だと考えられているのです。
夜勤における仮眠の重要性を知っていただいた上で、ここからは夜勤における仮眠を上手に行うコツについて紹介します。
夜勤で眠れないのであれば、寝だめしようと考える方もいるでしょう。しかし寝だめはおすすめしません。なぜなら生活リズムが崩れて、かえって身体が疲れやすくなるためです。基本的には、いつもの生活リズムで過ごす方が良いでしょう。
「どうせ眠れないのであれば、寝ないで出勤しよう」と考える方もいるかもしれません。実はこれも危険です。睡眠不足での勤務は、ストレスやミスの原因になることに。
自身の健康や安全を考えても睡眠は不可欠ですが、ミスやトラブルが起きてしまうと利用者さんに危険が及ぶため、くれぐれも気をつけてください。
夜勤にて仮眠をとれる方の場合、食事も大切です。夜勤前にこってりとしたものやたくさんの量を食べてしまうと、消化が悪くなり寝つきが悪くなることも。
また、満腹になって眠気がきてしまうこともあるでしょう。夜勤前は、胃を刺激しないような消化の良い食べ物を選ぶのがおすすめです。
夜勤における仮眠の悩みポイントはいくつかあります。例えば「眠りたいけど眠れない」、「寝てしまうとなかなか起きられない」などです。ここでは夜勤中の過ごし方について見ていきましょう。
健康や安全のために夜勤の仮眠は必要だとわかっているものの、自分の家ではないから眠れないという方もいるはずです。この場合「寝なければならない」と感じると、さらに眠れなくなるため悪循環に。
眼を閉じて布団に横になるだけでも身体の疲労はとれるため、無理に眠ろうとせず身体や頭を休めるような意識でいると良いでしょう。
せっかくの夜勤の仮眠を質の高いものにするために、自分専用の快眠グッズを見つけてみてはいかがでしょうか?自分に合った枕や布団を持参する、好きなアロマオイルを近くに置くなどの工夫で眠りやすくなり、質の高い睡眠になる可能性が高まります。
夜勤中に眠たくなったら、覚醒させるためにコーヒーを飲む方もいるでしょう。コーヒーや緑茶にはカフェインが含まれているため、眠気解消につながります。
この作用を応用すると、仮眠前に少量のカフェインを摂ることで、仮眠したら起きられないという悩みを解決できるしょう。少量のカフェインが、寝起きをスッキリさせてくれるのです。
夜勤明けは疲れがたまっていますが、脳が覚醒して眠れないということも。そのため、夜勤明けの過ごし方を間違ってしまうと、時差ボケのようになってしまい、かえって疲れがとりにくくなってしまうこともあります。
そこで最後に、夜勤明けの過ごし方について見ていきましょう。
人間は体温の上昇と下降を利用して眠気を作ることができます。眠れない場合は、入浴やシャワーで体温を上げると自然と眠気がやってくるはずです。また、軽い運動によって体温を高めたり適度な疲労感を得られたりするため、ぜひ試してみてください。
「夜勤だったから、しっかり寝よう」と考える方もいるはずです。しかし、寝だめの効果と同じく、夜勤明けの寝過ぎは生活リズムを乱すきっかけになります。夜勤明けの仮眠は、午前中だけにするなど眠りすぎない工夫をしましょう。
夜勤だからといって必ずしも仮眠時間があるとは限りませんが、仮眠時間がある場合は、ぜひ有効活用してください。なかなか夜勤に慣れないという方は、今回のポイントを試すことで少し変化するかもしれません。ただし、根本的に夜勤が向いていない方もいます。そういった場合には無理をせず、日中の勤務に変えてもらったり他の施設へ転職することを考えたりするのもおすすめです。

介護スタッフの確保は介護施設にとって重要事項です。しかし、「求人を出しても応募がない……」そうお嘆きの介護施設も多いよう。その理由は介護職への求職者が不足しているからではなく、求人情報の書き方が原因かもしれません。求人情報は、求職者にとって、施設の第一印象を決めるものです。働きたいと思える魅力的な情報でなければ、なかなか応募につながらないでしょう。そこで今回は、応募してもらうための介護施設の求人情報の書き方について詳しく解説します。
求人情報作成のポイントを、ステップに沿って解説していきます。
「介護施設で働きたい方」などのようにターゲットが広いと、当たり障りのない内容になってしまいます。求人情報で意識したいのは、「私にぴったりの求人!」と思ってもらえる内容にすることです。
まずは、年齢層や生活スタイル、介護資格や経験の有無など、欲しい人材の人物像を考えてみましょう。経験者なのか、介護未経験の若い世代なのか、子育てを終えた主婦層なのかにより、いいなと思うポイントは異なるはず。ターゲットが決まれば、アピールポイントも定まりやすくなります。
職種名や施設形態、仕事内容は、働くうえで重要な項目です。介護職の働き方は施設形態や資格の有無によっても異なるはず。働くイメージができるよう、わかりやすく表現するようにしましょう。
未経験者がターゲットであれば専門用語はできるだけ使わず具体的に。介護施設で働いた経験がなくても仕事内容がイメージできるのがベストです。反対にターゲットを経験者に絞るのであれば、必要な知識や経験を明示し、よりターゲットを狭めるのもいいかもしれません。
「ここで働きたい」と思ってもらうために、施設で働くメリットを示す必要があります。切り口は企業・職場・仕事内容・雇用条件の4つ。
都合に合わせて休みが取れる、大きい企業のグループ会社だから安心して働けるなど、それぞれの切り口に当てはめて職場の魅力をピックアップしてみましょう。
ターゲットを絞りアピールポイントをピックアップしたら、それをもとに求人情報としてまとめていきましょう。気になりそうな情報を盛り込んだり、ネガティブなイメージを払拭できそうな内容にしたりと、ターゲットに寄り添った求人情報にすることが大切です。ブランクありOK、研修あり、日勤のみなど、ターゲットが仕事を探すときに検索しそうなキーワードを盛り込むと、チェックしてもらいやすくなるかもしれません。
また、情報にリアリティがあると、自分が働くイメージがつきやすくなります。具体的な数字や実績を入れたり、実際に働いているスタッフの声を加えたりすると効果的。写真や動画を活用すると、職場の雰囲気をより伝えやすくなります。
どんなにいい求人情報でもそれが求職者の目に留まらなければ意味がありません。求人情報を掲示する媒体の選び方も大切です。さまざまな仕事の求人が掲載された求人サイトや介護に特化した転職サービス、ハローワークなど求人媒体はさまざま。ターゲットの人物像がどんな方法で仕事探しをするのか考えて、適した媒体を選ぶ必要があります。
若い人材を求めているなら、SNSを活用するのもひとつの方法です。InstagramやTwitterなど施設のSNSアカウントがあるなら、採用情報についても投稿するのも効果的。施設のリアルな雰囲気を求職者に届けることができ、うまく活用できれば応募にもつながります。
数ある施設の中から求職者の目に留まるには、第一印象となる求人情報がものを言います。人材不足が嘆かれる介護業界において、求人情報には他の施設に埋もれない工夫が必要です。せっかく人材を募集するなら、施設が求める人材に来てもらいたいもの。施設の魅力をしっかりと伝えつつ、ターゲットを絞った内容にして他との差別化を図りましょう。

本来、プリセプター制度とは看護分野で導入された制度で、新人スタッフの離職を減らす目的で行われました。現在では、看護分野だけでなく介護分野でも導入され、介護スタッフの定着と知識・技術力向上のために用いられています。今後も普及していく可能性が高いため、今回はプリセプター制度とはどういうものか、またメリット・デメリットなどについて見ていきましょう。
まずは、プリセプター制度が誕生した背景や手法などについて紹介します。
そもそも英語のpreceptor(プリセプター)には、指導者という意味があります。他の業界や職場によっては、チューター制度やメンター制度と呼ばれることも。
先ほど少し説明しましたが、2010年に新人看護師に対する臨床研修が努力義務化されたことに伴い、看護分野で始まりました。介護現場で働く方が不足しており、さらに離職率の高さが問題になったことで、介護分野でのプリセプター制度の導入が進んだのです。
プリセプター制度では、指導者が新人介護スタッフをマンツーマンで指導。具体的な指導方法には以下のような3つの手法があります。
OJTは、現場で実践することでスキルを習得することを目的にしています。ただし、OJTは時間がかかったり、プリセプターによって差が生まれたりする点がデメリットに。このデメリットを埋めるものがOFF-JTです。
OFF-JTでは、日常の職務から離れて研修やセミナーを受けます。介護スタッフとして必要な知識と技術を短時間で得られる点が魅力です。
介護分野では、人材不足から休みを取得しづらく、資格取得に向けた勉強ができないという方や経済的な問題からなかなか自己啓発に費やせないという方もいます。
そういった方のフォローのために生まれたものがSDSです。SDSでは、職場内外の自己啓発の支援や資格取得費用の免除、学習環境の整備などを行います。介護スタッフのモチベーションを高めたり技術を高めたりすることに欠かせないのです。
次に、プリセプター制度を導入するメリットやデメリットについて見ていきましょう。
プリセプター制度を導入するメリットは以下の通りです。
プリセプター制度には、指導側も指導を受ける側にもメリットがあります。指導者は新人スタッフに指導することで、自身のスキルを客観的に見直すことができ、さらに磨くことが可能に。
新人スタッフは、座学では学べない実技をマンツーマンで受けられるため、仕事を覚えやすいでしょう。仕事ができるようになるだけではなく、いつでもプリセプターに相談や質問できる環境が整うため、新人スタッフは定着しやすくなるはずです。
また、知識を習得しやすくなることで、介護スタッフのスキル平均化と底上げにつながるでしょう。
プリセプター導入のデメリットについて紹介します。主なデメリットは以下の通りです。
プリセプター制度では、マンツーマン指導が行われるため、プリセプターとの交流が深まり他のスタッフとの交流が減る可能性があります。意識的に他のスタッフとコミュニケーションをとる、他のスタッフも新人スタッフに興味を持つことが大切です。
また、相性の問題もあります。相性が合わない、プリセプターの指導力が足りないなどの問題があると、かえってマンツーマン指導が意味のないものになりかねません。
プリセプターは、実力も経験も豊富なベテラン介護スタッフが、日常業務をこなしながら行います。そのため、介護スタッフが不足している施設では導入しづらく、導入したとしてもプリセプターの負担が増えてしまうというデメリットがあるのです。
プリセプターの役割を責任持って行うことは大切ですが、あまり気負いすぎると自身に負担がかかります。周りの介護スタッフと協力しながら新人介護スタッフを育てていく気持ちが大切です。
また、熱心に指導する必要がありますが、指導している新人介護スタッフとコミュニケーションがとれているのかを確認する必要があるでしょう。コミュニケーション不足から信頼関係が崩れてしまうこともあるためです。
コミュニケーションをとりながら、進み具合が指導している新人介護スタッフのペースと合っているかをチェックしながら指導を進めると良いでしょう。
新人介護スタッフに求められることは、積極的な姿勢と相談です。プリセプターは、自身の時間を削って指導してくれています。それにも関わらず、消極的な態度で接すると指導する側も指導意欲が失せてしまうことも。プリセプター制度を受ける期間が無駄になってしまいます。
また「早く自立しなければ」や「迷惑をかけられない」と思うことは重要ですが、だからといって1人で抱え込むのは違います。質問や悩みがあれば、積極的に伝えるようにしましょう。
プリセプター制度を上手く利用すれば、介護スタッフのスキルアップにつながり、利用者さんへのサービスが向上する可能性があります。また介護スタッフの定着率が高い介護施設だとわかれば、安心して利用できると感じる利用者や利用者さんの家族もいるかもしれません。プリセプター制度を導入していない施設は、ぜひこの機会に検討してみてください。

介護施設でスタッフを募集するなら、スキルや人柄はもちろん、長く働いてくれる人材かどうかも考慮して採用したいものです。しかし、施設と相性が良い人材を見極めるのは容易ではありません。そこで、本記事では介護職の採用で履歴書を見る際に確認しておきたいポイントと、面接で聞くと適性を判断しやすい質問を紹介していきます。介護施設の人事や面接官の方々に読んでいただきたい内容です。
介護施設において長く働いてくれる人材を採用するには、組織と求職者のミスマッチをなくすことがポイントとなります。組織によって風土はさまざま。求める人材も異なるでしょう。そのため、まずは組織が求める人材像を明確にしておくことが大切です。
必要な人材像を明確にしたうえで、履歴書を見る際は以下の点に気をつけます。
<履歴書チェックのポイント>
履歴書チェックにおいては、単純に転職回数や一般的な項目だけを見て線引きをしないよう気をつけましょう。組織と相性が良い人材を見落としてしまう可能性があります。組織にフィットする人材を採用するためには、オリジナルの履歴書の判断基準をあらかじめ作っておくことも重要です。
履歴書選考後のステップである面接は、長く働いてくれる人材を見極めるための絶好のチャンスです。介護職未経験の方や、経験がある方によって、以下のように質問を変えながら、人柄や考え方を聞き出していきましょう。
介護職未経験の方へは、これまでの経験から「他者に対するアプローチ方法や考え方」を引き出す質問をするのがポイントです。
<質問例>
このような質問から求職者の適性や人柄を見極めていきましょう。
介護職経験がある方へは、これまでの仕事で仲間や利用者さんとの具体的なやりとりを引き出す質問を投げかけるのがポイントです。
<質問例>
このような質問をしながら、求職者の考え方や本質を見抜いていきます。
面接においては、相手が答えやすいよう流れを作り、会話のキャッチボールを意識すると求職者からの意見が引き出しやすくなるでしょう。面接官の印象が組織への印象に直結するため、丁寧な対応を心がけることもポイントです。威圧的な態度をとる、「合わないな」と感じた求職者に対しおざなりな対応をとる、などがないよう気をつけましょう。
面接は求職者の適性や能力を見極める場です。そのため、採用に関係のない質問や家庭環境、宗教に関わるような質問、セクハラ、モラハラとなるような質問はしてはいけません。
<聞いてはいけない質問の例>
結婚や出産に関わる質問は、男女雇用機会均等法の観点においても避けます。またプライバシーに触れる質問は回避しましょう。
長く働いてくれる人材を採用するには、組織と求職者のミスマッチをなくすことが重要です。まずは組織が求める人材像をクリアにし、組織ごとに採用の判断基準を明確にしましょう。面接においては、求職者の人柄や考え方を聞き出せるような質問を工夫します。相手が話をしやすくなる態度や会話の流れを意識することもポイントです。

孫の結婚式に行きたいけれど、介護が必要だからと出席を諦めるケースは少なくありません。そんなときに頼りになるのが、結婚式付き添いのヘルパーです。あまりメジャーではない仕事のため、介護職の中でもどんな仕事か詳しく知らない方も多いはず。そこで今回は、結婚式付き添いのヘルパーについて詳しく解説します。どんな服装で同行するのか、披露宴中に食事ができるのか、といった疑問にもお答えするので興味のある方はご一読ください。
結婚式付き添いのヘルパーとは、要介護の状態でも安心して式に出席できるよう同行する介護職のことです。自宅からの送迎だけでなく、挙式・披露宴中のトイレや食事、着替え、車いす介助など、利用者さんに合わせたサポートを行います。
・介護が必要だから家族に迷惑をかけそう
・結婚式中は忙しくて介護ができない
・要介護状態でも孫の晴れ姿が見たい、見せてあげたい
結婚式付き添いのヘルパーは上記のような、あらゆる悩みや希望に沿うことができる仕事です。
ただし、介護保険が適用されない自費利用サービスのため、高額になりやすいことが特徴。ヘルパーが同行する時間やサービス内容により利用料金に差がありますが、1日(8時間程度)で3~4万円台が相場となっています。
では、結婚式付き添いのヘルパーの詳しい仕事内容をチェックしていきましょう。
結婚式当日にどのようなサポートを希望されるのか事前にご本人とご家族に面談を行います。利用される方の身体状況を確認しながら、参列に必要な備品などもチェック。希望があれば出張対応可能なヘアメイクの手配なども行います。
また、結婚式当日にスムーズなサポートができるよう、式場を事前に訪ね、式の流れや施設内の設備などを確認しておくことも仕事のひとつです。
結婚式当日は、自宅や施設など指定の場所へお迎えに伺います。送迎はご家族でする場合は、式場で直接待ち合わせすることもあるようです。
結婚式、披露宴中は、食事やトイレの介助をメインにサポートします。常用薬があれば適切なタイミングで内服介助も実施。必要なら余興や挨拶などイベントへの対応も行います。
ご自宅や施設など、指定の場所まで送り届けます。必要なら、帰宅後の着替えや就寝に向けたケアまで行うこともあるようです。
同行時はスーツの着用を会社から指定されることが多いようです。フォーマルな場にふさわしく、親族より目立たないことが大切になります。
仕事として参列するため、ご祝儀は不要です。引き出物を準備されるケースもありますがお断りし、会社から支給される報酬のみを受け取りましょう。
長時間同行する場合は、依頼者さんより軽食が準備されることが多いようです。参列者に出されるようなフルコースは期待しないでおきましょう。
遠方の結婚式では宿泊して付き添うケースもあります。基本的には別室に宿泊しますが、同室に宿泊し、夜間も介護サービスを行うこともあるようです。
結婚式付き添いのヘルパーは、介護が必要でも式に出たい!という希望を叶える素敵な仕事です。結婚式は依頼者さんだけでなく、ご家族にとっても特別なイベント。仕事だからと真顔での同行はNGです。フォーマルな場に合った服装と対応、おめでたい場にふさわしい笑顔が求められる仕事であることを認識して臨みましょう。

介護職への就職・転職を考えている人にとって、「どのくらい休日があるのか」「休みやすいのか」は気になるところですよね。今回は、年間休日数や有休取得率など、[btp_line]介護職のお休み事情[/btp_line]について詳しく見ていきましょう。あわせて、休みが取りづらいときの対処法や休みが多い職種の見極め方も解説。これから介護の仕事を目指す方は、ぜひ業界研究の参考にしてください。
まず、介護職の年間休日数と有休取得率を見ていきましょう。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況」によると、医療・福祉業界における年間休日総数は100~109日の企業が全体の約40%、次いで110~129日が約25%という結果でした。つまり、週に1~2日以上の休日がある施設が最も多いということです。
また、1人あたりの平均年間休日総数を見てみると、111.5日という結果でした。他業種では、宿泊業・飲食サービス業が102.9日で最も少なく、次いで、生活関連サービス業・娯楽業が105.6日となっていることを踏まえると、医療・福祉業界の休みは少なくはないでしょう。全業種の休日数が113.7日となっているので、むしろ比較的休みは多い業界と言えそうです。
ただ、データはあくまで平均値であり、実際の休日数はサービスや施設によって異なります。シフト制を採用している施設がほとんどのため、平日に予定を入れやすい反面、土日休みや連休は難しいところも多いでしょう。
厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査の概況」を見ると、医療・福祉業界における1人あたりの平均有休付与日数は16.4日、1人あたりの平均有休取得率は60.3%です。つまり、年に9.9日の有休を取得できているということ。全業種では58.3%のため、他業界と比べると介護職の有休取得率は平均以上と言えるでしょう。
このように、データだけ見ると介護職は休みやすい業界のように思えます。しかし、実際には施設によって有休取得率に差があり、休みを取りづらいという声もあるようです。その理由としては、
・慢性的な人材不足が続いている
・職場が休みを取りづらい雰囲気になっている
といった状況が挙げられます。2019年の「働き方改革」で有給休暇取得が義務化されたものの、完全に職場環境が改善されるまでにはもう少し時間がかかるでしょう。
職場の雰囲気や人材不足によって有休を取りづらいと感じたときは、以下のような方法を試してみましょう。
有休を取得したい日が決まったら、できるだけ早く伝えることが大切です。直前での申請は周りのスタッフにも迷惑がかかり、良い印象を与えません。ほかのスタッフと休み希望が被ってしまうこともあるでしょう。
派遣社員やパート、アルバイトという勤務形態を検討してみましょう。正社員や契約社員と比べると収入は下がりますが、シフトの融通が利きやすくなり、休みも取れるようになります。
有休は本来、一定期間勤続すれば誰もが取得できる決まりです。不当に有休を取得させてもらえなかったり、休みが取れないように圧力がかかったりしている場合には、労働基準監督署に相談してみましょう。
今の職場で働かないといけない理由が特にない場合には、思い切って退職・転職に踏み切るのも選択肢のひとつです。
休みが多い職場を見極めるためのポイントとしては、
といった点が挙げられるでしょう。また、同じ介護職の中でもデイサービスやデイケアなどの通所介護サービスは、シフトの希望が比較的通りやすい傾向にあります。
介護職は、他業界と比べても決して休みの少ない職種ではありません。ただ、施設や提供するサービスによっては休みにくいところがあることも事実です。介護の仕事を長く続けていくためには適度に休みを取り、有休を活用しながら、プライベートを充実させることも大切なこと。職場選びの際には、ぜひ年間休日数や有休取得率をしっかりと確認するようにしましょう。

家族のように関わっていた利用者さんとの別れ。親族ではなくても、深い関わりをしていたからこそ、心に傷を負う介護スタッフも多いことでしょう。そこで今回は、見落とされがちな介護スタッフの[btp_line]グリーフケア[/btp_line]について解説しました。グリーフケアが必要な心身の症状や、施設でできる介護スタッフのグリーフケアの具体的な方法についても触れています。介護スタッフのグリーフケアについて詳しく知りたい方は、ぜひ一読ください。
主に大切な人を亡くした深い悲しみや、悲痛をサポートすることをグリーフケアといいます。悲しみに寄り添うだけでなく、立ち直るきっかけを作り、元の状態に戻れるよう手助けすることが特徴です。通常、傷ついた心は徐々に時間をかけて回復します。しかし、悲しみがあまりにも深いときは、心身に不調があらわれたり、立ち直るまでにかなりの時間を要したりすることも。グリーフケアは親しい人との別れから立ち直る手段として必要なケアなのです。
近年は看取りを行う施設が増加しているため、介護スタッフも死に直面する機会が増える傾向にあります。毎日のように会話をし、家族同然に関わってきた利用者さんの死は、深い悲しみになることでしょう。現代は親族の死すら経験したことがなく、死に対する免疫がない介護スタッフも多いです。死という場面は、想像以上に心身に影響を与えるため、グリーフケアは介護スタッフにも必要といえます。
親しい人を亡くした悲しみは、心だけでなく、体や行動、認知面にいろいろな症状をもたらします。利用者さんの死に直面したのちに、以下のような状態が続くときは、グリーフケアが必要と考えましょう。
【心の症状】
・罪責感、自責の念
・悲しさ、寂しさ、憂鬱、不安
・怒り、敵意
・幻覚など
【体の症状】
・食欲不振
・睡眠障害
・疲労感
・頭痛や嘔吐、動悸
・故人と同じ症状の出現
・アルコールや薬への依存など
【行動や認知面の症状】
・注意力低下
・号泣
・行動パターンの喪失
・故人の行動模倣など
本人が気付いていなくても、これらの症状が出ていると周囲が察知できれば、重症化する前に対処することができます。周りからの声かけで救われることもあるので、同僚が苦しんでいるな…と分かったときは注意してみてください。
介護スタッフが必要とするグリーフケアにはどのようなものがあるのでしょうか。介護施設で取り入れやすいケア方法をご紹介します。
グリーフケアでは、悲しみを我慢せず自身の気持ちを肯定することがポイントになります。まずは、今の気持ちを押さえ込まずに吐き出し、自分の気持ちを認めるところからケアを始めてみましょう。仕事でのできごとは、家族や友人よりも同じ境遇にある同僚などと共有するほうが、共感できることも多いもの。グリーフケアが必要と感じる介護スタッフがいるときは、そのスタッフが悲しみに向き合えるよう、まずは気持ちを話せる場を設けるところから始めてみましょう。
亡くなった利用者さんに関わった介護スタッフは1人ではありません。したがって、共に関係のあった介護スタッフを集め、故人について振り返る時間を設けることもグリーフケアになります。同じ境遇にある介護スタッフが集まることで、悲しんでいるのは自分だけではないことが分かり、思いを吐き出しやすくなることでしょう。どんな利用者さんだったか、生前のエピソードも交えながら、利用者さんが亡くなったことを受け入れる場を設けるという方法も効果的です。
利用者さんと家族同然に関わる機会が多い介護スタッフこそ、グリーフケアは必要です。とくに、死に対する免疫がない若い介護スタッフは、死に直面することで心の傷が深くなる傾向にあります。専門家でなくてもできるグリーフケアはあるので、まずはスタッフ間で、思いを吐き出せる環境作りを目指してみてはいかがでしょうか。

突然ですが、職場に憧れの方や仲良くなりたい異性はいますか?介護スタッフにとって、介護施設で過ごす時間は生活の一部。「友人といるより同じ職場で働く先輩や同僚と過ごす時間のほうが長い」という方も多いのではないでしょうか。職場仲間が恋愛対象となるケースも少なくないようです。そこで今回は、介護職の恋愛事情を深掘りしていきます!職場恋愛経験者の声もお届けしていくのでぜひご覧ください。
介護職の職場恋愛はよくある話なのでしょうか?まずは、とあるリクルートサイトが実施した「介護現場での職場内恋愛の実態」アンケートの結果をもとに、恋愛事情を見ていきましょう。
アンケートによると、「介護職の職場恋愛に賛成か反対か」を聞いた結果、約7割が「賛成」と回答したそうです。「仕事から恋愛に発展するのは当然のこと」「周りに迷惑をかけなければ本人の自由」「働きながら信頼関係が生まれたなら良いのでは」といった肯定的な意見が目立ちました。
ただし、「周りが気を使う」「仕事に支障が出るので困る」といった声も…。
同アンケートで「職場恋愛の経験」を聞いた質問では、なんと3割が「経験あり」と回答。3人に1人と考えると多い印象です。
経験者からは、「仕事の悩みを相談しているうちに仲良くなった」「終業時間が重なり、送ってもらったことで仲が進展した」といった声がありました。一方、「職場の人に告白された経験はあるけど、周りに気を使わせたくなかったので退職してから付き合った」という意見も。
同アンケートで「職場恋愛経験者のその後」を聞いた質問では、約3割が恋愛を成就させて結婚したとの結果が!介護職の職場恋愛は、職務に従事する姿が見えることで信頼関係が生まれ、交際が長続きしやすいのかもしれません。
興味深いのが、「交際を隠していたかどうか」という質問に対する回答です。「隠していた」が半分近くを占め最も多く、次いで「隠していたけどバレた」が約3割を占めて2番目に多い回答でした。カップルで同じ職場にいると、隠し通すことは簡単ではないようです。
アンケートでは、「介護職の約3割が職場恋愛を経験している」という結果が得られていましたが、なぜでしょうか。そこには介護職ならではの理由が隠されているようです。
まずひとつめの理由として考えられるのが、介護職同士は信頼関係が生まれやすいという点です。介護職はスタッフ同士が協力して施設利用者さんのケアをしたり、お互いをフォローし合ったり、多くの経験を共にします。指導や悩み相談を通じて信頼関係が生まれやすく、恋愛関係へ発展することが少なくないようです。
同じ職場にいると、施設利用者さんへの対応が見えるところもポイント。利用者さんに対する接し方から相手の本質や人間性が垣間見え、「優しい姿にキュンとする」といったことがあるようです。
介護職の職場恋愛は、共通の話題が多いことから恋愛に発展しやすい側面も。仕事に関する情報交換や同僚の話など、話題が尽きず「一緒にいて楽しい!」と思えるようです。お互いの仕事を理解し尊重し合うことができるのもメリット。良い関係を築きやすいようです。
介護スタッフは忙しいので、職場以外に出会いがないという説も!やむをえない事情が垣間見えますが、職場で相性の良い方と巡り合うことができたら万々歳ですね。
介護職の職場恋愛は、順調に進んでいれば充実した日々を過ごせますが、うまくいかなくなると辛い側面も…。職場恋愛するなら覚悟しておきたいポイントをまとめました。
シフトで働いている場合は、出勤日や休日のタイミングが合わずにすれ違ってしまう可能性があります。夜勤がある職場の場合は、夜勤と日勤で生活ペースが合わなくなってしまうことも…。会える時間が少なくなり、寂しく感じることがあるかもしれません。
介護職の職場恋愛はお互いの失敗が見えてしまうところも注意ポイント。自分の知られたくない姿を見られたり、相手の良くない噂が耳に入ってきたり、嫌な部分まで共有せざるを得ないケースもあるかもしれません。
介護職はほかの業界と比較して賃金が低い傾向があり、結婚やその先の将来を見据えた計画を立てづらいと感じるケースもあるようです。結婚するために男性側が寿退社して転職する、というケースも珍しくありません。
介護職の職場恋愛は、別れてしまうととても気まずいもの。ペアやチームで仕事をしている場合は、別れてからもそれまでと同じように毎日顔を合わせなくてはなりません。ほかの同僚や施設利用者さんに気を使わせてしまう可能性もあるでしょう。
介護職は同僚と信頼関係が生まれやすく、悩み相談や施設利用者さんへの対応などから胸キュンするポイントもたくさんあるようです。お互いに好印象だと職場恋愛に発展するケースも少なくないでしょう。しかし、パートナー同士が同じ職場にいるからこそ気をつけたいポイントも。職場恋愛するなら周りへの影響や将来も考えて一歩を踏み出したほうが良さそうです。

職業によってふさわしい身だしなみを求められますが、介護職の場合はどうでしょうか?「ピアスなど好きなファッションを楽しみたい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、介護スタッフは利用者さんに直接接する仕事です。そのため、利用者さんが不快に感じる身だしなみは控えた方が良いでしょう。また、安全面の配慮からやめた方が良いファッションもあります。そこで今回は、[btp_line]介護職の身だしなみ[/btp_line]について詳しく見ていきましょう。
一般的に介護職の場合、制服が支給されることもあるため、ファッションを楽しみにくいと感じるかもしれません。その中でおしゃれをするとなると、ピアスやイヤリングをイメージする方も多いでしょう。
ピアスやイヤリングであれば、小さくかわいらしいものもあるため、利用者さんに迷惑はかからないと思っている方も。しかし実際は、介護職のピアスやイヤリングの着用はNGです。
ここでは、介護職の方のピアスやイヤリングがNGな理由について説明します。
例えば、利用者さんをベッドから車椅子に移動させる場合、介護スタッフは利用者さんと身体を密着させる必要があります。この時、ピアスやイヤリングの金具などが利用者さんの肌に触れると、利用者さんがケガをするかもしれません。
また、何かのはずみでピアスが落ち、利用者さんの食事の中に落ちてしまったらどうでしょうか?利用者さんが気づかず食べてしまう可能性もあります。認知症の利用者さんの場合、床などに落ちたピアスを口に運んでしまうケースも考えられるでしょう。
このように、利用者さんがケガや誤飲をするリスクがあるため、ピアスやイヤリングなどの外れやすいものは着用NGです。
利用者さんを守るためにピアスやイヤリングの着用はNGですが、介護スタッフの身を守るためでもあります。
ピアスやイヤリングが利用者さんの服に引っかかったり、利用者さんに引っ張られたりした場合、介護スタッフがケガをするリスクが高いためです。
介護職は一般的な事務職とは違う面で身だしなみに配慮しなければなりません。では、ピアスやイヤリング以外ではどのような点に注意しなければならないのでしょうか?働く事業所によって異なりますが、基本的なルールを紹介します。
髪の色に関しては、「清潔感のある髪型」などと就業規則に記載されている事業所が多いようです。ブリーチをしない明るめの茶髪程度の髪色はOKとしているところもあるため、髪色に関しては比較的寛容なケースが多いと言えるでしょう。
ただし、髪が長い場合、ゴムで1つにまとめたりピンでとめたりなど、作業する際に髪が邪魔にならないようにする工夫が必要です。
メイクは多くの介護スタッフがしていますが、華美になり過ぎないナチュラルメイクが求められます。メイクが濃すぎると、清潔感を感じにくいためです。また、つけまつげは、目元から落ちて利用者さんが誤飲してしまうケースがあるため、着用は控えましょう
ネイルは派手でなければOKとしている事業所もあるため、髪の色と同じく比較的制限は少ないでしょう。しかし、利用者さんの身体を拭いたり着替えを手伝ったりすることもあるため、爪は短く整える必要があります。
また、ネイルにストーンやアクセサリーをつけるのはNGです。万一外れた際に、利用者さんが誤飲するリスクがあるためです。
結婚指輪は、シンプルなデザインのものが多いため、そのまま着けている方もいます。しかし、介助や手洗いなどで邪魔になることもあるため、外しているという方もいるようです。
ネックレスは、ピアスと同じように、利用者さんや介護スタッフ自身がケガをする可能性があるため、着用NGです。介助の際に利用者さんに引っかかったり、認知症の利用さんに引っ張られたりする可能性があります。
介護スタッフは利用者さんと密着して介助することが多いため、香水は控えましょう。自身は「良い香り」と感じていても、他の方は「嫌な香り」と感じるケースがあるためです。
香りの強い柔軟剤も香水と同じようなものなので、注意しましょう。また、喫煙する介護スタッフは、喫煙後のケアについても心がけてください。タバコを吸わない方は、タバコのにおいに敏感で、不快に感じやすいためです。
介護スタッフらしい身だしなみとは、「清潔感があって安全で動きやすい服装」。利用者さんの多くは高齢のため、高齢の利用者さんが好感を持てる身だしなみを心がけると良いでしょう。
だらしない身だしなみだと、利用者さんから信頼を得られないだけでなく、介護スタッフ間でのコミュニケーションも円滑にとれないというケースもあるかもしれません。社会人として、基本的な身だしなみを意識しましょう。
「介護職でもピアスをして、いつもきれいでいたい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっとしたアクセサリーが、利用者さんや自身を傷つける原因になることもあります。仕事とプライベートを分け、オンオフを意識することで、よりファッションを楽しめるようになるケースも。仕事中は安全を第一に、シンプルなファッションに徹しましょう。

就職・転職の面接シーンでは、服装選びに悩む方もいるでしょう。面接と言えばスーツのイメージがあるかもしれませんが、介護業界の面接では“スーツ以外の服装でもOK”とされるケースもあります。今回は介護業界への就職・転職を考えている方に向けて、[btp_line]面接シーンの服装選び[/btp_line]に役立つ情報をご紹介。基本のスーツをはじめ、スーツ以外の服装に関する着用ポイントもチェックしていきます。
介護業界の面接を受ける場合、特に服装の指定がなければスーツを選ぶのがおすすめです。面接の担当者が「面接=スーツが常識」と考えている可能性もあるので、無難な選択と言えるでしょう。
スーツはシンプルなデザインでサイズが合っているものを選びます。カラーは、ブラックやネイビー、チャコールグレーなど。明るい色味のスーツは派手な印象を与えるので、避けたほうがいいでしょう。ボタンはビジネスシーンで一般的とされるシングルがおすすめです。
インナーにはホワイトや単色系のシャツを合わせます。男性ならワイシャツにシンプルなネクタイ、女性なら襟付きのシャツやブラウス。面接時にジャケットを脱ぐシーンがなくても、きちんとアイロンをかけたインナーで清潔感を意識しましょう。
女性はスカートとパンツどちらでも問題ありませんが、スカートの場合は丈に注意。膝の半分、または膝が全部隠れる丈を選びましょう。スカートでもパンツでもストッキングは必須です。
上半身はシャツにジャケット、下半身はスラックス・チノパンなど、オフィスカジュアルを意識した服装がおすすめです。
トップスはレギュラーカラーやボタンダウンのシャツで、ノーネクタイでもOK。トップスとのバランスに注目しながら、落ち着いたカラーのテーラードジャケットを合わせてください。スラックスやチノパンは、清潔感のあるすっきりしたデザインを選びましょう。「面接官からどう見えるか」という視点をもとに、カジュアルに寄り過ぎない服装を意識することが大切です。
上半身はシンプルなトップスにジャケットをあわせ、下半身はスカートかパンツを選びましょう。
トップスの種類は、シャツやブラウス、きれいめなカットソーなどがおすすめです。シンプルさで言えばホワイトや単色の無地トップスが無難ですが、派手に見えなければストライプやドット柄でもOKです。ジャケットはきちんと見えることがポイントなので、襟の有無など種類はどれでもかまいません。スカートやパンツを選ぶときは、トップス・ジャケットとのバランスを意識してください。丈は、スカートならスーツと同じ、パンツならフルレングスを選びましょう。「フットワークが軽く仕事ができる印象を与えたい」という場合は、パンツを選ぶと活発な印象の服装に仕上がります。
介護業界の面接に関する服装Q&Aをチェックしましょう。
あくまで介護の面接の場であることをふまえた服装で、ポロシャツにスラックスのような動きやすく清潔感のあるものを選びましょう。動きやすさを重視したとしても、ジャージはラフすぎるのでNG。足元はシンプルなデザインのスニーカーがおすすめです。
夏場でもジャケットは必須。訪問するまでは手に持ち、到着したら着用して施設に入ります。面接時に「ジャケットを脱いでもかまいません」と言われることもあるので、インナー選びも意識しておくのがおすすめです。ジャケットを脱ぐ場合は椅子にかけず、軽くたたんでバッグの上に置きましょう。
応募先の施設に入る前にコートを脱ぎます。脱いだコートはきちんとたたんで、カバンを持たないほうの腕にかけましょう。面接時はたたんだ状態でバッグの上に置くのがマナーです。
介護業界の面接時の服装はスーツが基本。しかし、私服の指定があるときやスーツを用意するのが難しい場合は、スーツ以外の服装を選ぶときのポイントを参考にしてください。介護業界に限らず、面接シーンの服装は“きちんと見えて清潔感があること”がポイント。まずは一番に目に入る服装で好印象を与えましょう。

経験値で技量が変わってくる介護の現場では、新人スタッフをどうしても「使えない」と思ってしまいがちです。指導する立場になるほど、「要領の悪さや仕事の遅さが目につく…」という方も多いのではないでしょうか。今回は、使えないと感じてしまう新人スタッフの特徴や対処法をご紹介します。指導にお悩みの方、仕事ができないから辞めたいと悩む介護の新人スタッフにアドバイスをしたい方は、ぜひ参考にしてください。
まずは、介護新人スタッフで使えないと感じてしまうタイプの特徴をチェックしてみましょう。
一生懸命頑張る姿が見られれば指導のしがいもありますが、上記のような姿が目につくとやる気がないように感じてしまいます。しかし、使えないと思っていた新人スタッフも、先輩スタッフの対応次第で成長する可能性は大きいです。
では、先輩スタッフとして、使えないと感じてしまう新人をタイプ別に対処する方法をご紹介します。
ミスを隠す、同じミスを繰り返してしまう新人スタッフは、注意散漫なうえに、確認が必要なこともチェックを怠りがちです。職場全体のチームワークを軽視している可能性もあるので、利用者さんだけでなく、スタッフの信頼も失ってしまう結果になることを伝えてみましょう。
介護職は利用者さんに合わせて臨機応変に動くことが大切です。しかし、新人スタッフは、どう動いたらいいのか分からないという悩みを抱えている場合もあります。そんなときは、何をしたらいいのか自分から先輩スタッフに聞き、積極的に動くよう指示・アドバイスしてみましょう。
やれば何とかなると自信過剰なタイプ、もしくは無責任に仕事をこなすタイプのどちらかである可能性があります。すべての仕事には責任が伴うこと、ミスとなれば施設全体の信頼度を下げてしまう結果になることを伝えましょう。利用者さんに影響が出る業務は、新人スタッフの技量をチェックする体制を整えることも大切です。
このタイプは失敗を恐れている可能性が高いです。介護の仕事は経験を積むことが大切なため、失敗しそうになっても先輩スタッフがフォローすることを伝えてみましょう。できることが増えれば自信もついてくるので、仕事から逃げることもなくなるはずです。
先輩スタッフ、利用者さんとの関係性を構築するためには、挨拶が大切であることを伝えましょう。明るい挨拶ができれば、コミュニケーション能力があるという評価を得られやすいです。介護職において、信頼関係を築くことは非常に重要。まずは元気な挨拶を心がけるよう、声かけをしてみてください。
いいわけは、相手からの意見を受け入れられないときにする行動です。自分が責任を負いたくないと、ミスを隠すタイプや、ミスを恐れるタイプにも当てはまるといえるでしょう。成長をするためにはミスを認め、改める前向きな姿勢が必要であると気付いてもらえるよう、働きかけてみるといいかもしれません。
先輩スタッフに聞いたことは、メモをとることで忘れにくく、あとで確認もしやすいことを伝えてみましょう。同じことを何度も聞く行動は、先輩スタッフの業務も止めることになります。聞くことは悪くはないですが、同じチームとして円滑に業務を進めるためにも、メモを有効活用するよう伝えてみましょう。
最後に、新人スタッフが悩みやすいケースも把握しておくと今後の指導に役立つかもしれません。
新人のときに、これらの悩みに直面したことがある介護スタッフも多いのではないでしょうか。新人スタッフに対しこちらから声をかけることで、悩みを打ち明けてくれる可能性があります。上記ポイントを参考に、「使えない」と思う前に、新人スタッフへ声をかけてみてはいかがでしょうか。
指導をする立場である介護スタッフも、こんなことに悩んでいたな、と振り返るきっかけになったのではないでしょうか。新人スタッフは「使えない」とばかり思うのではなく、気持ちを理解した、対処・指導が肝心です。はじめから仕事ができる方はいないことを念頭に置いて、スタッフの育成に取り組んでみてください。

介護職に就いたばかりの新人職員は、慣れない業務の中でさまざまな問題にぶつかります。「入居者さんに信頼される仕事ができているか」「一つひとつの業務にとにかく時間がかかってしまう」など、新人職員ならではのお悩みも多々あるようです。今回は新人職員ならではのお悩みをテーマに、介護の現場で新人さんが思わず「あるある!」とうなずいてしまう事例を紹介します。
「日々の業務で、きちんとできているか、やり方は正しいのか、といろいろ不安になるシーンが何度もあります。技術に自信を持てないと仕事が余計きつく感じることも…」
新人のうちは緊張しながら業務をこなす方も多く、仕事の疲れをより大きく感じるという意見も。介護現場の新人あるあるの中では、多くの方がうなずく項目でしょう。慣れない介護現場で技術に自信を持つには、時間と経験を要するものです。いきなり自信を持って業務に取り組むのは難しくても、「〇〇ならきちんとできる」と自分なりの強みを見つけ、ひとつずつ増やしていくことからはじめてみましょう。
「介護の新人としてていねいに業務をこなすことを心がけているのですが、そのぶん時間がかかって次の行動が遅くなるのがあるある…たとえば入居者さんの食事補助のシーンでは、その方のペースに合わせてじっくり進めたいのですが…食事のあとは片付けと掃除がある。ていねいさを重視すると次の行動になかなか移れないのが悩みです」
介護職員は限られた時間の中で多くの業務をこなす必要があります。“ていねいにこなすこと”と“時間内にこなすこと”の両立の難しさは介護現場の新人あるあるのひとつです。どちらも大切なことだからこそ、バランスの取り方に悩む新人職員もいるでしょう。バランス良くこなすには、ある程度の経験が必要になります。先輩職員の業務の仕方に注目してみると、何かヒントを得られるかもしれません。
「申し送りのシーンでは、要点のまとめ方がわからず、長々としゃべってしまうことがよくあります。他の方に比べて長い、と自分でもしゃべりながら感じるほど…さらに緊張も相まって、何を言いたいのかわからなくなってしまうんです」
入居者さんの体調や要望、事務連絡など、申し送りには次の担当者に共有すべき内容が多く含まれます。介護現場の申し送りはスムーズに行いたいところですが、新人のうちは緊張もあり、なかなかうまくいかないのがあるあるです。一番伝えたいことを最初に話したり、文章をテンプレート化して使いまわしたり、スムーズな申し送りのための工夫を考えてみましょう。
「わからないことを質問したり、悩みを気軽に相談したりできる職員がなかなかできなくて。業務を教えてくれる先輩職員はもちろんいますが、聞きたいことが多くて質問攻めになるのも申し訳なくて…同期の新人職員もいないし、職場環境になじめていないと感じます」
介護施設では、職員同士の連携が求められる業務がいくつもあります。自身が気持ち良く働くためだけでなく、仕事の質を高めるためにも、一歩を踏み出したコミュニケーションの取り方を考えることが大切です。“コミュニケーションを積極的に取ろうとする姿勢”が周囲に伝わるように、他の職員との日々のやりとりを見直してみましょう。
新人職員のうちは覚えることが多く、身体的にも精神的にも負担を大きく感じるかもしれません。しかし、さまざまな業務をこなして経験を積めば、介護スキルは確実に身についていきます。大切なのは一気に高みを目指さず、少しずつステップアップしていくこと。ご紹介した“介護新人あるある”を参考にしながら、日々の業務と真剣に向き合うことで解決策やヒントが見えてくるかもしれませんよ。