カテゴリー: 知識

介護施設やデイサービス等で、明日から使える「高齢者向けレクリエーション」や「トラブルの対処法」などのお役立ち情報をまとめています。福祉美容師や福祉ネイリストなど、介護に関する仕事内容についてもご紹介。毎日の仕事に使える情報やヒントが盛りだくさんです。

  • 摂食嚥下障害とは?原因と放置した場合のリスクについて

    摂食嚥下障害とは?原因と放置した場合のリスクについて

    高齢になると筋力の低下によって、食べ物が食べづらく飲み込みづらくなりやすいです。また、病気が原因で同じような症状に悩まされる方も。こういった症状を摂食嚥下障害と呼んでいます。摂食嚥下障害を引き起こす原因はさまざまですが、症状を放置するとさらに違う問題を引き起こしてしまうのです。そこで今回は、摂食嚥下障害の原因について学び、放置することでどういったリスクが考えられるのか見ていきましょう。

    摂食嚥下障害とは?

    まず摂食嚥下障害とは、嚥下障害と呼ばれることもあります。食べることや飲み込むことに何らかの問題が起きている状態を指し、食事や水分を食べられない、飲み込めないという状態です。

    どういった症状が出るのかは人それぞれで、うまく食べ物を噛めないという方や口からこぼれ出てしまう方、飲み込もうとするとむせてしまう方などがいます。

    摂食嚥下障害の原因について

    なぜ摂食嚥下障害は起きるのでしょうか?ここでは、摂食嚥下障害の原因について見ていきましょう。

    脳血管疾患によるもの

    摂食嚥下障害の原因は加齢だけでなく、病気が影響している場合があります。実際、摂食嚥下障害の原因の約4割が脳卒中と言われており、病気のなり始めの時期にある(急性期)方の約3割が誤嚥を起こしているという結果もあるのです。

    また、病状が安定してきたとしても誤嚥に悩む方がいることがわかっているため、できるだけ摂食嚥下障害にならないことが大切だと言えるでしょう。

    加齢による筋力の低下

    年齢を重ねると、舌やのどの筋力が衰えたり、唾液の分泌量が低下したりします。また、嚥下反射機能が低下することもあり、摂食嚥下障害を引き起こしやすくなるのです。

    さらに加齢や口腔内のトラブルで歯を欠損すると、咀嚼する機会が減り唾液の分泌量が減ります。その状況で食べ物を飲み込もうとすると、しっかり咀嚼されていないことで誤嚥やむせを起こす原因にもなるでしょう。

    口内炎

    先ほど口腔内のトラブルが原因になることがあると触れましたが、口内炎もその1つです。口の中に痛みや腫れが起きると、年齢に関係なく食べ物や飲み物を摂りづらくなります。

    がん

    がんが摂食嚥下障害に影響することも。例えば、舌がんや咽頭がんなどの口腔内のがんの場合、腫瘍の影響でうまく飲み込めないことがあります。また手術による影響もあるでしょう。

    その他には、放射線治療や化学療法によって、摂食嚥下障害が起きることもわかっています。

    摂食嚥下障害を放置するとどうなる?

    では、摂食嚥下障害であることを知りながら、そのまま放置したらどうなるのでしょうか?

    誤嚥性肺炎のリスク

    もっとも考えられることは、誤嚥性肺炎です。食べ物や唾液に含まれる細菌が気管に入り込むことで起きる肺炎のこと。通常であれば、咳込むことで気管に入った食べ物や唾液は排出されます。

    しかし、反射機能が衰えた高齢者の場合、うまく排出できないために肺炎になってしまうのです。また、起きているときだけではなく、反応が鈍くなる睡眠中に誤嚥してしまうケースもあります。

    窒息のリスク

    咀嚼が不十分だったり、うまく飲み込めなかったりすると、食べ物や飲み物が気道をふさぐことがあるのです。また、飲み込んだとしても喉頭蓋がしっかり下がっていない場合や誤って気道に入ってしまうと、誤嚥のリスクが高まります。

    窒息の可能性がある場合は、肩甲骨の間を強めにたたくなどして解消しましょう。難しい場合や意識がない場合は、一刻を争うため、救急車を呼ぶ、医師に相談するなどしてください。

    低栄養のリスク

    摂食嚥下障害を引き起こすと、スムーズに食べられなくなるため、食べる量が減ったり食事の形が限定されたりします。そのため、低栄養になりやすいでしょう。

    低栄養の状態が続くと、免疫力や体力が低下して病気になりやすくなります。また筋力の低下も懸念されるため、身体機能の衰えにもつながってしまうのです。

    脱水のリスク

    人間は、1日に約2リットルの水分を摂取する必要があると言われています。最低でも1日に1リットルは必要とされていますが、摂食嚥下障害の場合、食べづらい・飲み込みづらいということで、脱水になりやすいです。

    脱水になると、肌が乾燥するだけでなく、唾液の分泌量が減り口内が乾燥。より食べ物や飲み物を摂りづらくなります。また乾燥によって口内環境が悪くなり、虫歯や歯周病を引き起こすこともあるでしょう。

    日々のケアと変化への気づきが重要

    摂食嚥下障害の原因はさまざまですが、加齢による筋力低下などの場合は、日々のケアで変わってきます。レクリエーションで口輪筋や舌筋などの筋力低下を予防する体操を取り入れたり、口腔ケアを呼び掛けたりしましょう。万一誤嚥の可能性がある場合は、すぐに対応しなければならないため、誤嚥のリスクが高い利用者さんが食事をする際は、特に注意して見ておく必要があります。

  • 訪問歯科で介護保険は適用される?知っておきたい費用の知識をチェック

    訪問歯科で介護保険は適用される?知っておきたい費用の知識をチェック

    今回は訪問歯科をメインテーマに、「介護保険は適用されるのか」「出費はどれくらいなのか」という費用に関する情報をお届けします。身体的・精神的な何らかの理由で通院が難しい方のために、歯科医師や歯科衛生士が訪問して歯科診療を行う“訪問歯科”。利用者さんにとって、通院の手間が省ける、慣れた場所でリラックスしながら治療を受けられる、などのメリットがあります。訪問歯科の仕事を検討中の方はぜひチェックしてください。

    訪問歯科の治療費の内訳は?

    訪問歯科では、主に“訪問歯科診療費”、“治療費”、“居宅療養管理指導費(管理指導費)”の費用が発生します。

    訪問歯科診療費と治療費について

    訪問歯科診療費は、診察時に発生する費用のこと。初診・再診料を含みます。治療費は、検査や虫歯治療、入れ歯づくりなどを行う際に発生する費用です。治療費については、利用者さんの状態で変わります。

    居宅療養管理指導費(管理指導費)について

    居宅療養管理指導費は、歯科医師や歯科衛生士が利用者さんの元へ訪問し、ケアマネジャーがプラン作成に必要な情報を提供する際にかかる費用です。

    <歯科医師の場合>

    指導内容療養上の健康管理・診断に基づく健康指導処方薬の服用方法・副反応に関する指導使用中の医療器具の管理プラン作成に必要な情報の提供 など
    管理指導回数月2回まで

    <歯科衛生士の場合>

    指導内容歯磨き指導口腔ケア指導義歯の手入れ方法の指導嚥下機能の維持・回復のアドバイス など
    管理指導回数月4回まで

    訪問歯科は介護保険の適用対象!保険の種類について

    訪問歯科は介護保険の適用対象です。

    医療保険適用訪問歯科診療費治療費
    介護保険適用居宅療養管理指導費(管理指導費)

    訪問歯科では、医療保険と介護保険の2つが同時に適用されます

    <訪問歯科の介護保険適用条件>

     居宅療養管理指導を受けたとき
     要介護または要支援認定を受けている
     自宅や介護施設(グループホーム、有料老人ホームなど)に入居している
     介護保険を利用するにあたり、利用者さんの同意を得ている

    訪問歯科に介護保険が適用されることもふまえて、1回にかかる費用は“治療費+1,500円前後”が相場(保険治療で自己負担額が1割の場合)と言われています。「外来診療での交通費を考えると負担になるほどの額ではない」と考える利用者さんもいるようです。

    訪問歯科の基礎知識をおさらい!診療内容や対象者は?

    訪問歯科の診療内容は、基本的に外来診療と同じです。たとえば虫歯や抜歯、歯周病の治療など。検査・相談項目で言えば入れ歯関連のもの、口腔ケア、嚥下リハビリテーションなどです。
    訪問歯科の利用は、ご自身での通院が難しい方が対象になります。他の医療機関に通院している、車いすで移動できる方は利用の対象外です。
    訪問歯科の保険適用条件は、“歯科医院から診療先までが半径16キロ圏内”。利用者さん本人はもちろん、ご家族からの依頼で半径16キロ圏外となった場合、費用のすべてが保険適用外になります。
    交通費や出張費については、不要としている歯科医院も多いのが実情です。しかし、訪問歯科では交通費や出張費を利用者さんに対して実費請求できるものなので、歯科医院によって異なることを認識しておきましょう。

    訪問歯科と外来診療の特徴

    訪問歯科と外来診療は、求められる能力や働き方などの特徴が異なります。訪問歯科で働くことを考える際にはこちらもチェックしておきましょう。

    <訪問歯科の特徴>

     利用者さんやご家族、ケアマネジャーなどと接するコミュニケーション能力が求められる
     利用者さんやご家族と密な関係を築ける
     歯科衛生士主体で活躍できる
     症例や使用する機材が外来診療と比べて限られるため、ブランクがあっても復帰しやすい
     移動や荷物の運搬が多く、体力面の負担が大きい
     事務作業が多い

    <外来診療の特徴>

     幅広い年代の患者と接することができる
     訪問歯科と比べると、利用者さんとコミュニケーションを取る機会が少ない
     症例や使用する機材の種類が多い
     歯科医師の補助役になりやすい
     体力面の負担と事務作業が少ない

    訪問歯科の仕事を選択肢のひとつに

    口腔内の健康は、高齢の方にとっての“生活の質”に影響します。高齢の方の歯科受診率が減少傾向にある現在では、受診ハードルの下がる訪問歯科は解決策のひとつ。訪問歯科診療を行う歯科医院は今後増えていくと予想されます。就職・転職先の選択肢を広げるために、訪問歯科の介護保険適用をはじめとする知識をぜひ身に付けてください。

  • 高齢者と「話が通じない・噛み合わない」…理由からひも解く対処法

    高齢者と「話が通じない・噛み合わない」…理由からひも解く対処法

    高齢者と接するなかで、「話が通じないな…」「なんとなく会話が噛み合わない…」と感じることはありませんか?これには、ご年齢ならではの理由があります。本記事では高齢者に話が通じないと感じるときの4つの理由を解説。今日からすぐに実行に移せる対処法もご紹介していきます。介護の現場だけでなく、プライベートな場面でも役立つ内容です。ぜひ最後までご確認ください。

    高齢者に話が通じないと感じる4つの理由

    「高齢者に話が通じない」「会話が噛み合わない…」これらの現象は年齢にともなうさまざまな機能の低下が理由と考えられます。

    聴力・視力の低下で話し手の意思が伝わりにくい

    まず挙げられるのが、聴力や視力の低下です。70代では男性の5人に1人、女性の10人に1人が、日々の暮らしに影響する程度の難聴であるといわれています。

    また、視力の低下で相手の表情や示されている資料がよく見えないといったことも。これらから、話を理解するのに苦労する、会話が聞き取れていないのに相槌を打ってしまう、といったことが起こり、「話し手の意思が伝わっていないな」と感じるのです。

    注意力や理解力の低下で聞き漏らしが起こりやすい

    注意力や理解力の低下も高齢者に話が通じないと感じる原因。加齢とともに処理できる情報量は減るため、会話のなかで聞き漏らしが生じやすくなるのです。一度に多くの情報を伝えると混乱してしまうこともあります。

    判断力の低下で新しい情報を好まない

    さらに、加齢とともに判断力が低下することから新しい情報を好まない方もいます。自分の経験や知識に基づいて話を進めようとするので、高齢者は話が長くなりがちです。「高齢者は思い込みが強い」「聞く耳を持ってくれない」と感じる原因でもあります。

    認知機能の低下で不都合が生じる

    認知機能の低下も理由のひとつ。認知症の中核症状により、過去の言動を忘れてしまったり、同じ話を繰り返してしまったり、理解力が低下したりします。これにより高齢者に話が通じないと感じてしまうのです。

    意思疎通が難しいときの対応のコツ

    「高齢者に話が通じない…」と感じるときは、ぜひ3つのコツを意識して会話を進めてみてください

    <高齢者と話すときの3つのコツ>

    ・補聴器をつけているか確認する
    ・大きな声でハッキリと話す
    ・一度に多くを伝えない(シンプルに伝える)

    まずは、高齢者が補聴器をつけているかどうか確認します。少しでも会話を聞き取りやすい環境を整えることが重要です。さらに、話しかけるときは大きな声でハッキリと言葉を発するよう心がけましょう。

    会話の進め方にもコツがあります。ポイントは、一度に多くを伝えないこと。厳選した内容をシンプルな表現で、理解度を確かめながら伝えると会話がスムーズです。

    認知症の方とのコミュニケーションのコツ

    会話する高齢者が認知症の場合は、さらに考慮したい4つのコツがあります。

    <認知症の方と話すときの4つのコツ>

    ・否定せず受け入れる態度で話す
    ・急かさずご本人のペースにあわせて会話する
    ・目線を合わせる
    ・ときにはジェスチャーも入れる

    認知症の方との会話では、否定せず受け入れる態度を心がけましょう会話が進まなくても先を急かさず、ご本人のペースを尊重することも大切。自尊心を傷つけないよう気を配ることで、気持ちよくコミュニケーションが取れるでしょう。

    相手と目線の高さを合わせることもポイント。見下ろすような体勢で威圧的な印象を与えてしまわないよう、ベッドや車いすを利用している高齢者との会話では特に気をつけます。さらに、会話にジェスチャーを取り入れると相手の記憶に残りやすいでしょう。

    話が噛み合わなくてイライラしそうな時の対処法

    高齢者との会話中、話が通じないことでイライラしてしまう場面もあるかもしれません。そんなときは、次のような対策をしてみましょう。

    「5回は同じ話を聞く」など心構えを持って会話に臨む

    高齢者の会話がうまく進まないときは、分かっていてもイライラしてしまうものです。同じような話が巡り会話が進まないというシーンもあるでしょう。そのようなときは、「5回までは同じ話を聞く」と心の中で決めてしまいます

    あらかじめ決めておくと割り切ることができ、「また同じ話…」といったモヤモヤした気持ちがスッキリするものです。もし5回目以上となったら、さりげなく話題を変えてみましょう

    アンガーマネジメントスキルを取り入れる

    アンガーマネジメントスキルを取り入れるのもひとつです。怒りを感じたときに6秒間我慢して感情を落ち着かせる「6秒ルール」は取り入れやすい手法のひとつ。自身の怒りをコントロールできれば、相手を傷つける心配もありません。

    ▼過去記事はこちら

    高齢者と話が通じなくても諦めないで

    高齢者に話が通じないと感じるのは、身体機能や認知機能の面から見て仕方のないことです。会話が噛み合わない場合でも、高齢者を孤立させないことが大切。ぜひご紹介したコミュニケーションのコツやアンガーマネジメントスキルを取り入れながら、会話に臨んでみてください。

  • 凍結含浸法とは?見た目も楽しめる介護食のメリットやデメリット

    凍結含浸法とは?見た目も楽しめる介護食のメリットやデメリット

    凍結含浸法についてご存知ですか?広島県の特許技術で、見た目も楽しめる介護食が作れるとして話題になっています。凍結含浸法を用いれば、食材がやわらかくなるため、咀嚼する力が弱っている利用者さんや歯が少なくなった利用者さんが、ミキサー食といった介護食ではなく、一般的な料理と同じような見た目の料理が食べられるという最新技術です。そこで今回は、[btp_line]凍結含浸法[/btp_line]がどういうものなのか、メリットやデメリットを含めて詳しく見ていきましょう。

    凍結含浸法は広島県の特許技術!

    凍結含浸法とはどういうものか、またなぜ凍結含浸法が求められているのかを紹介します。

    凍結含浸法とは

    これまでのやわらかい食事というと、ミキサーで細かくしたり刻んだりして提供することがほとんどでした。

    凍結含浸法は、広島県立総合技術研究所食品工業技術センターが2002年に発明した特許技術です。食材の中に酵素などの物質をしみ込ませることで、食材の形を保ったまま歯茎や舌でつぶせるほどやわらかくすることができます

    この技術によって、咀嚼力が弱った方でもドロドロとした見た目の料理ではなく、通常食と同じ見た目の料理を食べられるようになったのです。

    凍結含浸法が求められる理由

    食事は、ただ栄養補給するだけのものではありません。目で見て食感や味わいを楽しむものでもあります。しかし、ミキサー食となると見た目が悪く、食欲がわきにくくなることも

    そうなると、家族や利用者さん同士の食事の時間を楽しめず、むしろ食事の時間が不快な時間になってしまうこともあります。食事の時間が、ただ栄養補給するだけの時間になってしまうのです。

    凍結含浸法によって作った料理であれば、他の方と同じ見た目でやわらかい料理になっているため、食事の時間を楽しむことができます。メニューから季節の変化を感じたり、会話を楽しんだりすることで脳への刺激にもなるでしょう。

    食事の時間を楽しめず、むしろ食事の時間が不快な時間になってしまうこともあります。食事の時間が、ただ栄養補給するだけの時間になってしまうのです。

    

    凍結含浸法のメリット

    凍結含浸法のメリットについてさらに詳しく紹介します。

    形を残し見た目にも美味しそう

    最大のメリットは、見た目が美味しそうという点です。食材の形が残っていることで、通常食と同じで見た目が美しく、料理を目で見て楽しめます。他の方と同じ料理を食べられるため、食事を楽しめるという点もあるでしょう。

    栄養分が逃げない

    一般的には、食材をやわらかくしようとすると、長時間煮たり茹でたりしなければなりません。栄養素の種類によっては栄養分が減ってしまうこともあります。しかし、凍結含浸法を用いれば、栄養分を必要以上に逃さずやわらかくすることができるのです。

    消化・吸収しやすい

    胃を切除した方の場合、胃酸や消化酵素が分泌されにくくなっています。そのため、たんぱく質を消化しにくくなることも。また、胃腸に不安がある方は、ごぼうやれんこんなどの食物繊維が豊富な食べ物を摂ると、消化に負担がかかります。

    凍結含浸法を用いれば、たんぱく質の損失を最小限にして吸収しやすい水溶性に分解してくれるのです。食物繊維についても短時間で消化できるように変化させることができます。

    凍結含浸法のデメリット

    凍結含浸法はメリットだけではありません。最後に、デメリットについて見ていきましょう。

    歯にくっつきやすい

    弱い力で崩れるというメリットの反面、歯にくっつきやすいというデメリットがあります。口腔ケアをしっかり行わなければ、食べかすによって、虫歯や歯周病を引き起こす可能性も。食事後の歯磨きを丁寧に行うよう呼び掛けると良いでしょう。

    家庭では作れない

    凍結含浸法を行うには、含浸溶液や減圧するための機械が必要です。そのため、家庭で手軽に用いることはできません。小規模な施設や家庭で凍結含浸法を用いた食事を提供したいと思えば、凍結含浸法を利用して作った宅配食事を利用すると良いでしょう。

    凍結含浸法で楽しい食事の時間を

    咀嚼の力が弱っている方も凍結含浸法を使った料理であれば、通常食と変わらない食事を楽しめます。ミキサー食で食欲が低下している利用者さんがいれば、凍結含浸法を利用した食事の導入を検討してみるもの良いでしょう。メリットやデメリット、費用面などを考慮して検討してみてください。

  • 七夕レクリエーションを高齢者の方と楽しもう!おすすめレク4選

    七夕レクリエーションを高齢者の方と楽しもう!おすすめレク4選

    7月7日の七夕は、夏の風物詩として古くから日本で親しまれている行事です。子供の頃に、短冊や七夕飾りなどを準備した方もいるでしょう。7月はそんな七夕レクリエーションで、高齢者の皆さんと交流が深められる時期です。そこで今回は、7月におすすめの[btp_line]七夕レクリエーションを4つ[/btp_line]ご紹介していきます。高齢者の皆さんとぜひ一緒に楽しんでみてくださいね。

    機能訓練もかねて提案を「七夕飾り製作」

    短冊や手作りの飾りで笹を彩っていく「七夕飾り製作」は、季節感のあるおすすめの七夕レクリエーションです。しかし、参加される高齢者の方によっては、幼稚な提案だと感じ賛同いただけない可能性があります。そのため、伝え方にひと工夫することが大切です。

    たとえば「左手を上手く使いながら、鶴を折ってみましょう」「短冊のこよりを、右手を使って作っていただけますか?」など、機能訓練をかねて提案します。すると、リハビリの一環として七夕レクリエーションに参加しやすい高齢者の方もでてくるでしょう。

    また、七夕飾りにはそれぞれ意味が込められています。病気や災いの身代わりになってくれる紙衣(かみこ)や長寿を願う鶴、金運アップの願いが込められた巾着など意味を知ると見え方が変わることもあるかもしれません。せっかくの機会ですので、学びや達成感のあるレクリエーションにできるよう工夫してみましょう。

    涼を感じさせる「七夕ゼリーづくり」

    7月14日、七夕の1週間後にあたるこの日は、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合制定のゼリーの日です。そこで、七夕レクリエーションの1つに「七夕ゼリーづくり」を加えてみてはいかがでしょうか?ゼリーは食欲が低下しやすい夏にもぴったりで、飲み込みやすいため高齢者にもおすすめのおやつです。

    七夕らしさを加えるなら、100円均一などで販売されているステンレス製の抜型で果物を星形にしてもよいでしょう。また、かき氷シロップのブルーハワイを使えば、ゼリーを爽やかな青に色付けすることもできます。七夕の雰囲気を加えたゼリーを、利用者さんと美味しく召し上がってみてはいかがでしょうか。

    意外と知らないことも多い?「七夕クイズ」

    子供の頃から何度も経験している七夕ですが、実は意外と知られていないことも多いようです。そこで、七夕レクリエーションではそんな豆知識を「七夕クイズ」として出題し、高齢者の方と盛り上がってみましょう。

    【出題例】
    [btp_box back=”on”]Q.織姫と彦星は実は恋人ではありません。では、2人はどんな関係でしょうか?

    1. 元恋人
    2. 血のつながっていない兄弟
    3. 夫婦[/btp_box]

    A.3.夫婦
    恋人のイメージが強いですが、2人は夫婦です。結婚後仕事をしなくなったため、天の神様に引き離されたといわれています。

    [btp_box back=”on”]Q.七夕はベトナムでも行われる行事です。日本では織姫と彦星が会うために天の川に橋を架ける鳥はカササギといわれますが、ベトナムでは違う鳥が天の川に橋を架けると伝えられています。それはどの鳥でしょうか?

    1. クジャク
    2. カラス
    3. タカ[/btp_box]

    A.2.カラス
    ゴミを荒らしたり、人を襲ったりとあまりよいイメージではないカラスですが、ベトナムではカラスが天の川に橋を架けるといわれています。

    天の川の星を釣る!?「七夕星釣りゲーム」

    七夕といえば、織姫と彦星をつなぐ天の川をイメージする方も多いでしょう。天の川は、無数の惑星や恒星などが集まった銀河の一部で、およそ2000億個の星でできているといわれています。

    そこで、七夕レクリエーションでは天の川の星をイメージしたゲームをしてみるのもおすすめです。例えば「七夕星釣りゲーム」と題し、紙やダンボールで作った星にクリップをつけ、磁石を貼りつけた釣り竿で高齢者の方に釣り上げてもらいましょう。

    個人やチームで釣り上げた星の数を競って盛り上がるのも、楽しいかもしれません。発想次第で広がりが出やすいゲームのため、利用者さんのツボを押さえた工夫を加えてみてはいかがでしょうか。

    七夕レクリエーションは高齢者の方への伝え方も大切!

    子供の頃からなじみの深い七夕は、多くの方が季節感を味わいやすい行事です。しかし、七夕飾り製作は人によって幼稚であると捉える可能性もあります。そのため、七夕レクリエーションを盛り上げるには、高齢者への伝え方も重要です。多くの利用者さんが楽しめるよう言葉でのひと工夫も忘れずに、七夕レクリエーションを企画してみてはいかがでしょうか。

  • 【ヒット曲リスト】80代以上の利用者さんの青春定番ソング集!

    【ヒット曲リスト】80代以上の利用者さんの青春定番ソング集!

    介護施設によっては、下は60歳代、上は100歳以上と年齢に40歳以上の開きがあることも少なくありません。当然ながら若い頃に聞いていた、いわゆる懐メロも世代によって異なってきます。そこで、この記事では往年のヒット曲の中から、80代以上の利用者さんの青春定番ソングをリストアップ。一緒に盛り上がりたいときに覚えておきたい曲を、紹介していきます。懐かしのヒット曲を覚えて、80代以上の利用者さんと楽しみましょう。

    【1】「北国の春」千昌夫

    1977年にリリースされた千昌夫さんの歌謡曲「北国の春」。故郷を離れて都会で暮らす男性が、実家から届いた小包を受けとり、ふるさとを懐かしむ歌です。「あの故郷へ帰ろかな 帰ろかな~♪」のフレーズも印象的。美空ひばりさんや細川たかしさん、氷川きよしさんなど、たくさんの歌手にカバーされています。リズム体操の曲として使われることも多いヒット曲。なじみ深く耳慣れている80代の利用者さんも多いでしょう。

    【2】「青い山脈」藤山一郎

    石坂洋次郎さんの小説が原作となった映画「青い山脈」の主題歌として、1949年に発表されたこちらの曲。終戦後まもない頃に作られた楽曲で、古い体制の崩壊と新しい時代の到来を印象づけるようなフレーズが印象的です。往年のヒット曲のため、80代以上の利用者さんが青春時代を思い出す1曲となるかもしれませんね。

    【3】「リンゴ追分」美空ひばり

    https://www.youtube.com/watch?v=S0KLu6lZ5Yw

    「リンゴ~の花びらが~♪」と聞けば、若い世代でも聞き覚えがあるかもしれない、美空ひばりさんの「リンゴ追分」。1952年に発表された曲で、同年には「ソーレソレソレお祭りだ~♪」と盛り上がる「お祭りマンボ」も登場しています。ヒット曲が多い美空ひばりソングの中でも、初期の楽曲のため、80代以上の利用者さんも盛り上がれる1曲となるでしょう

    【4】「好きになった人」都はるみ

    https://www.youtube.com/watch?v=JC7V8JHxJiY

    「さよ~なら さよなら~元気でいてね~♪」の歌い出しを聞けば、あの曲と分かる方も多い都はるみさんの「好きになった人」。1968年に発表された楽曲ですが、モノマネ番組などで歌われることも多いため、世代を超えて知られている1曲です。このほか、「涙の連絡船」や「大阪しぐれ」などのヒット曲も、80代以上の利用者さんにはなじみ深い曲かもしれませんね。

    【5】「憧れのハワイ航路」岡晴夫

    1948年に発表された岡晴夫さんの「憧れのハワイ航路」。聞くだけで元気になれそうな明るい曲調と「晴~れた空~ そ~よぐ風~♪」の歌詞が印象的な1曲です。介護職の中には、利用者さんに教えてもらい、この歌を知っている方も多いかもしれませんね。サザンオールスターズや氷川きよしさんもカバーしている、世代を超えて伝わり続けるヒット曲。旅行気分になりたいときに、80代以上の利用者さんと一緒に歌ってみるのも楽しそうです

    【6】「涙そうそう」夏川りみ

    カラオケ機器「DAM」の世代別人気ソングにて、80代男性・女性ともに上位にランクインしていた夏川りみさんの「涙そうそう」。2001年にリリースと、比較的最近の曲ですが、80代からの支持を多く集める楽曲です。ノスタルジックなメロディと心にしみる歌詞が、世代を超えて愛されるヒット曲。演歌や歌謡曲が身近でない方でも、この歌なら80代の利用者さんと楽しめるかもしれませんね。

    【7】「北の漁場」北島三郎

    数々のヒット曲を生み出してきた北島三郎さんは、日本を代表する歌手のひとり。魂のこもった伸びやかな歌声が、多くの人の心を捉えました。なかでも、80代の利用者さんから人気を集めているのは、「北の漁場」です。北の漁場で働く海の男を歌った一曲で、冷たい波しぶきに打たれながらも、船に乗る男のたくましさが描かれています。ほかにも人気のある曲が多いため、利用者さんから「北島三郎さんのこの曲も歌いたい」とリクエストが出てくるかもしれませんね。

    【8】「また逢う日まで」尾崎紀世彦

    1971年に発売された「また逢う日まで」は、尾崎紀世彦(おざき・きよひこ)さんの代表曲。立派なもみあげと伸びやかな歌声が特徴で、英国出身の歌手であるトム・ジョーンズにも似ていると言われていました。「また逢う日まで」は、男女の別れを歌った曲でありながら、晴れやかなメロディで、利用者さんも気持ちよく歌えるでしょう。

    【9】「時の流れに身をまかせ」テレサ・テン

    「つぐない」や「愛人」など、多くのヒット曲を残してきたテレサ・テンさんの一曲。「時の流れに身をまかせ」は、1986年に発売されたあとまたたく間に人気を博し、NHK紅白歌合戦でも歌われました。「あなたの色に染められ 一度の人生それさえ捨てることもかまわない」「いまはあなたしか愛せない」といった、情熱的で切ない心情が描かれています。レクリエーションでカラオケをする際は、女性の利用者さんにマイクを渡してみてはいかがでしょうか。

    【10】「安芸の宮島」水森かおり

    世界遺産・厳島神社を有する宮島が舞台になった「安芸の宮島」は、中四国地方に住む利用者さんには特に馴染みのある曲でしょう。歌をきっかけに「旅行で行ったことがある」「近くに住んでいた」といった話が聞けるかもしれませんね。他にも、水森かおりさんは「日向岬」「鳥取砂丘」「九十九里浜」など、多くのご当地ソングを歌っているので、ぜひ利用者さんが住んだことのある地域にまつわる曲を探してみてください。

    ヒット曲を覚えて80代以上の利用者さんと一緒に楽しもう!

    懐かしい曲を聞くと、一気にその歌を聞いていた時代がよみがえるような感覚があります。なかなか打ち解けにくい利用者さんでも、同じ歌を知っていることで、心を通わせることができるかもしれません。往年のヒット曲は、月日が経ってもよい曲が多いため、ぜひ覚えて80代以上の利用者さんと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

  • 高齢者の夏バテ対策におすすめのレシピ8選【夏野菜活用編】

    高齢者の夏バテ対策におすすめのレシピ8選【夏野菜活用編】

    [btp_line]「慢性熱中症」[/btp_line]とも言われる夏バテ。高温による発汗や空調設備による急な気温変化、冷たい飲み物による消化機能の低下などから起こる、食欲不振・睡眠不足などの症状を指します。特に高齢者は、知らないうちに身体が脱水状態になってしまう[btp_line]「かくれ脱水」[/btp_line]が原因となり、夏バテしやすい傾向にあります。今回は、効率的に栄養を摂取できる、高齢者のための夏バテ対策レシピをご紹介します。

    高齢者の夏バテ対策におすすめの夏野菜は?

    夏バテ対策には、夏野菜を積極的に摂るのがおすすめです。夏に旬を迎える夏野菜は、そのみずみずしさと、夏バテ予防に効果的なビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいるのが特徴。また、体温を下げてくれる働きを持つ野菜もあります。
    夏野菜としては、トマト・なす・ピーマン・きゅうり・ズッキーニ・とうもろこし・ゴーヤ・かぼちゃなどが挙げられます。どれも食卓に取り入れやすいものが多いため、ひとつの料理に複数の夏野菜を使うのもおすすめです。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ1:夏野菜たっぷりそうめんサラダ

    夏の定番、暑い時期に人気のそうめんに、夏野菜をたっぷりトッピングした簡単レシピ。ぶっかけそうめんになっているため、高齢者でもサラッと食べられてひと皿で栄養摂取もできるお手軽メニューです。

    <材料>(1人分)

    • ゆでタコ 40グラム ※歯が弱い方はツナ缶などにしてもOK
    • レタス 20グラム
    • 水菜 10グラム
    • 玉ねぎ 10グラム
    • ミニトマト 4個
    • きゅうり 1/4本
    • 大葉 1~2枚
    • カイワレ大根 1/4パック
    • そうめん 1/2~1束

    *ドレッシング材料

    • すりごま 大さじ1/2
    • マヨネーズ 大さじ1/2
    • めんつゆ 大さじ1/2
    • 水 小さじ1
    • 酢 小さじ1/2
    • 砂糖 小さじ1/2

    <作り方>

    1. 玉ねぎは薄切りにし、タコ、水菜、カイワレ大根は食べやすい大きさに切ります。
    2. 大葉ときゅうりは千切りにしておきます。
    3. レタスは盛り付け皿に敷く分を除き、食べやすい大きさに切るか手でちぎっておきます。ミニトマトは半分に切っておきます。
    4. そうめんをゆで、冷水でしめて水を切ります。
    5. 「*ドレッシング材料」をすべて混ぜ合わせ、ドレッシングを作ります。
    6. 盛り付け皿にレタスを敷き、そうめん、野菜の順に盛り付けてドレッシングをかけたら完成です。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ2:ごはんにのせてもOK!豚肉のそぼろあん

    夏野菜のかぼちゃと豚肉を合わせることで、ビタミンとタンパク質が取れるレシピ。副菜として出すのも良いですし、ごはんや麺類などにかけても美味しく、高齢者も食べやすい一品です。

    <材料>(1人分)

    • 豚ひき肉 70グラム
    • 長ねぎ 1/8本
    • しょうが 1/2かけ
    • だしの素 小さじ1/4
    • しょうゆ 小さじ2/3
    • 砂糖 大さじ1/2
    • 酒 1/4カップ
    • 水溶き片栗粉(片栗粉 小さじ1、水 大さじ1/2)

    <作り方>

    1. 長ねぎとしょうがはみじん切りにしておきます。
    2. 熱したフライパンに豚ひき肉、1を入れて軽く炒め、だしの素・しょうゆ・砂糖を加えてそぼろ状にしていきます。そぼろ状になったら酒を加えて煮立たせます。
    3. 水溶き片栗粉でとろみをつけたら完成です。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ3:パリッときゅうりの浅漬け

    簡単に作れるきゅうりの浅漬けは、常備菜にもおすすめです。きゅうりがあれば、あとは調味料3つで完成。ポリ袋に入れて作ると洗いものが少なくなりますよ。

    <材料>(1人分)

    • きゅうり 1本
    • しょうが 1/2かけ
    • 塩 小さじ1/4
    • ごま油 小さじ1/2

    <作り方>

    1. きゅうりは5センチ程度の拍子切りにして塩を振り、10分以上置きます。出てきた水は捨て、水気をきります。
    2. しょうがは千切りにしておきます。
    3. きゅうりとしょうが、ごま油を混ぜれば完成です。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ4:ゴーヤとツナのサッパリ和え

    夏野菜の代表格とも言えるゴーヤは苦みがありますが、調理方法によって苦みを軽減させてサッパリ食べることができます。子供から高齢者までに好まれる味付けです。

    <材料>(1人分)

    • ゴーヤ 1/4本
    • ツナ缶 1/4缶
    • かつお節 小パック1/4袋
    • しょうゆ 小さじ1
    • 味の素 適量
    • 塩・こしょう ひとつまみ

    <作り方>

    1. ゴーヤは縦半分に切り、スプーンなどで種とワタをしっかり取り除きます(このワタが苦みのもとになります)。
    2. 沸騰させたお湯に塩小さじ1(分量外)を入れ、ゴーヤを1~2分ゆでます。
    3. ゴーヤをザルにとり、冷水で冷やして薄くスライスします。しっかり絞って水分を切ります。
    4. ツナ缶は油分を切って3と和え、塩・こしょう、味の素、しょうゆを加えて混ぜ合わせます。
    5. 混ざったらかつお節を入れて再度混ぜ合わせて完成です。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ5:夏野菜と豚肉の味噌炒め

    夏野菜3種を使い、豚肉と合わせて炒めた夏バテ対策のおかずレシピです。甘辛い味噌味に箸も進みますよ。

    <材料>(1人分)

    • 豚肉薄切り 70グラム
    • ゴーヤ 1/4本
    • かぼちゃ 100グラム
    • なす 1/2本
    • 豆腐 1/4丁
    • かつお節 小パック1袋
    • 味噌 大さじ1/2
    • めんつゆ 大さじ1/2
    • はちみつ 大さじ1/2
    • サラダ油 小さじ1/2

    <作り方>

    1. フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を炒めます。
    2. 一口大に切ったゴーヤ・かぼちゃ・なすを1に加えて炒めてください。
    3. 野菜が柔らかくなってきたら一口大に切った豆腐も加え、さらに炒めましょう。
    4. 味噌・めんつゆ・はちみつを混ぜ合わせ、3に入れて絡めます。
    5. 仕上げにかつお節を加えて軽く混ぜ合わせたら完成です。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ6:夏野菜と牛肉のおかかポン酢炒め

    がっつりした牛肉も、ポン酢で炒めるとサッパリと仕上がります。牛肉は食べやすいように、小さく切って調理してください。

    <材料>(1人分)

    • 牛切り落とし肉 90グラム
    • なす 1/2個
    • トマト 1/4個
    • 酒 大さじ1/4
    • 塩こしょう 少々
    • おろししょうが 少々
    • サラダ油 少々
    • 酒 大さじ1/4
    • みりん 大さじ1/4
    • ポン酢 大さじ1/2
    • かつお節 1グラム

    <作り方>
    1.牛肉に塩こしょう・酒を振って揉み込みます。
    2.なすを半月切りにし、トマトは小さめの一口大に切りましょう。
    3.サラダ油を熱したフライパンに、牛肉とおろししょうがを入れて肉の色が変わるまで炒めてください。
    4.3になすを入れてしんなりするまで炒めたら、トマトを加えてサッと炒めます。
    5.酒・みりん・ポン酢・かつお節を加えて炒め合わせるとできあがりです。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ7:夏野菜のお茶漬け

    食欲がないときには、サラサラと食べられるお茶漬けはいかがでしょうか。暑い日には出汁を冷やして、冷やし茶漬けにするのもおすすめですよ。

    <材料>(1人分)

    • ごはん 1杯
    • オクラ 3本
    • トマト 1/2個
    • 白すりごま 小さじ1
    • 大葉 1枚
    • 梅干し 1個
    • お湯 180ミリリットル
    • 和風だしの素 1.5グラム
    • 塩 少々

    <作り方>
    1.板ずりしたオクラをゆでて小口切りにし、冷水にさらします。
    2.トマトはさいの目切りに、大葉は千切りにしましょう。梅干しは種を取って包丁で粗くたたいてください。
    3.鍋にお湯・和風だしの素・塩を入れてひと煮立ちさせ、出汁を作ります。
    4.お椀にご飯を盛り、オクラとトマトをのせて白すりごまをふりかけてください。
    5.4の上に、3で作った出汁を適量注ぎましょう。
    6.大葉と梅干しをのせると完成です。

    高齢者の夏バテ対策に!おすすめの夏野菜レシピ8:夏野菜と豆を使ったラタトゥイユ

    見た目が鮮やかで、夏野菜をたっぷりと使うラタトゥイユは意外と簡単に作れます。旬の野菜の旨味をしっかりと味わえる一品です。

    <材料>(1人分)

    • カットトマト 75グラム
    • ズッキーニ 1/4本
    • なす 1/4本
    • 黄色パプリカ 1/4個
    • 玉ねぎ 1/1玉
    • すりおろしにんにく 少々
    • サラダ油 大さじ1/4
    • しょうゆ 小さじ1/4
    • 塩 少々
    • 和風顆粒だし 小さじ1/4

    <作り方>
    1.野菜をすべて1口大に切ります。玉ねぎ以外の野菜は皮ごと使用するのでしっかりと洗いましょう。
    2.サラダ油とすりおろしにんにくをフライパンに入れ、中火にかけます。にんにくの香りがしてきたらカットトマトを入れ、トマト全体がフツフツと沸騰するまで火にかけましょう。
    3.2のフライパンに野菜・しょうゆ・塩・和風顆粒だしを入れて全体をざっくりと混ぜてください。
    4.蓋をして中火で煮ていきます。このとき、5~10分毎に混ぜてください。
    5.全体の水分がなくなってきたら完成です。味が薄い場合は塩を少し加えるとよいでしょう。

    高齢者の夏バテには夏野菜レシピ!この夏は工夫レシピで乗り切ろう

    おかずレシピからひと皿で完結できるメニューまでをご紹介しました。夏は食欲も減退気味になってしまいますが、少し工夫したレシピで効率よく栄養を摂り、高齢者の夏バテ予防に役立ててください。簡単なレシピであれば、クッキングレクリエーションにもおすすめですよ。

  • 【介護食レシピ】お肉を使ったメニュー8選|シューマイ・ハンバーグなど

    【介護食レシピ】お肉を使ったメニュー8選|シューマイ・ハンバーグなど

    介護食は、高齢者の噛む力や嚥下機能の状態に合わせて、食べやすいように工夫して調理したメニュー。介護食も通常の食事同様、さまざまな食材を用いることが大切ですが、お肉を使ったメニューは食べにくいと敬遠されることも…。しかし工夫次第で、見た目も味も抜群の肉系メニューを提供することが可能です。何より、お肉を使った料理は入居者さんにも人気があり、栄養面でも不可欠です。そこで今回は、お肉を使ったおすすめの介護食レシピを8つご紹介しましょう。

    お肉のメニューを提供する際の注意点

    お肉などの食べにくい食材であっても、高齢者には必要な栄養成分が含まれているため介護食にも欠かせません。しかし、高齢になると摂食嚥下機能が低下し、うまく食事ができなくなってきます。そのため提供方法を誤ると、食べ物を喉に詰まらせてしまう危険があり、注意が必要です。何より、食べにくさを感じることにより、食事自体に苦手意識を持ってしまうケースもあります。

    それらを防ぐためには、[btp_line]噛みやすく・飲み込みやすくすることが大切[/btp_line]です。以下に、お肉のメニューを提供する際の注意点をピックアップしたので、確認してみましょう。

    • ひと口サイズにカットする
    • 脂身を取り除いたり、切れ目を入れたりして噛み切りやすくする
    • 長時間煮込み、やわらかくする
    • ミキサーにかけて細かくする
    • とろみ剤・片栗粉・コーンスターチなどでとろみを付ける
    • 介護食用のゲル剤を使ってゼリー状にする など

    入居者さんに人気!お肉を使った介護食レシピ

    介護食におすすめのレシピを8つご紹介。レシピごとに、介護食としての特徴やどのようなシーンに適しているのかなどについても解説します。

    しっかり肉感!なめらか豚肉シューマイ

    美味しいことはもちろん、見た目から[btp_line]「お肉を食べている!」と実感できる[/btp_line]と人気の「なめらか豚肉シューマイ」を紹介します。

    このレシピのポイントは、シューマイの肉ダネをしっとりとなめらかな食感に仕上げること。肉ダネの材料は、豚肉にすりおろしたジャガイモ・みじん切りの玉ねぎ・卵・生クリーム・マヨネーズ・麩などを使います。これらの材料をフードプロセッサーで粉砕・攪拌することにより、高齢者でも食べやすい肉ダネが完成。なお、麩はあらかじめミルなどで粉砕し、粉状にしておきましょう。完成した肉ダネは、ラップの上で平らになるよう均一にのばして包めば、冷凍保存することも可能です。

    肉ダネをシューマイの皮で包む工程では、シューマイの皮をそのままのサイズで使用するのではなく、まず3等分しましょう。さらに約2ミリ幅の細切りに、そして沸かしたお湯で茹でたものを使用します。これにより噛む力の低下した方でも安心して食べられるやわらかい皮に仕上がるでしょう。

    そして、厚さ2~3ミリに切ったにんじんの上にシューマイの皮→肉ダネ→シューマイの皮の順で適量乗せ、小さくカットしたにんじんをトッピングし、蒸したら完成です。シューマイの皮を乗せる量で、食べ応えを簡単に調整できる点もポイント。また彩りとして、肉ダネに鮭のすり身などを加えるとほんのりピンクのきれいな色に仕上がるでしょう。

    ごはんとの相性抜群!豚肉とナスのみぞれ煮

    彩り豊かで、ごはんのお供にもぴったりの「豚肉とナスのみぞれ煮」をご紹介。こっくりとした味が好みの入居者さんにもおすすめの介護食レシピです。

    このレシピには豚のこま切れ肉、または豚バラ肉を使用しますが、下準備に2つのポイントがあります。

    • 豚肉の脂身がより少ない部分を選ぶこと
    • ひと口大に切った豚肉を、すりおろした大根に約20分漬け込むこと

    脂身が少ない部分を選ぶことより、さっぱりとした味わいに仕上がります。また、大根おろしに漬け込むことで、[btp_line]大根に含まれるタンパク質分解酵素の働きにより豚肉がやわらかくなる[/btp_line]のが介護食のポイントです。さらに、大根おろしの自然な甘みも付くため砂糖の量を抑えられる効果もあります。

    ナスは皮を適度に剥いておくのがポイント。皮を剥くことで、噛みほぐしやすくなりますよ。そのほか、にんじん・しいたけを用います。各具材とも、ひと口サイズにカットしましょう。そして、豚肉以外の具材を少量の油で炒めます。次に、炒めた具材の入ったフライパンに、漬け込んでいた豚肉を大根おろしごと入れ、出汁・みりんを加えて加熱。最後に塩少々で調味し、水溶き片栗粉でとろみをつけ、枝豆をトッピングすれば完成です。

    とろみを付けることで、食べやすくなります。またナスの紫・にんじんの赤・枝豆の緑と、彩り豊かなので食欲増進にもひと役買うでしょう。入居者さんそれぞれの嚥下機能の状態に合わせて、完成後に食材をカットしてあげるとよいですよ。

    つなぎに豆腐を使いなめらかに!ふんわりハンバーグ

    入居者さんから「お肉が食べたい!」とリクエストがあったときにおすすめしたいのが「ふんわりハンバーグ」。見た目は通常のハンバーグと大差ないので、大きな満足感が得られる介護食レシピです。

    材料をフードプロセッサーで混ぜ合わせることと、つなぎにたっぷりの豆腐とパン粉を用いてひき肉がバラけないようにすることがポイント。まず、つなぎとなる豆腐とパン粉を混ぜ、なじませます。次に、玉ねぎ・ひき肉・つなぎ・卵・塩・こしょうを、フードプロセッサーでなめらかなペースト状になるまで攪拌しましょう。通常のハンバーグの場合、肉ダネも肉の色をしていますが、このレシピではつなぎにたっぷりの豆腐を用いるため、肉ダネが白いことが特徴です。

    フライパンにクッキングシートなどを敷き、水を入れてフタをし、中火で蒸し焼きにします。蒸しあがったら、好みのソースをかけて完成です。

    肉を焼いて加熱すると、硬くなってしまったり、焼き目にばらつきが出たりするため、食べにくさにつながることがあります。そのため、[btp_line]蒸すのがポイント[/btp_line]。また小さめのハンバーグを作って冷凍しておけば、シチューやカレーの具材としても応用できます。

    さっぱりと食べやすい!牛肉と野菜のおかか炒め

    牛肉・ナス・トマトを炒め合わせた「牛肉と野菜のおかか炒め」は、肉の旨味とかつおの風味で、入居者さんの食欲アップを狙える介護食レシピです。

    牛肉は食べやすいサイズに切って使います。そして、[btp_line]炒める前に片栗粉をまぶしておく[/btp_line]のがポイント。あらかじめ片栗粉をまぶすことで、味がなじみやすくなるだけでなく、自然なとろみが付くので食べやすくなります。ナスとトマトは、必要に応じて皮を剥く・小さめに切るなどしてください。

    熱したフライパンで牛肉・しょうが・ナス・トマトを炒め合わせます。最後に、たっぷりのかつおぶしを入れたら完成です。かつおぶしを入れることで、トマトから出た水分が吸収され食べやすくなるだけでなく、風味や旨みもアップします。こちらのレシピでは、牛肉を使用しましたが、よりやわらかく仕上げるなら豚バラ肉がおすすめです。

    口の中でほどける!鶏つくねの照り焼き

    歯茎でつぶせるほどやわらかい「鶏つくねの照り焼き」は、食べ応え抜群の介護食レシピです。

    つなぎに、やわらかくなるまで茹でた里芋を使うのがポイント。粘り気のある里芋を使用することで、のど越しのよい食感に仕上がります。つくねの材料は、鶏肉・茹でた里芋・パン粉・卵・玉ねぎ・調味料。これらをフードプロセッサーやハンドミキサーなどで十分に攪拌。肉ダネをつくねの形になるよう成形し、フライパンで焼き目が付きすぎない程度に焼きます。片面がある程度焼けたら、ひっくり返して水を入れフタをし、蒸し焼きにすればつくねの完成です。やわらかさを損なわないためにも、[btp_line]途中から蒸し焼きにする[/btp_line]のがポイント。最後にみりん・砂糖・醤油で作った照り焼きタレを絡ませましょう。

    食べやすくするために、つくねの中心に棒を取り付けてもOK!「焼き鳥を食べているようだ!」と入居者さんにも喜ばれます。

    夏バテ防止に!豚肉とはんぺんのしょうが焼き

    定食や肉料理の定番ともいえるしょうが焼き。甘辛い味付けはごはんがすすみ、ビタミンB1が含まれる豚肉としょうがの組み合わせは夏バテ防止効果も期待できます。
    このレシピでは、香ばしく焼いた豚肉とはんぺんを水と一緒にミキサーにかけ、それを肉の形にまとめるのがポイント。高齢者が通常のしょうが焼きを食べようとしても、豚肉を噛み切れない場合があります。しかし、はんぺんと一緒にミキサーにかけることによって飲み込みやすくなり、豚肉の風味も味わえる一品になるのです。ミキサーでペースト状になった豚肉とはんぺんは、広げたラップの上に乗せて肉の形を再現しましょう。
    そして、おろししょうが・醤油・みりん・酒をフライパンで温め、片栗粉を加えてとろみを付けたタレを作ります。先ほど形成した豚肉はんぺんにタレを塗れば完成です。キャベツやトマトを添えると彩り豊かになり、さらに食欲をそそるでしょう。

    舌でつぶせる!ふんわり食感の肉団子

    そのまま食べても、スープや鍋に入れても美味しい肉団子のレシピを紹介します。
    まずは、みじん切りにした玉ねぎを電子レンジで加熱し、冷蔵庫で冷やしておきましょう。豚ひき肉は塩を加えて、糸が引くほどのねばりが出るまでよく混ぜます。そこに、水・オイスターソース・鶏ガラスープの素・砂糖・醤油・ごま油・こしょうを加え、ねばりが出るまで再度混ぜ合わせます。そして、みじん切りにしたえのきたけとしょうが・冷えた玉ねぎ・片栗粉を加えて混ぜ、卵白も追加してさらに混ぜ合わせましょう。
    ラップを引いたお皿に肉団子を形成して並べ、ふんわりとラップをして電子レンジで加熱します。粗熱が取れたらラップを外して完成。
    ひき肉の練り物料理は、混ぜる順番を守ることが美味しく仕上げるポイントです。こちらの肉団子は冷凍保存しても硬くならず、アレンジしやすい一品のため、多めに作っておくのもおすすめです。

    タンパク質が豊富!和風の肉味噌麻婆豆腐

    ひき肉と豆腐からしっかりとタンパク質が摂れて、さらに骨粗鬆症予防に効果的な大豆イソフラボンも摂取できるレシピを紹介します。山椒の香りが食欲をそそり、身体も温めてくれるので、寒い日の献立にいかがでしょうか。
    まず、ごま油を引いて温めたフライパンに、豚ひき肉を入れてほぐしながら炒めます。味噌をみりんと酒で溶き、みじん切りにした長ねぎとしょうが、一口サイズに切った豆腐をフライパンに加え、サッと炒めましょう。そこへさらに、水・醤油・鶏ガラスープの素を加えて煮ます。塩こしょうで味をととのえたら水溶き片栗粉でとろみを付け、山椒をふりかけて完成です。
    麻婆豆腐を美味しく作るポイントは、肉をしっかり炒めて豆腐をしっかり煮込むこと。絹ごし豆腐だとなめらかに、木綿豆腐だとボリューム感のある仕上がりになりますよ。

    入居者さんも大満足!肉系介護食レシピを取り入れよう

    お肉を使った料理も、レシピ次第で高齢の方の人気を集める介護食にすることができます。介護食づくりならではのポイントを押さえて、介護施設で提供する食事にぜひ取り入れてみてください。また、レシピや介護食を作る手順などを詳しく紹介しているアプリなどもあるようです。必要に応じて、アプリなどを活用してみるのもよいでしょう。

  • 高齢者にオススメの盆踊りyoutube動画 8選!夏のレクはこれで決まり

    高齢者にオススメの盆踊りyoutube動画 8選!夏のレクはこれで決まり

    介護施設の夏のイベントの代表である「夏祭り」。特に高齢者の方になじみ深い催しといえば「盆踊り」ではないでしょうか。
    盆踊りは、自立が可能な方から車椅子の方まで、幅広く楽しめるレクリエーションです。音楽を流し、皆で輪になれば、それだけで気分が盛り上がります。
    一方で、介護スタッフの方の中には、盆踊りになじみが浅く、選曲に迷う方もいるでしょう。
    そこで今回は、盆踊りがもたらすメリットや、介護施設での盆踊りにおすすめの曲を紹介します。

    高齢者が盆踊りを行うことで得られるレクリエーション効果は?

    まずは、盆踊りを行うメリット・効果について知っていきましょう。
    そもそも高齢者介護施設におけるレクリエーションとは、心身のリフレッシュだけでなく、[btp_line]身体や脳の機能維持、他者とのコミュニケーションも目的[/btp_line]としています。
    盆踊りには、どのようなレクリエーション効果が期待できるのでしょうか?

    <盆踊りのおもなレクリエーション効果>

    • 脳の活性化になる
    • 全身運動になる
    • 気持ちが高揚する
    • 他者とのコミュニケーションの機会になる

    脳の活性化になる

    盆踊りの音楽は、聞いたことがある方も多いため、音楽を聞くだけで、自然と体が動き出す方も。踊りの様子を見たり、懐かしい音楽を聴いたりすると、[btp_line]昔の記憶や経験を呼び起こすきっかけ[/btp_line]にもなります。

    全身運動になる

    適度な歩行は身体機能の維持にも効果的です。盆踊りは1曲踊るだけで、250歩程度の歩数になるのだそう。
    介護施設向けの盆踊りには、車椅子の方も楽しめるアレンジのものも多いです。その場で音楽に合わせて手を動かすだけでも、身体機能維持につながるでしょう。

    気持ちが高揚する

    盆踊りのような軽い運動は、[btp_line]リフレッシュ効果[/btp_line]が期待できます。
    さらに、盆踊りのムードを演出するなら簡単な衣装を用意するのもおすすめです。うちわやはちまき、髪飾りなどの小物も用意すれば、利用者さんの気持ちも一層高まるでしょう。

    他者とのコミュニケーションの機会になる

    盆踊りは集団で行うレクリエーションです。
    輪になって踊ることが難しい場合は、介護スタッフが付き添い雰囲気を味わうだけでも、他者とのコミュニケーションの機会になります。

    高齢者向け盆踊りYouTube動画8選!夏場のレクリエーションに取り入れるならこれ

    ここからは高齢者介護施設の夏イベントにおすすめの盆踊りをご紹介します。
    夏場のレクリエーションの企画を担当される方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その1「炭坑節」

    愛知県のリハビリ特化型デイサービス「ゆずの花」のYouTube公式チャンネル「ゆずの花リハビリデイサービス」では、椅子に座ったまま行える「炭坑節」を紹介。炭坑節体操は、季節を問わず行えるレクリエーションのひとつですが、盆踊りの定番でもあります。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その2「長生き音頭」

    「長生き音頭」は、全国各地の高齢者施設で人気の楽曲のひとつ。
    高齢の方になじみ深い「鉄道唱歌」の軽快なメロディと、前向きな歌詞が人気の理由でしょう。よさこいソーランバージョンやサンババージョンもありますが、盆踊りに使うなら定番の長生き音頭がおすすめです。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その3「きよしのズンドコ節」

    氷川きよしのデビュー曲「きよしのズンドコ節」といえば、高齢者だけでなく、幅広い世代におなじみの楽曲。盆踊りの定番曲でもあります。こちらの動画は、作業療法士がリズム体操にアレンジしたズンドコ節を紹介。ポイントごとに丁寧な解説がありますので、ダンスや体操が苦手な方にも覚えやすいでしょう。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その4「盆パラビクス」

    「盆パラビクス」とは、盆踊り・パラパラ・エアロビクスの3つの要素を組み合わせた体操のこと。
    世代や身体機能を問わず誰でも楽しめるため、多くの高齢者施設で導入されています。
    パラパラやエアロビクスと聞くと動きが激しそうですが、実際には高齢者の方も無理なく楽しめる内容です。また、座ったまま参加することも可能。
    盆踊りの定番、東京音頭や炭坑節など、地域の民謡をアレンジしたものが多いため、利用者さんも親しみやすいでしょう。

    炭坑節

    ソーラン節

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その5「瀬戸の花嫁」

    香川県の「津田福祉会さわやか介護サービス」では、小柳ルミ子の代表曲「瀬戸の花嫁」を体操バージョンにアレンジ。介護度が軽度の方から重度の方まで無理のない簡単な動きが中心です。盆踊りの1曲に選べば、多くの利用者さんが楽しめるでしょう。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その6「花笠音頭」

    東北地方の花傘祭りで踊られる「花笠音頭」は、花の装飾が付いた笠を持って踊るのが特徴。ごぼう先生の動画では、ゆっくりとカウントを取りながら踊ってくれるので、利用者さんも参加しやすいでしょう。また、座ったまま踊れるので無理せず運動できます。レクリエーションとして、事前に利用者さんと花笠を作成するのもおすすめです。自分で手作りしたものを持って参加すると、より一層楽しく踊れるのではないでしょうか。踊りに使わないときには、部屋に花笠を飾ると明るく華やかになりますよ。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その7「東京音頭」

    盆踊りだけではなく、プロ野球チームの東京ヤクルトスワローズの応援歌としても知られている「東京音頭」。こちらのYouTube動画では、最初にゆっくりと曲を流しながら文字で踊りを説明してくれています。介護スタッフが利用者さんに踊り方を説明するときなどにもおすすめの動画です。利用者さんのペースに合わせてゆっくりと振り付けを覚えましょう。振り付けを覚えた後は、通常の速さで曲が流れるので、楽しく運動してくださいね。「東京音頭」は、曲の合間に「ちょちょんがちょん」と手拍子が入ります。あまり身体が動かせない利用者さんにも手拍子で参加してもらえるおすすめの一曲です。

    高齢者の盆踊りレクにおすすめYouTube動画その8「八木節」

    「八木節」は、軽やかなテンポが特徴の盆踊り。他の盆踊りと比べると動きが大きく早いのでやや難しいかもしれませんが、見ているだけでも楽しい気分になる一曲です。手の振りだけでも結構な運動量になるため、利用者さんの運動不足解消にもなるでしょう。曲調が軽やかで楽器の音も印象的なので、太鼓やすりがねのように叩いて音を鳴らすものを用意してもいいかもしれません。踊ることが難しい利用者さんに楽器を奏でる役をしてもらえば、楽しく参加してもらえるのではないでしょうか。

    高齢者介護施設の盆踊りは夏のレクにぴったり!安全に気を付けて行おう

    今回は、高齢者介護施設での盆踊りについて解説しました。
    盆踊りは、幅広い方が参加できる夏にぴったりのレクリエーションのひとつですが、実施する際は、転倒などの事故に注意しましょう。また、利用者さんの身体の状態に合わせて、振り付けの難易度も配慮したいですね。
    この夏は、利用者さんと介護スタッフが一体となり、盆踊りを楽しみましょう!

  • 【老人ホーム】夏のおやつ8選!ひんやりスイーツで高齢者さんを笑顔に

    【老人ホーム】夏のおやつ8選!ひんやりスイーツで高齢者さんを笑顔に

    老人ホームの夏のおやつタイムにおすすめのスイーツを8つ紹介します。
    暑い夏は、冷たくてのど越しの良いおやつが恋しくなりますが、高齢者の方に提供する際は注意するべき点も。
    老人ホームでおやつを提供する目的や注意点を踏まえながら、夏のおやつについての知識を深めましょう。
    老人ホームの夏のおやつレクのアイデアをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。

    老人ホームでおやつを提供する目的は?

    老人ホームでおやつを提供する目的は、おもに以下の3つです。

    【目的1】栄養補給

    おやつを食べると、不足しがちな栄養素を補い、低栄養状態を防げます
    高齢者は、低栄養状態になるリスクが高いため、おやつで栄養を補いましょう。

    【目的2】水分補給

    年齢を重ねると、のどの渇きを感じにくくなり、水分が不足しがちに。また、身体機能の低下や薬の副作用によっても水分不足になりやすくなります。特に夏場は水分が不足しやすい時期。おやつでも、水分を補給したいですね。

    【目的3】コミュニケーション

    おやつタイムは、老人ホームの利用者さん同士、スタッフとのコミュニケーションの機会になります。ほかの人と美味しさや楽しさを分かち合うと、孤独感が緩和され、脳の活性化にもつながるのだそう。

    ここからは、老人ホームで夏におすすめのおやつをご紹介していきます!

    老人ホームで夏におすすめのおやつ1「スイカ寒天」

    夏のくだものといえばスイカ!そのままカットして提供するのはもちろんですが、ゼリーや寒天にすれば、嚥下しやすくなります。寒天を使えば、たっぷりの食物繊維で整腸作用や血糖値上昇の抑制も期待できるでしょう。
    製菓用の抹茶を使えば、本物のスイカのような色合いを再現できますよ。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ2「水ようかん」

    あんこの甘さとひんやりしたのど越し…水ようかんは、夏の風物詩のイメージがありますが、もともとはお正月のおせち料理だったそうです。福井県や栃木県などでは、水ようかんを冬に食べる習慣が残っています。水ようかんを提供する際は、豆知識として利用者さんにお話ししてみてくださいね。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ3「フルーツポンチ」

    サイダーやシロップに、カットしたフルーツを入れたフルーツポンチは、見た目が涼し気かつ華やか。夏のおやつにぴったりです。おやつレクに取り入れるなら、サイダーを使ってあっと驚く演出を仕掛けてみましょう。サイダーにラムネを数粒入れるとまるで噴水のように泡があふれるので、視覚にも楽しめますよ。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ4「かき氷」

    夏のおやつといえば、かき氷も外せません。削った氷にお好みのシロップをかける定番の楽しみ方以外にも、凍らせたくだものやフルーツジュースを削るのもおすすめ。今話題のハーブティー「バタフライピー」を使えば、色の変わるかき氷も!老人ホームの利用者さんも驚くこと間違いなしです。わざわざお茶を淹れなくても、そのまま使えるシロップも販売されていますよ。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ5「アメリカンドッグ」

    夏のおやつといえば、ひんやりスイーツや甘味のイメージが強いですが、最後はちょっと違った一品をご紹介。お祭りの屋台の定番・アメリカンドッグも、ホットケーキミックスを使えば、簡単に手作りできるんです。ミニサイズなら、おやつタイムにもぴったり。揚げたての美味しさを分かち合いましょう。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ6「オレンジゼリー」

    オレンジジュースを使って簡単にできる、ゼリーのレシピを紹介します。さっぱりとした味わいとプルプル滑らかな食感で、暑い日も爽やかな気分になるでしょう。ゼリーには水分がたくさん含まれているので、脱水や夏バテ予防にもぴったり!約2倍の量のジュースを使えば、ストローで飲めるゼリー飲料にもなります。オレンジ以外にも、ジュースがあればいろいろな味のゼリーが作れますよ。利用者さんそれぞれの好みのゼリーを、アレンジして作るのもおすすめです。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ7「牛乳アイス」

    アイスクリームも簡単に手作りできます。今回紹介するレシピは牛乳・砂糖・卵のたった3つの材料で作っているので、手軽に挑戦できるのではないでしょうか。牛乳アイスなら、乳成分由来のカルシウムやタンパク質が簡単に摂れるので、食欲がないときの栄養補給にも最適です。シンプルな牛乳アイスなので、利用者さんにさまざまなトッピングを楽しんでもらうのもよいでしょう。チョコレートソースやフルーツソース、あんこなどもおすすめ。自分流のアイスを完成させることで、きっと楽しいおやつの時間になりますよ。ただし、アイスのように冷たいものは食べすぎると胃や腸を冷やしてしまい、体温調整ができなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。適度な量を利用者さんに食べてもらいましょう。

    老人ホームで夏におすすめのおやつ8「きゅうりの一本漬け」

    お祭りの屋台で見かけるきゅうりの一本漬け。冷えたきゅうりは食欲がなくても食べやすく、水分や塩分が摂れるので熱中症予防も期待できます。短いサイズのものを作ったり、鷹の爪の量を調整したりして、食べやすいように工夫するとよいでしょう。ただし、利用者さんが串でケガをしないよう、スタッフは注意が必要です。食べにくいようなら、串に刺さずきゅうりを切って提供するのもおすすめ。完成したきゅうりの一本漬けを氷の上に並べると、夏祭り気分も味わえますよ。

    老人ホームでひんやりおやつを提供する際の注意点は?

    老人ホームで冷たいおやつを提供する際は、以下の3つのポイントに気を付けましょう。

    【注意点1】嚥下能力に配慮する

    利用者さんによって嚥下能力が異なる場合は、一人ひとりに合わせた硬さのおやつを用意し、食べるときの姿勢にも注意しましょう。ゼリー状・ムース状のものは比較的嚥下しやすいとされています。

    【注意点2】おやつの時間に配慮する

    おやつを提供する時間は、昼食にも夕食にも影響の少ない14時〜15時頃がよいでしょう。特に高齢者の場合、おやつで満腹になると、夕食が食べきれなくなり、かえって栄養不足を引き起こしてしまうからです。

    【注意点3】量やカロリーに配慮する

    おやつから摂取するカロリー量の目安は、1日に必要なエネルギーの約1割。100〜200kcal程度とされています。また、冷たいものの摂りすぎは内臓が冷え、夏バテを招くことも。おやつの摂りすぎには気を付けましょう。

    老人ホームのおやつは季節感も大切!冷たいスイーツの食べ過ぎには要注意

    暑い夏、老人ホームで出すのにぴったりなひんやりおやつを8種類紹介しました。
    老人ホームのレクリエーションの目的のひとつは、利用者さんに季節感を味わっていただくこと。おやつレクを行う際も、季節感を大切にしましょう。
    時期に合ったおやつは、老人ホームの利用者さんをきっと笑顔にしてくれるはず。
    ただし、冷たいものの食べ過ぎは身体によくありませんので、提供する量には気を付けたいですね。

  • 七夕メニュー4選!簡単で高齢者に喜ばれる美味しいアイデア料理

    七夕メニュー4選!簡単で高齢者に喜ばれる美味しいアイデア料理

    簡単に作れて、高齢者に喜ばれるおすすめの七夕メニューをご紹介します。七夕は旧暦の7月7日に行われる五節句のひとつ。短冊に願いごとを書いて笹の葉に飾る風習で有名ですよね。そこで今回は、七夕の時期にぴったりの七夕メニュー4品をピックアップ。簡単に作れるだけでなく、星や夜空などを連想する見た目にこだわった料理なので、介護食のアイデアとして参考にしてください。

    【七夕メニュー】お皿の上で夏の夜空を再現!簡単天の川そうめん

    夏の風物詩ともいえるそうめんは、七夕時期にぴったりの主食。そんなそうめんを天の川のイメージで盛りつけたものが「天の川そうめん」です。

    まず、そうめんを茹でてください。茹で具合や麺の長さは利用さんの状態に合わせましょう。次に、茹でたそうめんをゆったりとした波線を描くようにお皿に盛りつけてください。この波線が天の川を表しています。さらに、空に輝く星のイメージで、星型で抜いた茹でにんじんや茹でオクラの薄切りをトッピングしましょう。オクラは夏が旬な上、切り口が星型に見えるのでおすすめ。色どりを添える目的で、錦糸卵や細切りにしたハムなどを添えるのもよいアイデアです。

    【七夕メニュー】コーンをきらめく星に見立てて!簡単コーンごはん

    「コーンごはん」は、コーンの粒を星に見立てた七夕メニューです。まず、炊いたごはんを用意します。食べる方の状態にあわせ、適宜、軟飯やおかゆに変更をしてください。1膳分のごはんに対し、約5グラムの無塩バターと食塩約0.5グラムを入れて混ぜ合わせたら完成です。

    色鮮やかなコーンの色味、甘味にバターのコクが加わった食欲そそる一品。粒コーンが食べづらい方やより簡単に作りたい方は、市販のペーストコーンを平らに凍らせ、さいの目状に切ったもので代用してもOKです。

    【七夕メニュー】2色の星がかわいい!簡単野菜とチキンの七夕ムース

    「七夕ムース」は、鶏ひき肉で作ったムースに星型の野菜ゼリーを散りばめた料理。ゼリーの材料として、ほうれん草とにんじん、ブロッコリーとかぼちゃのように色味が対照的な2種類の野菜ペーストを用意します。野菜ペーストと適量の牛乳を混ぜ合わせたものを加熱し粉ゼラチンを入れ、冷やし固めて星型で抜いたら野菜ゼリーのできあがり。

    次に鶏ひき肉を鍋で加熱し、牛乳・塩少々を入れ、ハンドミキサーでなめらかになるまで攪拌します。沸騰直前に火を止め、粉ゼラチンを溶かしたら小さなカップに移し、野菜ゼリーをトッピング。固まったら好みのドレッシングをかけて完成です。

    【七夕メニュー】爽やかなサイダー風味!簡単星空ゼリー

    星空ゼリーは、白と青の2層のゼリーの上に星型にくり抜いた黄桃などのフルーツをトッピングした爽やかな見た目のデザートです。白は牛乳ゼリーで、牛乳を加熱し粉ゼラチンで固めて作ります。青はサイダーゼリー。少量の水と粉ゼラチンを混ぜて加熱したものにブルーハワイシロップを入れ、ベースとなるサイダーを注いで作ったものです。

    まず、器に牛乳ゼリーを注ぎ、固まったらその上にサイダーゼリーを入れて固まるのを待ちます。最後に星型にくり抜いた黄桃などのフルーツをトッピングしましょう。

    七夕メニューで楽しく美味しい食事を提供しよう

    七夕の時期は星の形や星をイメージした黄色、夜空をイメージした青色などを盛り込んだ七夕メニューがおすすめです。簡単に作りたい場合は、普段の献立に星型にくり抜いた野菜やくだものなどをトッピングするだけでも七夕らしさを演出できます。高齢者の方にも食べやすく美味しい七夕メニューをぜひ作ってあげてくださいね。

  • 介護士や介護施設が出てくるドラマ5選!視聴できる動画サイトは?

    介護士や介護施設が出てくるドラマ5選!視聴できる動画サイトは?

    この記事では、介護士や介護施設が舞台のドラマを5つ紹介していきます。有村架純さん主演の「いつ恋」をはじめ、草なぎ剛さん主演の「任侠ヘルパー」など、介護という軸でドラマを厳選しました。中には、利用者さんの家族に焦点をあてた作品も。介護士や介護施設が登場するドラマを探している介護職の方は、ぜひご覧ください。

    【1】いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう

    2016年にフジテレビで放映された「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」。主演の有村架純さんが介護スタッフ役を務めたドラマです。放映当時は、介護業界を取り巻くリアルを描いたとしてさまざまな話題を呼びました。現在はフジテレビの動画配信サービス「FOD」にて視聴することができます。

    <あらすじ>
    杉原音は、北海道のさびれた町で育ての親と暮らしていました。寝たきりの母の介護を担い、父には家政婦扱いされる状況を受け入れる日々。そこに東京の運送会社で働く曽田練が、なくしたはずの音宛の手紙をもって現れます。運命の出会いから1年、音は東京で暮らし介護施設「春寿の杜」で働き始めることに……。複雑な人間関係に翻弄される2人の関係はどのような結末を迎えるのでしょうか。

    主な出演者
    杉原音:有村架純
    曽田練:高良健吾

    【2】我らがパラダイス

    2023年1月からNHKのBSプレミアムで放映された「我らがパラダイス」。林真理子さんの同名小説が原作で、富裕層向けの老人施設が物語の舞台になっています。看護師・ダイニング係・受付係と、主な登場人物に介護スタッフはいませんが、「介護」と「格差」に切り込んだドラマです。現在はNHKオンデマンドで視聴することができます。

    <あらすじ>
    入居費用8,600万円の介護付き高級マンションで働く、看護師の朝子。つましい生活で母親の面倒を見る朝子にとって、そこは縁遠い世界でした。ダイニング係のさつき、受付係の邦子にとってもそれは同じこと。3人はそれぞれ自身の家族に介護問題を抱えていたのです。物語が進むごとに追い詰められていく3人は、ついに格差に立ち向かうことに……。果たして、安らかな老後は富める者にしか訪れないものなのでしょうか?

    主な出演者
    田代朝子:木村佳乃
    丹羽さつき:高岡早紀
    細川邦子:堀内敬子

    【3】任侠ヘルパー

    2009年にフジテレビで放映された「任侠ヘルパー」。草なぎ剛さんが主演を務め、任侠社会の面々が介護スタッフを務めるというギャップが話題を生んだドラマです。現在はDVDまたはBlue-ray、動画配信サイトではTSUTAYA DISCASで視聴することができます。

    <あらすじ>
    六本木地区貸元組長の彦一は、詐欺で金を稼ぐ極道。ある日暴力団の大幹部・鷹山に集められた彦一ら傘下の組長は、次期幹部昇格をかけて老人介護施設「タイヨウ」での実習を命じられます。介護を取り巻く問題に直面したときに、果たして彦一はどのように解決していくのでしょうか……。

    主な出演者
    翼彦一:草なぎ剛
    鷹山源助:松平健
    四方木りこ:黒木メイサ

    【4】俺の家の話

    2021年にTBSで放映されていた「俺の家の話」。介護スタッフがメインのドラマではありませんが、介護サービスを利用する家族間の“いざこざ”がユーモラスに描かれている作品です。主演を長瀬智也さん、介護施設に入所する父親役を西田敏行さんが演じられています。現在は動画配信サービスParaviやDVD、またはBlue-rayにて視聴可能です。

    <あらすじ>
    プロレスラー・ブリザード寿として活躍する観山寿一のもとに、重要無形文化財・能楽の保持者である父が危篤であるとの知らせが届きます。急いで病院へと駆け込む寿一は、久しぶりに弟と妹に再会することに……。すると弟妹たちは、2年前に父との別れの挨拶は済ませていると、相続や遺産の話を始めたのです。激昂した寿一は、二十八世観山流宗家を継ぐべくプロレスラーを引退します。父の介護や遺産相続を巡る家族バトルの行方はいかに!

    主な出演者
    観山寿一:長瀬智也
    観山寿三郎:西田敏行
    志田さくら:戸田恵梨香

    【5】連続ドラマW 正体

    WOWOWにて放映された「連続ドラマW 正体」。デビュー作で第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した作家の染井為人さんの小説を原作に、亀梨和也さん主演でドラマ化された作品です。サスペンスドラマながら、メインの舞台となる介護施設の描写では現場の雰囲気をリアルに再現。介護士のあるあるが織り込まれたドラマです。現在はWOWOWオンデマンドにて視聴することができます。

    <あらすじ>
    ある夫婦が殺害された事件の容疑をかけられ逮捕、死刑宣告を受けた鏑木慶一は、移送中の隙をついて脱獄します。警察は全力で鏑木の行方を追うも捕まえることができません。一方で、事件の被害者夫婦の夫の母・井尾由子は若年性認知症を患い、介護施設で療養していました。名前や姿を変えて、逃走を続ける鏑木。潜伏を続けるうちについに井尾が療養する介護福祉施設「アオバ」へとたどり着きます。事件の唯一の目撃者でもあった由子に、当時の記憶を思い出すよう促す鏑木。しかし、通報を受けた刑事たちが施設を取り囲んでいくのです……。

    主な出演者
    鈴木慶一:亀梨和也
    井尾由子:黒木瞳

    介護士や介護施設を描いたドラマをチェックしてみよう!

    介護スタッフや介護施設という軸でドラマを探していくと、コメディからサスペンスまで幅広いドラマが見つかりました。製作された年代によって、その当時の介護業界の認識も垣間見ることができるでしょう。視聴には動画配信サービスへの登録などが必要な場合がありますが、機会があれば介護スタッフや介護施設を描いたドラマをチェックしてみてはいかがでしょうか。

    ※2023年5月時点の情報のため、最新の情報は各動画配信サービスの公式サイトにてご確認ください。

  • 車いすの雨対策グッズ5選!車いす用レインコートやポンチョなど

    車いすの雨対策グッズ5選!車いす用レインコートやポンチョなど

    雨具といえば傘が定番ですが、車いすでの移動中、利用者さんが傘を持つと介助者の視界を遮ったり、車いすの操作を妨げたりと危険を伴います。だからといって、介助者が傘を持つと片手運転になってしまいさらに危険!そのため側で傘を持てる他の介助者がいない、移動距離が長いといった場合には、車いす用の雨具を使うのが便利です。そこで今回は、介護施設で役立つ[btp_line]車いすの雨対策グッズ[/btp_line]をご紹介します。おすすめのグッズを厳選したので、ぜひ参考にしてください。

    【1】車いすレイン はおるっちゃ

    「車いすレイン はおるっちゃ」は、ゴムやビニルを原料とした製品を数多く展開する「弘進ゴム株式会社」が製造・販売する車いす用のレインコートです。頭からかぶって着用するポンチョタイプと袖付きのコートタイプの2種類がラインナップされています。介助用車いすにはポンチョタイプ、自走式車いすには両腕の自由がきくコートタイプがおすすめです。

    ムレにくい防水性に優れた生地が使用されているため、着心地は快適!また、車体をすっぽり覆うつくりなので、ひじ掛けや座面を濡らす心配もありません。携帯に便利な収納ポーチも付いています。カラーはブルー1色です。

    【2】内閣府防災推奨 全身反射 車イス用ポンチョ

    創業86年の傘メーカーが開発した内閣府防災推奨の車いす用ポンチョです。生地全体にプリントされているドット模様がすべて反射材になっていることが特徴。ガラスビーズが含まれた塗料が使用されており、ライトが当たるとまるでポンチョ自体が発光しているように明るく光ります。

    また一般的な傘の100倍近い耐水性を持っていることも魅力!保温性も高いので、雨の日や夜間の車いすでの移動時も体を冷やすことなく安心して使用できるアイテムです。

    【3】手元小窓付き 車いす用レインコート

    袖のないポンチョタイプのレインコートです。1番の特徴は、手元部分に小窓があること。手元の部分だけ透明な生地になっており、ポンチョを着たままスマートフォンの操作などができるので重宝します。

    またフードのつばの部分にも透明な生地が使用されているため、利用者さんの表情が見えやすいこともうれしいポイント!フードには首まわりを調整できる紐も付いており、顔まわりからの雨の侵入も防ぐことができます。カラーは、水玉のネイビー・ブルー・ライムグリーンの3色展開です。

    【4】RAKUハーフレイン

    「RAKUハーフレイン」は、介護現場から生まれた下半身用のアイデア雨具グッズ。ウエスト部分がワイヤーリングになっており、車いすに座った状態の利用者さんのウエスト部分にワイヤーリングを添わせるだけで簡単に装着することができます。

    足元には、レインコートの両端を足の後ろで固定するマジックテープ付き調整ベルトがあるため、レインコートがはだけることなく足元全体を雨風からカバーすることができます。またハンガーループも付いているので、使用後はフックなどに引っ掛けてすぐに乾かせるのもポイントです。

    【5】生き活き車いす用レインコート

    「生き活き車いす用レインコート」は、送迎車から施設入口までの短い距離の移動や、一度にたくさんのレインコートが必要な場合などに便利な使いきりタイプの安価なレインコートです。

    利用者さんの体だけでなく、車いすの背もたれからフットレストまで覆うことができるつくりになっているため、雨がすき間から入ってくる心配もありません。外出時に使用する車いすや送迎車などに備えておくと安心ですよ。使いきりタイプなので衛生面を重視したい介護施設にもおすすめです。

    車いす用雨対策グッズで雨の日の移動を快適に!

    ただ雨をしのげるだけでなく、生地全面に反射材が使用されていたり、手元が見える小窓があったり、ワイヤーリングでワンタッチ装着が可能であったりと、機能性を追求した商品をご紹介しました。利用者さんにとっても、介護スタッフにとっても使いやすい雨対策グッズを見つけて、雨の日も気持ちよく過ごしてくださいね。

  • 介護士は英語で【Caregiver】!現場で役立つ単語をチェック

    介護士は英語で【Caregiver】!現場で役立つ単語をチェック

    「介護士」を英語でなんと言うか知っていますか?今回は、介護現場のちょっとしたシーンで役立つ入門編英語をご紹介していきます。「今すぐには必要ない知識かも…」と思われる方も、グローバル化とともに海外出身の介護士と働く機会や、外国人入居者さんのお世話をする機会があるかもしれません。仕事に関わる英単語は、プライベートで海外の方に自己紹介をする際にも役立ちます。早速チェックしていきましょう!

    【基本編】「介護」という言葉や「人物」を英語にしてみよう!

    まずは、日頃からよく使う「介護」という言葉や、「介護施設内にいる方々」を英語でどう言うかご紹介。直訳できる用語もあれば、単語を組み合わせて表現する用語もあります。

    「介護」を英語にすると…?

    もっとも身近な言葉である「介護」の英訳は以下です。

    [btp_box]●介護:nursing care / nursing service[/btp_box]

    介護は、「nursing care」や「nursing service」と訳すことができ、看護的なケアも含んだ意味合いとなります。

    「介護施設内にいる方々」を英語にすると…?

    では介護施設の入居者さんや、働くスタッフは英語でどう言うのでしょうか。

    [btp_box]

    • 高齢者:the elderly / elderly people
    • 介護スタッフ:caregiver
    • 看護師:nurse[/btp_box]

    介護施設内にいる方々はこのように訳すことができます。看護師が「nurse」というのはご存知の方も多いでしょう。男性・女性の区別なく使える単語です。

    【ちょっぴり注意!】

    普段お世話する高齢者は、「the elderly」や「elderly people」です。“高齢”は“old”とも表現できるので、“old people”と直訳したくなりますが、こちらの言い回しだと少し失礼に当たるのでご注意ください。“elderly”という単語は“お年を召した”といった丁寧な印象を与えます。

    【例文を見てみよう!】

    介護スタッフや看護師という単語は覚えておくと英語で自己紹介する際に役立ちます。

    [btp_box]● I’m a caregiver.
    意味:私は介護スタッフです。
    ● I’m a Nurse.
    意味:私は看護師です。[/btp_box]

    上記のような使い方ができますよ。

    【基本編】さまざまな「施設」を英語にしてみよう!

    介護に関係する施設は、英単語の組み合わせでニュアンスの違いを表現できます。例を見ていきましょう。

    [btp_box]介護施設:nursing facility
    老人ホーム:retirement home / nursing home
    高齢者住宅:elderly housing / housing of the aged / senior living facility[/btp_box]

    一般的な「介護施設」を英語にするなら「nursing facility」という表現が使いやすいでしょう。「老人ホーム」はさまざまな表現ができ、特別な介護を必要とせずに生活できる方が多い施設であれば「retirement home」介護が必要な方が多い施設であれば「nursing home」といった表現をします。

    「高齢者住宅」も単語の組み合わせ方次第で複数の表現ができますが、意味合い的にはどれも同じです。

    【例文を見てみよう!】

    ご紹介した施設を表す英語は、自己紹介や家族紹介で以下のような使い方ができます。

    [btp_box]● I’m working in a nursing facility as a caregiver.
    ● I work as a caregiver at a nursing facility.
    意味:私は介護施設で介護スタッフとして働いています。(上記例文2つは和訳すると同じ)
    ● My grandmother is living in a nursing home now.
    意味:祖母は老人ホームに住んでいます。[/btp_box]

    主語を変えたり施設名を変えたりして応用できる文章です。

    【応用編】「症状」や「病名」を英語にしてみよう!

    介護施設で働いていると、入居者さんの体調不良や病状について説明が必要な場面に遭遇することもあるでしょう。やや難しい内容ではありますが、症状や病名を英語でどう表現したら良いかもご紹介していきます。

    こんな「症状」を英語にすると…?

    状況説明や注意喚起のときに役立つ英単語として「脱水症状」と「転倒」をご紹介しましょう。

    [btp_box]

    • 脱水症状:dehydration symptoms
    • 転倒:fall / tumble[/btp_box]

    これからの季節に注意したい「脱水症状」は「dehydration symptoms」と訳すことができます。“dehydration”が“脱水”、“symptoms”が“症状”という意味です。「symptoms of dehydration」でも通じるでしょう。高齢者に多い転倒は、「fall」や「tumble」という単語で表現できます。

    【例文を見てみよう!】
    ご紹介した単語を使って注意喚起する際は、このような言い回しをしてみてはいかがでしょうか。

    [btp_box]

    ● It’s very important to drink a lot of water in order to prevent dehydration symptoms.

    意味:脱水症状にならないよう水分補給することが大切です

    ● Be careful not to fall!

    意味:転ばないように気をつけて![/btp_box]

    ぜひ参考にしてください。

    こんな「病名」を英語にすると…?

    最後に、介護施設で使う可能性のある病名を一覧にしました。覚えておくと、いざというときに役立ちます。

    <病名一覧>

    病名(日本語)病名(英語)
    インフルエンザinfluenza
    胃腸炎gastroenteritis
    認知症dementia
    糖尿病diabetes
    脳卒中stroke
    脳梗塞cerebral infarction
    関節リウマチrheumatoid arthritis
    潰瘍ulcer
    肺炎pneumonia
    喘息asthma

    「介護士」や介護用語を英語で言えるとかっこいい!

    日頃から仕事で使う用語を英語で言えると、外国の方とコミュニケーションをとる際に大いに役立ちます。職場でも一目置かれる存在になれるかもしれません。介護スタッフが英語で「caregiver」になることだけでも、ぜひ覚えておいてくださいね。仕事だけでなくプライベートで自己紹介をするときにも活躍しますよ。

    ※今回ご紹介したのは代表的な言い回しのみです。ほかの表現ができる場合もあることをご了承ください。

  • 高齢者への誕生日メッセージ例文!スムーズに書ける3つのコツも

    高齢者への誕生日メッセージ例文!スムーズに書ける3つのコツも

    介護職の中には、利用者さんへの誕生日メッセージを書くことが多い、という方もいるのではないでしょうか?しかし、伝えたいことはあっても、言葉にしようとするとなかなかうまくまとまらないという声も少なくありません。そこで、この記事では高齢者への誕生日メッセージを例文でご紹介していきます。スムーズに書くコツもお伝えしますので、誕生日メッセージでお悩みの方はぜひご覧ください。

    高齢者への誕生日メッセージを書く3つのコツ

    まずは、高齢者への誕生日メッセージを書くコツについて見ていきましょう。

    一人ひとりの健康状態に気を配る

    高齢になると、健康状態への不安や悩みを抱えることが多くなります。すると、利用者さんによっては「元気に」などの言葉を素直に受け取れないこともあるかもしれません。そのため誕生日メッセージを書く際は、一人ひとりの健康状態に配慮した言葉を選ぶよう注意しましょう。

    大きな文字でていねいに書く

    「小さな文字は見えにくい」という高齢の方は多いため、大きな文字で書くことが大切です。また、できるだけていねいな言葉を使い、ていねいに文字を書いていくことも高齢者への誕生日メッセージを書く際のコツといえるでしょう。

    具体的なエピソードを含める

    利用者さんとの印象的な出来事やこれから一緒にしたいことなど、具体的なエビソードを含めると特別感のあるメッセージになります。これまでのことやこれからのことなど、利用者さんを思い浮かべながらメッセージを書いていきましょう。

    高齢者への誕生日メッセージ例文

    ここからは節目の年ごとに、高齢者への誕生日メッセージの例文を紹介していきます。なお、長寿祝いを数え年で行うか満年齢で行うかは、地域の風習や利用者さんの考えなどを織り交ぜながらご検討ください。

    60歳「還暦」の方へ

    平均寿命が延びている現代では、60歳はまだまだ若々しい方も多い年齢です。そのため、長寿を祝うよりも日頃の感謝の気持ちを伝える節目の日と捉えてメッセージを贈ってみましょう。

    <還暦の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]お誕生日おめでとうございます。60歳・還暦は生まれ変わりの年ともいわれるようです。いつも何にでも意欲的な○○さんに元気をいただいています。これからも素敵な年を重ねてくださいね。[/btp_box]

    70歳「古希」の方へ

    唐の詩人・杜甫(とほ)が詠んだ「人生七十年古来稀なり」に由来する古希。60代から70代へと切り替わる節目の年を祝うメッセージを贈ってみてはいかがでしょうか。

    <古希の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]○○さん、古希を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。いつも私たちに温かい言葉をかけてくださる○○さん。新たな年も変わらない笑顔でお過ごしください。[/btp_box]

    77歳「喜寿」の方へ

    室町時代の末期に、日本で始まったといわれる喜寿。ラッキーセブンが2つ並び縁起が良いといわれる節目の年です。

    <喜寿の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]喜寿おめでとうございます。明るく元気な○○さんの若々しいお姿は、人生のお手本です。これからも素敵に輝かれることを心よりお祈りいたします。[/btp_box]

    80歳「傘寿」の方へ

    略字や草書体で「八十」と書くと「傘」に見えることから根付いたとされる「傘寿」。黄色や金色をテーマカラーに祝う方も多い年齢です。

    <傘寿の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]傘寿を迎えられたこと、謹んでお祝い申し上げます。○○さんと一緒に育てて食べたミニトマト、とても美味しかったです。これからどんな野菜を育てていくか、また一緒に考えましょうね。素敵な1年になりますように。[/btp_box]

    88歳「米寿」の方へ

    「八十八」と縦に書くと「米」になることに由来する「米寿」。末広がりの「八」が2つ重なる縁起が良い年齢といわれています。

    <米寿の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]米寿おめでとうございます。散歩のときに○○さんと一緒に見た桜や紅葉が美しかったことを思い出しました。88歳となる新たな年も、四季折々の変化を一緒に感じられたら嬉しく思います。[/btp_box]

    90歳「卒寿」の方へ

    「卒」を略字にすると「卆」となり、分解すると「九」と「十」になることから、90歳の長寿祝いは卒寿と呼ばれています。テーマカラーの紫と白を取り入れたメッセージカードを選んでみるのも良いでしょう。

    <卒寿の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]○○さん、90歳のお誕生日おめでとうございます。いつも「ありがとう」と言葉をかけてくださる○○さん。その優しさに、私たちも励まされています。これからも○○さんのサポートを全力でさせていただきますので、何かあれば気軽に声をかけてくださいね。[/btp_box]

    99歳「白寿」の方へ

    「百」の漢字から「一」を除くと「白」になる(「100-1=99」)ことから生まれたといわれる白寿。翌年には100歳という大台を迎える年齢になるため、利用者さんの体調に応じて適したメッセージを贈りましょう。

    <白寿の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]○○さん、白寿を迎えられましたこと心よりお祝い申し上げます。いつも朗らかな○○さんの笑顔は、私の元気の源です。新しい1年も素敵なものにしていきましょう。[/btp_box]

    100歳「紀寿(百寿)」の方へ

    一世紀(100年)を迎えたという意味で「紀寿」、また「百寿(ももじゅ・ひゃくじゅ)」とも呼ばれる100歳。長寿を祝う気持ちやこれまでの感謝の気持ちをメッセージにしてみましょう。

    <紀寿の高齢者への誕生日メッセージ例>
    [btp_box back=”on”]100歳のお誕生日おめでとうございます!○○さんの記念すべき年に一緒にお祝いができ、私たちはとても幸せ者です。これからも、おおらかで素敵な○○さんのお人柄を見習っていきたいと思っています。またお話ししましょう。[/btp_box]

    高齢者への誕生日メッセージを書く際の注意点

    高齢者への誕生日メッセージを書く際は、「切れる」「終わる」などの忌み言葉は避けたほうが良いと考えられています。次のような体の衰えや重い病気、死を連想させるような言葉を使用しないように注意しましょう。

    使用を避けたほうが良い言葉
    死(四)・苦(九)・破れる・寝る・悲しい・ぼける・散る・痛む・果てる・落ちる・倒れる・枯れる・終わる・切れる・病気・根づく・衰える・苦しい・途切れる など

    高齢者への誕生日メッセージで日頃の気持ちを伝えよう!

    いくつになっても誕生日を祝われることは嬉しいもの。利用者さんの気持ちも明るくなりやすいイベントです。さらに誕生日のメッセージを贈れば、利用者さんに日頃の感謝や気持ちを伝えることができます。何を書くか迷ってしまったときにはこの記事を参考に、高齢者への誕生日メッセージを書いてみてくださいね。

  • 高齢者爪切りサービスが増加中!中四国地方で利用できるお店はある?

    高齢者爪切りサービスが増加中!中四国地方で利用できるお店はある?

    近年、多くの介護施設で導入が進んでいる「高齢者爪切りサービス」。今後、さらに普及すれば、高齢者の歩行困難につながりかねない肥厚爪や巻き爪といった爪トラブルの発症を抑えられるのでは、と期待されています。今回は、そんな高齢者爪切りサービスについて詳しいサービス内容を解説しましょう。中国・四国地方で利用できる店舗も紹介しているので、導入検討中の介護職の方はぜひチェックしてみてくださいね。

    高齢者爪切りサービスとは?

    高齢者爪切りサービスとは、フットケア専門家が介護施設まで出向き、高齢者の足の爪のケアを行うサービスのこと。その範囲には、爪のカットだけでなく、肥厚爪・巻き爪といった爪トラブルのケアも含まれます。

    高齢者に多い爪トラブルは、介護施設の利用者さんにもよく見られる症状です。しかし、足指に痛みが出るまで放置されたために、治療に通うのが困難な方も少なくありません。介護スタッフにとっては専門知識がないままケアすることはトラブルにつながりかねないため、対処できずにいるケースが多いようです。

    高齢者爪切りサービスはこのような介護の現場の問題を解決できると期待されており、導入する介護施設も増えてきています。

    高齢者爪切りサービスが増えたのはなぜ?

    2017年11月「グレーゾーン解消制度」の活用によって、政府は「高齢者介護施設でのフットケア実施は、医師法第17条に違反しない」と明言しました。つまり、医師以外の職種の者が高齢者施設でフットケアを行うことを国が認めた、ということになります。この提言をきっかけに、高齢者爪切りサービスはますます普及していきました。

    そして、健康寿命(=健康面で問題なく自立した生活を送ることのできる期間)への意識が高まってきたことも、フットケアが注目される理由のひとつ。フットケアを怠ることで足指トラブルが進行すると、歩行困難からの筋力低下が進み、転倒リスクも高まります。その結果、つい最近まで元気だった方が要介護や寝たきりになるケースもあるのです。こうした事例から、高齢者のフットケアは介護の現場でより一層重視されるようになりました。

    高齢者爪切りサービスの内容

    高齢者爪切りサービスの内容は店舗によってもさまざま。一例をご紹介しましょう。

    どんなサービスがある?

    高齢者爪切りサービスでは、

    ・爪カット

    ・肥厚爪や巻き爪のケア

    ・角質(タコや魚の目)ケア

    ・足指の保湿

    ・足浴

    といったケアが一般的です。歩行指導やインソールの調整を行う店舗もあるようです。

    サービス利用の条件は?

    高齢者爪切りサービスを導入する場合には、

    ・本人や家族によるケアが難しい

    ・病院や専門ケアサロンへ本人が出向くことが難しい

    といった条件に、利用者さんが該当していることが大前提です。

    また、利用者さんの足爪に出血や膿み、腫れが見られる場合には医療機関での治療が必要とみなされ、サービスを利用できない場合もあります。

    訪問までの流れは?

    施術の流れの一例をご紹介します。

    1.施術場所の確認と準備

    2.カウンセリング

    3.施術

    4.施術料金の支払い

    店舗によっては、カウンセリングだけを提供するところもあるようです。利用者さんによってどんなフットケアが必要か自分で判断しきれない場合には嬉しいサービスですね。

    【中国・四国】高齢者爪切りサービスを受けられるお店

    最後に、中国・四国地方で高齢者爪切りサービスを行っているお店をご紹介します。

    【広島】frei(フライ)ドイツ式フットケアサロン

    ドイツ式フットケア療法をベースとした専門的な知識と技術で出張フットケアを行うサロン。現役医師が考案した新たな巻き爪矯正方法「ツメフラ」を採用しています。

    住所 広島市中区宝町5-28 タックマンション201・202 
    電話番号 082-247-0678 
    公式HP https://frei-foot.com/index.html 

    【高知】Dr.ネイル爪革命 高知はりまや店

    Dr.ネイル爪革命は、全国にフランチャイズ加盟店を持つ足・足爪専門サロン。高知店では市内限定で出張フットケアを行っており、保湿や足浴を含むトータルケアが人気です。

    住所 高知県高知市南はりまや町2丁目14-12 ノアール1F Le chien Cafe(ルシアンカフェ) 
    電話番号 080-8635-9402 
    公式HP https://kochi.mindeyo.net/ 

    【愛媛】フットケアサロン 花ゆかり

    看護師経験のあるスタッフによる細やかなケアが人気のフットケア専門サロン。利用者さんに最適なケア方法までアドバイスしてもらえます。

    住所 愛媛県西条市本町108 
    電話番号 090-8280-8949 
    公式HP https://saijo.mypl.net/shop/00000370707/ 

    高齢者爪切りサービス導入は介護職の負担軽減につながる!

    高齢者爪切りサービスを導入すれば、多くの利用者さんの足爪トラブルが快方に向かい、自分の足で歩ける方が増えていくことでしょう。それは、介護スタッフの負担軽減にもつながります。足爪トラブルに悩まされている利用者さんがいるという施設は、ぜひ導入を検討してみてください。

  • 高齢者に多い骨折とは?骨折する理由と予防策について

    高齢者に多い骨折とは?骨折する理由と予防策について

    高齢者が骨折すると、長期間の療養が必要になり、そのまま寝たきりになるケースがあります。そのため、できるだけ骨折しないように注意しなければなりません。また、高齢者は骨がもろくなっていることで、若い方と比べて骨折しやすい傾向にもあります。そこで今回は、高齢者に多い骨折や骨折する理由、予防策を知って、高齢者の骨折を未然に防ぐ方法を身につけましょう。

    高齢者に多い骨折箇所

    高齢者は、筋力やバランス力が低下し、瞬発力などの反射的防御動作を行いづらくなっているため、転倒しやすい傾向にあります。また、持病のために薬を飲み、その作用でふらつくケースも。

    するとコードや小さな段差にもつまずきやすくなり、転倒して手を骨折したり、尻もちをついて腰を強く打ったりすることもあるため注意しなければなりません。例えば家の中では、廊下や階段、浴室は滑りやすいため手すりなどがあった方が安心でしょう。

    外出先で考えると、濡れたマンホールやスロープ、水たまりなどは滑りやすくなっています。また、車止めにつまずくこともあるため注意が必要です。

    ここでは、高齢者に多い骨折箇所について紹介します。

    大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折

    脚のつけ根あたりの骨折です。転倒によってうまく受け身をとれず、股関節横の骨である大転子部を直接強く打ったり、ひざをついて大腿をひねったりすることで骨折します。

    脊椎圧迫骨折

    階段から落ちる、転倒によって尻もちをつくなどによって圧力がかかると、脊椎圧迫骨折が起こります。重い荷物を持っただけで背骨がつぶれることもあるため注意が必要です。

    上腕骨頸部(じょうわんこつけいぶ)骨折

    肩あたりの骨折で、転倒してひじや手をつくことで起こりますが、直接肩を打つことでも骨折します。

    橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折

    手首の骨折のことです。転倒した際に手をつくことで起こります。

    なぜ高齢者は骨折しやすい?

    なぜ高齢者は骨折しやすいのでしょうか?先ほど少しふれましたが、ここで詳しく見ていきましょう。

    骨粗鬆症

    骨粗鬆症は骨がスカスカになる病気のことで、加齢に伴い発症する方が増えます。骨は、骨を形成する骨形成と、骨を溶かして破壊する骨吸収を繰り返していますが、このバランスが崩れることで骨吸収が骨形成を上回り、骨がスカスカになるというわけです。

    女性ホルモンの分泌や老化との関係が深いことから、閉経後の女性に多いと考えられています。骨粗鬆症になると、わずかな衝撃でも骨折してしまうため注意が必要です。

    筋肉量の低下

    高齢になると社会活動が減るために、徐々に筋肉量や体力が低下していきます。また、加齢によって筋線維数が減ったり筋線維が萎縮したりすることで、筋肉量が低下することも。

    そのため、意識的に運動しなければ、高齢者の筋肉量は低下していくばかりというわけです。筋肉量が低下してしまうと、転倒した際にうまく受け身がとれなかったり、転倒しないように踏ん張れなかったりするというデメリットがあります。

    バランス能力の低下

    加齢によって運動機能が低下すると、バランス能力も低下します。バランス能力が低下すると平衡感覚が崩れるため、転倒しやすくなるのです。椅子から立ち上がる、ズボンをはくなどのシーンでバランスを崩し転倒しやすい傾向にあります。

    骨折を予防するためには?

    最後に、高齢者に多い骨折を予防するための方法について見ていきましょう。

    骨粗鬆症対策

    まずは骨粗鬆症を予防する必要があります。定期的に骨粗鬆症レベルを確認しましょう。定期検診によって骨粗鬆症であるという診断を受けた場合には、内服薬や注射によって治療し、進行を遅らせることが可能です。

    適度な運動と日光浴

    高齢者は筋肉量が低下しやすいため、意識的に運動をする必要があります。また、日光浴も大切です。日光を浴びると体内でビタミンDが作られ、カルシウムの吸収を助けてくれます

    適度な運動により骨に適度な負荷がかかり、骨を作る細胞が活性化されることも。太陽のもと、ウォーキングや階段の昇り降りなどの運動を行うと良いでしょう。

    栄養バランスのとれた食事

    骨粗鬆症や筋肉量の低下を防ぐには、食事も大切です。骨を強くするために、乳製品や小魚などからカルシウムを、鮭や椎茸などからビタミンDを意識的に摂ると良いでしょう。

    骨の強化だけでなく筋肉をつける必要もあるため、たんぱく質も積極的に摂ることをおすすめします。ただし、特定の栄養素ばかりを摂っていると栄養が偏るため、バランスのとれた食事を意識しましょう

    日々の生活とともに環境整備も忘れずに

    誰しも加齢とともに筋肉量や骨密度が低下するものです。しかし、定期的な運動や栄養バランスのとれた食事を摂ることで、筋肉量や骨密度の低下を遅らせることができます。定期的に利用者さんの筋肉量や骨密度の低下を防ぐレクリエーションを取り入れると良いでしょう。また、高齢者に多い骨折を防ぐために、手すりをつけたり、コードなどの配線に気をつけたりする環境整備も忘れないようにしてください。

  • スポーツレクにおすすめ!高齢者スポーツ6選|定番から最新まで

    スポーツレクにおすすめ!高齢者スポーツ6選|定番から最新まで

    心身の機能維持・向上を目的に行われる高齢者スポーツ。ストレス発散にもなるため、今後も積極的にスポーツレクを計画したいと考える介護スタッフも多いことでしょう。そこで今回は、利用者さんが安心・安全に楽しめる高齢者スポーツを6個ご紹介します。定番のものから、近年注目を集める新しいもの、ゲーム感覚で手軽にできるものまでさまざまです。マンネリ気味のスポーツレクに新しい競技を取り入れたいとお考えの方は、ぜひ一読ください。

    【スポーツレク向け】高齢者スポーツ6選

    では、スポーツレクにおすすめの高齢者スポーツを6個ご紹介していきましょう。

    歩ける方におすすめ「ポールウォーキング」

    杖のようなポールを両手に持ちながら歩くポールウォーキング。ポールを動かすことで、下半身だけでなく、上半身の運動もできることが特徴です。ポールを持つことで背筋が伸び、歩行姿勢が改善されるため、バランスが保ちやすくなり転倒予防にもつながります。歩くことに不安がある利用者さんも、ポールが杖代りになるため、安全かつ運動効果を感じながら楽しんでもらえるでしょう。

    イギリス生まれのスポーツ「ローンボウルズ」

    重心がずれている球「ボウル」を転がし、目標物である「ジャック」にどれだけ接近させられるかを競うスポーツです。ボウルをいかに上手く転がせられるかが鍵になります。適度な運動になるうえ、体力の有無や年齢、性別などを気にせず楽しめるので、高齢者や障害を持つ方にも大人気。イギリス発祥の競技ですが、日本でもデイサービスや施設で取り入れられつつある新しい高齢者スポーツです。

    屋内でできるスポーツ「シニアヨガ」

    心と体を結び付け、心身ともに健康な状態を目指すことができるシニアヨガも、高齢者スポーツとして人気です。ゆっくりと全身を動かすため、高齢の利用者さんも無理なく運動できるでしょう。体の柔軟性や持久力、バランス能力の維持など、多くの効果が期待できます。椅子や補助器具を使用すれば安全にポーズを取ってもらえるので、利用者さんのADLに合わせて活用するのがおすすめ。シニアヨガは正しいポーズにこだわる必要はないので、できる範囲で進めてもらいましょう。

    高齢者スポーツの定番「ウォーキング」

    ウォーキングは準備物もなく手軽にできるため、人気の高い高齢者スポーツです。利用者さんごとに歩く時間や距離を調整できるほか、隙間時間を活用して簡単に始めることができます。健康維持に役立つほか、お金もかからないため継続させやすいところもポイント。外を歩くだけで気晴らしにもなるので、施設で生活する利用者さんの定番レクとしてルーティン化してみてはいかがでしょうか。

    ゴルフ好きな利用者さんに「スカットボール」

    ゴルフのようにスティックでボールを打ち、得点がついた穴に入れるゲームです。腕を振ったり足を踏ん張ったりと全身運動にもなるため、高齢者スポーツとして人気を集めています。穴には特殊なカーブがついており、入りそうで入らないことも多く、ハラハラドキドキする場面も。競技者だけでなく、見物している利用者さんも楽しめるので、一打ごとに盛り上がること間違いなしでしょう。

    普段のレクにもおすすめ「マグダーツ」

    マグダーツは、マグネットタイプの安全なダーツを使用した高齢者スポーツです。的は壁掛け式で、設置する場所は自在に調整できます。手先を使うだけでなく、腕の運動にもなるため、リハビリや筋肉トレーニングとして活用可能。スポーツとしてだけでなく、いつものレクリエーションに取り入れるのもおすすめです。

    新しい高齢者向けスポーツでレクリエーションを盛り上げよう!

    利用者さんに飽きずにスポーツを続けてもらうためには、新しい競技を取り入れていく必要があります。今回ご紹介した高齢者スポーツの中でまだ取り入れていないものがあれば、ぜひ挑戦してみてください。座ったままできる競技もあるので、安心・安全に配慮しながらスポーツレクを楽しんでもらいましょう。

  • 介護職の面接に受かるときのサインとは?内定が決まったときの対処法まで

    介護職の面接に受かるときのサインとは?内定が決まったときの対処法まで

    介護施設の面接を受けたけど合否が気になって仕方ない!という方は多いことでしょう。そこで今回は、介護職の面接に受かるときのサインをご紹介します。また、面接後の採用・不採用の連絡が遅い、内定の連絡を受けたけど一旦保留にしたい、そんなときの対処法にも触れています。介護施設の面接でいろいろな質問を受けたけどあれは受かるサインだったのか、合否連絡の期日が過ぎたけど施設から連絡がない、という方はぜひ一読ください。

    介護職の面接で受かるときのサイン

    では、介護職の面接で受かるときの気になるサインをご紹介します。

    会話がスムーズに進む

    介護職の面接では声の大きさや、ハキハキと違和感なく会話が進められるかどうかも、チェックポイントになります。会話がスムーズにできた!という方は、面接官にも好印象を与えている可能性が高いです。

    面接官がメモを取っている

    面接官は興味を持った応募者の情報ほど、いろいろとメモをとる傾向にあります。メモをした内容は上司や職員同士で情報を共有する、ほかの応募者とどちらを採用するか検討する際に必要です。不採用ならメモをとる行動は必要ないため、介護職の面接時にメモを取る動きが多いときは、受かるサインかもしれません。

    面接時間が長い

    面接の時点で興味がある、採用したいと思われたときは、履歴書には書かれていない内容の質問を受けることがあります。質問内容が多ければ自然と面接時間は長くなるので、予定よりも面接時間が長いときは、受かるサインかもと思っておきましょう。

    入職後の話をされる

    働く時間帯やお休みの希望、いつから入職できるか、といった具体的な話をされれば、ほぼ合格していると考えられます。介護職の面接で、実際に働く場面を想定した質問が多いときは、受かるサインと考えて良いでしょう。

    施設内の紹介

    介護職の面接後に施設内の案内があれば、採用を前向きに検討されている可能性があります。ただし、面接前に介護施設内の紹介がある場合は、受かるサインと考えることは難しいので、施設を案内されたから合格した!とは思わないほうが無難です。

    採用・不採用の連絡が遅いときの対処法

    介護職の採用・不採用の連絡は1週間程度が目安といわれています。しかし、1週間経過したけど連絡がない…というときは、これから紹介する対処法を参考に行動してみてください。

    介護施設に問い合わせる

    面接を受けて1週間経過した、もしくは合否連絡の期日を過ぎても連絡がないときは、自分から応募した介護施設に問い合わせをしてみましょう。ただし、その場で採用・不採用を直接聞くのではなく、連絡の時期がいつになるかという内容で問い合わせをするのがおすすめです。

    就職活動を続けておく

    応募した介護施設が第一志望だったとしても、就職活動は続けておきましょう。複数応募をして同時に選考を進めることは決して悪いことではありません。人手不足といわれる介護職も面接を受ければ必ず合格するわけではないため、内定が決まるまでは前向きに求職活動を続けておきましょう。

    採用連絡が来たときの対処法

    最後に、応募した介護施設から採用の連絡が来たときの対応方法を解説します。

    返答はできるだけ早くする

    採用の連絡は、電話だけとはかぎりません。メールや郵送の場合もあるので、内定を受けるときはできるだけ早く自分の意思を伝える方法で連絡をしましょう。

    内定を保留したいときは相談をする

    第一希望の介護施設の合否連絡を待っているときに、ほかの施設から採用連絡があったときは、内定を保留できないか素直に相談してみましょう。保留期間は長すぎると迷惑になるため一週間程度が目安です。納得できる就職・転職活動になるよう、焦って答えを出さないよう気をつけてください。

    合否連絡が来る目安の日までまず待とう!

    介護職の面接に受かるときのサインをご紹介しました。受かっているに違いない!と思う場合でも、まずは連絡が来る目安の日まで待つようにしましょう。また、合否連絡が来たら、内定を受けるか保留するかの連絡はすぐに行うのが鉄則です。働く働かないを問わず、応募先の介護施設には悪い印象を与えない行動を心がけていきましょう。

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  • 介護職は結婚に向いてない?安定した生活を送るためのポイントとは

    介護職は結婚に向いてない?安定した生活を送るためのポイントとは

    介護職は結婚に向いていない…そんな噂を耳にしたことはありませんか。世間から仕事が不規則、給料が安いなどネガティブなイメージを持たれやすい介護職。しかし近年は、結婚生活と両立させやすい仕事へと変化しています。今回は介護職が結婚に向かないといわれる理由と、介護職の将来性について解説しました。介護職のまま結婚しても大丈夫かな、結婚して後悔しないかなと悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

    介護職が結婚に向いてないといわれる理由

    まずは、介護職は結婚できない、結婚に向いていないといわれる理由をチェックしていきましょう。

    年収相場が低い

    介護職は他職種と比較すると給与が低いといわれています。人生はお金がすべてではありませんが、結婚となると給与を気にする方が多いのが現実です。厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、介護職(ケアマネジャー)のひと月の平均給与額は28.5万円、賞与を含めた年収は約406万円でした。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、令和3年度の日本全体の平均年収は約443万円のため、平均より年収がやや低い職種といえるでしょう。

    離職率が高い

    介護職は働き先が見つけやすい、仕事が大変というイメージから、離職率が高いと思われがちです。しかし、介護労働安定センターによる「令和3年度介護労働実態調査」では、離職率14.1%で、全産業の平均離職率14.2%より下回る結果になりました。つまり介護職は他の職業と比較して離職率が高いということはなく、続けやすい仕事へと変化しているようです。

    収入が少ないことや仕事の大変さが周知されている

    介護職は給与が少ない、介護職が事件を起こしたなど、介護に関することがメディアで報道されているのを見たことがあるという方は多いことでしょう。したがって、介護職の仕事の大変さや、収入が少ないという事実が世間に知られているという特徴があります。介護職というだけで、結婚相手のご両親に悪い印象を与えてしまうケースがあることも、結婚に向いていないといわれる要因になるといえるでしょう。

    介護職の将来性

    ネガティブな印象を与えがちな介護職ですが、決して結婚に不向きというわけではありません。ここからは介護職の将来性について解説していきます。

    キャリアアップを目指しやすい

    介護職は資格を獲得すれば、キャリアップを目指せる職業です。キャリアアップすれば給与も上がる傾向のため、頑張り次第で収入アップを目指すことができます。

    今後介護職の給与は上昇する見込み

    日本は世界でもトップクラスのスピードで高齢化が進んでいます。今後介護職の需要はますます高まる傾向にあるといえるでしょう。よって、介護業界そのものの将来性は非常に高く、介護職の需要と相対的に給与アップしていくことが考えられます。

    介護職は安定した結婚生活を送れる?

    安定した結婚生活を送るためにはワークライフバランスは重要なポイントです。介護職はどうなのかチェックしていきましょう。

    仕事と子育ての両立がしやすい

    介護職は常勤だけでなく、シフト制や契約社員、パートなど雇用形態を選びやすい仕事です。また、職場に託児所や保育園を併設する事業所も増えており、子育てと仕事を両立させやすい環境も整ってきているといえるでしょう。

    働き方によっては残業が少ない

    24時間体制で働くことが多い介護職は、残業が多いのではと思われがちですが、実は半数以上の事業所で残業がほぼありません。あったとしても月に5時間未満の事業所が多いため、プライベートな時間も確保しやすくなっています。
    職種別にみるとサービス提供責任者は他の介護職に比べやや残業が多い傾向にありますが、それでも約7割は残業がない・もしくは5時間未満という結果です。介護業界は比較的残業が少ないといえるでしょう。

    年収が高い職場も選べる

    介護職は働き方や所属する事業所により給与に差が出る職種です。年収が高い職場を選ぶなら、入居型の施設、介護度が高い利用者さんと接する機会が多い施設、夜勤手当の手厚さなどに注目してみましょう。結婚のために収入面を充実させたいときは、給与に直結する要素が多い職場選びを心がけてみてください。

    介護職として働きながら幸せな結婚をしよう!

    今後も注目を集める介護職は、結婚に向いていない職業ではありません。むしろ需要があり、将来性も高い職業といえます。資格を取得すれば給与アップも見込めるので、向上心を持ちながら携われば、結婚生活への不安や後悔も晴れることでしょう。ぜひ、あなたも介護職として働きながら、幸せな結婚を目指してくださいね。

  • 介護施設で実際にあった誤薬事例とは?事故から学ぶ対策法を解説

    介護施設で実際にあった誤薬事例とは?事故から学ぶ対策法を解説

    介護施設で起こりやすい事故のひとつである誤薬。実際にどんな事例があるのか気になる方も多いことでしょう。そこで今回は、誤薬とはどんな事故か、介護施設で起きた実際の誤薬事例をご紹介します。誤薬が起こる原因や、事故を起こしてしまったときの行動、事故から学ぶ対策法も詳しく解説しました。最悪のケースでは死亡事例もある誤薬事故。介護スタッフとして誤薬をどのようにとらえ予防すべきか知りたい方は、ぜひ一読ください。

    誤薬ってどんな事故?

    介護施設で起こりやすい「誤薬」とは、利用者さんに処方された薬の使用方法を誤ることで生じる事故を指します。介護施設では複数の利用者さんの内服薬を管理するため、起こる可能性がある事故といえるでしょう。しかし、薬の内容によっては死亡事故に至るケースもあります。誤薬はあってはならない事故という認識を持ち、予防する取り組みが大切です。

    実際にあった誤薬事例

    では、介護施設で起こりうる誤薬事故にはどのような事例があるのでしょうか。実際に起こったケースを確認していきましょう。

    事例1:Aさんの薬をBさんに飲ませてしまった

    介護施設では、ほかの利用者さんの薬を飲ませてしまった、という誤薬事故が最も多いといわれています。内服薬は利用者さんごとに個別管理をするのが一般的ですが、配薬箱から出したのちに何らかのミスが発生。結果Aさんの薬をBさんに飲ませてしまった…という事例が生じているようです。

    事例2:薬を落としてしまった

    内服薬が利用者さんの口に入るまえに、何らかの要因で薬が落ちてしまうという落薬事故も誤薬事例になります。介護スタッフは利用者さんの薬を管理するだけでなく、確実に内服できたかを確認することも大切な業務のひとつです。利用者さん自身が内服薬を落としてしまったケースも、介護スタッフの責任になるので注意すべき誤薬事例と認識しておきましょう。実際に落薬させてしまった場面には以下のような事例があるので、参考にしてください。

    • 利用者さん自身が薬を袋から出した際に、落としてしまった
    • 利用者さんが内服したときにむせてしまい、咳とともに薬を吐き出して落ちてしまった
    • 介護スタッフが袋から薬を取り出した際に、落としてしまった
    • 利用者さんが内服を拒否することで、払いのける、口から吐き出すなどの行動により、薬が落ちてしまった

    落薬といっても、さまざまな要因で薬を落としてしまう可能性があることを念頭に置いておきましょう。

    事例3:投薬すること自体を忘れてしまった

    内服薬は食前や食後、食間など服用すべき時間が決まっています。しかし、多くの薬は食後に服用するものが多いため、食前や食間に内服させること自体を忘れてしまったという事例も起こっているようです。

    事例4:薬のセットを間違えてしまった

    介護施設では利用者さんごとに配薬箱が準備され、直近1週間分ずつなど期間を設けて薬をセットする場合が多いです。朝食後、昼食後、夕食後、眠前など内服するタイミングごとに薬を分けるため、この段階で間違ったセットをしてしまうと誤薬してしまいます。実際に薬のセットを間違ったために、誤薬してしまう事例も報告されているので、注意しましょう。

    誤薬事故が起こる原因とは

    人間は機械ではないため完璧ではありません。したがって、誤薬事故が起こる原因の多くはヒューマンエラーによるものと考えられています。このヒューマンエラーは、意図されたものと、そうではないものに分けられることが特徴です。では、意図的なエラーと意図しないエラーの違いを確認していきましょう。

    【意図的なエラー】

    • 故意的に間違えた
    • 手抜きをした

    【意図しないエラー】

    • ルールや手順の確認不足
    • 思い込みや勘違い
    • 単純に忘れてしまった
    • 判断を誤った
    • 注意力が低下していた

    介護施設で実際に起きている誤薬事例では「思い込み」や、名前のチェックを忘れて内服させるという「手順不足」など、意図しないエラーが原因になることが多いです。しかし、手順不足が日常化すれば「手抜き」という意図的なエラーと判断されてしまうこともあります。

    そのほか、利用者さんが服薬拒否したため内服させることができなかったという原因も考えられ、内服中止を自分だけで判断することは非常に危険です。内服困難なときは、必ずほかの介護スタッフに相談し、自己判断だけで終わらせないようにしましょう。

    誤薬事故を発生させてしまったら

    誤薬が起きたときは、まず利用者さんに異変がないかを必ず確認。その後、すぐに上司へ報告、利用者さんの身体への影響も考え、看護スタッフや介護施設と連携している医師などにも報告を行います。これは、自分が誤薬を起こしてしまった場合だけでなく、第一発見者になったときも同様です。誤薬後の対処は、医師のみができる行為になります。介護スタッフや看護師のみで判断することは違法になるので、医師の判断が仰げるよう迅速に行動しましょう。

    介護施設で誤薬を防ぐ対策法

    ここからは、介護施設で誤薬を防ぐ方法を解説していきます。

    実際にあった誤薬事例を振り返る

    まずは、介護施設で実際に起こった誤薬事例は誰もが起こしうる事故と認識し、必ず振り返りを行います。どのような要因が重なって誤薬が起きたのか、未然に防ぐことはできなかったのかなど、誤薬事例を考察し対処法を考えていきましょう。また、どのような経緯で事故が生じたのか介護スタッフ間で事例を共有し、注意し合う環境作りも大切です。

    リスク管理を行う

    誤薬は誰でも起こしうる事故ととらえ、リスク管理を個人単位ではなく組織全体で行うようにしましょう。介護施設での誤薬は、複数のスタッフがチェックするといった体制を設けるなど、リスク管理を行うことで事故発生率を下げることができます。誤薬事故はチームが一丸となり、組織全体でリスク管理することが重要です。

    誤薬を予防するためにルール作りをする

    誤薬を防ぐためのリスク管理の一環として、利用者さんに内服してもらうまでの流れをルール化し、チェック体制などの手順を設けることが肝心です。ルールは実際に起こった事例を振り返りながら、必要なら適宜変更を加え、業務の負担にならない内容で行えるように配慮していきましょう。

    介護スタッフ全員で誤薬しないよう協力し合おう!

    介護施設で誤薬を防ぐためには、介護スタッフ全員で事例を共有しながら予防するリスク管理が大切です。利用者さんがどのような薬を内服しているのか、ある程度知識を身につけておくことも必要といえるでしょう。誤薬は命にかかわる事態にもなりかねない事故と認識し、薬に対する意識を高く持ちながら働くよう心がけてみてください。

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  • 介護施設での思わぬSNSトラブル!予防法や対策を紹介

    介護施設での思わぬSNSトラブル!予防法や対策を紹介

    最近は、インスタグラムやTwitterなどのSNSを活用して、介護施設の様子を投稿しているところもあります。SNSを活用するメリットは、入居・利用希望者さんや介護スタッフの求人への応募が増加することが挙げられるでしょう。しかし、安易に利用者さんの画像を投稿すると、利用者さんの家族から抗議されたり裁判に発展したりすることも。そこで今回は、SNSの情報発信で起こり得るトラブルや防止策などについて紹介します。

    介護施設におけるSNSトラブルとは?

    まずは、介護施設におけるSNS活用で考えられるトラブル事例について見ていきましょう。

    施設の愚痴などをSNSに投稿

    介護スタッフの個人アカウントで、勤務している施設や人間関係の愚痴を投稿するケースがあります。同僚や愚痴の対象となっている介護スタッフが、その投稿を知ったらどう思うでしょうか?

    人間関係がさらに悪化するだけでなく、解雇に発展する可能性もあります。また、自分では個人情報を流出させるような投稿ではないと思っていても、些細なことで職場や個人名が特定されることもあるため、注意が必要です。

    グループチャットでパワハラや仲間はずれ

    介護スタッフ同士のSNSトラブルもあります。例えば、ある介護施設で、LINEなどで介護スタッフ専用のグループチャットを作成し、情報伝達を行っているとしましょう。

    手軽にやりとりできるためとても便利ですが、意地悪なスタッフがいた場合、特定のスタッフをグループチャットに招待せず、情報の伝達漏れが起きるということも考えられます。

    また、グループチャットから個人のLINEを特定し、勤務時間外にパワハラやセクハラなどに該当する行為をする方も出てくる可能性もあるでしょう。

    利用者さんの個人情報を配信

    SNSトラブルでは、利用者さんに迷惑をかけてしまうことも。例えば「利用者さんの1日」というタイトルで写真や動画を投稿したとしましょう。利用者さんや利用者さんの家族に、SNSに投稿することに関して同意を得ていれば問題ありませんが、そうでなければ、プライバシーの侵害で訴えられる可能性があります

    投稿した内容がとても素敵な笑顔だった、利用者さんが楽しそうだったなどという悪意のないものであっても、問題には変わりありません。理由はさまざまですが、利用者さんや利用者さんの家族の中には、その施設にいることを伏せているケースもあるためです。

    なぜ介護施設でSNSトラブルが起きるのか?

    介護施設におけるSNSトラブルは、どうして起きるのでしょうか?SNSトラブルの主な原因は、介護スタッフのSNS利用に対する認識不足です。SNSでは、不特定多数の方に情報発信することになり、そういったことに抵抗感を抱く方もいます。

    また、自分にとっては些細な投稿でも、投稿を見ている方がその投稿に写っているものを特定し始め、個人情報を流出させるというリスクも。「SNSを利用する」ということは、すべての情報を世界に配信しているというくらいの認識が必要かもしれません。

    その他には、「職場環境の悪さを他の方に知ってほしい」、「日常の不平不満を解消したい」などの憂さ晴らしや報復感情からくるものもあるでしょう。

    介護施設におけるSNSトラブルを防止するために

    そこで、介護施設におけるSNSトラブルを防止する方法について紹介します。

    インターネットリテラシー教育の実施

    まずは、SNSの特性や実際にあったトラブル事例を具体的に説明し、トラブルを起こさないための基本的な知識や、トラブルが起こることで生じるリスクを学ぶことが大切です。

    これに加えて、トラブルが起きた場合の対処法など、基本的なインターネットリテラシーを高める教育を行いましょう

    また、SNSを利用して介護施設の投稿を行う場合、1つのスマホで介護施設専用アカウントと個人アカウントを持っている方もいます。この場合、個人アカウントに介護施設の情報を投稿してしまう危険も。施設の情報を投稿する場合は、介護施設投稿専用スマホを用意するなどの工夫が必要になるでしょう。

    SNS利用のルール策定

    SNS利用に関するルールを策定する必要があります。具体的な利用ルールを決めることで、どういったことが良くて悪いのかということが明確になるでしょう。

    また、SNS利用に関するルールを策定した場合は、就業規則に追加するなどして入社時に説明し周知徹底することをおすすめします

    職場環境の整備

    冒頭で紹介したトラブル事例の中には、職場環境に不満があることで発生しているものも。職場環境に問題があるのであれば、職員が気持ち良く働けるように職場環境を整えましょう

    具体的には、給与規定や人事評価制度を見直したり、休暇制度を充実させたりするのも良いかもしれません。また職場環境のアンケートによって職場での人間関係改善に努めるのもおすすめです。

    万一トラブルになった場合の対処法

    最後に、スタッフの不適切な投稿が原因でトラブルになった場合の対処法について見ていきましょう。介護施設がとる対応策は以下の通りです。

    • 投稿内容を確認し、証拠を残す
    • 投稿したスタッフを特定し、事実確認をする
    • 投稿内容を削除するように要請する
    • 公式サイトで公表し、当事者に謝罪する
    • 再発防止のための方法を考える

    トラブルが起きた際には、迅速な対応が求められます。インターネット上に投稿された情報は、瞬く間に拡散し、すべてを削除することが難しくなるためです。そうなれば、嫌な思いをする方が増えることはもちろんですが、施設への損害も大きくなるでしょう。

    また、トラブルの内容によっては弁護士に依頼する必要もあります。大きなトラブルに発展させないためにも、日頃からインターネットリテラシー教育を定期的に行う必要があるでしょう。

    職場環境の整備とインターネットリテラシー教育の必要性

    「自分が働く介護施設を多くの方に知ってほしい」という善意のSNSであっても、利用者さんの顔が特定できるような写真を投稿していれば、トラブルに発展するかもしれません。今一度、インターネットリテラシー教育を徹底し、SNS利用ルールの策定や職場環境の見直しを行いましょう。

  • 介護施設でもSNS活用が常識?!集客や採用に運用のコツをチェック

    介護施設でもSNS活用が常識?!集客や採用に運用のコツをチェック

    近年、民間の企業やブランド、サービスなどの専用SNSページを目にする機会がグッと増えました。介護施設も例外ではありません。そこで本記事では介護施設におけるSNS活用のコツや事例を紹介。「公式SNSを立ち上げるメリットは?」「介護施設のPRにSNS活用を促進したいけど、コツは?」といったお悩みや疑問にお答えしていきます。SNSページの導入を検討している介護施設の方々にチェックしていただきたい内容です。

    介護施設の集客や採用でSNS活用

    介護施設でSNS活用をすると集客や採用などさまざまな面で戦力となります。まずはSNSがどのような活躍をするのか、SNSの種類にはどのようなものがあるのか、概要を紹介していきましょう。

    SNSで何ができるの?

    SNSとは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略。社会的なネットワークをつなぐサービスのことで、伝えたい情報を広く発信できます。リアクション、コメントやダイレクトメッセージ機能などを通して発信者と利用者が相互コミュニケーションをとれるのが魅力です。

    介護施設でSNS活用をすれば、施設の様子や採用情報などを文章だけでなく画像や動画で広めることができます。介護施設のファン作りや、施設利用者さんやそのご家族への情報発信、人材の採用などで導入する施設が増えているのが現状です。

    SNS活用のメリット4つ

    介護施設におけるSNS活用のメリットには次の4つが挙げられます。

    • リアルな雰囲気を伝えやすい
    • 幅広い年代へアピールできる
    • DMなどで直接連絡をとることができる
    • 社内で運用できれば宣伝費など出費が少なく済む

    まず挙げられるのが、リアルな雰囲気を伝えやすいという点です。介護施設の様子や出演者が話す様子を画像や映像で発信できるため、臨場感ある内容を届けることができます。

    さらに、幅広い年代にアピールできるところもメリット。SNSは利用者数が多く、利用するSNSサービスによってさまざまな年代にアプローチできるツールです。発信内容やターゲットごとにSNSを使い分ければ、より効果的に情報を拡散できます。

    また、コメント機能やダイレクトメッセージ機能を通して介護施設や投稿内容に興味を持ってくれた方と直接連絡をとれる面もSNS活用のメリットです。

    SNSの利用は基本的に無料。施設の宣伝や採用を費用負担の心配なく行えるのは大きな魅力でしょう。

    SNSの種類

    SNSにはさまざまな種類があります。介護施設で利用されることが多い代表的なものをピックアップして特徴をご紹介していきましょう。

    若者へのアプローチに強い「Instagram」

    Instagram(インスタグラム)は写真や動画、文章の投稿ができるSNS。総務省の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると若い世代の利用者が多く、20代の78.6%が利用しています。

    集客性の高さが魅力で、施設の雰囲気を多くの人に発信したい、ファンを作りたい、といったケースで便利です。定期的に更新して施設利用者さんやその家族に楽しんでもらうといった使い方もできます。

    拡散力に優れた「X(旧Twitter)」

    X(エックス)は140文字の短文と、画像や動画を投稿できるSNSです。リアルタイムで情報を拡散したいときに活躍します。次から次につぶやくユーザーが多く、情報更新のスピードが速いのが特徴。

    インスタグラムと同様に若い世代のユーザーが多く、介護施設で活用するなら新卒を対象とした採用での導入がおすすめです

    音楽やエフェクトが充実した「TikTok」

    TikTok(ティックトック)は、15秒、60秒、3分の短い動画を音楽やエフェクト(効果)をつけた編集で拡散できるSNS。10代の利用者が多いところが特徴です。

    人気が出ると、一気に他のSNSを通して広まりやすい特徴もあります。介護施設で働く方や利用者さんの様子を伝えたいときなどに活用している例もあるようです。

    多くの方にアピールできる「YouTube」

    YouTube(ユーチューブ)は自由に動画を投稿できるSNS。数分単位の動画から数十分に及ぶ動画までアップできるため、情報をじっくりと伝えることに特化しています。同上の総務省の調査によると、10代~40代で90%以上、50代で80%以上、60代でも60%以上の利用率で、幅広い年代の方へアピールできるのが強みです。

    介護施設では採用を目的とした投稿で活用させることが多いツールです。経営者からのメッセージや介護スタッフへのインタビューなどをアップする例などがあります

    介護施設でのSNS活用のコツは?

    介護施設でのSNS活用は、やみくもに始めると運用が負担になったり有意義な内容をアップできなかったり、うまくいきません。ここからは介護施設におけるSNS活用のコツを分かりやすく解説していきましょう。

    目的を持って活用する

    介護施設でのSNS活用は、目的を持つことがポイントです。目的によって相性が良いSNSは異なります。介護施設のファンを増やすため、新卒採用のため、中途採用のため、など、目的を定めてターゲットを設定して運用していくとうまく進めやすいでしょう。

    たとえば

    • 新たな入居者さんや施設のファン獲得を目的としてInstagramで施設の魅力を発信していく
    • 採用を目的として、YouTubeで実際に施設内のスタッフの1日の様子を発信していくなどです。

    目的が明確になると、求職者や入居希望者などターゲットにとって魅力的な内容で効果的に運用していきやすくなります。受け手側がアカウントをフォローすることで自身のニーズに合った有意義な情報を得られるので、フォロワーも増えやすいでしょう。

    定期的に更新する

    介護施設でのSNS活用のコツとして、定期的に更新することも大切。SNSを立ち上げたまま更新しない、たまにしか更新しない、といったアカウントにはフォロワーがつきにくいものです。
    定期的に更新することで、介護施設に興味を抱いたり、次の更新もチェックしたいとフォローしてくれたりするユーザーが増えるでしょう

    更新者を決める

    介護施設でのSNS活用では、更新者を決めることもポイント。日々の業務が忙しい中で充実した内容のSNSを更新するのは簡単ではありません。できればSNS更新をひとつの仕事として、担当者を決めて内容を吟味して更新できる環境を整えましょう

    介護施設でのSNS活用例をチェック!

    SNSを活用してスムーズに求職者と連絡をとったり、入居者数を伸ばしたりしている介護施設もあります。介護施設でのSNS活用例を見ていきましょう。

    兵庫県の介護老人福祉施設Yでは、採用を目的に数年間かけてSNSで情報を発信しています。Instagramのフォロワーは2万人を超えていてTikTokも人気。出演している入居者さんのファンも多く、スタッフと入居者さんとの微笑ましい関わりが垣間見え、興味を抱く求職者もいるのだそうです。

    京都府のデイサービスKでは、施設のファン作りのために社長がInstagramを更新しています。介護と田舎暮らしを絡めた発進には多くの関心が寄せられ、8万人以上のフォロワーがついているのがすごいところ。フォロワーが実際に施設へ足を運ぶこともあり、こうした交流を大事にされているそうです。

    介護施設でのSNS活用の注意点は?

    介護施設でのSNS活用には、注意しておきたいポイントもあります。

    SNSは施設に興味を持ってもらうためのツール

    SNSは介護施設の雰囲気や情報を伝える他、介護施設のイメージ作りにも大きく貢献します。しかし、実際に足を運んでくれた利用希望者さんや求職者のなかにはイメージと現実のギャップでガッカリしてしまうケースもあるのだとか。SNSはあくまでも興味を抱いてもらうためのツールです。イメージ戦略だけにとらわれず、施設の環境を整えることも重視しましょう

    炎上に注意しよう

    SNSは、否定的な内容や一般的な価値観から逸脱した内容を投稿することで非難や批判が殺到し「炎上」するケースもあります。小さなつぶやきやひとつの動画が施設への信頼を失うキッカケとなるリスクもあることを念頭に置き、更新の際は常に細心の注意を払いましょう。

    介護施設の魅力をSNS活用で広めてみよう

    楽しい画像や動画がキッカケとなり、介護施設や介護職に興味を抱く若い世代がいます。「SNSに出ていたあのスタッフさんにお世話になりたい」と、施設を選んでくださる高齢者の方やそのご家族の方もいるかもしれません。介護施設でのSNS活用で、新たな可能性が生まれることがあります。運用を検討している施設では、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

  • 「介護職の夜勤きつい」というのは本当?実際の声を紹介

    「介護職の夜勤きつい」というのは本当?実際の声を紹介

    介護職の就職や転職を考えたときに浮かんでくる「夜勤」。どういったイメージがありますか?多くの方が「夜勤きつい」や「夜勤大変」といった印象ではないでしょうか。たしかに、日勤とは異なる大変さがありますが、メリットもあります。そこで今回は、「介護職の夜勤きつい」という声が本当なのかチェックしました。「介護職の夜勤きつい」と言われる理由や、夜勤のメリットにも触れていますので、総合的に判断してみてください。

    介護職の夜勤とは?

    そもそも介護職の夜勤とはどういうものなのか見ていきましょう。

    介護職の夜勤の勤務体制について

    介護職の夜勤の勤務体制は施設によって異なります。4交代制を導入している施設もありますが、2交代制や3交代制でシフト構成していることが一般的です。

    2交代制とは、1日を昼と夜に分けて人員を配置します。具体的には、「9時~18時・17時~翌11時」といった具合です。次に3交代制では、1日を昼・夕方・夜に分けて人員を配置します。具体的には、「6時~14時・14時~22時・22時~翌6時」などです。

    介護スタッフによって夜勤に入る回数はさまざま。一般的には、1人の介護スタッフが夜勤に入る回数は、月に4~5回ほどでしょう。ただ中には、夜勤をメインにして働く夜勤専従という方もいます。

    実際どんな感じ?

    夜勤を経験したことのある介護スタッフの口コミをチェックしてみました。どういった口コミがあるのか見ていきましょう。

    <夜勤に対して好意的な口コミ>

    • 夜勤介護スタッフの人数が確保されているため、休憩もしっかりとれる。利用者さんの状態によるが、介助が少ないため、さほどつらさを感じない。(女性/30代)
    • 日勤と比べると自分のペースで仕事ができる。(女性/50代)
    • 日勤と比べると職員同士で話す機会があるため、アドバイスを受けられる。(男性/30代)

    <夜勤きついという口コミ>

    • 夜勤介護スタッフの人数と利用者さんの数が適切でないと、対応が大変。(女性/40代)
    • 緊急のことが起きると休憩がない場合も。(女性/50代)
    • 生活リズムが崩れる。(男性/40代)

    どんな職業にも当てはまりますが、良い面と悪い面がありますね。次からは「介護職の夜勤きつい」と言われる理由や、夜勤のメリットについて見ていきましょう。

    「介護職の夜勤きつい」と言われる理由

    「介護職の夜勤きつい」と言われる理由には、どういった背景があるのか紹介します。

    夜勤勤務の職員が少ない

    日勤の場合、食事や入浴、レクリエーションなどさまざまな介助をしなければなりません。反面、夜勤では夕食の用意や介助、就寝の際の介助などを行えば、基本的には巡回がメインの仕事になります。

    そのため、日勤と比べると、夜勤勤務職員の配置が減ることが一般的です。ただし施設によっては、利用者さんが夜間に徘徊したりおむつ交換が必要だったりと仕事が多いケースも。仕事量と職員数が合っていないと夜勤がきつくなってしまうでしょう。

    労働時間の問題

    3交代制であれば、さほど気にならないかもしれません。しかし2交代制の場合、休憩があるとはいえ、「9時~18時・17時~翌11時」というような勤務体制になります。労働時間が長くなる分、身体にも精神的にも負担になる方もいるでしょう。

    ストレスがかかりやすい

    利用者さんが急に体調を崩すと、日勤よりも少ない介護スタッフで対応しなければなりません。介護スタッフの人数を確保している場合でも、精神的なプレッシャーはかかっていることでしょう。

    これに加え、夜勤では生活リズムが乱れやすくなるため、介護スタッフの疲れがたまりやすい傾向にあります。夜勤は、精神的にも身体的にもストレスがかかりやすいと考えられるでしょう。

    生活リズムに慣れない

    夜勤を含むと生活リズムが不規則になります。不規則な生活リズムに身体が追いつかず、疲れがたまりやすくなり体調不良になるというケースも。生活リズムが不規則になることが苦手な方には負担が大きいかもしれません。

    介護職で夜勤をするメリット

    介護職の夜勤にはデメリットだけではなく、メリットもあります。どういった利点があるのでしょうか。

    就職しやすい

    どうしても「介護職の夜勤きつい」というイメージがあるために、求人に対して応募が少ない傾向にあります。しかし、応募が少ないということはライバルが少ないため、採用される可能性も高まるでしょう。

    また、夜勤勤務可能とすることで、応募できる求人数も増えるため、自分に合った職場を見つけやすくなるというメリットもあります。

    深夜割増賃金で給料アップ

    夜勤の場合、基本給だけではなく、深夜割増賃金が支払われます。また施設によってはこれとは別に夜勤手当を支給しているところも。つまり、同じ勤務時間で日勤と夜勤を比べた場合、夜勤の方が多く給料を受け取ることが可能です。

    日勤ほど多忙ではない

    前述した通り、夜勤は日勤と比べると仕事量が少ない傾向にあります。緊急事態が起きない限り、日勤ほど多忙に感じることは少ないでしょう。

    休日を有意義に使える

    夜勤に入ると、基本的には夜勤明けの翌日は休みになります。そのため、プライベートの時間を確保しやすくなるでしょう。また、シフトの組み合わせを考えれば、日勤の方よりも連休を取りやすいケースもあります。

    夜勤のメリットとデメリットをしっかり検討しよう

    「介護職の夜勤きつい」と言われることもありますが、発想の転換でメリットに変わることも。あえて夜勤勤務を希望して、ベテランの介護スタッフから介護の知識や技術を学ぼうとする方もいます。夜勤を検討する際には、夜勤の人員配置数・仕事量・待遇などをしっかり検討したうえで、求人に応募すると良いでしょう。

  • 介護職の夜勤、何してる?施設ごとの仕事内容とタイムスケジュール

    介護職の夜勤、何してる?施設ごとの仕事内容とタイムスケジュール

    介護が必要な利用者さんをサポートするため、介護の入所型施設は夜勤のスタッフが欠かせません。「介護施設の夜勤は未経験」「夜勤は実際何してるの?」など、仕事の流れのイメージがつかず、夜勤に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、介護職の夜勤について解説していきます。施設ごとの仕事内容やタイムスケジュールもご紹介するので、参考にしてみてください。

    入居型施設では24時間見守りが必要!

    入居型の施設の働き方を確認していきましょう。

    入居型施設の勤務体制

    入居型施設では24時間体制で利用者さんを見守る必要があり、2交代制もしくは3交代制でシフトが組まれています。夜勤の勤務時間は事業所により異なりますが、多くの介護施設では2交代制を採用しているところが多いよう。一例として、2交代制の夜勤の勤務時間は16時~翌日9時までとなっており、勤務時間が長いことが特徴です。3交代制の夜勤は21時~翌日7時までと、2交代制と比べて勤務時間が短くなっています。

    夜勤の休憩時間

    8時間以上の勤務の場合、休憩時間は1時間以上と労働基準法で定められているため、ほとんどの場合1時間以上の休憩があるでしょう。施設により、休憩時間とは別に仮眠時間が設けられていることもあります。ただし、ナースコールが集中した・緊急対応があった・担当が1人だけだったなどの状況によっては、休憩があまり取れない可能性もあるかもしれません。

    夜勤にあたるスタッフの人数

    夜勤にあたる介護職員の人数は、介護施設や利用者さんの人数に応じて定められています。施設の規模にもよって異なりますが、1~4人ほどと日勤よりは少ない人数で対応するのが基本。そのため、夜勤はある程度経験を積んだスタッフでないと任せてもらえないケースが多いようです。

    介護夜勤の仕事内容は?タイムスケジュールを紹介

    介護施設の夜勤が対応する仕事内容とタイムスケジュールをチェックしていきましょう。

    介護職の夜勤は何してる?仕事内容をチェック

    介護職の夜勤は、利用者さんの就寝前後の時間帯のため、以下の仕事がメインになります。

    • 安否確認
    • 緊急時対応
    • 食事介助
    • 服薬介助
    • 排泄介助
    • 就寝介助
    • 起床介助
    • 介護記録

    就寝中の呼吸や表情、体勢などから利用者さんの安否確認をするのが、夜勤にあたるスタッフの主な仕事です。何かあればナースコールで利用者さんからの呼び出しがあるため、すぐ対応できるよう待機しておきます。呼び出しの理由は、体調不良・トイレなどが多いようです。なかには自分でコールを押せない利用者さんもいるため、定期的に巡回して異常がないか確認します。

    体調が悪化した場合の救急対応も夜勤スタッフの役目です。用意されている緊急時のマニュアルの内容を把握し、何かあったときに対処できるよう備えておく必要があります。

    また、夕方から勤務に入るケースが多いため、利用者さんの食事は夕食と朝食の2回。食事の準備や食事介助と併せて、服薬介助・排泄介助も行います。

    介護夜勤のタイムスケジュール

    実際はどんなスケジュールで働いていくのか、2交代制で多い16時間夜勤の場合のタイムスケジュールの一例をご紹介します。

    16:00~出勤 申し送り確認
    18:00~食事介助(夕食)
    服薬介助
    19:00~

    歯磨き介助
    排泄介助
    20:00~就寝介助
    21:00~片付け
    介護記録
    22:00~巡回し安否確認
    23:00~巡回し安否確認
    体位変換
    1:00~休憩もしくは仮眠
    3:00~巡回し安否確認
    5:00~起床介助
    7:00~食事介助(朝食)
    ~9:00申し送り
    介護記録
    退勤

    介護施設による夜勤の仕事内容の違い

    介護施設の種類によっても、夜勤の仕事内容には差があります。それぞれの特色をおさえていきましょう。

    特別養護老人ホーム

    要介護3以上の方が入居対象となる公的な施設、特別養護老人ホーム(特養)。重度の認知症など介護度が高い利用者さんが多いため、複数人で夜勤にあたることがほとんどです。多くの施設では仮眠室が設けられており、しっかり休むこともできるでしょう。

    介護老人保健施設

    ケガや病気の回復期で在宅復帰を目指す方が短期間入居する、介護老人保健施設。緊急体制がきちんと整っていれば40人に対し1人以上の夜勤スタッフの配置が基本ですが、複数人で夜勤にあたるケースが多いよう。看護師が夜間に常駐している施設が多く、急変時に対応をお願いできるメリットがあります。

    有料老人ホーム

    介護を提供する有料老人ホームは、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームに分類され、それぞれ提供するサービスが異なります。利用者さんの要介護度もさまざま。介護付有料老人ホームは介護サービスの提供が主で介助業務も多いため、複数のスタッフで夜勤に対応するケースが多いでしょう。

    住宅型有料老人ホームは比較的自立した利用者さんが多いため、介助よりは安否確認や見守りが主な業務。その分夜勤の配置人数が少ないケースもあるでしょう。

    小規模多機能型居住介護

    要介護度の低い利用者さんが利用する小規模多機能型居宅介護。宿泊の場合は施設と同様の介助が必要になりますが、要介護度が低いため介助よりは安否確認や見守りが主な業務になるでしょう。夜勤の介護職員の配置基準は1人以上となっており、1人で夜勤に対応するケースも多いようです。

    サービス付き高齢者住宅(サ高住)

    サービス付き高齢者住宅(サ高住)は、バリアフリー環境が整った賃貸住宅。ほかの介護施設と比べると介護度の低い利用者さんが多い傾向にあります。スタッフを夜間に配置する義務はないものの、24時間常駐としている施設も多いよう。夜勤がある場合は安否確認や見守りが主な仕事となり、1人で対応するケースが多いでしょう。

    介護職の夜勤には日中とは異なる業務がある

    「介護職の夜勤、何してる?」という疑問を解決することはできましたか?就寝、起床介助や見守りなど、日中とは違った業務のある介護の夜勤業務。日勤よりもスタッフの数が少ない分、責任感や介護職員同士の連携も重要になります。決して楽ではないですが、夜勤手当がつき収入が増やせるというメリットもあるでしょう。夜勤の有無や仕事内容を踏まえて、働く施設を検討するのもひとつの方法です。

  • 介護職の夜勤あるあるエピソード集|思わず共感してしまう!

    介護職の夜勤あるあるエピソード集|思わず共感してしまう!

    今回は夜勤を経験したことのある方なら思わず共感してしまう、介護職の「夜勤あるある」をご紹介します!特別養護老人ホームやグループホームなど、入居型の介護施設は24時間体制。日勤よりもスタッフの数が少ないため、同じ施設であっても、日勤と夜勤では働き方は少し異なります。夜勤では、ハードな仕事もあるなかで、くすっと笑えるエピソードや心あたたまるエピソードも。いろいろなエピソードを知れば、夜勤への不安も少なくなるかもしれませんよ。

    介護職の夜勤の仕事内容は?

    夜勤スタッフの主な仕事内容は、排泄介助、体位交換、トイレ誘導、緊急時の対応などです。夜間はレクリエーションや機能訓練などの活動がないため、利用者さんの見守りを行うのが中心業務になります。入職後は先輩スタッフの指導を受けながら、仕事内容に慣れていくことが多く、夜勤が未経験の方でも働けるケースも。

    さて、介護現場の夜勤では、どんなエピソードがあるのでしょうか?さっそく介護職の夜勤あるあるを紹介していきましょう!

    介護職の夜勤あるある|ハード編

    「誰かがナースコールを押すと、連続して鳴ることがあり、対応にバタバタと追われます。緊急の場合もあるので、一人ひとりの対応に焦って苦戦することも。落ち着いてやらなければ…と反省します」(40代女性)

    「利用者さんが自力でトイレに行こうとしたとき、転倒事故が起こってしまいました。夜勤では初めての事故対応で、パニックになりかけたのを覚えています。他のスタッフがいてくれたおかげで適切な対応ができましたが、気を引き締めなくてはと思いました」(40代女性)

    介護職の夜勤あるある|ドキドキ・ヒヤリ編

    「夜間の見守りで居室のドアを開けたところ、目の前に利用者さんがいて、思わず『わぁっ!』と声をあげてしまいました。夜間は廊下も暗くなるので、急に人が現れるとびっくりします」(50代男性)

    居室に行くと利用者さんがいませんでした。手が空いているスタッフ全員で探し回ったところ、仲の良い利用者さんの部屋で寝ておられて、ホッと一安心。もし施設の外に出ていたらと思うと、肝が冷えます」(30代男性)

    介護職の夜勤あるある|睡魔・疲労との闘い編

    「夜勤あるあるといえば、睡魔との闘いです!夜が深まると猛烈に眠気が襲ってくることがあるので、目薬をさしたり、軽いストレッチをしてみたりして、眠気を飛ばすように。一度施設の外に出て、外気に当たるのもリフレッシュできます」(40代男性)

    「疲労がたまって少しだけ仮眠しようと目を瞑ったところ…うっかり寝すぎてしまい、起きたら朝食準備の時間でした。周りのスタッフも気を遣って起こさないでいてくれたようですが、申し訳なく、大慌てで朝食の配膳にうつりました」(30代女性)

    介護職の夜勤あるある|ほっこり編

    「部屋の見回りをしているとき、利用者さんから『ちゃんと休憩してね』『ご苦労様』とやさしい声をかけていただけると、胸があたたかくなります」(50代女性)

    「利用者さんから『あなたがいる日は安心ね』と褒めていただけるときです。いろんなスタッフがいる中で、自分を認めてくれる方がいると思わず涙が出そうになります」(20代男性)

    介護職の夜勤明けあるあるエピソードも!

    「退勤時間が近づいてくると、仕事が終わりのコンビニで何のスイーツを買おうかと考えるのが癖です。これから仕事や学校へ向かう人たちを見送りながら、お気に入りのスイーツとコーヒーを買い、まったりするのが好きです」(30代女性)

    「仕事が終わって家に帰ったあとも、ナースコールの幻聴があり、夜勤あるあるだなぁと感じています」(20代女性)

    介護職の夜勤あるあるを知れば、もっと夜勤が身近になる!

    介護現場の夜勤あるあるをご紹介しました!夜勤となると「ハードなのでは?」と心配する方もいますが、やりがいを感じるエピソードも多く、夜勤ならではの魅力があります。また夜勤スタッフが働きやすいように環境改善に努める施設もあるため、介護業界で転職を考えている方は、夜勤の求人も探してみると良いでしょう。

  • マイナンバーカードは高齢者にも必要か?メリット・デメリットを解説

    マイナンバーカードは高齢者にも必要か?メリット・デメリットを解説

    皆さん、マイナンバーカードはお持ちですか?マイナンバーは、個人に割り振られた番号で、行政の効率化し利便性を高め、公平・公正な社会を実現する目的で作られました。しかし、マイナンバーカードには、カード取得の手続きが煩雑であるというデメリットも。そのため高齢者の中には、手続きが面倒だと感じ、また、マイナンバーカードを取得する意義を見出せず取得を断念した方も。そこで今回は、マイナンバーカードは高齢者にも必要かどうかを考えていきましょう。

    そもそもマイナンバーカードとは

    マイナンバーは「個人番号」といって、国民個人ごとに割り振られた番号のこと。行政を効率化し、国民の利便性を高めるために作られた制度です。以前は紙製の通知カードだったものをプラスチック製のカードタイプに変更する作業を、マイナンバーカードの取得といいます。

    マイナンバーカードには、個人番号の他に名前や住所、生年月日などが記載され、顔写真もついているため、本人確認書類として使うことが可能です。

    また、マイナンバーカードの普及を目的に、マイナポイントを付与するキャンペーンが実施されています。マイナポイント獲得のために、マイナンバーカードを作った方もいらっしゃるはずです。

    ただしマイナポイント獲得にも、キャッシュレス決済サービスを用意する必要があるなど、手続きが難しい点がマイナンバーカード取得のネックだった方もいらっしゃったでしょう。

    マイナンバーカードは高齢者に必要か?

    マイナンバーカードの取得を促すために設けられたマイナポイントを必要ないと感じたり、免許証などの本人確認書類を持っている方からすると、高齢者でもマイナンバーカードの必要性を感じないかもしれません。

    しかし、現行の健康保険証は2024年に廃止され、マイナンバーカードに一本化されまとまります。マイナンバーカードの取得は、高齢者に限らず、日本国民にとって必須となるでしょう。

    ここでは、高齢者がマイナンバーカードを取得するメリットとデメリットを紹介します。

    高齢者がマイナンバーカードを作るメリット

    今後、「マイナンバーカードの取得は必須になるだろう」と言われています。しかし、冒頭で紹介したように、高齢者の中にはマイナンバーカードを作るメリットを感じていないケースもあるようです。

    高齢者がマイナンバーカードを作るメリットについて見ていきましょう。

    • 顔写真つきの身分証明書になる
    • 健康保険証になる
    • 介護保険の申請で使える
    • 確定申告が楽になる
    • 各種証明書をコンビニで取得できる
    • 年金の手続きが簡単になる

    高齢になり運転免許証を返納し、顔写真つきの身分証明書が手元になくなる方も多いです。マイナンバーカードは顔写真つきの身分証明書になるため、パスポートの発給や金融機関での口座開設などで、本人確認書類として使用できます。

    2024年秋以降は健康保険証が廃止され、介護保険申請の際にはマイナンバーの記載が必要です。また、マイナンバーカードを後期高齢者医療被保険者証として使うことも可能です。

    国税電子申告のe-Taxを利用する際には、マイナンバーカードがあることで入力する箇所が減り、確定申告が楽になるでしょう。この他にも住民票などの各種証明書をコンビニで取得できたり、年金の相談や照会などが簡単にできたりします。

    高齢者がマイナンバーカードを作る際のデメリット

    次に、高齢者がマイナンバーカードを作る際のデメリットについて、見ていきましょう。

    • スマホがないと手続きが大変
    • 操作方法がわからない方にとっては難しく感じる
    • カードを紛失した場合、個人情報漏洩のリスクがある

    マイナポイントを獲得しようする場合は、任意のキャッシュレス決済サービスを用意する必要があります。しかし、マイナンバーカードを作るだけであれば、スマホやパソコンを持っていない・操作方法がわからない場合でも、郵送で申請可能です。マイナンバーがわからない場合は、市区町村の窓口に行けば手続きができます

    他にもデメリットには、個人情報漏洩のリスクが考えられるでしょう。作成したマイナンバーカードを紛失し第三者に悪用されてしまうと、個人を特定されるだけではなく、公的書類を取得されたり、所得額が閲覧されたりする危険があります。

    万一、紛失や盗難に遭った場合には、電話にて利用の一時停止手続きができるため、速やかに対処すると良いでしょう。また、安易にわかるような暗証番号の使用は厳禁です。

    介護施設などでの代行取得を検討中

    高齢者であっても、マイナンバーカードの取得については、基本的にご自身で申請と取得を行わなければなりません。しかし、手続きが難しい高齢者や要介護の状態にある利用者さんの場合、取得したくてもできないという状況におちいる方もいらっしゃいます。

    この状況を打開する策として、国は、介護施設の代表やケアマネジャーが代理人となって手続きを行えないか検討中です。2024年秋に健康保険証が廃止されることも、代理人手続きを進める理由と考えられるでしょう。

    現状は、現場の声をもとに、どうすれば代理交付や申請補助がうまく機能するのかを検討しています。近い将来、利用者さんのマイナンバーカード代理取得手続きの概要が示されることでしょう。

    マイナンバーカード取得は日本国民全員必須のアイテムに

    今後マイナンバーカードは、少なくとも健康保険証を使う方は全員必要なアイテムとなります。つまり、「マイナンバーカードは高齢者にとって必要か」という質問の答えは、「はい」です。利用者さんの中で、マイナンバーカードをまだ取得していない方がいれば、必要性を説明し、ご家族と相談するよう促すと良いでしょう。

    ※本記事は2023年3月27日時点の情報をもとに構成しています。

  • 高齢者ケアストレスカウンセラーとは?資格の概要について解説!

    高齢者ケアストレスカウンセラーとは?資格の概要について解説!

    高齢者の心理的ケアを行う「高齢者ケアストレスカウンセラー」。ストレスを抱える高齢者への理解を深め、利用者さんとのコミュニケーションをより円滑にしたいと考える介護職員やケアマネジャーなどに注目されています。高齢者ケアストレスカウンセラーの概要や仕事内容、資格取得の方法などについてまとめました。現在の職場でスキルアップを目指したい方、利用者さんとより良い関係を築きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

    【簡単に解説】高齢者ケアストレスカウンセラーとはどんな資格?

    高齢者ケアストレスカウンセラーとは、心理的なケアを行う「ケアストレスカウンセラー」の上位にあたる資格です。人の心の部分を基礎的に学習し、心理的なケアができるケアストレスカウンセラーの知識に加えて、高齢者の心のケアに特化した専門性が求められます。

    高齢者ケアストレスカウンセラー資格は、一般財団法人職業技能振興会によって認定されます。

    高齢化社会となり、日本では若い世代や働き盛りの世代だけでなく、ストレスにさらされる高齢者の数が少なくありません。高齢者の中には、老化による身体機能や認知機能の低下に直面し、不安がストレスにつながる方もいます。また、高齢者本人だけでなく、介護者や家族などがストレスを抱えているケースもあるでしょう。高齢者ケアストレスカウンセラーは、高齢者とその介護に関わる人々に心理的に寄り添い、カウンセリングを行う専門家です。

    高齢者ケアストレスカウンセラー資格はどんなときに役立つ?

    高齢者ケアストレスカウンセラーの資格は、どんな場所で、どのように役立つのでしょうか。仕事内容や活躍できる場所について解説します。

    仕事内容

    高齢者ケアストレスカウンセラーの主な仕事は、高齢者本人やその家族、介護者などが抱えるストレスにしっかりと耳を傾け、話を聞くことです。一般的には、60分前後で時間を設定し、面談形式でカウンセリングを実施します。カウンセラーはアドバイスすることが重要と考えがちですが、高齢者ケアストレスカウンセラーの場合、相談者の話に耳を傾けることが何よりも大切です。面談時には、話をさえぎったり評価したりせず、しっかりと相談者に寄り添いましょう。

    活躍できる場所

    高齢者ケアストレスカウンセラーが働く職場は、主に以下のとおりです。

    • 高齢者介護施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設など)
    • 高齢者居宅介護支援事業所(訪問介護やデイサービスなど)
    • 医療機関(総合病院やクリニックなど)

    このように、高齢者と接する機会の多い施設では、高齢者ケアストレスカウンセラーの資格が役立つでしょう。しかし、高齢者のカウンセリングを専業として働いている方はあまりいません。実際には、介護職員やケアマネジャーとして業務にあたりながら、高齢者ケアストレスカウンセラーの仕事を兼ねているパターンがほとんどです。したがって、介護職や看護職の方がスキルアップする目的で、高齢者ケアカウンセラーの資格を取得しているケースが多いといえます。

    高齢者ケアストレスカウンセラー資格を取るには?

    高齢者ケアストレスカウンセラーの資格を取得する方法を解説します。

    試験の概要

    高齢者ケアストレスカウンセラーの受験資格は、18歳以上かつ、ケアストレスカウンセラーの資格を保有していることが条件です。ケアストレスカウンセラー資格が未取得で、高齢者ケアストレスカウンセラー資格を取得したい場合は、併願受験も可能ですので、検討してみてはいかがでしょうか。その場合、ケアストレスカウンセラー試験と高齢者ケアストレスカウンセラー試験の両方で、合格点を満たす必要があります。

    【高齢者ケアストレスカウンセラーの試験概要】

    受験資格18歳以上かつ、ケアストレスカウンセラーの資格保有者
    ※ケアストレスカウンセラーとの併願受験も可能。併願受験の場合は、ケアストレスカウンセラーと高齢者ケアストレスカウンセラーの両方で合格点を満たす必要があります。
    試験内容公式テキストの範囲+一般常識から出題
    試験時間60分
    受験料12,000円
    合格基準70%以上の正答率
    結果発表試験終了時に確認
    試験方式CBT形式
    受験会場全国220ヶ所以上
    ※公式サイトより確認できます。
    https://cbt-s.com/examinee/testcenter/?type=cbt&name=%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E8%A9%A6%E9%A8%93&testpgid=
    試験日程2023年試験日程は下記のとおり
    第38回試験(終了)
    申込期間 2月1日(水)~3月27日(月)
    実施期間3月1日(水)~31日(金)  

    ・第39回試験
    申込期間6月1日(木)~7月27日(木)
    受験期間7月1日(土)~7月31日(月)

    ・第40回試験
    申込期間11月1日(水)~12月25日(月)
    受験期間12月1日(金)~12月28日(木)
    申込方法公式サイトより申し込み
    https://cbt-s.com/examinee/examination/fos-cs.html

    求められる知識

    高齢者ケアストレスカウンセラーになるには、求められる知識をあらかじめ理解しておきましょう。高齢者の考え方の特性や抱える悩み、ストレスへの対処法、高齢者とのコミュニケーションの取り方などを把握しておく必要があります。

    資格取得のための学習方法

    高齢者ケアストレスカウンセラーの公式テキストがあります。試験は公式テキストの範囲から出題されるため、テキストを使った自己学習が可能です。また、通信講座で学べる機会もあります。

    利用者さんのストレスに寄り添い、より良い関係構築を

    高齢者ケアストレスカウンセラーは、高齢者に心理面で寄り添うことが求められます。介護職員やケアマネジャーなどが、利用者さんへの理解を深めるために資格を取得することも少なくありません。高齢者本人だけでなく、その家族や介護者が抱える悩みを理解できれば、利用者さんとのより良い関係を築くことができるでしょう。スキルアップの一環として、高齢者ケアストレスカウンセラー資格の取得を検討してみませんか?

  • 高齢者傾聴スペシャリストとは?資格の概要や資格取得方法まとめ

    高齢者傾聴スペシャリストとは?資格の概要や資格取得方法まとめ

    聴くことをメインとした高齢者とのコミュニケーション術の資格「高齢者傾聴スペシャリスト」を知っていますか?傾聴(けいちょう)を通じて高齢者のQOL向上や心のケアなどが行えることから、介護現場で役立つ資格として注目を集めています。そこで今回は、高齢者傾聴スペシャリストの資格概要や資格取得方法などを詳しく解説!受検資格なし・完全在宅で取得可能な資格なので、ぜひチェックしてくださいね。

    高齢者傾聴スペシャリストってどんな資格?

    高齢者傾聴スペシャリストとは、高齢者に対して傾聴を行うための専門的な知識とスキルを持つ方のこと。「NPO法人シニアライフセラピー研究所」が監修する「高齢者傾聴スペシャリスト講座」を修了した者に与えられる資格です。

    そもそも傾聴とは、耳・目・心を使い、相手の気持ちに寄り添いながら話を聴くことを意味します。ただ聞き上手であることとは違い、相手の表情や身振り手振りなどの言葉以外のメッセージをくみ取ること、いわば「心で聴く力」が求められるのです。傾聴により相手に安心感や充実感をもたらし、QOL(生活の質)を高めることをもできるといわれています。

    介護施設では、悩みを話せる相手がおらず、孤独感や不安を抱える利用者さんも少なくありません。利用者さんに対し、確かな知識とスキルに基づいて傾聴を行える高齢者傾聴スペシャリストは、介護現場で重宝される人材といえます。

    高齢者傾聴スペシャリストの資格取得のメリットは?

    介護スタッフが高齢者傾聴スペシャリストの資格を取得することで得られるメリットをご紹介しましょう。

    利用者さんとのコミュニケーションが円滑になる

    正しい傾聴スキルを身につけることで、利用者さんとのコミュニケーションがスムーズになります。また、傾聴におけるストレスの2つの側面、「利き手のストレス」と「話し手のストレス」の仕組みを理解し、対処法を学べることもメリットです。日々の会話の中で、「利用者さんがストレスを抱えていないか不安…」「自分自身がストレスを抱えている」といった悩みの解消にもつながるでしょう。

    利用者さんとの信頼関係構築に役立つ

    相槌・繰り返し・尋ね返し・リフレーム(肯定的な言い換え)など、さまざまな傾聴スキルを習得できます。スキルを駆使して親密なコミュニケーションをとることで利用者さんは気持ちよく話をしてくれるようになり、信頼関係を深めることができるでしょう。

    利用者さんの心のケアができようになる

    傾聴スキルを活かしたコミュニケーションを続けることで、利用者さんは徐々に心を開いて、会話してくれるようになるでしょう。そして、その思いを介護スタッフがしっかりと受け止めることで利用者さんに充実感や安心感を与えることができ、結果的に心のケアにつなげることができます。利用者さんの心の拠り所になれることも、高齢者傾聴スペシャリストのメリットといえるでしょう。

    高齢者傾聴スペシャリストの資格取得の方法は?

    高齢者傾聴スペシャリストの資格は、「高齢者傾聴スペシャリスト講座」を修了することで取得できます。では、詳しく解説していきましょう。

    受検資格なし!講座修了で資格取得

    高齢者傾聴スペシャリストの資格を取得できる講座は、ユーキャンの「高齢者傾聴スペシャリスト講座」のみです。受検資格はなく、年齢・国籍を問わず、誰でもチャレンジ可能!最終課題(検定試験)で70%以上の点数を取れば合格となります。

    テキストはたったの2冊

    メインテキストは2冊のみです。テキスト1は基礎編、テキスト2は実践編で体系的に学べる内容になっています。それぞれのテキストで学ぶ主な内容は次のとおりです。

    テキスト1基礎編…受容・共感・関心といった傾聴の基本・注意点・具体的なスキルなど
    テキスト2実践編…高齢者や認知症の方についての知識やストレス・マネジメントなど

    加えて、傾聴便利帳・ポイントチェックDVD・傾聴実践ノート・添削課題集などの副教材も充実しています。検定試験は自宅でいつでも受検できるので、忙しい方にもチャレンジしやすいでしょう。

    高齢者傾聴スペシャリストの合格までのスケジュールは?

    学習開始から資格取得までの標準的な期間は約3ヶ月です。1ヶ月目でテキスト 1の学習完了、2ヶ月目にテキスト2の学習を終え、3ヶ月目はテキストの各単元の末尾にある確認テストの回答を繰り返すことで知識を定着させます。学習を進める中で不明点・疑問点があれば、メールなどで質問することも可能です。もし何らかの事情で学習が遅れてしまっても、最長6ヶ月まではサポートを受けられます。

    高齢者傾聴スペシャリストは介護現場で今すぐに役立つ資格

    高齢者傾聴スペシャリストの資格を取得することで、利用者さんとのコミュニケーションが円滑になるだけでなく、信頼関係が深まり、心のケアまでできるのが大きなメリットです。また、利用者さんとの会話の中で生じる自身のストレスへの対処法なども学ぶことができます。在宅で受検可能なので、ぜひ資格取得を検討してみてくださいね。

  • 【認知症の介護に活かせる資格一覧】難易度は?どんな人におすすめ?

    【認知症の介護に活かせる資格一覧】難易度は?どんな人におすすめ?

    現在、認知症患者の増加の影響で介護職員向けの認知症関連資格がいくつも創設されています。認知症の利用者さんと接したときにじゅうぶんなケアができるよう、事前に資格を取っておくと安心です。本記事では、認知症の利用者さんを介護する際に役立つ資格一覧を掘り下げていきます。「介護職員としてのスキルアップに役立てたい」「認知症に関する理解を深めたい」そんな方はぜひ参考にしてください。

    【認知症の介護に役立つ資格一覧:その1】認知症予防レクインストラクター

    “認知症予防レクインストラクター”の資格は、認知症発症の予防と遅延、進行した際の遅延目的のレクリエーションを提供できることの証明になります。認定団体は『一般財団法人日本能力開発推進協会』。得点率70%以上で合格する資格です。
    資格取得後に身に付くスキルは、高齢者の心と体に関する知識、認知症の基本的な知識、認知症予防レクリエーションの企画と実践力など。認知症の方の身体・精神面の効果別レクリエーションの取り入れ方、介護現場での声掛け・進行方法の知識も学べる資格です。

    認知症予防レクインストラクターとして活躍するには、『一般財団法人日本能力開発推進協会』認定の“介護レクインストラクター”の資格も取得していなければいけません。それぞれ順に取得することもできますが、介護レクインストラクターの資格を持っていない方は、2つの資格を同時に取得できる講座の利用を検討しましょう。認知症予防レクインストラクターが活躍できる場は、有料老人ホームや特別養護老人ホーム、通所リハビリテーション施設などいくつもあります。介護業界で広く活躍できる“認知症の知識豊富な介護職員”を目指す方におすすめの資格です。

    <日本能力開発推進協会 認知症予防レクインストラクター>

    <認知症予防レクインストラクターとは?資格取得のメリットや受講方法>

    【認知症の介護に役立つ資格一覧:その2】認知症ケア専門士

    “認知症ケア専門士”は、認知症介護のプロ育成のために設けられた資格です。認定団体は『一般社団法人日本認知症ケア学会』。認知症介護で求められる深い知識、倫理観、高度なスキルが身に付く資格で、認知症介護のプロであることの証明になります。資格を取得するのは、介護福祉士をはじめ、ヘルパーや看護師、社会福祉士などです。認知症ケアに対する理解の浅い現在の介護現場では、適切なケアを行っているケースが少ない状態。専門的なケア方法を指導できる認知症ケア専門士は、介護現場で重要なポストを任される可能性もあるでしょう

    認知症ケア専門士は更新制の民間資格で、5年間で30単位以上取得して資格を更新しなければいけません。認定試験の合格率は2017~2021年の5年間で約5割と難易度がやや高めですが、介護業界では知名度が高く評価されやすい・求人が豊富などのメリットもあります。介護業界で活躍したい方には有利な資格と言えるでしょう。

    認知症ケア専門士の関連資格には、“認知症ケア上級専門士”や“認知症ケア准専門士”もあります。それぞれ難易度や受験資格が認知症ケア専門士と異なりますが、比較検討するのもいいでしょう。

    <一般社団法人日本認知症ケア学会 認知症ケア専門士>

    https://ninchisyoucare.com/senmonsi/Ssenmonsi.htm

    <認知症ケア専門士の受験資格が知りたい!認定試験の合格率や難易度も>

    【認知症の介護に役立つ資格一覧:その3】認知症介助士

    “認知症介助士”は、認知症を正しく理解して、さまざまな事例から適切な対応方法を習得した証明になる資格です。認定団体は『公益財団法人日本ケアフィット共育機構』。認知症介助士の研修対象者は、一般の個人や企業、市民です。家庭や職場、地域のような日常生活で役立つ認知症の方への対応方法が身に付く資格で、認知症の方が安心して暮らせる環境づくりを担うポジションにあたります

    認知症介助士の認定試験合格率は非公開ですが、9割以上の想定とされ、難易度は低め。創設から2年半で資格取得者数が10,000人を超える注目度の高い資格です。認知症介助士になると、地域社会の一市民という視点で認知症の方への適切な対応方法を学べる・介護職へ転職するときのアピール要素になるなどのメリットがあります。履歴書の資格欄にも記載できるので、転職時のアピールポイントが欲しい方におすすめの資格です。介護業界間の転職や医療業界から介護業界への転職など、さまざまなケースで役立つことが期待できるでしょう。

    <公益財団法人 日本ケアフィット共育機構 認知症介助士>

    https://www.carefit.org/dementia/

    <認知症介助士とは?資格取得のメリット・受験資格・合格率など>

    【認知症の介護に役立つ資格一覧:その4】認知症ライフパートナー

    “認知症ライフパートナー”は、認知症の方の生き方や経験、価値観を尊重して、その方らしく日常生活を送れるようサポートすることを目的とする資格です。サポートを行う対象者は、認知症の方ご本人はもちろん、ご家族も含まれます。認定団体は『一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会』です。

    認知症の基礎知識、思考や感情を理解するスキル、アクティビティの運営と計画といったさまざまなスキルが求められる認知症ケアの専門職となります。資格取得で身に付けた知識を認知症ケアに役立てるのが、認知症ライフパートナーとしての役割です。

    認知症ライフパートナーは1~3級に分かれていて、難易度や身に付く知識が異なります。基礎知識の習得を目指す3級をはじめ、2級、1級とより専門的な知識が盛り込まれていく資格です。2020年に実施された試験の合格率は、3級が約66%、2級は57%、1級は25%と徐々に低くなっています。資格取得のメリットは、業務をスムーズに進めるためのスキルが身に付く、認知症の方とケアをする方のストレス軽減につながるなどです。認知症の方をケアする際の負担を減らしたい方におすすめの資格と言えるでしょう。

    <一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会 認知症ライフパートナー>

    http://www.jadecc.jp/license/

    <認知症ライフパートナーについて知りたい!受験資格や難易度は?>

    【認知症の介護に役立つ資格一覧:その5】認知症ケア指導管理士(初級)

    “認知症ケア指導管理士”は、介護や医療現場で働く方の認知症に対する専門性と質の向上を目的とする資格です。

    『一般財団法人職業技能振興会』と『一般社団法人総合ケア推進協議会』の共同認定の資格で、初級と上級に分かれています。初級は資格や実務経験にかかわらず誰でも受験でき、すでに介護業界で働いている方、今後働きたいと考えている方も対象です。

    2010~2021年に実施された試験の合格率は約6割。受験資格の条件と合格率のハードルは上がりますが、認知症ケアの指導者としての専門性をより高めたい方は、“上級認知症ケア指導管理士”の資格取得も検討してみましょう

    認知症ケア指導管理士には、実務経験が問われないので受験しやすい・転職で有利になるなどのメリットがあります。認知症ケア加算がある特別養護老人ホームや介護老人保健施設への転職時に効果的な資格なので、転職先の候補に入れている方におすすめしたい資格です。

    <一般財団法人 職業技能振興会 認知症ケア指導管理士(初級)>

    https://fos.or.jp/%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%82%B1%E3%82%A2%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%A3%AB%E5%88%9D%E7%B4%9A/

    <認知症ケア指導管理士はどんな資格?受験しやすい理由やメリットとは>

    認知症の介護に役立つ資格一覧をチェック!資格取得の検討を

    認知症の利用者さんに接するときは、気持ちに寄り添った介護を心掛けることはもちろん、じゅうぶんな知識を身に付けたうえで、行き届いたケアを行うことが大切です。資格の取得は介護職員として働く際の自信にもつながります。ご紹介した認知症関連の資格一覧を例に、“質の高いケア”を目指して取得を考えてはいかがでしょうか。

  • 高齢者の骨折が怖い理由って?介護職が知っておきたい予防策

    高齢者の骨折が怖い理由って?介護職が知っておきたい予防策

    高齢者の骨折は、介護の現場では身近なリスクのひとつでしょう。加齢によって骨がもろくなる方が多いため、日常のささいな衝撃やつまずきでも骨折してしまうことがあります。介護スタッフの中には、利用者さんが骨折した際に上手く対応できなかった経験のある方も多いのではないでしょうか。今回は高齢者の骨折の原因や骨折後の症状、予防策についてまとめました。高齢者の骨折の危険性について、しっかりと学んでおきましょう。

    70代から急増?高齢者が骨折しやすい原因

    高齢者、特に70歳以降になると急増するといわれている骨折には、次の3つの原因があるとされています。

    筋力低下によって転倒しやすくなる

    筋肉量は加齢とともに減少し、70歳を過ぎる頃には20代のおよそ4割まで減ってしまうといわれています。さらに、運動不足も筋力低下を加速させる原因のひとつです。

    皮下脂肪の減少によって転倒時の衝撃を受けやすくなる

    転倒時、皮下脂肪や皮膚を形成する皮下組織は、骨を守るクッションとして機能します。しかし、これらは加齢とともに減少してしまうため、衝撃が骨へダイレクトに伝わりやすくなってしまうのです。

    骨粗しょう症で骨の強度が落ちている

    骨量が減少することで骨がもろくなる骨粗しょう症は、加齢とともに増加する疾患です。年代別で見ると60代から増え始め、70代になると2人に1人の割合で罹患しているというデータも。症状が出ているにもかかわらず治療を受けないことも多く、骨折を繰り返す方もいるようです。

    骨粗しょう症は骨折以外に、背中や腰が大きく曲がってしまう「老人性円背」を引き起こすこともあります。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

    高齢者が骨折しやすい部位は?

    高齢者の骨折が起こりやすいのは、次のような部位です。

    足の付け根(大腿骨近位部骨折)

    太ももの骨(大腿骨)の足の付け根に近い部分の骨折です。転倒して尻もちをついたときに発生しやすいといわれています。

    大腿骨を骨折してしまうと激痛で移動もままならないため、救急車で病院に搬送されることになるでしょう。特に関節の外側が折れた場合(外側骨折)だと出血も伴うため、早急な処置をしなくてはなりません。ただ、骨折の程度によっては折れていても普通に歩ける方もいるため、注意が必要です。

    胸から腰にかけての背骨(脊椎椎体骨折)

    骨の強度が低下し、積み重なった背骨(円盤状の骨)がつぶれることで起こります。高齢者の場合には、ささいな動作でも簡単に折れてしまうことがあるため、注意が必要です。

    骨折直後は強い痛みを伴いますが、安静にすることで徐々に快方に向かいます。ただ骨粗しょう症が進んでいる場合には、骨折から何ヶ月も経過してから足のしびれや痛み、動きにくさなどの症状が出ることもあるようです。

    腕の付け根(上腕骨頚部骨折)

    腕の付け根(肩部分)の骨折です。転倒時に肩を強打したり、手や肘をついたりした場合に起こりやすくなります。上腕骨頚部骨折は激痛を伴い、肩を動かすことができません。場合によっては、脱臼や手のしびれを併発することもあります。

    手首(橈骨遠位端骨折)

    腕の付け根の骨折と同様に、転倒して手をついたときに折れやすい部分です。骨折時には手首の痛みや腫れがありますが、程度によってはあまり症状が出ず、打撲や捻挫と間違われることも。利用者さんが「手に力が入らない」「手のひらの感覚に違和感がある」といった症状を訴えていた場合には骨折の可能性を考えてみましょう。

    高齢者の骨折の治療方法

    高齢者の骨折の治療方法には、主に「手術療法」と「保存療法」の2つがあります。

    手術療法

    手術によって、骨折部位にネジや金属などを挿入して固定したり、折れた骨を人工物に入れ替えたりする方法です。高齢者だと手術による身体的負担に耐えられない場合もあるため、健康状態が良好であることが治療の条件になります。

    保存療法

    手術をせず、骨折が治るまで数週間から数ヶ月間、安静にする方法です。骨折部位の状態が安定していて折れた骨がくっつく可能性が高い場合や、手術が難しい健康状態の場合には、保存療法が選択されます。

    しかし、高齢者の骨折では、長期間にわたって安静にすることが筋力低下や認知症など別の症状につながることも少なくありません。そのため、可能な範囲で手術療法に切り替え、早期にリハビリが開始できるよう努めることが重要です。

    高齢者の骨折予防に効果的な方法

    高齢者の生活には、常に骨折のリスクが伴います。介護職はそのことをよく理解し、次のような予防策を実践してみましょう。

    転倒しにくい環境の整備

    利用者さんの身の回りに危険なところがないか、丁寧にチェックしましょう。
    例えば、次のような場所は注意が必要です。

    • つまずきやすい段差がある
    • 視界が悪い
    • 滑りやすい
    • 手すりなどのつかまるものがない
    • 足元に電気コードなどがある

    見慣れた場所だとスタッフも利用者さん本人も安全だと思い込んでしまいやすくなります。そういう場所こそ「危険かもしれない…」と疑ってみてください。

    適度な運動

    筋力低下を防ぎ、転倒リスクを下げるためには日常的な運動が欠かせません。また、日光によって体内にビタミンDが生成されると、骨の健康維持にもつながります。

    熱中症リスクが高まる暑い日には、室内で階段を上り下りするだけで十分です。身体的な事情から運動が難しい方は、日光浴だけでもいいでしょう。負担に感じることのないよう、利用者さんのペースに合わせた運動を提案してみてください。

    栄養バランスのいい食事

    高齢者の骨折を引き起こす骨粗しょう症を予防するためには、食事と運動が大切といわれています。特に、骨をつくるカルシウムは積極的に摂取したい成分。あわせて、カルシウムの吸収を助けるビタミンD・ビタミンKも摂れるような食事が理想です。

    おすすめの食材としては、

    • カルシウムを多く含む:牛乳・小魚・大豆・小松菜・ひじきなど
    • ビタミンDを多く含む:青魚・キノコなど
    • ビタミンKを多く含む:納豆・レバー・モロヘイヤなど

    日々の食事から摂取できるよう、施設の献立も工夫してみましょう。

    高齢者の骨折は寝たきりになるリスクも…

    高齢者の骨折が怖い理由は、骨折によって要介護や寝たきりの状態になる方が多くいるからです。手術によって骨折前と同じ生活が送れるようになる方もいますが、身体的負担の大きさから手術を断念せざるを得ず、日常生活が難しくなるケースも少なくありません。

    高齢者の方が長く自立した生活を送るためには、骨折を予防することが何よりも重要なのです。

    高齢者の健康のためには骨折予防の習慣化が大切!

    高齢者の骨折は、軽い転倒やつまずきなど、日常のささいなことが原因となることも多いです。そして、介護なしで自立した生活を送れていた利用者さんが、骨折によって急に寝たきりになることも少なくありません。だからこそ日頃から骨折の危険性を意識し、予防することが大切です。介護職はそのことをよく理解し、利用者さんの健康を守れるよう正しい知識を身につけておきましょう。

  • 耳が遠い高齢者への接し方は?介護職が知っておきたいポイント

    耳が遠い高齢者への接し方は?介護職が知っておきたいポイント

    介護の現場では、加齢性難聴で耳が遠い利用者さんと接する機会が多いものです。皆さんの中にも聞こえづらい高齢者への接し方に悩んでいる、という方がいるのではないでしょうか。しかし、話し手のちょっとした工夫で難聴の方ともスムーズに会話ができるようになります。今回は、加齢性難聴がどのような症状なのかを解説するとともに、耳が遠い高齢者への接し方をご紹介しましょう。ぜひ、聞こえづらい利用者さんと会話をする際に役立ててください。

    加齢性難聴とは

    耳が遠い高齢者への接し方を紹介する前に、高齢者に多くみられる「加齢性難聴」について解説します。加齢性難聴とは、加齢と共に音が聞こえづらくなる症状です

    聴覚は、鼓膜と耳小骨(じしょうこつ)を伝わってきた音が、内耳(ないじ)の感覚細胞を振動させて電気信号になり、脳まで伝わることで成り立ちます。加齢性難聴は、内耳の感覚細胞が年齢によって減少していくことで起こる病気です。

    残念ながら一度失われた感覚細胞をもとに戻すことはできません。しかし、補聴器を使うことによって生活に必要な音を聞き取ることが可能です。

    加齢性難聴の特徴

    ここでは加齢性難聴の特徴を紹介します。耳が聞こえづらい高齢者への接し方を考えるうえで非常に大切なポイントなので、ぜひ覚えておいてください。

    高い音から聞こえづらくなる

    一般的に加齢性難聴は、体温計の音や家電製品の電子音、電話の呼び出し音など、高い周波数の音から聞こえづらくなります。症状が進むと、会話などが聞き取りづらくなるでしょう。

    割れたりゆがんだりした音に聞こえる

    音に含まれる微妙な周波数の違いが分からなくなるので、音が割れたりゆがんだりして聞こえます。それに伴って、「うし」を「いし」と、「タンス」を「パンツ」と聞き間違えるなど、言葉の違いも判別しづらくなり、会話やコミュニケーションに支障をきたすようになるでしょう。

    症状に気づきづらい

    前述したとおり、加齢性難聴は電子音などの高い音から聞こえづらくなります。そのため初期のころはなかなか聞こえづらさを自覚できません。症状が進み、会話やテレビ、ラジオなどの音が聞こえにくくなって初めて「なんだか聞こえづらいな」と感じるケースが多いようです。

    早口が聞き取りにくい

    加齢性難聴になると、内耳から脳へと伝わるはずの多くの情報が経路の途中で欠落するため、耳に入ってきた言葉の内容を理解するのに時間がかかります。そのため、早口の言葉が聞き取りづらくなるのです。この症状を「時間分解能の低下」と言います。

    テレビで若いタレントさんが早口で話している内容を聞き取れず、家族が笑っているのにおじいちゃんやおばあちゃんだけ笑っていないというケースは、時間分解能の低下の典型的な一例でしょう。

    小さな音は聞こえづらいが大きな音はうるさく感じる

    テレビの音が聞こえづらそうだったのでボリュームを上げると、騒がしいシーンで「音が大きすぎる」と驚かれた、という経験をしたことはありませんか。また、何度呼びかけても返事がないので大声で呼びかけたら「そんな大きな声を出さなくても聞こえる!」と利用者さんに怒られた…という方もいるでしょう。これらのトラブルは、加齢性難聴が原因かもしれません。

    加齢性難聴になると、小さな声は聞き取りづらいのに、大きな声はうるさく感じるようになります。これは、「リクルートメント現象」と呼ばれるもので、一定以上の大きさの音が通常よりも響いて聞こえて苦痛に感じてしまう症状です。

    耳が遠いと認知症や鬱の原因に

    加齢性難聴は認知症や鬱の引き金になってしまうことがあります。難聴になると、耳から脳へと伝達される情報量や音による刺激が極端に少なくなってしまい、脳の萎縮や神経細胞の弱まりが進んでしまうとされているのです。

    また、難聴になると相手の言うことが正確に聞き取れず、何度も聞き返して怒らせてしまったり、会話がかみ合わなくなったりします。中には、「何度も聞き返すのは申し訳ない」と思って、そのまま黙ってしまったり、分かったりをしたりする方もいるでしょう。

    このように、コミュニケーションがうまく取れない経験を繰り返してしまうと、他人と交流するのが怖くなったりわずらわしくなったりする恐れがあります。その結果、人と接する機会を避けるようになってしまうかもしれません。社会交流が減った高齢者は認知機能が低下するだけでなく、抑うつ状態に陥ってしまうこともあるのです。

    耳が遠い高齢者への接し方のポイント

    加齢性難聴の方とのコミュニケーションをスムーズにするには、いくつか気をつけたいことがあります。ここでは、接し方のポイントを具体的にご紹介しますので、耳が遠い利用者さんと会話する際の参考にしてください。

    まず相手の注意を引く

    難聴の方は、話の始まりを聞き逃してしまうことが多いので、耳が遠い高齢者と会話するときは、いきなり話しかけるのではなくまず相手の注意を引きましょう。注意を引くことで、相手に「今から話しかけられるんだな」という心の準備をしてもらうのです。

    具体的には、視線を合わせたり、「○○さん」「ちょっといいですか?」などと声をかけたりしてください。身を乗り出したり、手や体に触れたりするなど、身振りで合図をするのもよいでしょう。ただし相手の身体に触れる際は、びっくりさせたり不快に感じさせたりしないよう、きちんと配慮することが大切です。

    相手の顔を見て話す

    真正面から話しかけるようにするのも耳が遠い高齢者への接し方のポイントです。相手の横や後ろから話しかけると聞き取りづらいですし、耳元で話しかけるとコミュニケーションを楽しめません。

    会話をするときは相手と向かい合って、顔を見ながら話しかけましょう。口の動きを見せてあげることで、言葉が理解しやすくなります。また、相手の表情を確認しながら、声の大きさを調節しましょう。お互いの表情が見えることで、心の動きも伝わりやすくなります。片耳に補聴器を付けている方と話すときは、付けている側から話しかけるようにしてください。

    いつもより大きめの声でゆっくりと話す

    耳が遠い高齢者への接し方で、やってはいけないのが「早口で話すこと」です。加齢性難聴の方は音を聞いてから意味を理解するまでに時間がかかってしまうので、早口で話しかけられるとスピードについていけません。普段よりも少し大きめの声で、ゆっくり話しかけましょう。

    話すときは言葉の始まりに注意して、一音一音を区切るのではなく、「今日は・良い・天気ですね」という風に、言葉のまとまりで区切ってください。また、カ行・サ行・タ行・パ行の音は特に聞き取りづらいので、聞き取りやすいよう明確に発音しましょう。

    筆談や身振り手振りも交える

    耳が遠い高齢者との接し方で大切なのは、視覚的に理解できるように工夫することです。筆談や身振り、手振りなども積極的に交えましょう。話し手がマスクをしていると口元が隠れ、言葉も不明瞭になってしまいます。筆記具や紙、文字盤やイラストを指すことで意思を伝えられるコミュニケーションボードなどを持ち歩き、活用するのもおすすめです。

    大切なのは「伝えたい」という思いを持つこと

    加齢性難聴の利用者さんとなかなか意思疎通ができず、イライラしてしまう…ということもあるでしょう。しかし、一番不便な思いをしているのは、ほかでもないご本人です。加齢性難聴の症状をしっかりと理解して、「どうすれば相手が理解しやすいか」を考えて話しましょう。それが、耳が遠い高齢者への接し方で大切なことです。

  • 梅のことわざで楽しむ!6月のレクリエーションにおすすめの問題6選

    梅のことわざで楽しむ!6月のレクリエーションにおすすめの問題6選

    6月は、その年に収穫した梅を使い、梅酒や梅干しなどを作る月といわれています。梅仕事の季節とも呼ばれ「梅の日」や「梅酒の日」など、梅にまつわる記念日が多いことが特徴です。こうした6月だからこそ、レクリエーションにも梅を取り入れてみてはいかがでしょうか。そこでこの記事では、梅のことわざで楽しむ6月のレクリエーションにおすすめの問題を6つ紹介していきます。

    梅のことわざで楽しむレクリエーションの方法

    梅のことわざでレクリエーションを楽しむなら、脳トレにもなる「穴埋めクイズ形式」がおすすめです。ルールは簡単で、ことわざの一部を空欄にし、そこに入る言葉を利用者さんに当ててもらうというもの。梅にまつわることわざは多数ありますが、問題にする際は次のようなことわざを出題してみてはいかがでしょうか。

    梅のことわざ1「梅はその日の●のがれ」

    意味:朝出かける前に梅干しを食べると、その日に悪いことが起きない

    答えは「2.難(梅はその日の難のがれ)」。かつての旅人が、旅先でその土地特有の病気にかからないため、梅干しを薬として携帯していたことが起源といわれることわざです。梅が持つ殺菌効果については、学問的に認められています。今でも、旅館などでは朝食に梅干しが出されることもあるようです。

    梅のことわざ2「梅根性に●根性」

    意味:頑固で変わらない性格と頑固に見えて変わりやすい性格のこと

    答えは「1.柿(梅根性に柿根性)」。梅は煮ても焼いても酸っぱさが変わらないことから、頑固で変わらない性格を梅根性と呼びます。ポジティブにいえば、何事にも頑張る性格のことです。一方で、柿は焼いたり干したりすれば一晩で甘くなることから、頑固そうに見えて変わりやすい性格のことを柿根性と呼び、対比させています。

    梅のことわざ3「梅は食うとも●食うな 中に天神寝てござる」

    意味:生の梅の種には毒があるため、食べてはいけないという戒め

    1. 核(さね)

    答えは「3.核(梅は食うとも核食うな 中に天神寝てござる)」。天神さまとは、菅原道真(すがわらのみちざね)のことで、梅を愛した人物であったことから、これらの俗信が生まれたといわれています。実際に、生の梅や青梅の核には食べると腹痛や中毒を起こす成分が含まれているため、食べないよう注意するために伝わっていることわざです。なお、腹痛や中毒を起こす成分は、梅が完熟するとなくなります。

    梅のことわざ4「梅は●より香あり」

    意味:才能がある方や将来大成する人物は、幼い頃からその傾向があること

    答えは「1.蕾(梅は蕾より香あり)」。梅が蕾のときから良い香りを漂わせる様子を、人になぞらえて表現していることわざです。同じ意味のことわざには、白檀(びゃくだん)を使った「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」があります。

    梅のことわざ5「●を切るばか、梅切らぬばか」

    意味:性質に合わせた手のかけ方をすることが大切である

    1. 椿

    答えは「2.桜(桜切るばか、梅切らぬばか)」。桜は枝の切り口から菌が入りやすいため、むやみに剪定する必要はありません。しかし、梅は必要のない枝を切らないと木の形が崩れ、花や実にも影響が及びます。それぞれの木に応じた手のかけ方があることを伝えることわざです。

    梅のことわざ6「梅と桜を●●に持つ」

    意味:良いことが起こった後に、さらに良いことがあること

    1. 片手
    2. 左右
    3. 両手

    答えは「3.両手(梅と桜を両手に持つ)」。香りが良い梅と見た目が美しい桜、良いものを両手に持つさまを表現し、良いことの上に良いことがさらに起こる様子を表しています。「両手に花」と同じ意味で使われており、平安時代の終わり頃に編纂された「後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)」の一説が由来とされることわざです。

    梅のことわざレクで6月の季節感を味わおう!

    梅にまつわることわざは、調べていくと意外に多いもの。よく知られていることわざもあれば、初めて知るものもあるかもしれません。そのため今回紹介したように、答えの選択肢を用意しておくと、難しくて断念する利用者さんが減るかもしれませんね。梅のことわざレクで、6月ならではの季節感を味わってみてはいかがでしょうか。

  • 高齢者に喜ばれる梅を使ったレシピ3選!美味しく疲労回復しよう

    高齢者に喜ばれる梅を使ったレシピ3選!美味しく疲労回復しよう

    [btp_line]6月6日は梅の日[/btp_line]です。食欲不振やだるさを感じる高齢者が増えてくる6月からの季節におすすめなのが、梅を使ったメニュー。梅に含まれる成分が、蒸し暑い時期を元気に乗り越える力となるかもしれません。今回は、梅を食べることで期待できる健康効果をはじめ、旬の梅の味わいが楽しめるおすすめレシピをご紹介します。施設の食事メニューに取り入れるのはもちろん、利用者さんの調理レクリエーションのヒントとしてもお役立てください。

    疲労回復にも!梅の効果とは

    まずは梅が持つとされる健康効果について見ていきましょう。

    食糧難の時代にも日本人の栄養源となった梅

    古くから健康維持や疲労回復に役立つと言い伝えられてきた梅。戦国時代には、激しい合戦で息切れを起こした際に、唾液の分泌を促し呼吸を整える薬として梅干しが用いられたといわれています。さらに戦時中には、ご飯の真ん中に梅干しをのせた「日の丸弁当」で、食糧難の時代を乗り越えたといわれるほどです。
    梅は日本人が誇るソウルフードの1つと言っていいでしょう。

    梅のすっぱさのもとである酸が疲れに効く

    梅のすっぱさは主にクエン酸という成分によるものです。クエン酸は、疲労物質である乳酸の分解を早めて老廃物の蓄積を防ぐ働きがあります。[btp_line]疲れた体を回復[/btp_line]させるのに、梅が持つクエン酸のパワーを取り入れることは効果的です。

    さらに梅には、高齢者にうれしい効果も。高齢者は、飲み込む力が低下し食欲不振になりがちですが、梅の酸味によって[btp_line]唾液が増える[/btp_line]と食べ物を飲み込みやすくなります。さらに、梅の強烈な酸味は、梅を見ただけでも味わったときの記憶を呼び起こすほど。梅の視覚的な刺激も、[btp_line]食欲をアップさせる[/btp_line]効果が期待できるでしょう。

    梅を使った高齢者に喜ばれるレシピ3選

    ここでは梅を使ったレシピを3つご紹介しましょう。香り高い梅の風味を楽しみながら、疲労回復効果が期待できるレシピばかりです。

    【梅を使ったレシピ1】梅干し

    完成を待つ間もワクワクできる梅干し作り。利用者さんとスタッフが協力して梅干し作りを行っている高齢者施設もあります。

    <材料(作りやすい分量)>

    • 完熟梅…2キロ
    • 焼酎(アルコール35度以上)…大さじ2
    • 塩(梅の塩漬け用)…300グラム
    • 赤じそ…300グラム
    • 塩(赤じそ用)…45グラム

    <作り方>

    1. たっぷりの水に梅を半日浸してアクを抜いてください。
    2. 竹串で梅の黒いヘタを取り除き、ふきんを使って1個ずつしっかりと水気を拭き取ります。
    3. 2の梅を入れたポリ袋に、焼酎・塩200グラムを入れてなじませましょう。
    4. 漬物容器の中を焼酎(分量外)で拭いて消毒し、3を入れて塩100グラムを加えます。
    5. 熱湯消毒をした落としぶたをのせて、さらに4キログラムの重石をのせてください。
    6. 冷暗所に10日ほど置き、梅酢が上がって梅全体が浸かったら、重石を2キログラムのものに替えます。
    7. 赤じその汚れを水で落として水気を切り、ポリ袋に入れて塩の半量を加え、よく揉み込みましょう。
    8. 赤じそを絞ってアクを捨てます。さらに残りの塩をすべて加えて、再び揉み込んで絞り、アクを捨ててください。
    9. 赤じそを別の容器に移し、6の梅酢をお玉1杯分加えてほぐすと赤く染まります。
    10. 6の梅に9の赤じそを梅酢ごと加え、熱湯消毒をした落としぶたをのせて20日以上漬けたら完成です。

    【梅を使ったレシピ2】梅酢ちらし寿司

    梅干しを作ったときに出る梅酢を有効活用するちらし寿司です。さっぱりとした梅酢の味わいが引き立ち、食欲増進が期待できますよ。

    <材料(4人分)>

    • 米…2合
    • 梅酢…大さじ2
    • 枝豆…50グラム
    • コーン…20グラム
    • 釜揚げしらす…30グラム
    • 千切り紅しょうが…20グラム
    • 大葉…適量
    • 白ごま…適量

    <作り方>

    1. 洗った米を、通常の水加減から大さじ2程度少なくした水で浸水し炊きます。
    2. 炊きあがったら寿司桶やボウルにご飯を移し、梅酢をかけてしゃもじで切るように混ぜましょう。
    3. 枝豆・コーン・千切り紅しょうがを加えて混ぜ込み、千切りした大葉・釜揚げしらす・白ごまを盛り付けて完成です。

    【梅を使ったレシピ3】梅ジュース

    爽やかな香りの梅ジュースは、電子レンジを使って抽出した梅エキスを利用して作ります。青梅を使うとえぐみが出てしまうため、黄色い完熟梅を使うのがおすすめです。市販のジュースとは一味違う美味しさが堪能できますよ。

    <材料(約5杯分)>

    梅エキス(約80ミリリットル分)

    • 黄色い完熟梅…200グラム

    ジュース(1人分)

    • 砂糖…大さじ1
    • 水…150ミリリットル

    <作り方>

    1. 梅をやさしく洗い、竹串でヘタを取り除いたあと、しっかり水気を切ってください。
    2. 1を耐熱容器に入れてラップし、電子レンジ600ワット・1分40秒加熱します。
    3. 加熱後、ラップの片側を少しめくり、梅から出たエキスを別の容器に移しましょう。
    4. 再びラップをかけ直し、2~3の作業を梅エキスが出なくなるまで5~6回繰り返します。
    5. 梅エキスをクッキングペーパーで濾してください。
    6. 砂糖を加えた水に、5の梅エキス大さじ1を混ぜたら1人分の梅ジュースが完成。水を焼酎に代えるとドライな飲み口の梅酒も楽しめます。

    梅を使ったレシピで美味しく元気に!

    施設利用者の方の中には、梅干しや梅ジュース作りの経験者も多くいらっしゃるでしょう。梅のヘタを一つひとつ取る工程などを皆で行うと、いつもとは違う真剣な表情が見られるかもしれません。梅の爽やかな酸味を楽しみながら、暑くなり始める季節を元気に過ごしましょう。

  • 特定看護師とは?介護現場での役割や研修概要と費用・助成金まとめ

    特定看護師とは?介護現場での役割や研修概要と費用・助成金まとめ

    2015年に制度がスタートした「特定看護師」を知っていますか?特定看護師になると、一定の条件のもと、看護師資格のみではできなかった医療行為ができるようになります。患者さんに対してタイムリーな対応が可能になるため、医療・介護現場で需要が高まっている特定看護師。今回は「特定看護師とは?」という基礎知識から、特定看護師になるための研修について詳しく解説します。キャリアアップにもつながるので、ぜひチェックしてくださいね。

    特定看護師とはどのような資格?

    特定看護師とは、2015年10月1日に施行された「特定行為に係る看護師の研修制度」によって生まれた名称です。その呼び名から資格名だと誤解するかもしれませんが、特定看護師という資格はありません。では、特定看護師とはどのような看護師なのでしょうか。

    特定看護師とは

    特定看護師とは、特定行為研修を修了し、特定行為を行う高度な知識・技能・判断力があると評価された看護師のことです。患者さんに病状の変化が見られる場合、通常であれば毎回医師に報告して指示を仰いで対応します。特定看護師になると、医師が作成した「手順書」をもとに、特定看護師の判断で「特定行為」と呼ばれる範囲内で医療行為を行うことが可能です。

    特定行為と手順書

    特定看護師が特定行為を実施するときは、以下の流れで行います。

    1. 医師が診察後、手順書で特定行為を指示
    2. 病状の変化が見られる場合、特定看護師が手順書の「患者の病状の範囲」を確認(病状の範囲外の場合は、その時点で医師に報告)
    3. 特定看護師が手順書の「診療の補助内容」に従って処置
    4. 手順書の方法に従って、特定看護師から医師へ結果と状態を報告

    医師が作成する手順書とは、特定看護師への指示書のようなもの。患者さんの症状から想定される病状に対して、あらかじめ医師から特定行為が指示されます。手順書に記載されている項目は、以下の6項目です。

    1. 看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲
    2. 診療の補助の内容
    3. 当該手順書に係る特定行為の対象となる患者
    4. 特定行為を行うときに確認すべき事項
    5. 医療の安全を確保するために医師又は歯科医師との連絡が必要となった場合の連絡体制
    6. 特定行為を行った後の医師又は歯科医師に対する報告の方法

    (引用:厚生労働省公式サイト)

    特定看護師が行う特定行為とは、手順書に従って行える医療行為のことで、38の行為があります。詳細は厚生労働省の公式サイトに掲載されていますが、ここでは呼吸器に関連する特定行為の一例を挙げてみました。

    【特定行為】

    経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整

    【特定行為の概要】

    手順書に記載の病状の範囲であることを確認し、適切な部位に位置するように、経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの深さの調整を行う。

    他の資格との違い

    看護師には、専門看護師や診療看護師という資格があります。専門看護師とは、特定の専門看護分野に必要な知識・技術を有する看護師を認定する日本看護協会の資格。特定看護師は行える特定行為が具体的に定められているのに対し、専門看護師は専門看護分野において広い役割を持っている点が両者の違いです。

    診療看護師(NP)とは、NP教育課程を履修し、資格認定試験に合格すると取得できる民間資格。NPは、医師の指示や手順書に従って一定範囲の医療行為ができる看護師です。特定看護師と似ていますが、診療看護師は大学院で履修した広い範囲の特定行為が行えます。

    特定看護師のメリットとは

    特定看護師の存在は、患者さん側と医療従事者側、双方にメリットがあります。

    患者さんにとってのメリット

    患者さんに病状の変化があった場合、これまでは医師に報告して指示を仰ぐ必要がありました。早急な処置が必要な場合に医師の指示を待つ間は、患者さんにとって不安な時間ではないでしょうか。そのようなときに特定看護師がいれば、医師からの指示を待たずタイムリーに対応できるので、病状の悪化を防ぎ早期回復につながるという大きなメリットがあります。

    医師にとってのメリット

    日本では、慢性的な医師不足や医師の過重労働が問題になっています。そこで医師への負担軽減が期待されるのが、特定看護師の存在です。特定看護師の判断で特定行為を行えば、これまで病状の報告を受けて指示を出していた医師の負担が軽減します。また在宅診療の現場に特定看護師がいれば、医師が訪問することなく迅速に対応できるため、訪問回数を減らすことも可能になるかもしれません。

    看護師にとってのメリット

    患者さんの異変に気づき早急な処置が求められる場面で、医師の判断を待たなければ何もできないことに、もどかしい思いをした経験はないでしょうか。特定看護師なら手順書をもとに自身の判断で特定行為が行えるため、仕事の幅が広がります。判断力とスピーディーな対応が必要とされる急性期医療や、一人で訪問することが多い在宅医療など活躍できるフィールドが広がり、やりがいも感じられるでしょう。また、キャリアアップにつながることや給与アップが期待できる面も、看護師にとって大きなメリットです。

    特定看護師の活躍で変わる医療介護現場の例

    たとえば、患者さんに脱水症状がみられた場合、通常の流れでは医師に報告して指示を受けてから点滴を実施します。症状から点滴が必要であると分かっていても、医師に連絡を取って指示を仰いでいる間は点滴をすることができません。一方で特定看護師の場合、手順書に「脱水症状があれば点滴を実施」と医師から指示されていれば、脱水症状が確認できた時点で点滴の実施が可能です。病状報告して指示を待つ間のタイムラグがないため、患者さんは早期に適切な処置が受けられます。

    特定看護師に求められる役割とは

    これからの医療現場において特定看護師が特に求められるのは、在宅医療における活躍です。高齢化社会の日本では、通院が困難となり在宅医療に切り替えるケースが多く見られます。在宅医療のニーズが高まる一方で、医師不足により訪問回数の確保が難しいのが現状です。特定看護師が訪問すると、処置を要するとき医師の指示を待たずにその場で対処できます。特定看護師は、増加が見込まれる在宅医療の現場で、ますます求められる存在となるでしょう。

    特定看護師になるには?

    特定看護師になるためには、厚生労働大臣が指定する機関での特定行為研修を修了しなければなりません。修了まで約5ヶ月~2年間という長丁場ですが、e-ラーニングを導入している研修機関も多いため、働きながら受講できます

    対象者

    厚生労働省では、看護師免許以外の受講要件について明確な規定はありません。しかし特定行為研修を実施する機関によっては、受講対象者の要件を設けていることもあります。主な要件は以下のとおりです。

    • 看護師免許(准看護師免許は不可)
    • 通算3~5年以上の実務経験
    • 勤務先の施設長からの推薦

    受講要件は研修機関ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

    研修の概要

    特定行為研修は、共通科目と区分別科目に分かれています。指定研修機関で講義・演習・実習が実施され、講義と演習については多くの機関でe-ラーニングを導入しています。

    科目共通科目区分別科目
    研修内容全ての特定行為区分に共通して必要とされる能力を身につけるための研修特定行為区分ごとに必要とされる能力を身につけるための研修
    時間数250時間区分により5~34時間

    区分別科目は、上記の時間数とは別に区分に含まれる行為ごとに5~10症例の実習が必要です。特定行為研修修了後、研修機関から修了証が交付されます。

    受講費用と給付金・助成金制度

    特定行為研修の受講費用は、約30~250万円。指定研修機関や研修を行う区分別科目により費用が変わるため、受講費用に幅があります。費用の詳細は、指定研修機関に確認しましょう。特定行為研修を実施している研修機関は、厚生労働省の公式サイトで確認できます。

    講する区分科目によっては受講費用が高額になりますが、受講費用の助成制度があるので活用するとよいでしょう。指定研修機関によってはハローワークの「教育訓練給付制度」が利用可能で、受講費用の一部が支給されます。また、都道府県が支給元の「看護職員の資質向上支援事業」では、受講料や勤務先に向けた代替え職員の人件費を補助。支給要件については、ハローワークや各都道府県の医療介護人材課に確認してください。

    仕事の幅が広がりキャリアップにもなる特定看護師

    特定看護師とは、目の前の患者さんに、適切な医療をスピーディーに提供できる看護師です。特定看護師になると仕事の幅が広がり、やりがいも感じられるでしょう。今後、高齢化が進むことが懸念される日本。在宅医療・介護の現場における特定看護師は、患者さん側と医師側、双方から求められる存在です。キャリアアップにもつながるので、特定行為研修の受講を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 介護現場でも進むワークシェアリングとは?メリットデメリットもご紹介

    介護現場でも進むワークシェアリングとは?メリットデメリットもご紹介

    高齢化社会が進んでいる現代社会では介護の必要性が高まり、同時に、少子化によって労働人口の減少が進み、介護業界に携わる人材不足も発生しています。そこで注目されているのが、「ワークシェアリング」。企業側だけでなく、働き手にとっても多くの利点がある仕組みの1つです。ワークシェアリングの具体的な内容をはじめ、メリットデメリットなどをご紹介しましょう。

    ワークシェアリングとは?

    まずは、ワークシェアリングとはどのような働き方を指すのか、詳しくご紹介します。

    ワークシェアリングの概要

    「ワークシェアリング」とは、[btp_line]1つの業務を複数人で分担する働き方[/btp_line]のことです。「ジョブシェアリング」と呼ばれることもあり、1人あたりの労働時間を大幅に軽減できる点が大きな特徴。介護業界はもちろん、看護や工場系の仕事など、さまざまな職業で注目・活用されています。

    ワークシェアリングが介護業界で注目されている背景

    ワークシェアリングは、1つの仕事を複数人で行うため、1人あたりの仕事量を軽減させ、労働時間を短く設定することが可能です。その結果、より幅広い方にとって働きやすい環境が整い、人が集まりやすくなる(敷居が下がる・間口が広がる)ため、人材不足解消を目指せることから、介護業界での注目が高まっています。

    また、介護の仕事は、利用者さんの命を預かる仕事です。専門的な知識やスキルを持った人材の確保も欠かせません。介護人材を少しでも多く確保するために、ワークシェアリングの導入が注目されています。

    介護現場におけるワークシェアリングのメリット

    続いては、介護現場における、ワークシェアリングのメリットをチェックしていきましょう。

    自由な働き方が選択できる

    ワークシェアリングは、1日あたりの労働時間が短いことが特徴です。そのため、小さな子供がいてフルタイムで働くのが難しい方・体力的に長時間労働が難しい方にとっても、自由な働き方が選択できます。プライベートの時間を確保しつつ、快適なワークスタイルが確立できるでしょう。

    まずはお試し感覚で働ける

    ワークシェアリングは、正社員のように毎日出勤して長時間勤務するワークスタイルではありません。働く場所によっても異なりますが、1日数時間程度の勤務で良いため、お試し感覚で働くことができます。今まで介護に携わったことがない方や、興味はあるけれど一歩踏み出せずにいる方などが取り入れるのにもぴったりの働き方です。

    副業として介護職を選択しやすい

    ワークシェアリングでは、1日短時間・週に数回など、隙間時間を活用して働くこともできます。そのため、副業を始めたいと考えている方にとって、介護の仕事が選択しやすくなる点もメリットのひとつです。

    介護現場におけるワークシェアリングのデメリット

    介護業界におけるワークシェアリングには、もちろんデメリットも存在しています。より納得して働けるよう、デメリットも把握しておきましょう。

    格差が生じる可能性がある

    ワークシェアリングに適応できない職種と、ワークシェアリング対象の職種が同じ職場に混在している場合、賃金や待遇に格差が生じる可能性があります。働き始める前に賃金や待遇についてしっかりと調べ、納得してから勤務を開始すると良いでしょう。

    環境になじみにくい

    スポット的に働くワークシェアリングでは、その職場になかなかなじめないデメリットもあります。具体的には、職場の雰囲気になかなか溶け込めない、人間関係の構築に時間がかかるなどが代表的です。焦らずじっくり職場に慣れることで、こういった不安は軽減できるでしょう。

    ワークシェアリングを上手に活用しよう

    ワークシェアリングは、介護業界に一歩踏み出すきっかけを与えてくれる働き方です。1日短時間から少ない日数で働けるため、隙間時間の活用や副業を検討している方やブランクがあるなど、幅広い方にとって介護の仕事が身近に感じられるでしょう。自分自身のワークライフバランスを保ちつつ介護の仕事に携わりたい方は、ワークシェアリングという働き方をうまく活用してみてください。

  • 日本の介護職は海外で「国際介護士」として働ける?必要性や問題点とは

    日本の介護職は海外で「国際介護士」として働ける?必要性や問題点とは

    日本で得た介護技術を糧に、海外で活躍する国際介護士という働き方をご存じですか?EPA協定により、世界中で活躍する外国人介護人材は増加傾向にあります。介護業界もグローバル化が進んでいるといっても過言ではありません。そこで今回は、国際介護士とはなにか、海外で働くうえでの問題点、実際に海外で働く方法について解説しました。手厚い日本の介護技術は、今後海外でも注目される可能性があります。世界で活躍する国際介護士に興味のある方は、ぜひ一読ください。

    国際介護士とは?

    国際介護士とは、海外の介護現場で働く介護士を指します。明確な定義や資格はありませんが、海外で日本の介護を広めたり、介護に携わる人材を育成したりしている方たちも国際介護士と呼ぶようです。

    国際介護士の必要性

    高齢化が進む日本はもちろん、介護業界の人手不足は世界中で問題になっています。日本でも、EPA協定(経済連携協定)により、外国人(ベトナムやフィリピンなど)の看護師や介護士を受け入れてきました。今後は、海外の介護人材を増やすことを目的に、日本の介護職が国際介護士として海外へ出向き、日本の高い介護技術を伝える動きが活発化すると予想されています。グローバルに高齢化を支える担い手として、国際介護士の必要性は十分にあると考えられるでしょう。

    海外で国際介護士として働くうえでの問題点

    今後求められる人材と見込める国際介護士ですが、海外で働くゆえの問題点もあります。では、どのような問題があるのかチェックしていきましょう。

    外国人労働者の受け入れは制限されやすい

    言語はもちろん、文化も異なる海外では、外国人労働者の受け入れが制限されやすい傾向にあります。不法就労や移住問題への警戒なども相まって、介護職に限らずどの職種もこの問題に直面することが多いようです。

    ビザ問題

    どの国も自国民の雇用が最優先のため、外国人の労働者を受け入れることに後ろ向きです。実際に国際介護士を目指そうとビザの取得を試みる日本人も多くいます。しかし、ビザ取得の手続きに手間や時間がかかりすぎ、結局日本で働くことを選ぶケースも少なくないようです。

    日本の資格は海外では通用しない

    これまでにご紹介した問題はありますが、少しずつ外国人の介護職雇用を進めている先進国もあります。しかし、日本の介護資格は海外では通用しません。介護福祉士資格を持っていたとしても、海外で日本同様に認められるわけではないことを認識しておきましょう。

    国際介護士として海外の介護福祉に携わる方法

    ビザを取得して海外の介護福祉施設で働くルート以外にも、国際介護士として活躍できる方法があります。

    海外のインターンシップやボランティアに参加する

    海外でのインターンシップやボランティアに参加すると、介護士として海外で働くことが可能です。実際には、国際的なNGOのオフィス(赤十字や難民支援団体など)や、介護福祉施設、高齢者病院などのインターンシップがあります。期間は限られますが、自分で働く期間を選択できるので、そのときの自分の状況に合わせられるのも魅力のひとつです。

    日本の介護事業者が海外で事業を始めるときに応募する

    国際介護士になりたい方は、日本の介護事業者が海外で介護事業を始めるときに募集している求人もチェックしておきましょう。このケースでは、日本から現地へ介護職を派遣するために介護福祉士を募集していることがあります。この機会を活用できれば、日本の介護事業者のサポートを受けながら海外で働くことが可能になるので、非常に心強いでしょう。

    日本の介護技術を海外へ広めよう

    ビザ問題や外国人労働者の受け入れ制限など、海外で働くハードルはまだまだ高いのが現状です。しかし、世界中で介護に携わる人材が不足している現状を考えると、国際介護士が多く活躍する未来も近いのかもしれません。ひとまず短期間でも海外で働いてみたい!という方は、海外のインターンシップやボランティアへの参加を検討してみてくださいね。

  • 生活相談員は大変なの?詳しい仕事内容と向いている方をチェック

    生活相談員は大変なの?詳しい仕事内容と向いている方をチェック

    生活相談員は利用者さんとスタッフ、関係機関との懸け橋としての役割を担うのが主な仕事です。施設の窓口として、利用者さんに接する場面も多いでしょう。そんな生活相談員ですが、「仕事が大変そう……」そんな印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、生活相談員の仕事内容や大変だと言われる理由、向いている人について解説していきます。生活相談員について詳しく理解したい人は、必見です。

    生活相談員の仕事とは

    「生活相談員は大変……」という声もありますが、まずは仕事内容について確認していきましょう。

    生活相談員の仕事内容

    ソーシャルワーカーと呼ばれることもある生活相談員は、デイサービスやショートステイなどで活躍しています。介護施設の利用者さんや家族からの相談に対応したり、施設利用の契約手続きや外部の関係機関との連携を図ったりするのが主な仕事です。

    利用者さん側からの相談を受け、施設側との調整を行い、施設のスタッフと利用者さん側との懸け橋のような役割を担います。施設によって仕事内容は多少異なりますが、相談・調整業務以外にも施設の見学対応やケアプラン作成援助・介護計画書の作成、クレーム対応など、さまざまな仕事があるでしょう。

    生活相談員に必要な資格やスキル

    生活相談員になるためには、国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士、講習または養成機関や大学での指定講義修了によって得られる社会福祉主事任用資格のどれかを保有している必要があります。生活相談員という専門の資格があるわけではなく、求められるスキルが具体的に示されているわけではありません。

    ただし、都道府県によっては介護福祉士やケアマネジャーなどの資格保有が求められたり、一定期間以上の介護経験を求められたりするなど、要件が異なる場合もあります。

    生活相談員の仕事が大変だと言われる理由

    生活相談員の仕事が大変だと言われる理由には、どのような点が挙げられるのでしょうか。

    業務範囲が広い

    業務範囲の広さは、生活相談員が大変だと言われる大きな理由の1つ。業務範囲は法令で定められていないため、施設によってはほかの役職との兼任など、幅広い業務を任されるケースも少なくありません。業務が多く体力的にも大変だと感じることもあるでしょう。

    利用者さんとスタッフの板挟みになりやすい

    施設の窓口として利用者さんの話を聞く立ち位置である生活相談員は、利用者さんとスタッフの間で板挟みになることもしばしば。ときには利用者さんからの理不尽なクレームを受けることもあるでしょう。両方の言い分を把握しているだけに、気苦労やプレッシャーを感じることも、大変だと感じる理由です。

    生活相談員が向いている人は?

    大変な面のある生活相談員ですが、どんな人が向いているのでしょうか。

    人とコミュニケーションをとるのが好き

    人と関わる業務の多い生活相談員は、人とのコミュニケーションが好きな人に向いています。人と話すのが好き、人の話を聞くのが得意といった人には、相談員の業務はぴったりです。直接感謝の言葉をもらう場面も多く、役に立っている実感が得られるため、大変でも頑張ることができるかもしれません。

    客観的な立場に立てる

    利用者さんとスタッフの懸け橋になるためには、どちらかに偏った立ち位置ではなく客観的な視点で判断する必要があります。それぞれに違った見方や言い分もあるため、それを理解し、相手の立場に立った対応が不可欠です。寄り添う姿勢を見せることで、利用者さんにも安心感を与えられます

    マネジメント力がある

    生活相談員は、相談を解決するために行動しなければなりません。そのためには関係機関やスタッフとの調整も必要となり、施設全体のマネジメントも必要になります。一部ではなく施設全体を把握、調整できるマネジメント能力があると、生活相談員の業務もスムーズになるでしょう。

    生活相談員は大変だがやりがいも多い

    生活相談員の仕事は多岐にわたるため、大変だと感じる方も多いよう。しかし、利用者さんとスタッフとの懸け橋となる、介護サービス向上のための重要な仕事で、やりがいも多いでしょう。生活相談員の仕事に携わる中で、幅広い知識を身に付けることもでき、キャリアアップにもつながります。どの業務にもそれぞれ違った大変さはあるため、向いていると感じるなら前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 訪問歯科診療の対象者は?介護施設内でも歯科治療ができる!

    訪問歯科診療の対象者は?介護施設内でも歯科治療ができる!

    歯科医師・歯科衛生士が患者さんの元へ出向いて診察を行う“訪問歯科診療”。特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のような入居系介護施設には、近隣の歯科医院と提携して定期的な訪問歯科診療を依頼しているところが多くあります。介護施設で生活する利用者さんにとって、ご自身で歯科医院へ行くよりも介護施設に来てもらうほうが、受診のハードルは下がるものです。今回は介護職員の方に向けて、訪問歯科診療の対象者をはじめとする基礎知識をお届けします。

    訪問歯科診療とは

    訪問歯科診療は、歯科医師・歯科衛生士が患者さんの自宅や介護施設、医療機関を訪問して診察を行う制度のこと。患者さんの目線で言えば、自身で歯科医院へ行くのが“外来歯科診療”、歯科医師・歯科衛生士に来てもらうのが“訪問歯科診療”です。
    訪問歯科診療は対象者が決まっていますが、「歯科医院へ行きたくても行けない」という高齢の方にとって歯の健康を維持するための手段になります。そのため、介護施設が訪問歯科診療を依頼することは、利用者さんが気軽に歯科受診するためのサポートになるでしょう。

    訪問歯科診療の対象者について

    訪問歯科診療の対象者は“1人で通院するのが難しい方”が原則です。たとえば高齢や病気、寝たきりの方など、身体が不自由で歯科医院へ通院できない理由のあるケースが対象になります。そのため、「通院するのが大変だから」「診察までの待ち時間がもったいない」といった自己都合によるもの、車椅子を使えば移動できる方は、訪問歯科診療の対象外です。持病やリハビリで他の医療機関に通院している方も、訪問歯科診療の対象者には含まれません。訪問歯科診療の対象者については、以下も合わせてチェックしてください。

    • 介護認定を受けている高齢者
    • 特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの入居系介護施設に入所している高齢者
    • 障がいがあり身体が不自由な方
    • 病気、寝たきりの方
    • 歯科・口腔外科のない病院に入院中の方

    訪問歯科の診療内容

    訪問歯科診療の対象者条件をチェックしたら、診療内容も確認しておきましょう。

    • 虫歯治療
    • 抜歯
    • 歯の詰め物や被せ物の作成・調整
    • 入れ歯の作成や調整
    • 歯周病の治療
    • 口腔ケアや衛生指導
    • 嚥下リハビリテーション

    訪問歯科の主な診療内容は、治療・検査・相談です。介護職員にとっては利用者さんのセルフケア指導について相談できる機会なので、気になる点があれば歯科医師・歯科衛生士に相談してみましょう。

    訪問歯科診療のメリット

    訪問歯科診療のメリットは複数ありますが、利用者さん自身で歯科医院へ出向く必要がないのは大きなメリットでしょう。歯や口の中に何らかのお悩みがある方にとって、歯科医院へ行きたくても行けない状態はつらいものです。放置すると症状が悪化して生活に支障が出ることもあるので、きちんと対処する必要があります。介護施設の利用者さんの中には「歯科医院へ行くほどではないけど、来てもらえるなら相談したいことがある」という方もいるでしょう。何気なく受診した結果治療が必要なケースも考えられるので、介護施設が訪問歯科診療を依頼するメリットはあると言えます。

    また、慣れた場所で診察を受けられることもメリットです。「歯科医院という場所に緊張して症状を上手く伝えられない」というお悩みを抱える患者さんにとって、診察を受ける場所は重要と言えるでしょう。介護施設で言えば、訪問歯科診療なら利用者さんにとってリラックスできる空間での受診になるということ。その際、歯科医師・歯科衛生士から介護職員へ利用者さん一人ひとりに合わせたケア方法を指導してもらえるので、定期的に依頼して利用者さんの歯の健康を保ちやすい環境を作ることがおすすめです。

    介護施設での訪問歯科診療を考えてみよう

    介護施設で生活する利用者さんは、訪問歯科診療の対象者にあたります。歯や口にお悩みのある利用者さんがいれば、訪問歯科診療を考えてみてもいいかもしれません。訪問歯科診療で指導を受ける口腔ケアの方法は、介護職員として利用者さんの歯の健康をサポートする際に役立ちます。利用者さん一人ひとりがご自身の歯の健康を考えることはもちろん、“介護職員ができること”を見つける機会にもなるでしょう。

  • 訪問歯科の求人が増加中?外来診療とは異なるその役割とは

    訪問歯科の求人が増加中?外来診療とは異なるその役割とは

    訪問歯科診療とは、歯科医師・歯科衛生士が対象者の元へ訪問して診療を行う制度です。「一人で外出することに不安がある」「要介護で外出が難しい」といった悩みを抱える高齢者が増えている近年では、訪問歯科に力を入れる歯科医院も増えています。訪問歯科の求人については、外来診療と訪問診療を兼務するパターンだけでなく、訪問歯科専門の求人も少なくありません。本記事では、現役・求職中の歯科衛生士の方に向けて、訪問歯科の仕事内容ややりがいなどの情報をお届けします。

    訪問歯科の求人をチェックする前に!訪問歯科診療とは?

    <訪問歯科の診療内容>

    • 虫歯や歯周病の治療
    • 抜歯
    • 入れ歯や義歯の調整と作成
    • 被せ物や詰め物の作成
    • 嚥下リハビリ
    • 口腔ケアや衛生指導

    訪問歯科診療は、通院が難しい高齢者を対象に、歯科医師・歯科衛生士が自宅や介護施設、医療機関を訪問して診療を行う制度のこと。歯や口腔内に何らかの悩みを抱えていても、通院できないからと診療を諦める高齢者もいます。そんな高齢者にとって、“自身で診療に行くのではなく、診療に来てもらう”という診察方法の訪問歯科は強い味方です。訪問歯科の求人に注目が集まる理由のひとつと言えるでしょう。

    訪問歯科の対象者・利用条件

    訪問歯科は保険診療なので、対象者は“疾病・傷病による通院困難者”と定められています。

    <訪問歯科の利用条件>

    • 要介護状態区分のみに基づいて形式的に判断されない
    • 医科の外来診療を受けている患者でも可能な場合あり

    これらの条件を元に、歯科医師が患者さんに合わせて適正な判断を行います。なお訪問歯科は原則保険適用ですが、歯科医院から患者さんのいる診療場所までが半径16km圏内であることが条件です。16kmを超える場合は保険診療ではなく自費治療となります。

    訪問歯科での歯科衛生士の仕事内容は?

    訪問歯科での歯科衛生士の仕事は、一般的な外来診療と同じ内容です。歯科衛生士資格以外に必要なものは特にありませんが、歯科衛生士が患者さんの元へ車で訪問するケースを考えると、運転免許証を持っていることが推奨されます。

    歯科衛生士の仕事その1:患者さんと医院をつなぐ

    患者さんの自宅や介護施設へ訪問する際に、依頼を受けたりやり取りを行ったりするのは歯科衛生士の仕事です。歯科医師の指示で訪問準備をする、必要な道具をそろえる、なども仕事に含まれます。介護施設からの依頼では担当のケアマネジャーを通じてやり取りすることが多く、施設の利用者さん全体の診察を行うケースもあるでしょう。

    歯科衛生士の仕事その2:訪問先での診察の補助

    外来診療と同じく、歯科医師の補助を行います。スムーズな診察のための補助をはじめ、器材の洗浄、事務作業も歯科衛生士の仕事です。

    歯科衛生士の仕事その3:急患対応

    訪問歯科では、急患対応が必要なことも少なくありません。突然歯が痛くなったり、詰め物が取れたりと、イレギュラーなスケジュールをこなすこともあるでしょう。急患対応は、訪問歯科が終わった後など予定外のタイミングに発生することが多いので、夕方や夜間に対応するのが一般的です。

    訪問歯科の求人チェックに欠かせない“やりがい”

    訪問歯科の求人をチェックする際は、外来診療とは異なる訪問歯科ならではの仕事のやりがいを知っておくことをおすすめします。
    やりがいとしてまず挙げられるのは、仕事を通じて幅広い経験ができることです。訪問歯科では患者さん一人ひとりのお悩みに応じた対応が求められます。イレギュラーな診療が発生することもあり、外来診療にはない経験を通してやりがいを感じられるでしょう。
    また、常に新しい環境で仕事をできるところも訪問歯科ならではのやりがいです。外来診療では歯科医院に患者さんが訪れるため、歯科衛生士は日々同じ環境で仕事をこなすことになります。異なる依頼先を訪れて診察する訪問歯科は、常に新鮮な気持ちで働きたいという歯科衛生士にとって魅力と言えるでしょう。
    他にも、患者さんの元へ出向いて診察するため深く関わりを持てる点など、訪問歯科だからこそ味わえるやりがいもあります。

    訪問歯科の求人に注目が集まる今、選択肢のひとつに

    高齢者にとって、訪問歯科は自身の歯の健康を維持するためのひとつの手段です。さまざまな悩みを抱える高齢者のサポート役として、“訪問歯科を行う歯科衛生士”を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。「訪問歯科の求人に興味がある」「歯科衛生士としての新しい働き方を探している」そんな方の参考になれば幸いです。

  • 訪問看護のトラブル事例。起こりやすい事故や対策を紹介

    訪問看護のトラブル事例。起こりやすい事故や対策を紹介

    予期せず起こってしまう訪問看護でのトラブル。利用者さんの自宅という環境でサービスを提供するからこそ、電源コードに利用者さんがつまずいて転倒してしまった…なんて事故も起こりがちです。この記事では、訪問看護で生じやすいトラブルや、対処法について解説しました。利用者さんご家族と良好な関係を築くためには、トラブルを起こさない対応が肝心です。日々どのようなことに気をつけながら業務をすればいいのかを知りたい方は、ご一読ください。

    訪問看護で起こりやすい事故・トラブル事例

    訪問看護で起こりやすいトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。

    物品の破損

    訪問看護は利用者さんが生活をしている自宅でサービスを提供するため、周囲には生活用品や家具といったあらゆる物があります。利用者さんが落とした眼鏡に気づかず踏んで壊してしまった…、ということが発生する可能性も。築年数によっては家全体が老朽化していることもあるので、破損してしまわないよう注意しましょう。

    転倒・転落事故

    利用者さんを転倒・転落させてしまったという事故は、訪問看護のトラブルの中でも最も多いといわれています。病院や施設は、利用者さんや介助をするスタッフも動きやすい環境・構造になっていますが、訪問看護は違います。整理整頓されている家もあれば、床に物がたくさん置いてある家など、環境はさまざま。転倒・転落しないよう配慮していても、起こりやすいトラブルなのです。

    金銭トラブル

    訪問看護では利用者さんと直接お金のやり取りをするケースもあるため、金銭面のトラブルにも注意しましょう。また、利用料金について事前に説明していても、利用者さんやそのご家族がしっかりと理解できていなければ「利用料金が高すぎる!」とクレームにつながることもあります。

    伝達ミスによるトラブル

    訪問看護は基本的に1人で利用者さん宅へ行くため、サービス提供中のやり取りは訪問看護師や利用者さん、そのご家族しか知らない情報です。とくにその場で返答できない内容(訪問日の再設定など)は伝達ミスが生じやすく、最悪の場合次の訪問が抜けてしまうなんてトラブルも。利用者さんの信頼を失う事案になりかねないため要注意です。

    訪問看護で起こりやすい事故・トラブルの対策法

    ここからは、訪問看護で起こりやすい事故やトラブルを防ぐためにすべき対処方をご紹介します。

    必要最低限の物以外には触れない

    利用者さん宅の物を壊さないようにするため、必要最低限の物以外には触れないようにしましょう。サービスを提供するために物の移動が必要なときは、利用者さんのご家族にお願いすると安心です。また、万が一破損してしまったら、すぐに管理者へ報告しましょう。

    利用者さんの心身機能をしっかりと把握

    利用者さんがどの程度動けるのか、心身機能をしっかりと把握しておくことは転倒・転落の予防につながります。また、前回の利用者さんがどのような様子だったか、ほかの訪問看護スタッフと情報共有もしておきましょう。利用者さん一人ひとりの特徴をしっかりと押さえておくことが大切です。

    連絡事項は口頭だけで行わない

    伝達ミスを防ぐためには、口頭だけでの連絡は避けるようにしましょう。電話連絡になってしまう場合でも、メモは必ず残しておいてください。何かしらの形で伝えたことが残るよう心がけましょう。

    利用料金の説明は事前にしっかりと説明

    利用料金のトラブルは、事前説明をしっかりと行うことで解決できます。訪問看護の利用を開始する前に、どんなことにいくらの利用料金が発生するのかを説明し、同意を得ておくことが重要です。また、利用料金を直接現金でお預かりするときは、受け取ったその場で封筒を開け、利用者さんやご家族の目の前で金額を確認するようにしましょう。

    起こりやすいトラブルを把握して利用者さんと良好な関係を築こう

    訪問看護のトラブルは予期せず起こるものばかりですが、この記事を参考に、日頃から対策を講じるようにしましょう。もし事故が起きてしまったら、まずはきちんと謝罪することが大切です。迅速に誠意を持って対応すれば、関係の修復もしやすくなります。不信感を抱かれない行動で、利用者さんやご家族と良好な関係を築いてくださいね。

  • 【訪問看護】利用者さんのリハビリ拒否にどう対応?理学療法士にできること

    【訪問看護】利用者さんのリハビリ拒否にどう対応?理学療法士にできること

    要介護の利用者さんが自立した生活を送れるようになるためには、リハビリは必要不可欠です。しかし、「体力的に辛い」「やる気が出ない」などの理由から消極的になり、リハビリ拒否をしてしまう方も少なくありません。本記事では、主に訪問看護先でリハビリ拒否する利用者さんへの適切な対応についてまとめました。リハビリ拒否に悩む理学療法士の方、介護スタッフの方はぜひ参考にしてみてください。

    よくあるリハビリ拒否の現実とは

    リハビリは訪問看護における看護業務のひとつで、理学療法士や作業療法士などが担当します。リハビリを受けるのは医師が必要と判断した場合に限られ、家族が希望されることも多いでしょう。しかし、実際に現場に向かうと利用者さん本人に拒まれることはよくあること。拒否とまではいかなくてもリハビリに消極的な方も多く、スムーズに進められないということもあるようです。

    リハビリ拒否の理由には何がある?

    リハビリ拒否の理由は、人によってさまざまあります。代表的な例をご紹介しましょう。

    身体的な理由

    リハビリの必要性は理解しつつも、身体がついていかないというのがこのパターンです。例えば、身体の中で痛みが出やすい部分があったり倦怠感があったりすると、少し身体を動かすだけでも大きな負担になるでしょう。身体が思うように動かせない原因に、栄養不足や疾病が隠れていることもあるため注意が必要です。

    精神的な理由

    身体的な問題はないものの、リハビリに対して意欲がわかないというのもよくある理由です。このケースで利用者さんからよく聞かれるのは、

    • なぜリハビリが必要なのか分からない
    • リハビリが辛そうで、ついていけるか不安がある
    • 今の生活のペースを乱したくない

    といった声。本人の気持ちを尊重せずに、家族がリハビリを希望した場合に多いパターンでもあります。

    経済的な理由

    経済的に余裕がないことを理由に、利用者さん本人がリハビリ拒否をすることもあります。実際には、リハビリ開始前にケアマネジャーなどが経済的状況を踏まえつつ依頼を行うのですが、本人が不安を拭いきれずリハビリへ踏み切れないことも。この場合には、隔週や月一程度に訪問ペースを下げて対応することもあるようです。

    リハビリ拒否の方への対応とは

    リハビリ拒否の対応としてまずすべきは、原因を探ることです。そのためには、次のような対応を心掛けてみましょう。

    利用者さんの考えや心理を探ってみる

    まずは「なぜリハビリを拒否するのか」について理解するところから始めましょう。利用者さんの考えや気持ちを知りたい場合は、表情や声にヒントがあります。笑顔の有無や声の高さ、反応の大きさなどから利用者さんの心理を読み解きましょう。また、表情や声に意識を向けることで、相手に「あなたに興味がある」という気持ちを示すことができ、利用者さんからの好印象につながりやすくなります。

    利用者さん本人の意思決定を尊重する

    リハビリは利用者さんが主体となって行うものです。そのため、スムーズにリハビリが進まなかったとしても、無理にこちらの要望を押し通そうとしてはいけません。利用者さんの意思決定を尊重するためにも、何かを決めるときや始めるときには「AとB、どちらにしますか?」と選択肢を提案してみるのもいいでしょう。さらに「嫌だったら断ってもいい」と伝えることも大切です。

    挨拶を欠かさず続ける

    リハビリ拒否する利用者さんに積極的になってもらうためには、時間をかけて心の距離を縮め、信頼関係を築かなくてはなりません。そのためにも、姿を見かけたら必ず声を掛けるようにしましょう。その際に目線を合わせること、相手の気持ちに共感することも忘れずに。根気強く声掛けを続けることで、だんだんと反応が変わってくることもあります。

    雑談で好きなことを掘り下げる

    利用者さんの趣味や得意なこと、してみたいことを雑談から探ってみるのもいいでしょう。心の距離が縮まるだけでなく、リハビリへの意欲を高めるきっかけが話の中に隠れていることもあります。リハビリ拒否をする利用者さんの中には「リハビリは辛いもの」というマイナスイメージを持つ方も多いですが、頑張れば頑張った分だけできることも増えます。そんなメリットの部分を利用者さんの好きなことと結びつけながらさりげなくアピールできると、意欲アップにつながるでしょう。

    リハビリ拒否への正しい対応は利用者さんの主張に目を向けること!

    リハビリ拒否の裏には、利用者さんの強い主張があることがほとんどです。リハビリ拒否への正しい対応としては、まず相手の立場に立って理解するところから始めましょう。利用者さんに楽しくリハビリに参加してもらえるように、今回ご紹介したリハビリ拒否への対応方法をぜひ実践してみてくださいね。

  • 【高齢者の爪トラブル対策】介護職が知っておきたい正しい手入れ方法

    【高齢者の爪トラブル対策】介護職が知っておきたい正しい手入れ方法

    高齢者の爪トラブルは、介護施設ではよくあること。加齢の影響で爪がもろくなるうえに、身体的問題や認知症などで手入れがつい疎かになるようです。ただ、利用者さんの爪の処置について「医療行為になりそうだから、医師に任せるべき?」と迷った介護職の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、高齢者の爪トラブルと適切な対応についてまとめました。介護の現場で働く方はぜひ読んでみてください。

    高齢者に爪トラブルが多い理由

    高齢者の爪トラブルが増えるのは、身体的問題に起因することが多いようです。例えば加齢によって視力・握力の低下や足腰の痛みが出てくると、腰を屈めて足の爪先まで手を伸ばすという姿勢が難しくなります。

    さらに、利用者さんの中には、感覚障害や血行不良などで長時間靴下を履いて過ごす方も少なくありません。そうなると、指先は常に湿度や温度が高い状態になりやすく、雑菌が繁殖しやすくなってしまうのです。

    高齢者に多い爪トラブルと対応

    高齢者に多い爪トラブルと、その治療法・予防法について紹介しましょう。

    爪白癬

    「爪白癬」とは白癬菌(はくせんきん)というカビによって引き起こされる爪の水虫です。水虫自体は身体中に発症する皮膚感染症ですが、他の部位と比べて爪白癬は季節性がなく、高齢になるにつれて罹患率が上がるという特徴があります。

    爪白癬の主な症状は、以下の3つです。

    • 爪が厚く切りにくくなる
    • 爪がボロボロと崩れる
    • 切った爪の内側が厚く白っぽくなっている

    爪白癬であれば、抗生物質による治療が必要です。利用者さんに症状が見られたら、すぐに皮膚科の受診をすすめましょう。

    爪白癬は以下の方法で予防できます。

    • 爪先を清潔に保つ
    • こまめに手入れする
    • 保湿する

    白癬菌はアルコールでは除菌できませんが、水洗いだけで簡単に洗い流せる菌です。寝たきりで足を洗うことが難しい方は、水で濡らした清潔なタオルで拭き取るだけで構いません。また、肌が乾燥した状態だと菌が入り込みやすくなるため、入浴やケアの後にはしっかりと保湿しましょう。

    肥厚爪

    肥厚爪とは、爪が厚くなり、もろくなった状態の爪のことです。悪化すると靴を履くときに痛みが出るだけでなく、爪の見た目を気にして消極的になってしまう方もいます。

    初期の肥厚爪であれば爪切りやヤスリで整えることで改善が見込めますが、悪化すると自力では治せません。放置する前に、医師による治療を受けることが大切です。

    予防法には、以下の3つがあります。

    • 足に合った靴を履く
    • こまめに手入れする
    • 栄養バランスに気をつける

    肥厚爪はきつい靴を履くことで爪に圧力が加わると発症しやすくなります。高齢になると靴まで意識が向かない方も多いため、介護スタッフや家族が気にかけるようにしましょう。

    爪を清潔に保つことはもちろんのこと、栄養バランスに気をつけることも効果的な予防法です。爪の主成分であるたんぱく質を積極的に取り入れることで、肥厚爪を発症しにくくなると考えられます。

    巻き爪

    運動量が減少することで、高齢者は巻き爪を発症しやすくなるといわれています。また、爪白癬との合併も多いようです。

    巻き爪を発症してしまったら放置せず、すぐに矯正治療をスタートさせましょう。治すためには、ワイヤーやテープを使って爪の形の矯正を行います。

    巻き爪の予防法は、正しい方法でこまめに爪切りを行うこと。その際、爪の端は深く切らず、四角くカットすることがポイントです。爪の端は引っ掛かりを防ぐためにも、ヤスリで丸くしておきましょう。

    正しい爪切り方法についてはこちらの記事もチェック!

    爪トラブルの放置によって起こること

    高齢者の中には、爪トラブルを放置する方も多いです。適切なタイミングで処置が行われないと、悪化して痛みが出たり、転びやすくなったりすることも。最悪の場合、転倒して骨折するなど、他のトラブルのもとになってしまうこともあるのです。

    また、爪の状態悪化には、たんぱく質不足や貧血が影響している可能性もあります。爪は利用者さんの健康状態を推し測る重要なバロメーター。爪に異変を感じた場合には、他にも気になる症状がないか確認しましょう。

    高齢者の爪トラブル予防にはこまめなケアが大切!

    高齢者の爪トラブルは、加齢の影響だけでなく、誤った手入れやケア不足が原因のことも多いもの。介護職としてできることは、爪の異変にすぐに気づき、適切な処置をしてあげること、そしてこまめな手入れを心がけてあげることです。爪トラブルを放置すると利用者さんの心身に深刻な影響を与えることもあるため、しっかりと正しい知識を身につけておきましょう。

  • フットケア指導士になるには?高齢者の足の健康を守ろう

    フットケア指導士になるには?高齢者の足の健康を守ろう

    施設では利用者さんの健康管理は欠かせませんが、中でも重要なのがフットケアです。足のトラブルがきっかけで、普段どおりの生活ができなくなる利用者さんも少なくないでしょう。自分の足で歩けることは、健康寿命や介護予防にもつながります。そのため介護施設においても、フットケアは重視すべき項目のひとつ。そこで注目されているのが、専門的な知識を持ってケアができるフットケア指導士です。フットケア指導士になるにはどうしたらいいのか、詳しく解説します。

    高齢者のフットケアの重要性

    高齢者が元気に過ごすためには、足の健康が重要です。足の皮膚はほかの場所と比べて厚くて硬くなる傾向があります。年齢を重ねるとターンオーバーの周期が長くなり角質が乾燥したり、脂肪が萎縮して痛みが出やすくなったりと、足に症状が出ることが多いもの。その結果、外反母趾、ウオノメやタコ、巻き爪、肥厚爪などといった足トラブルが生じやすくなります。また、複数の慢性疾患を抱えている、末梢神経の感覚が鈍くなるなどの理由で、足の異変に気付きにくいといったこともあるかもしれません。

    生活するうえで歩く動作は重要で、足元の状態が良くないと歩行が難しくなってしまいます。トイレに行けない・気軽に外出できないなど、普段の生活に支障をきたす可能性も。足のトラブルがきっかけとなり、元気がなくなったりうつになったりと、精神的な影響を及ぼすこともあるでしょう。元気に過ごしてもらうため、利用者さんのフットケアは欠かせません。

    フットケア指導士とは

    フットケアが重視されているいま、フットケアに関する資格にも注目が集まっています。介護業界におけるフットケアに関する資格のひとつがフットケア指導士です。フットケア指導士は、日本フットケア学会・足病医学会による認定資格。フットケア指導士になるには、認定試験を受ける必要があります。症状に応じた知識とケアを学ぶことができるため、利用者さんに合わせたケアを提供できるようになるでしょう。

    フットケア指導士の資格を取得することで、利用者さんのフットケアのリーダー的存在として指導業務を担うことができ、スキルアップの一環にもつながります。フットケア指導士の施設における具体的な業務は以下の通りです。

    • 足を清潔にケアする方法を指導
    • 足の保湿や洗浄方法を指導
    • 靴選びをサポート
    • 利用者さんごとの症状やリスクに応じた生活指導

    フットケア指導士になるには認定試験の受験が必須

    フットケア指導士の認定試験を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

    <受験条件>

    • 日本フットケア・足病医学会の学会員である
    • 医師・看護師・介護福祉士・理学療法士・臨床検査技師・義肢装具士・臨床工学技士・薬剤師・栄養士といった国家資格を保有しており、なおかつ3年以上の実務経験がある
    • フットケアの実務経験がある
    • フットケア指導士認定セミナー受講済

    条件にもなっている「フットケア指導士認定セミナー」は、年に2回行われます。セミナーの内容はフットケアについての基礎から専門知識についてで、講義時間は全部で6時間です。セミナー受講後、フットケア指導士の試験を受けられる期間は2年間。これまでは会場でのセミナーでしたが、コロナの影響により第13回フットケア指導士認定セミナーからWeb受講になりました。

    フットケア指導士の認定試験は、年に1度、通常2~3月ごろに実施されます。受験料は10,000円となっており、試験をキャンセルしても返金はできません。試験は4択のマークシート方式。指定テキストに基づく客観試験で、試験時間は90分です。合格基準は認定委員会によって最低合格水準が定められており、基準点は公表されていません。

    合否は日本フットケア・足病医学会の公式ホームページ上で発表。合格すると実技講習会に参加し、実践的な学びを受けることになります。認定されたあとも5年毎更新となり、セミナーを受講して知識をアップデートする必要があるため、資格取得後にもさらなるスキルアップが目指せるでしょう。

    フットケア指導士になるには専門知識を身に付ける必要がある

    施設で働くうえで、フットケアの重要性を身にしみて感じている介護職の方も多いはず。フットケア指導士になるにはセミナーや試験を受ける必要があり、専門的な知識をしっかりと身に付けることができるでしょう。仕事の幅を広げるため、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 介護施設の利用者さんやご家族からのクレーム?!適切な対処法とは

    介護施設の利用者さんやご家族からのクレーム?!適切な対処法とは

    介護施設は利用者さんを預かる施設のため、ご本人を含め、ご家族からのクレームを受ける機会が少なからずあります。大切な家族を預ける場所だからこそ、対応が不十分だと感じてクレームになるケースは多いです。そこで今回は、介護施設におけるクレーム内容の特徴や、利用者さんやそのご家族からのクレームの対処法について解説します。介護施設で受けやすいクレーム内容や対処法を知りたい方は、ご一読ください。

    介護施設で受けやすい利用者さんやご家族からのクレームとは?

    介護施設で受けやすい利用者さん、ご家族からのクレームは以下の4つです。

    • 費用が高い
    • 優先的に大切に扱ってほしい
    • 損害を受けたから賠償してほしい
    • 機能や品質が不足している

    介護スタッフとして一生懸命対応していたとしても、利用者さんや、ご家族が不満足と感じればクレームになってしまいます。大切な家族を預けているからこそ求められることも多くなりがちということを念頭に置き、まずは真摯に対応することを心がけましょう。

    クレームは初期対応が肝心!

    クレーム時は初期対応が肝心です。とくに介護スタッフが誤って利用者さんにケガをさせてしまったというときは安易に対応せず、まずは事実確認を行います。ご家族への説明は、現状把握できていることのみにし、ほかの介護スタッフと伝える内容が異なるという事態を避けるようにしましょう。不十分な情報は、ご家族に不信感を抱かせる要因になるため注意する必要があります。

    また、クレーム時はすぐにお詫びの言葉を求められることもありますが、クレーム内容そのものにすぐ謝罪する行動はNGです。明らかに介護スタッフの落ち度だと分かるケース以外は、以下のポイントを押さえてお詫びの言葉を述べましょう。

    • 話を聞くのが遅くなってしまったこと
    • 不快な思いをさせてしまったこと

    嫌な思いに早く気づけなかったことに対する謝罪は、相手の気持ちに寄り添う効果もあるので、接遇的な視点で見ても良い対応といえます。

    介護職なら知っておくべきクレームの対処法

    ここからは、介護施設で働くうえで知っておいてほしい、利用者さんとそのご家族からのクレームに対処する方法をご紹介します。

    訴えたい内容や興奮度合を把握する

    クレームを聞くときは、何を伝えようとしているのか、興奮度合いも客観的に見ながら受け止めることが大切です。以下のポイントを押さえて、まずは聞く姿勢を持つようにしましょう。

    • どんなところに不満を感じているのか
    • どんな対処を望んでいるのか
    • どのくらいの熱量でクレームを伝えようとしているのか
    • どうしたら満足してもらえる対応ができるか

    責任者と話をしたいという方もいるかもしれませんが、まずは最初に対応したスタッフが上記ポイントをおさえながら、傾聴しましょう。すぐに責任者が対応することで早期解決する場合もありますが、興奮状態が治まらないときの最終手段として、責任者を残しておくほうが良いケースもあります。

    最後まで傾聴する

    介護の現場では、相手の話に関心を向け、共感する「傾聴」の姿勢が重要です。介護施設における利用者さんやご家族からのクレーム対応においても傾聴することを忘れず、とにかく最後まで聴くようにしましょう。

    会話のスピードに合わせた相槌やアイコンタクトを心がける

    クレーム内容によっては、つい口を挟みたくなることもあるかもしれませんが、そこはぐっと我慢。相手が興奮状態で話しているときほど、会話に合わせた相槌やアイコンタクトのみを取り、話に割り込むことはしないようにしましょう。

    中には、ボイスレコーダーなどに記録して、こちらの反応だけを切り取り、訴えに持ち込むようなクレーマーもいます。理不尽なクレーム内容でも反論はせず、まずは真摯に聴く姿勢を貫くことが大切です。

    相手の立場になり、共感の姿勢を示す

    一通り傾聴し利用者さんやご家族の興奮が治まったら、まずは相手の立場になり、共感の姿勢を示しましょう。そして、クレーム内容を把握したうえで、介護施設としてできること、難しいことなど説明し、できるだけ対応していくことを伝えます。利用者さんやご家族との関係性がよっぽど崩れていない限りは、介護施設側の事情も伝えることで理解を示してくれるケースも多いです。相手の立場になって共感の姿勢を見せつつ、介護施設側の事情も踏まえながら、できるだけ要望に応えるという姿勢を示すようにしましょう。

    クレームを要望ととらえ、お礼の言葉を添える

    クレームを言う側の心情には、介護施設に対するアドバイスや指導という意味合いを込めていることも少なくありません。より良い運営を目指せる内容のときは「業務改善のきっかけをくださり、ありがとうございます」といった言葉を添えることをおすすめします。

    上司や責任者へクレーム内容を伝え、引き継ぎする

    介護施設の利用者さんやご家族からのクレーム内容は、上司や責任者と共有しておくことが大切です。多くの介護施設では、クレームや苦情専用の記録様式があり、責任者などへ提出するようになっています。クレーム内容を正確に引き継げるよう、報告書にまとめて共有するようにしましょう。

    クレームを受けても焦らずまずは傾聴しよう

    介護施設における利用者さんやご家族からのクレームは、まずは傾聴することが大切です。理不尽な内容だとつい口を挟みたくなりますが、最後まで聴く姿勢を貫くようにしましょう。解決に向けて話し合いをするときは、相手の興奮が治まっているときが理想です。相手の感情につられて感情的にならないよう、注意して対応してくださいね。

  • 介護職の腰痛事情とは?欠勤したら労災は認定される?

    介護職の腰痛事情とは?欠勤したら労災は認定される?

    介護職の中には「腰痛が悪化して欠勤しなければならない」という経験を持つ方も多いのではないでしょうか?腰に負担がかかる動作や姿勢が多い介護現場では、腰痛を発症する方が少なくありません。そこでこの記事では、介護職の腰痛事情と欠勤した場合の労災認定の有無、さらに腰痛への対策方法について解説していきます。腰痛に悩む介護職の方は、ぜひご覧ください。

    介護職の腰痛事情!発症の原因は?

    介護の現場では、腰に負担かかる動作や姿勢が多いことから、腰痛を発生する方が多いといわれています。まずは原因となる動作や姿勢について見ていきましょう。

    ベッドや車いすへの移乗

    利用者さんのベッドや車いすへの移乗介助は、中腰や前傾姿勢で行うため、腰への負担が大きくなります。とくに、体の大きな利用者さんの移乗介助は、介護職の全身に負担がかかり、腰痛の原因となりやすいです。

    入浴の介助

    利用者さんの体を支えて頭や背中を洗っていく入浴介助は、かがんだり立ち上がったりを繰り返すため、腰への負担が大きくなります。また、利用者さんを浴槽に移乗する際にバランスを崩し、急に腰に力を入れたことで痛みが生じてしまうケースも

    寝ている利用者さんの体位変換

    寝返りがご自身でできない利用者さんや寝たきりの方には、床ずれを防ぐための体位変換が必要です。この際、介護職は肩や太ももの下から腕を入れながら体位を変えるため、中腰や前傾姿勢をとらなければなりません。そのため、腰痛を発症しやすくなります。

    着替えの介助

    1人で身支度を整えることが難しい利用者さんには、介護職が着替えの介助に入ります。しかし、このとき自然にとる動作も腰痛の原因の1つです。例えば、寝たきりの利用者さんに対する介助であれば、前傾姿勢で利用者さんの腰をひねる動作が腰痛の原因となります。また、体にマヒがある方ならば着脱に時間がかかり、中腰姿勢を維持する時間が長くなることで、負担がかかりやすくなるのです。

    トイレやおむつの介助

    車いすからトイレへの移乗などが必要な排泄の介助も、介護職の腰痛につながりやすい業務です。利用者さんを支える動作の他、着衣の上げ下げで介護職の方が中腰姿勢を維持することも、腰への負担となります。また、おむつ交換時はどうしても前傾姿勢をとらなければなりません。こうした積み重ねが介護職の腰痛の原因となっているといえるでしょう。

    介護職が腰痛で欠勤・退職したら労災認定される?

    介護現場で起こりやすい腰痛ですが「介護の仕事が原因である」と証明されると、労働者災害補償保険、いわゆる「労災」が認められます。ただし、介護現場で労災認定されている腰痛は、次の2種類です。

    仕事中のケガによる「災害性腰痛」

    災害性腰痛とは、介護の仕事中に起こった外傷や筋肉の損傷などによる腰痛のことです。具体的には、次のような例で認定される可能性があるでしょう。

    <災害性腰痛の例>

    • 体の大きな利用者さんをベッドに移乗する際、腰に無理な力がかかり痛みが生じた
    • 入浴介助中にバランスを崩し、腰を強打した

    このように、腰への外傷や突発的な強い力による筋肉の損傷が原因の腰痛は、労災認定されることがあります。なお、ぎっくり腰(急性腰痛症)は日常の動作でも生じるため、仕事中に発症した場合でも労災の対象にはなりません。ただし、発症時の動作や姿勢に異常があったと認められれば、労災認定される可能性があるでしょう。

    慢性的な症状を発症している「非災害性腰痛」

    非災害性腰痛とは、腰に過度な負担がかかる業務を長い期間行うことで生じる腰痛のことです。次のような例で認定される可能性があるでしょう。

    <非災害性腰痛の例>

    • 入浴介助を3ヶ月以上継続して行ったことで、筋肉疲労が蓄積し生じた腰痛
    • 10年以上介護業務を行った中で、異常な骨の変形が生じている腰痛

    介護職の腰痛は非災害性腰痛であるケースが多いですが、筋力不足や加齢など業務以外の原因も考えられるため、労災認定されにくい傾向です。そのため腰痛による欠勤の原因が明らかに仕事である場合は、医療機関受診時に、介護の業務をいつから始めて・どんな症状が出ているか、勤務時間や日々持ち上げる重さなどを具体的に医師に伝えましょう。医師から「療養の必要あり」と診断されれば、労災として認められる可能性が高まります。

    介護職の腰痛を防ぐ対策

    介護職として長く働くためには、腰痛を防ぐことも大切です。ここからは、介護職の腰痛を防ぐ対策について見ていきましょう。

    利用者さんの残存機能をできるだけ活かす

    腰への負担を軽減するためには、利用者さんに協力していただくことが大切です。身の回りのことで無理なく行っていただけそうな動作は、できるだけ利用者さんの残存機能を活かしてもらいましょう。自立支援にもつながります。

    日頃から筋トレやストレッチを行い体の状態を整える

    介護現場では、日常的に同じ姿勢をとることが多いため、腰回りの筋肉が固くなっていることがあります。日頃から筋トレやストレッチを取り入れることで、こうした状態を緩和しましょう。

    ノーリフティングケアなど体に負担が少ない方法を取り入れる

    ノーリフティングケアとは、介護職が利用者さんを抱きかかえたり持ち上げたりせずに行うケアのことです。利用者さんの自立度に合わせ福祉用具などを活用します。このように、体への負担が少ない方法を取り入れることも介護職の腰痛対策となるでしょう。

    ▽ノーリフティングケアについてくわしく知りたい方はこちらの記事がおすすめ!

    介護職の腰痛による欠勤は労災認定されることも!日頃から腰痛対策を

    介護職の職業病ともいわれる腰痛ですが、発症原因や医師の診断によっては労災認定されることもあります。そのため、明らかに業務により生じた腰痛である場合には、労災の申請を検討してみると良いでしょう。また、日常的な業務方法の見直しも大切です。腰痛対策をすることで、長く仕事を続けられる環境を整えてみてはいかがでしょうか。

  • 介護派遣のほうがいい?正社員やパートと比較したメリットとデメリット

    介護派遣のほうがいい?正社員やパートと比較したメリットとデメリット

    介護職には「介護派遣」という働き方があります。「介護派遣ってどんな働き方?」「パートより介護派遣のほうがいい?」といった疑問や迷いをお持ちの方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では介護派遣に注目して、他の働き方との違いを比較。正社員やパートとして働くほうがいいか、介護派遣のほうがいいか、考えるヒントをお伝えします。ライフステージに合わせて働き方を見直す際などにぜひ参考にしてください。

    介護派遣ってどんな働き方?

    まずは介護派遣の働き方を解説していきましょう。介護派遣は、派遣会社に所属して紹介やマッチングされた介護施設で勤務します。介護派遣と、介護施設の正社員やパートとの大きな違いは「雇用主が誰か」「給与形態」「勤務時間・雇用期間」の3つです。

    【雇用主】

    介護派遣の場合、雇用主は派遣会社となり、福利厚生も派遣会社の制度に準じます。介護施設の正社員やパートの場合、雇用主は勤務先の介護施設です。

    【給与形態】

    介護派遣の場合、給与は基本的に時給払いで派遣会社から支給されます。一方、介護施設の正社員では月給払いがベース。給与は正社員もパートも、介護施設から直接支給されます。

    【勤務時間・雇用期間】

    介護派遣の勤務時間は、雇用先の要望を加味しながら派遣会社により決定されます。時間外労働は基本的にありません。一方、介護施設の正社員では残業が発生するケースも。

    また、派遣社員の雇用期間は数ヶ月、1年など期限が決められています。一方、介護施設の正社員やパートの場合、雇用期間は定められておらず、自身で転職や退職を選択しない限り働き続けることができます。

    介護派遣には「常用型派遣」「登録型派遣」「紹介型派遣」といった働き方があるので、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

    介護派遣と正社員やパートと比較したメリット

    「介護派遣のほうがいいか、正社員やパートとして働くほうがいいか」を考える際のヒントとなるのが、メリットやデメリットの比較でしょう。介護派遣のメリットがこちらです。

    自分の都合の良いシフトで働ける

    介護派遣は「週4日働きたい」「1日6時間働きたい」など、派遣会社と相談しながら自身の要望を反映させてシフトを組むことができます。子育てや介護と両立しやすい、プライベートをきちんと確保できる、といった点がメリットです。急な残業がないところも魅力でしょう。

    パートより高時給で働ける

    介護派遣は、パートとして働くより時給が高いところもメリットです。厚生労働省の「令和元年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」では、介護派遣の平均時給は1,219円でした。パートの平均時給は900円台~1,000円台が相場のため、時給面は介護派遣のほうがいいといえます。

    派遣会社が交渉してくれる安心感がある

    介護派遣は、派遣先への要望などがあれば、雇用主である派遣会社に交渉してもらうことができます。ワンクッションあるため、安心して働ける点が特徴です。

    介護派遣の正社員やパートと比較したデメリット

    メリットを見ると介護派遣のほうがいいと感じるかもしれませんが、デメリットもあります。

    契約期間が短いことがある

    介護派遣は、雇用期限が決められています。数ヶ月~1年など短い契約期間の場合、「気に入った職場で長く働きたかったけれど、去らないといけない…」ということもあります

    ボーナスがない

    介護派遣は基本的に時給制でボーナスがありません。その分、時給は高めですが、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。

    即戦力として高いスキルが求められる

    「すぐに現場で活躍できる人材を高い時給で雇う」といったように、介護派遣に対する介護施設からの期待値は高い傾向にあります。心配がある方は、未経験者可、研修制度ありといった派遣先を選ぶのがおすすめです。

    昇進はほぼない

    介護派遣には雇用期間が定められているため、派遣先で昇進することはほぼありません。キャリアアップしたい方は、「紹介予定派遣」といった働き方で、将来的に派遣先の介護施設の正社員を目指すのも良いでしょう。

    介護派遣のほうがいいかどうかはあなた次第

    介護職としての働き方は、正社員やパート、介護派遣など多岐にわたります。介護派遣は高時給でプライベートの時間を確保しやすいといったメリットがありますが、昇進を目指したい方にとっては不向きかもしれません。介護派遣のほうがいいかどうかは個々の状況次第でしょう。仕事をする上での優先順位を考え、ぜひベストな働き方を見つけてください。

  • 訪問薬剤師は在宅療養をサポートする専門職!仕事内容や必要資格は?

    訪問薬剤師は在宅療養をサポートする専門職!仕事内容や必要資格は?

    自宅や施設で療養する高齢者が増えつつある今、「訪問薬剤師」が注目されていることはご存じでしょうか?病院や薬局以外の場所でも薬の受け渡しや服薬指導が行える訪問薬剤師は、介護業界のさまざまな課題を解消できるのではと期待されています。本記事では訪問薬剤師の仕事内容や利用できる条件についてまとめました。訪問薬剤師について興味がある方、目指したい方はぜひ読んでみてください。

    「訪問薬剤師」ってどんな仕事?

    訪問薬剤師とは、自宅や介護施設などで療養する利用者さんのもとへ出向き、医薬品の受け渡し・服薬指導・医薬品の管理を行う薬剤師のこと。介護保険の居宅療養管理指導を担うサービスでもあり、「在宅薬剤師」とも呼ばれています。

    訪問薬剤師が必要とされる背景

    訪問薬剤師の需要が年々高まっている背景には、高齢化による在宅医療者の増加があげられるでしょう。在宅医療の現場では、

    • 薬を飲み忘れる、または飲みすぎる
    • 家族や本人の薬の受け取りが難しい
    • 複数の医療機関を受診したために、多剤・重複処方されている

    といった問題がよく起こります。
    訪問薬剤師はこうした問題に対処できるだけでなく、利用者さんの生活の質や治療効果を向上できる存在としても期待されているのです。

    また、訪問薬剤師が普及することで医療費を抑制する効果も。これまで在宅医療の現場では、薬の飲み残しが多発し多額の薬剤費が無駄になっていると問題視されていました。訪問薬剤師の服薬指導や管理がなされることで、薬剤費の節約につながるのではとみられています。

    訪問薬剤師のサービスを利用できる条件

    訪問薬剤師のサービスを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

    • 病気、障がい、要介護などで通院・来局が困難な場合
    • 自宅での薬の服用や管理に不安がある場合
    • 医師が「訪問が必要」と判断し、薬剤師に訪問を指示した場合

    訪問薬剤師の訪問サービスは、誰でも利用できるわけではありません。利用できるのは、これらの場合のみです。

    訪問薬剤師の仕事内容

    訪問薬剤師の主な仕事は、次の2つです。

    • 利用者さんの自宅や入居施設へ医薬品を届ける
    • 利用者さんの自宅や入居施設へ出向き、服薬指導や服薬管理をする

    高齢の利用者さんの中には自宅や施設からの外出が難しい方もいます。また、認知症の影響などで薬の管理が難しかったり、薬の内容を理解できなかったりする方も少なくありません。複数の病院から薬を処方された場合には、飲み忘れやすくなったり、飲み合わせの相互作用によって体調を崩したりすることもあります。こうした問題を解決するのが、訪問薬剤師の仕事です。

    服薬指導・服薬管理の例としては、嚥下障害の方へ薬を飲みやすくして届けたり、複数ある薬を一度に飲めるようにまとめたりなど。飲み忘れ防止のためにカレンダーを渡すこともあるようです。

    訪問薬剤師になるためには

    訪問薬剤師は、薬剤師の資格以外で必要な資格は特にありません。ただ、利用者さんの自宅や入居施設へ社用車で向かうことも多いため、運転免許はあったほうがいいでしょう。

    また、取得は任意ですが、「在宅療養支援認定薬剤師」という資格もあります。「在宅療養支援認定薬剤師」とは、在宅医療のサポートに必要な知識やスキルを備えていると認められた薬剤師のこと。認定されれば、訪問薬剤師としてのキャリアアップはもちろん、利用者さんや家族からの信頼も得られやすくなるでしょう。

    そして、薬剤師としての豊富な経験や知識ももちろん必要です。薬局などに勤務している薬剤師よりも臨機応変な対応を求められる場面が多いため、薬剤師としての能力を試される職種といえるかもしれません。

    訪問薬剤師はこれからの介護の現場を担う薬剤師のエキスパート!

    薬剤師としての高いスキルを求められる訪問薬剤師は、今後の介護業界になくてはならない存在です。利用者さんとの距離も近く、やりがいを感じる場面も多いでしょう。介護業界で働きたい方はもちろん、薬剤師としてステップアップしたい方は、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

  • ケアプランデータ連携システムとは?期待される効果&メリットに注目

    ケアプランデータ連携システムとは?期待される効果&メリットに注目

    2023年4月から本格稼働する予定の“ケアプランデータ連携システム”。ケアプランのやり取りの効率化を図るシステムについて、知識を身に付けたい方に向けた情報をお届けします。本記事では、システムの詳細や導入により期待される効果、メリット、利用フローなど幅広い情報を詳しくご紹介。「システムを導入すると介護の現場ではどう変わるのか」「介護施設で導入するときの流れを知りたい」そんな方はぜひご一読ください。

    ケアプランデータ連携システムとは

    ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間でやり取りされるケアプランの一部情報を、効率良く送受信するための情報連携基盤です。介護現場ではケアプランやサービス利用票などのやり取りを郵送・FAXで行うことが多く、時間と手間がかかっています。そこで、これまでの紙媒体でのやり取りをデータ化し、介護現場の業務負担を軽減することが、ケアプランデータ連携システム導入の狙いです。

    <業務フロー>

    ケアプランデータ連携システムを介して、上図のようにケアプランデータの送受信を行います。

    ケアプランデータ連携システムを活用…期待される効果とメリットは?

    ケアプランデータ連携システムを活用すると、“業務の効率化”と“費用効果”が期待できます。

    業務の効率化記載時間の削減
    転記誤りの削減
    データ管理による文書量削減
    介護職員の負担軽減
    費用効果印刷費の削減
    郵送費の削減
    交通費の削減
    通信費(FAX)の削減
    人件費の削減

    業務の効率化については介護職員の時間と手間の削減が大部分ですが、転記ミスがあった際の心理的負担軽減も期待できる効果のひとつ。業務を効率化すると介護職員が利用者さんのサポートにかけられる時間が増え、ケアの質の向上が期待できるでしょう


    費用効果については、厚生労働省では人件費の削減を考慮した場合、年間で約816,000円の費用が削減できると考えられています。人件費の削減を考慮しない場合でも年間で約72,000円の削減と、ケアプランデータ連携システムの活用前と比べて費用面に大きな差が出る見込みです。介護現場での費用削減が実現すれば、介護職員の新規確保・定着率向上、事業所の維持・改善のための割当額増加という相乗効果にもつながるでしょう


    ケアプランデータ連携システムの活用により期待できる効果はどれもメリットに直結しますが、以下にまとめた具体例もチェックしてみてください。

    <ケアプランデータ連携システム活用のメリット>

    • 郵送や書類の手渡しの作業が減る
    • 書類の印刷、FAXの送信にかかる費用が減る
    • 書類を手入力する手間が減る(転記ミスの削減)
    • 実績と請求の管理業務が減る
    • データの受け渡しを効率的かつ安全に行える(データの暗号化が可能)

    現在の介護現場で紙媒体のやり取りが多いことを考えると、メリットとしては送付作業関連の負担軽減が大きいといえるでしょう。ケアプランデータ連携システムはデータを暗号化ができる点もメリットです。費用の削減はもちろん、効率良く安全にデータをやり取りできます。

    ケアプランデータ連携システム導入の事前準備&利用フロー

    続いて、ケアプランデータ連携システム導入の事前準備と利用フローについてご紹介します。

    【事前準備】導入に必要なのは?

    ケアプランデータ連携システムの導入には、システム以外にも必要なものがいくつかあります。

    • PC:Windows10以降、インターネットに接続できるもの
    • 介護ソフト:厚生労働省のケアプラン標準仕様に準ずるもの
    • 電子証明書:介護給付費請求に使用するもの

    ケアプランデータ連携システムを運用するには、データをやり取りする双方(居宅介護支援事業所と介護サービス事業所)が、それぞれ介護ソフトを導入していなければいけません。事前準備として、連携先の対応を確認しておきましょう

    【利用フロー】3ステップを確認

    ケアプランデータ連携システム利用フローは、利用申請、クライアントソフトのインストール、電子証明書の確認という3ステップに分かれています。

    1.利用申請システムの専用Webサイトから申請
    2.クライアントソフトのインストール国民健康保険中央会のWebサイトを通じてクライアントソフトをダウンロード後、介護施設のPCにインストール(1事業所につき1端末)
    3. 電子証明書の確認介護報酬の電子請求受付システムの利用有無を確認

    電子証明書の確認については、利用していない場合は電子証明書を申請してダウンロードする流れになります。

    ケアプランデータ連携システムの導入スケジュールと利用料金

    ケアプランデータ連携システムは、利用申請から本稼働までステップごとに開始のタイミングが異なります。ここではシステムの導入スケジュールと利用料金を見ていきましょう。

    【導入スケジュール】2023年4月に本稼働

    ケアプランデータ連携システムは、2023年4月から利用申請の受付が開始されます。

    • 4月1日:利用申請開始
    • 4月14日:クライアントソフトのインストール開始
    • 4月20日:本稼働開始

    クライアントソフトのインストールは4月14日以降に可能です。本稼働以降、システムを利用(データの送受信)できます。

    【利用料金】1年間の利用で21,000円

    ケアプランデータ連携システムは、1事業所につき利用料が年間21,000円です。消費税込みの価格でライセンスの有効期限は1年間。月々の利用料金で考えると1,750円になります。


    ケアプランデータ連携システムはライセンスに番号が割り振られているので、複数の介護施設を運営している場合でも、1事業所ごとに上記の利用料金がかかります。複数年にわたってケアプランデータ連携システムを利用する場合は、年間料金21,000円×年数で計算しましょう。

    導入検討の際は“効果とメリット”と“コスパ”を考慮しよう

    ケアプランデータ連携システムの利用料金は月々で考えると負担額は少なめです。しかし、システムの利用にはPCやソフトを用意する必要があることも、検討する際に考慮しましょう。導入することで期待される効果とメリット、事前準備にかかる費用面も含めた利用料金、どちらもふまえた上で検討することが大切です。

  • アセスメントシートに必須の23項目とは?ケアマネジャーの基礎知識を解説

    アセスメントシートに必須の23項目とは?ケアマネジャーの基礎知識を解説

    ケアプランのベースとなるアセスメントシートには必須23項目があり、ひな形となる様式もいくつか用意されています。これはケアマネジャーなら頭に入れておくべき基本の知識です。そこで今回は、アセスメントシートの概要や重要性について改めておさらいするとともに、アセスメントシートの必須23項目や様式について解説。新人ケアマネジャーはもちろん、アセスメントシートの質を高めたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

    アセスメントシートとは?

    まずは、アセスメントシートの概要についてお伝えします。

    アセスメントシートとは「面談記録」

    アセスメントシートとは、利用者さんやその家族とケアマネジャーによる面談内容をまとめた資料のことをいいます。

    アセスメントシートの重要性とは?

    介護の現場では、ケアマネジャーが作成するケアプランをもとに、利用者さんへの支援を行います。ケアプランを作成する際のもとになる資料が、アセスメントシートです。

    面談で聞き出した内容がアセスメントシートに詳細に記録されていれば、課題も明確にしやすくなります。それは、一人ひとりに寄り添った介護サービスの提供にもつながるでしょう。ケアプランがいかに利用者さんにとって最適な内容となるかは、アセスメントシートのクオリティー次第です。

    アセスメントシートの様式は?

    アセスメントシートの様式には特に規定がありません。しかし、多くの事業所ではさまざまな団体が用意した以下の7つの様式が活用されているようです。

    • 包括的自立支援プログラム
    • 居宅サービス計画ガイドライン
    • MDS-HC方式
    • R4
    • ケアマネジメント実践記録方式
    • 日本介護福祉会方式
    • 日本訪問看護振興財団版方式

    アセスメントシートに必須の23項目とは?

    アセスメントシートには、必ず記入する23項目があります。

    <基本情報の9項目>

    1.基本情報(受付、利用者等基本情報)
    2.生活状況
    3.利用者の被保険者情報
    4.現在利用しているサービスの状況
    5.障害老人の日常生活自立度
    6.認知症である老人の日常生活自立度
    7.主訴
    8.認定情報
    9.課題分析(アセスメント)理由

    <課題分析の14項目>

    10.健康状態
    11.ADL
    12.IADL
    13.認知
    14.コミュニケーション能力
    15.社会との関わり
    16.排尿・排便
    17.じょく創・皮膚の問題
    18.口腔衛生
    19.食事摂取
    20.問題行動
    21.介護力
    22.居住環境
    23.特別な状況

    独自シートで作成する際に気をつけたいこと

    アセスメントシートは必須23項目さえ記載されていれば様式は問われません。そのため既存の7様式ではなく、独自のシートで作成する事業所もあります。独自シート作成の際には、以下のポイントに気をつけましょう。

    必須項目からさらに深堀りできるようにする

    既存の様式では画一的なヒアリングとなりやすく、利用者さん一人ひとりに沿った内容のアセスメントシートを作成しにくい、というデメリットがあります。

    独自のアセスメントシートで運用するなら、自由度の高さを活かして、必須23項目からさらに深堀りできるような記入欄にするのがおすすめ。例えば、これまでの生活歴や本人の性格、家族の意向など、利用者さんとの距離を縮めるきっかけになりそうな項目は重視したいところです。

    アセスメントシートに情報を一元化する

    アセスメントシートで情報を一元管理できるように整備しましょう。アセスメントシートの項目が不足していると他の資料に記録することが増えてしまい、情報確認に手間取るようになります。また、情報の一元管理の方法として、介護ソフトの導入も検討してみると良いでしょう。

    アセスメントシート必須23項目をいかに深堀りするかが重要!

    アセスメントシートは詳細であればあるほど、最適なケアプラン作成に役立てることができます。また日々の会話のネタとして活かせそうな内容を記録できていれば、利用者さんとの心の距離も縮まりやすくなるでしょう。アセスメントシートの必須23項目への理解はもちろん、内容の質の高め方についてもぜひ考えてみてくださいね。

  • 【訪問看護のやりがいって?】仕事で感じるうれしい瞬間5選

    【訪問看護のやりがいって?】仕事で感じるうれしい瞬間5選

    訪問看護では療養ケアが必要な方の自宅を訪問し、健康チェックや必要に応じた医療処置を行います。「高いスキルが求められるお仕事」「大変そう」といったイメージを描かれやすいですが、介護施設や病院ではない経験ができ、オールマイティーな対応力が身につく魅力的な職種です。そこで今回は「訪問看護のやりがい」に注目。訪問看護の経験がある方々から寄せられた、仕事で感じた「うれしい瞬間」をご紹介します。

    訪問看護とはどんなお仕事?

    訪問看護のメインフィールドは、生活の支援を必要としている高齢者や、療養ケアが必要な方の自宅です。定期的にこうしたお宅を訪問し、医師の指示に基づいて診療ケアや療養ケアを行います。

    具体的な内容は、医療サービス利用者さんの体温・血圧・脈拍などのチェックや床ずれのケア、点滴、在宅酸素や人工呼吸器などの管理、傷の治療といった医療処置。訪問看護は、利用者さんの「自宅で過ごしたい」という想いをサポートするやりがいのある仕事です。

    訪問看護のうれしい瞬間5選

    訪問看護の仕事は利用者さんと1対1で向き合うため、コミュニケーションを取る中で、やりがいや喜びを感じる瞬間がたくさんあります!実際に訪問看護師さんから聞いたエピソードをまとめました。

    利用者さんから御礼を言われたとき

    うれしく感じた瞬間として多く挙げられたのが、「御礼を言われたとき」でした。訪問先で利用者さんやそのご家族から「来てくれてうれしい!」「いつもありがとう!」といった声をかけていただくと、一気にモチベーションが上がる!といった意見が多数。

    訪問看護は利用者さん一人ひとりにじっくりと向き合う仕事だからこそ、ポジティブな感想をもらえると心に響き、やりがいにつながるようです。

    中長期的な回復が見られたとき

    訪問看護のサポートがきっかけで「1日を過ごしやすくなった」「元気が出た」といった感想が寄せられるなど、中長期的な回復が見られたときもやりがいを感じるポイントです。

    訪問看護では、病棟と異なり1人の利用者さんを長い期間にわたり、定期的にサポートすることができます。利用者さんの体調を見ながら必要なケアやアドバイスを行い、結果が出るまでじっくりと見守ることができるのは大きな魅力です。

    利用者さんの「意思」を尊重して看護できたとき

    利用者さんの「意思」を尊重して看護できたときも、喜びを感じる瞬間のひとつ。病院や介護施設では起床から消灯までのスケジュールや規則がある程度決まっていますが、訪問看護は利用者さんやご家族のニーズに沿って必要なケアを提供します

    利用者さんの生活リズムに合わせて臨機応変な対応が必要となるため意思を汲む難しさはありますが、だからこそ利用者さんに満足いただけたときにやりがいを感じる方も多いようです。

    必要とされている実感が持てたとき

    うれしい瞬間として、利用者さんやご家族から相談を受けるなど、「必要とされている実感」が持てたときも多く挙げられました。頼りにしてもらえるのは信頼関係が構築できているからこそ。それまでの訪問看護の取り組みが実を結んだ!と感じるようです。

    定時に帰れる瞬間

    訪問看護は、病院や介護施設での勤務と異なり、基本的に残業がありません。1日に複数の利用者さんのお宅を訪問しますが、スケジュールをうまく組めば、効率良くスムーズに仕事を終えられます。訪問看護のそういった面を、やりがいに感じる方も。

    訪問看護はやりがいに溢れている!

    訪問看護には決まったルールがなく、一人ひとりに合わせて柔軟に対応することが求められます。大変なこともありますが、利用者さんと長期にわたりじっくりと向き合うことができ、やりがいのある職種です。医療処置や診療ケア、療養ケアの結果をフォローしやすいところもポイント。うれしいと思える瞬間が多く、オールマイティーに働くスキルも身につきます。興味がある方は、訪問看護という働き方も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

  • 【訪問看護あるある】訪問先でありがちなエピソード6選

    【訪問看護あるある】訪問先でありがちなエピソード6選

    訪問看護は、在宅介護を受けている高齢者や家族の方々にとても頼りにされている医療サービスです。訪問看護の仕事には病棟や介護施設では経験できないようなタスクもあり、やりがいバツグン。思わず「これって訪問看護あるあるかも?」とクスっと笑ってしまう出来事が起こることもあるようです。そこで今回は、微笑ましいエピソードからシリアスな話まで、訪問看護あるあるをまとめました。

    訪問看護とは

    訪問看護とは、高齢者など生活の支援を必要としている方や、療養ケアが必要な方の自宅へ伺い、医師の指示に基づいて診療ケアや療養ケアを行うことです。体温や血圧、脈拍のチェックに加えて、床ずれのケアや予防策の指導、在宅酸素や人工呼吸器などの管理、点滴や傷の治療といった医療処置を行うこともあります。

    訪問看護あるあるエピソード6選

    訪問看護では基本的に看護師1人でケアが必要な方の自宅へ行くため、オールマイティーに対応する力が必要とされる大変な仕事です。しかし、現場ならではの共感できるストーリーも多くある様子。今回は「訪問看護あるある」として内容をご紹介していきましょう!

    トイレは極限まで我慢する

    訪問看護をしている方が思わず頷いてしまうあるあるのひとつが「トイレの我慢について」です。訪問看護では1日に複数件のお宅に立て続けに訪問するため、ゆっくりトイレ休憩をとる時間がなかなかありません。「お宅訪問中に便意に襲われてギリギリまで我慢した」といったケースも少なくないようです。

    やたらと体力がつく

    訪問看護あるあるとして、「やたらと体力がつく」というエピソードも。訪問看護では、医療処置や床ずれのケアにプラスして療養ケアが必要な方の介助も行います。1人でこなすにはなかなかの仕事量です。そのため、なぜか体力が激増した、いつの間にか腕が筋肉もりもりになっていたといった方も少なくありません!

    訪問先のペットに苦戦する

    訪問先のペットに苦戦した!という訪問看護あるあるも…。毎回、ケアが必要な方の自宅に訪問するたびに、飼い犬に吠えられる、飼い猫に威嚇されるといった訪問看護師もいるようです。動物が苦手な方にとっては無視できないことかもしれません。

    どうしても困る場合は、訪問看護ステーションに相談し、訪問先を変える ことも検討してみましょう。

    訪問先のご利用者さんの対応に苦戦する

    訪問先の医療サービスご利用者さんの対応に苦戦してしまうケースも割と多いようです。長話が好きで次から次へと話が展開して本来の仕事がやりにくいセクハラ発言を繰り返してくるなどさまざまなエピソードが…。訪問看護はコミュニケーションが大切な仕事ですが、度が過ぎると困ってしまいます。

    こういったケースでは、あらかじめ会話に充てる時間を決めておく、セクハラ発言に対しては相手にしないなど工夫してみましょう。どうしても解決しない場合は上司に相談することも大切です。

    業務外の仕事を頼まれる

    業務外の仕事を頼まれるのも、訪問看護あるあるです。「足りないものの買い物をお願いしたい」といった、訪問看護と訪問介護の違いを理解していないがために依頼される仕事も…。

    訪問看護の仕事は、医療処置や診療ケア、療養ケアをすることです。業務外の仕事は丁重にお断りしましょう。

    大抵のことに動じなくなったら1人前

    「機転を利かせられるようになった」「ちょっとしたことでは動じない」、そんなふうになれたら1人前、というのも訪問看護あるあるです。

    訪問看護は決められた時間のなかでタスクを完遂する必要があり、とてもハード。判断に迷う事態が生じた場合でも、医師と連携をとりながら自身が決断しないといけないケースもあります。

    しかし、経験を重ねて慣れてしまえば効率良く業務を回し、自身のペースで仕事ができるように。そうなれたら1人前でしょう。

    訪問看護あるあるを共有して楽しみながら仕事をしよう!

    訪問看護は、医療処置や診療ケア、療養ケアのノウハウや経験が必要とされる大変な仕事です。辛いと感じることもあるでしょう。そんなときは、この職種ならではの「訪問看護あるある」を思い出して、クスリと笑ってください。多くの訪問看護師さんも同じような経験をしています。同じ職場の訪問看護師さんとエピソードを共有して息抜きをしてもいいですね。

  • 介護職は退職金をもらえるの?支給額の相場もチェック

    介護職は退職金をもらえるの?支給額の相場もチェック

    介護職が施設を辞めたり転職したりする際に気になるのが退職金です。介護職ははたして退職金をもらえるのでしょうか。本記事では、介護職の退職金に関する制度を分かりやすくご紹介します。職場に退職金制度があるかどうかを調べる方法や、目安の金額もお伝えするので、離職する予定がある方や、無駄なく制度を活用したい方はぜひご覧ください。将来のためにも制度をしっかり確認していきましょう。

    介護職に退職金はある?制度をご紹介

    介護職には退職金はあるのでしょうか。退職金制度の例にどのようなものがあるかも確認していきましょう。

    退職金制度は義務ではない!施設によって異なる

    介護職を辞めた経験がある方のなかには、「退職金をもらったことがある」という方もいれば、「もらったことがない」という方もいます。退職金に関わる制度を設けることは義務ではありません

    とはいえ、多くの介護施設で退職金が導入されています。厚生労働省による2018年就労条件総合調査によると、医療・福祉の分野で退職給付制度がある企業の割合は87.3%でした。

    「アテにしていたのにもらえなかった…」という事態を防ぐためには、勤めている介護施設に退職金制度があるかどうか事前に確認しておくことが大切です。正社員として規定年数以上働かないともらえない、など条件がつく場合もあるため、詳細まできちんと把握しておきましょう。

    退職金には「退職一時金制度」と「退職年金制度」がある

    退職金の制度には「退職一時金制度」と「退職年金制度」があり、どちらか一方だけを導入している施設もあれば、両方の制度を導入している施設もあります。

    【退職一時金制度】

    退職一時金制度は、介護施設などを辞める際に退職金を一括で受け取る制度です。介護施設が独自に退職金を積み立てて制度化しているケースと、共済制度を取り入れているケースがあります。

    共済制度は、介護施設や介護スタッフの給料から共済へ掛け金を拠出して、退職の際は共済から退職金が出る仕組みです。介護業界では「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」「従事者共済会の退職共済制度」「中小企業退職金共済制度」といった共済へ加入している施設が多くみられます。

    【退職年金制度】

    退職年金制度は、退職した後に分割して退職金を受け取る制度です。外部機関に掛け金を払い、運用することによって退職金がもらえる仕組みとなっています。「確定給付企業年金制度」や「企業型確定拠出年金制度」といった制度が一般的です。

    退職金があるかどうか知りたい!調べる方法は?

    前項でもお伝えしたように、退職金制度は介護施設によって異なります。ご自身の施設に退職金制度があるかないか、どのような条件でもらえるか、などを調べる方法をお伝えしていきましょう。

    <退職金について調べる方法4つ>

    • 就業規則を確認する
    • 人事や総務に確認する ※面接時に聞いてみる
    • 給与明細で確認する
    • 退職者に聞いてみる

    退職金があるかどうかを知るには、就業規則を調べる方法が有効です。退職金制度を設けている施設であれば、「退職金」「退職一時金」といった項目があり、退職金の受け取り条件も確認できます。

    就業規則から情報を探しにくい場合は、人事や総務に問い合わせを。採用や退職の手続きを熟知している部署であれば、退職金についても把握しているはずです。転職などでこれから採用面接を受ける予定の方は、面接時に確認すると良いでしょう。

    給与明細で確認する方法もあります。「企業年金掛金」や「確定給付掛金」といった項目があり、天引きされている場合は、退職金制度がある可能性が高いでしょう。

    すでに介護施設を退職した方に聞いてみるのもひとつ。ただし、働いた年数や働き方によって退職金の有無や支給額が異なるため、あくまでも参考程度にしておきましょう。

    退職金支給額の相場は?

    退職金制度がある場合、支給額も気になるところです。支給額は導入制度の種類により計算方法が異なり、「基本給×勤続年数による支給率」や「勤続年数×掛金月額」などで算出されます。

    ここでは退職一時金の項でご紹介した「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」の相場をご紹介しましょう。こちらの団体では退職前6ヶ月の平均本俸額と勤続年数から計算されます。

    「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」の退職金

    退職前6ヶ月間の平均本俸月額入社から5年で退職した場合の退職金入社から10年で退職した場合の退職金入社から15年で退職した場合の退職金
    190,000円 ~ 204,999円495,900円991,800円2,049,720円
    205,000 円~ 219,999円535,050円1,070,100円2,211,540円
    220,000円 ~ 234,999円574,200円1,148,400円2,373,360円
    235,000円 ~ 249,999円613,350円1,226,700円2,535,180円
    250,000 円~ 264,999円652,500円1,305,000円2,697,000円

    出典:独立行政法人福祉医療機関 (新乗率)退職手当金額早見表

    独立行政法人福祉医療機関 退職手当共済事業

    退職前6ヶ月の平均月収が190,000円~204,999円の方の場合、退職金は5年勤務で約500,000円、10年勤務で約990,000円、15年勤務で約20,500,000円となります。それ以上の平均月収の方の支給額は表をご参照ください。

    万が一の倒産では未払いの退職金が返ってくる!

    「介護施設の倒産が理由で退職となった場合、退職金はどうなるの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

    このようなケースでは介護施設が国の定めた基準を満たしていた場合に限り、「未払賃金立替払制度」の対象となり、賃金と退職金の未払いのうち8割が立て替え払いされます。詳しい条件はぜひこちらの記事を参考にしてください。

    介護職の退職金は施設による!早めに確認しておくことがポイント

    介護職の退職金の有無は、働く施設によって異なります。退職金には「退職一時金制度」と「退職年金制度」があり、退職金の金額は、導入制度・基本給・勤続年収などにより異なります。退職金については「アテにしていたのになかった」「想定していたよりも少ない…」といったケースに備え、早めに確認しておくことが重要です。

  • 介護職のボーナス(賞与)を徹底解説!年代・勤続年数・施設別など

    介護職のボーナス(賞与)を徹底解説!年代・勤続年数・施設別など

    介護職の求人を探す際は、ボーナス(賞与)があるかどうかも大事なポイントになりますよね。そこで今回は、介護職のボーナスについて徹底解説しました。勤続年数とともにボーナスってアップするの?介護サービスによってどのくらいボーナスって違うのだろう?そんな疑問が解決できるよう、年齢別・勤続年数別・介護サービス別・資格別のボーナスをご紹介しています。介護職のボーナスについて詳しく知りたい方は、ぜひご一読くださいね。

    そもそもボーナスってどんなもの?

    ボーナスとは、毎月の給与以外に会社から支給される賃金のこと。具体的なボーナス額は、役職や業績、勤続年数などを総合的に考慮して決定されます。会社の経営が黒字かどうかもボーナスが支給されるかの要素になるので、転職時は会社の経営状況なども十分に情報収集しておきましょう。

    いつごろ支給される?

    ボーナスの支給回数や時期、支給日は会社が自由に設定できます。一般的には夏(6~7月)と冬(12月)の年2回支給されるケースが多いようです。

    ボーナスの査定基準とは

    ボーナスは基本給が査定の基準になります。求人に4ヶ月分と記載されていれば、「夏と冬合わせて基本給の4ヶ月分が支払われる」と認識しておきましょう。

    介護職全体のボーナス平均は?

    「令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書」(101ページ)によると、介護職全体のボーナス平均は590,699円でした。

    男女別では男性が617,790 円、女性が581,210 円で、男性のほうが少し高い傾向にあるようです。

    年代別で見る介護職のボーナス

    では、年代別見る介護職のボーナスはどうでしょうか。

    年齢平均賞与
    20歳未満291,060円
    20歳以上25歳未満438,667円
    25歳以上30歳未満509,675円
    30歳以上35歳未満551,463円
    35歳以上40歳未満596,448円
    40歳以上45歳未満633,352円
    45歳以上50歳未満643,152円
    50歳以上55歳未満627,999円
    55歳以上60歳未満634,825円
    60歳以上65歳未満521,436円
    65歳以上70歳未満403,214円
    70歳以上352,778円

    参照:「令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書 資料編-135」

    勤続年数が影響しているかもしれませんが、40~60歳までは年間600,000円を超える賞与が平均になっています。介護職は経験を積めば積むほど賞与が高くなる傾向にあるといえるでしょう。

    勤続年数で見る介護職のボーナス

    勤続年数で見た介護職のボーナスは以下のとおりです。

    勤続年数平均賞与
    1年未満340,598円
    1年以上2年未満341,977円
    2年以上3年未満494,283円
    3年以上4年未満526,622円
    4年以上5年未満547,730円
    5年以上10年未満581,355円
    10年以上15年未満659,290円
    15年以上20年未満754,102円
    20年以上962,452円

    参照:「令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書 資料編-135」

    勤続年数2年を超えると、賞与がぐんと上がっていることが分かります。確実に給与アップを目指したい方は、同じ職場で働き続ける選択をするといいかもしれません。

    介護サービスの種類別で見る介護職のボーナス

    介護サービスの種類別でも介護職のボーナスをチェックしていきましょう。

    介護サービス平均賞与
    介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)794,986円
    介護老人保健施設716,654円
    認知症対応型共同生活介護(グループホーム)438,924円
    訪問介護480,476円
    通所介護515,091円
    特定施設入居者生活介護(有料老人ホームなど)539,514円
    訪問入浴介護348,255円

    参照:令和3年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書 資料編-134」

    多くの介護サービスの中でも、介護老人福祉施設、介護老人保健施設の賞与が高いことが分かります。賞与が多い場所で働きたい場合は、求人と合わせてこちらの表も参考に探してみてください。

    資格別で見る介護職のボーナス

    介護職は資格を保有することでキャリアアップが望める仕事です。ここでは、資格別に介護職のボーナスを見ていきましょう。

    保有資格平均賞与
    介護福祉士594,571円
    介護職員初任者研修453,117円
    実務者研修460,898円
    社会福祉士653,405円
    その他の資格625,872円
    無資格398,766円

    参照:令和3年度介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書 資料編-135」

    上記の表で分かるように、無資格よりも資格を保有しているほうがボーナスは高いようです。国家資格(介護福祉士や社会福祉士など)を取得するとボーナスが高くなる傾向のため、資格の取得を目指すモチベーションにもなりますね。

    ボーナスアップが目指せる環境で働こう!

    介護職として働くうえでボーナスの有無は、欠かすことができないチェックポイントですよね。介護職のボーナスは年代や勤続年数、保有資格、介護サービスの種類で異なることがお分かりいただけたと思います。求人を探すときはこの記事を参考に、納得できるボーナスがもらえる職場選びを目指してみてください。

  • サルコペニアとフレイルの違いとは?原因と対策法について

    サルコペニアとフレイルの違いとは?原因と対策法について

    サルコペニアとフレイルの違いをご存知ですか?どちらも高齢により身体の機能が低下する状態のことを指しますが、細かく見ていくと違いがあります。ただ、似ている言葉のため、違いについて答えられないという方もいるかもしれません。そこで今回は、サルコペニアとフレイルの基本概要を見直し、それぞれの違いについて見ていきましょう。サルコペニアとフレイルの原因や対策法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

    サルコペニアとフレイルについて

    まずは、サルコペニアとフレイルの基本概要、それぞれの違いと共通点について見ていきましょう。

    サルコペニアの概要

    サルコペニアとは、加齢によって筋肉量が減っていく現象のことです。老化現象のため、高齢になってから起きると考えている方もいるかもしれません。しかし実際には、20代半ばから30歳頃から進行が始まります。

    症状が進むと、つまずきやすくなったり、立ち上がるときに手をついたりするようになるでしょう。一見すると注意不足によってつまずいたようにも見えるため、筋力低下が進んでいることに気づきにくいという面があります。そのまま放置すると、歩行困難になることもあるでしょう。

    フレイルの概要

    フレイルとは、加齢にともなって起こる筋力の低下や心身の活動の低下によって、健康障害を起こしやすい状態のことです。フレイルは、身体の虚弱・心と認知の虚弱・社会性の虚弱の3つの要素が影響するため、多面的にケアする必要があります。

    フレイルの状態が悪化すると、要介護状態になることがあるため注意が必要です。ただし、フレイルのときに生活習慣などを見直すと、健康な状態に戻る可能性もあります。

    サルコペニアとフレイルの違いと共通点

    サルコペニアとフレイルの違いは、サルコペニアは筋力や身体機能の低下に着目するものの、フレイルはそれらに加えて認知機能や社会生活面などからも判断する点です。

    共通点は、症状を放置すると悪化していくばかりで、歩行困難や要介護状態になる可能性が高まること。そして、これらを予防する方法が、運動と食事であることです。

    サルコペニアの原因と診断基準

    ここからは、サルコペニアとフレイルの原因や診断基準を紹介します。まずは、サルコペニアについてです。

    原因

    サルコペニアの主な原因は加齢ですが、具体的に以下のようなものが考えられます。

    • 神経系の問題
    • 運動量の減少
    • 栄養不足
    • ホルモン分泌の減少
    • 酸化ストレス
    • 慢性的な炎症

    若い頃は、さほど運動しなくても筋肉量は落ちず、栄養バランスが少々悪くても身体に影響が出たりしないでしょう。しかし、高齢になると上記の原因によって普通に生活をしていても少しずつ筋肉量が減ったり、身体を思うように動かせなくなったりするのです。

    診断基準

    日本サルコペニア・フレイル学会では、2019年に発表されたサルコペニアの診断方法である「AWGS2019」に基づいたサルコペニア診断を推奨しています。筋肉の力・機能・量の3つの指標で判定し、筋肉の力は握力で判定します。

    サルコペニアと判定するには、筋肉量が低下していることが必須条件です。そして、他の2つのうちいずれかが低下している場合に、サルコペニアと診断されます。また、3つすべて低下している場合には、重症サルコペニアと診断されます。

    フレイルの原因と診断基準

    次に、フレイルの原因と診断基準について見ていきましょう。

    原因

    フレイルを引き起こす原因には以下のものが考えられます。

    • 生活習慣病などの病気
    • 加齢
    • 喫煙
    • うつ病
    • 孤立

    フレイルは、サルコペニアによって引き起こされることもあるため、フレイルとサルコペニアは密接に関係しているといえるでしょう。

    診断基準

    フレイルでは、以下の5項目のうち3つ以上当てはまるとフレイルだと診断されます。1つや2つに該当する場合は、フレイル前段階の状態です。

    • 体重減少:6ヵ月で2~3kg以上の減少
    • 筋力低下(握力):男性26kg以下、女性18kg以下
    • 疲労感:2週間以上、理由もなく疲れを感じる
    • 歩行速度:1m/秒より遅い
    • 身体活動:軽い運動や体操や、定期的な運動のいずれも、週に1回もしていない

    高齢者が要介護状態になる原因の多くが、脳血管障害などの病気に加えて、フレイルだといわれています。フレイルによって要介護状態に陥るケースは、高齢者特有のものといえるでしょう。

    サルコペニアやフレイルにならないために

    最後に、サルコペニアやフレイルにならないための対策法について、見ていきましょう。

    サルコペニア

    サルコペニアに陥らないために注意したいことは、筋肉量の低下です。筋肉量の低下を防ぐには、適度な運動と栄養バランスが整った食事が必要になります。

    ウォーキングや軽い筋トレなどがおすすめですが、椅子から立ったり座ったりするだけでも効果が期待できるでしょう。その他には、立った状態で「もも上げ」や「つま先立ち」をするのも有効です。バランスを崩しやすいため、壁や椅子につかまりながらすると良いでしょう。

    フレイル

    フレイルを予防するためには、栄養と運動、社会参加の3本柱で考える必要があります。栄養面では、栄養バランスの良い食事をよく噛んで食べることがポイントです。運動面では、軽い筋トレやウォーキングなどを行いましょう。

    社会参加とは、仲の良い友人と会話や食事を楽しんで、前向きな気持ちになれるような取り組みをすることです。趣味に没頭するのも、地域のボランティア活動に参加するのも良いでしょう。

    ▼過去記事

    まずはできることから始めよう

    サルコペニアとフレイルの違いはありますが、予防面を考えると重なる部分が多いことがわかったはずです。利用者さんにこまめに話しかけたり、ちょっとしたすき間時間があれば軽い運動を一緒にしたりすると、楽しみながらサルコペニアやフレイルを予防できるでしょう。利用者さんの様子を見ながら、まずはできることから始めてみると良いかもしれません。

  • 異性介護は問題?利用者さんの尊厳を守るために知っておきたいこと

    異性介護は問題?利用者さんの尊厳を守るために知っておきたいこと

    排泄や入浴などの身体的な介護を異性から受けることを、「異性介護」と呼びます。本来介護の原則は同性介護ですが、介護職は女性の比率が高いことから、やむを得ず異性介護を行っている施設も少なくありません。そのため、異性介護による問題も生じているのが現状です。この記事では、異性介護とは何か、また問題点や事前に知っておきたいポイントについて解説していきます。

    異性介護とは?

    異性介護とは、排泄や入浴などの身体的介護を、異性から受けることです。介護では、プライバシーへの配慮から同性介護が原則とされていますが、実際には人員が揃わないなどの理由から異性介護も行われています。

    異性介護の問題点

    異性介護は、利用者さんと介護職だけでなく、利用者さんの家族に対しても次のような問題点があると考えられています。

    利用者さんが我慢している状態にある

    まずは、利用者さん側の問題点です。同性介護に対して十分に配慮したいと考えている施設であっても、シフトなどの兼ね合いから、異性介護をせざる得ないこともあります。すると、同性介護を望んでいる利用者さんであっても、我慢して受け入れるしかありません。もちろん、介護職の方はプロとして適切な介護を行うため尽力しますが、利用者さんが我慢している状態であることは否めないでしょう。

    介護職の方がセクハラにあうことがある

    異性介護は、利用者さんだけでなく介護職にとっても問題点があります。例えば、利用者さんによるセクシャルハラスメントもその1つです。一部の利用者さんは、介護職の方の体を触ったりわいせつな言葉を話したりすることがあります。男女問わず起こり得る可能性がありますが、中でも女性の介護職の方が被害にあいやすく、離職につながるケースもあるようです。男性利用者さんは高齢とはいえ、女性よりも力が強いことも多いため、施設として十分な対策が必要だと考えられています。

    入所拒否になる可能性がある

    異性介護が利用者さんの家族に不安を与えることもあります。1つは、異性介護によるストレスです。同性介護と比べ、異性介護は利用者さん・介護職ともにストレスを感じやすいといわれるため、この点を不安視する利用者さんの家族も少なくありません。

    もう1つは、問題行動により入所を断られることが挙げられるでしょう。施設によっては、ショートステイを利用した上で入所の可否を判断するケースがあります。この場合、万が一ショートステイ時に問題を起こしてしまうと、入所自体がむずかしくなるケースも

    とくに異性介護の場合は、セクシャルハラスメントを起こしてしまう可能性があるため、できるだけ避けてほしいと考える利用者さんの家族は多いようです。このように、異性介護は利用者さんの家族にも不安を与える可能性があるでしょう。

    異性介護を行う際に知っておきたいこと

    異性介護における問題点はあるものの、同性介護だけで運営するのは難しいという施設は多いでしょう。そのため、実際には異性介護を行うことも十分考えられます。異性介護を行う際には、次のポイントを改めて理解しておくと良いでしょう。

    問題行動は施設全員で向き合う必要がある

    施設によっては、利用者さんの問題行動は介護職の対応が悪いと考え、穏便に済ませようとするケースがあります。しかし、暴力やセクシャルハラスメントなどの問題は、介護職1人だけで対応できる問題ではありません。そのため、異性介護による問題は施設全員で向き合い、対策を講じる必要があると認識しておきましょう。

    安心して利用者さんに介護を受けてもらえるよう配慮する

    異性介護では、同性介護では生じない問題が起こる可能性があります。そのため、利用者さんに安心して介護を受けてもらえるような配慮が必要でしょう。とはいえ、利用者さんごとに感じ方は異なるため、明確な答えがないことが現状です。難しい問題といえますが、気持ちは行動にも現れるため、相手のことを尊重する気持ちを持ち続けることは大切な配慮の1つといえるでしょう。

    異性介護における否定的な考えがあることも知っておく

    介護施設では、同性介護が原則であるため、異性介護における否定的な考えは少なからずあります。例えば、異性による介護は虐待だと考える方もいるようです。誠実に業務に取り組んでいる介護職の方が虐待行為をしているかどうかは、冷静に考えれば分かることですが、こうした考えを持つことは止められません。そのため、異性介護を行う場合は、さまざまな捉え方があると知っておくとトラブルへの対処も冷静に行えるでしょう。

    異性介護を行う前に現状を知っておこう!

    介護の基本は同性介護ですが、人員の関係から異性介護を行う施設も少なくありません。しかし、異性介護では同性介護とは異なる問題も生じやすいため、十分に配慮しておく必要があります。また、万が一問題が生じている場合には1人で悩まず、施設全体の問題として捉えてもらえるよう働きかけていくことが大切です。

  • 嚥下機能の低下の原因とは?低下を防ぐためにできる対策

    嚥下機能の低下の原因とは?低下を防ぐためにできる対策

    加齢により嚥下機能の低下が起こると言われていますが、なぜでしょうか?本記事では、嚥下機能の低下の原因を知りたい方に向けて、嚥下機能の基本概要はもちろんのこと、高齢者に嚥下機能の低下が起きる原因や、低下を防ぐ方法などについてご紹介します。嚥下機能の低下の原因が分かれば、利用者さんに、機能が低下しないための方法を説明できるようになるでしょう。

    嚥下機能とは?

    そもそも嚥下機能とは、食べ物を噛み砕いて食道や消化器官に送る動作のこと。嚥下機能の低下が起こると、食べ物を飲み込みづらくなります

    この飲み込みづらくなる状態を嚥下障害と呼び、悪化すると食事を摂りにくくなるのです。嚥下障害が進むと、栄養不足に陥ったり肺炎にかかったりするリスクが高まるでしょう。

    嚥下障害によって引き起こされる問題は以下の通りです。

    • うまく飲み込めずむせる
    • 食事が苦痛になる
    • 噛まずに食べられる物を選ぶようになる
    • 栄養不足になる
    • 脱水症状を起こす

    嚥下機能の低下が起こると、食べ物をうまく飲み込めず気管に入りやすくなるため、むせやすくなります。人は、食べ物を飲み込む際に喉の筋肉を使っているため、喉の筋肉が衰えると飲み込みにくくなるというわけです。

    嚥下機能が低下するということは、飲み込むことが苦手になるだけではなく、咀嚼も苦手になるケースがあります。この場合、咀嚼することに疲れ、飲み込むことも不得手なために食事が苦痛でしかなくなるでしょう。

    食事が苦痛になってしまうと、「少しでも嫌な思いをしたくない」という心理から、あまり噛まずに食べられる物を好むようになります。また、「飲み込むとむせる」という経験を重ねると、防衛反応から食べ物や飲み物を控えるようにもなるでしょう。結果、栄養不足や脱水症状を引き起こす可能性があるのです。

    さらに嚥下機能の低下が進むと、窒息する危険があります。窒息に気づきすぐに対応できれば良いですが、万一の際は亡くなるケースもあるため注が必要です。

    高齢者の嚥下機能が低下する原因

    高齢者の嚥下機能が低下する主な原因は筋肉の低下ですが、その他にもいくつかの原因が隠れています。1つの原因によって嚥下障害が起きているケースや、複数の原因が組み合わさることで起きている場合もあるでしょう。

    器官の異常

    食べ物が通過する口や食道などの器官にトラブルが起きているケースです。高齢者に限らず、口内炎や咽頭炎などが起きると、痛みや違和感から食事を摂りづらくなります。

    また、腫瘍などによって気道がふさがれ、食べ物を飲み込みづらくなっているケースもあるでしょう。

    筋肉や神経の問題

    器官にトラブルがないケースでは、筋肉量の低下や神経のトラブルが考えられます。この場合、自分が思ったように身体が動かせない、または動かしにくくなっているということです。

    パーキンソン病や脳卒中などの病気が直接的な原因となって、筋肉や神経が上手に使えず飲み込みを難しくしているケースもあります。

    精神的要因

    うつ病やストレスなどの精神的な問題で、喉に違和感を感じ飲み込みづらくなることも。食事の際は飲み込めるものの、唾液は飲み込みづらいなど、動作によって違いが出る場合は、精神的要因である可能性があります。

    薬の影響

    高齢者の場合、持病の治療や症状緩和のために、さまざまな薬を飲んでいるケースも。実は、それらの薬の作用によって嚥下機能の低下を引き起こしているかもしれません。例えば、抗精神病薬や抗パーキンソン薬、抗コリン剤などは、嚥下機能に影響する可能性があります。

    嚥下機能の低下を防ぐための工夫

    最後に、嚥下機能の低下を防ぐ方法について見ていきましょう。

    顔や口の筋肉を鍛える

    筋力低下を予防するためには、顔や口の筋肉を鍛えることを推奨します。口を閉じて頬を膨らませたり、すぼめたりする頬の体操などです。舌や唇の体操として、口を大きく開けて舌を前に出したり引っ込めたりするのも良いでしょう。

    唾液の分泌を促す

    唾液の分泌が少ない場合、口が乾燥して飲み込みづらいと感じるケースがあります。唾液の分泌を促すために、耳下腺や顎下腺、舌下腺のマッサージを行いましょう。

    発声訓練

    高齢者は大きな声を出す機会が少ないため、声帯や喉の筋力が低下している可能性があります。大きな声を出す発声訓練や、カラオケで歌を歌うのもおすすめです。歌を歌えば肺活量も鍛えられ、ストレス発散にもつながるでしょう。

    手術

    重度の嚥下障害の場合は、嚥下機能改善手術や誤嚥防止術などの手術によって治療することも可能です。ただし、誤嚥防止術の場合は声を出せなくなる可能性があるため、利用者さんや利用者さんの家族、医師を含めて相談する必要があります。

    嚥下機能の低下を防ぐためにできることを始めよう

    嚥下機能の低下が始まってから対策をした場合でも、ある程度の機能回復は望めるかもしれません。しかし、機能低下が始まる前から、顔や口の筋肉を鍛えたり発声訓練をしたりする方が、嚥下機能の低下を防ぐ効果が期待できます。頬や舌の運動やマッサージは簡単に行える方法のため、レクリエーションなどで積極的に取り入れていきましょう。

  • 口腔機能向上加算の算定要件とは?(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いも解説

    口腔機能向上加算の算定要件とは?(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いも解説

    口腔機能の管理は、若い方はもちろん高齢の方にとって大切です。口腔機能が低下すると、食事や会話、呼吸などに支障がでることも。口腔機能の低下を防ぐため、また機能低下を改善する目的から「口腔機能向上加算」が設けられました。しかし、実際には算定実績が少ないという面もあります。そこで今回は、口腔機能向上加算の概要や算定要件を中心に、算定が進まない理由などについても見ていきましょう。

    口腔機能向上加算とは?

    まずは、口腔機能向上加算の概要や口腔ケアが必要とされる理由について紹介します。

    口腔機能向上加算の概要

    口腔機能向上加算は、口腔機能が低下した利用者さんや、今後機能低下する可能性が高い利用者さんに対し、口腔機能向上サービスを提供した際に算定できる加算です。口腔機能向上加算を利用することで、口腔機能低下を理由とした要介護状態や要支援状態の悪化を防ぐためのサービスを、介護保険を使って提供できます

    口腔機能向上加算にて行われる口腔ケアは主に以下の通りです。

    • 口腔内の掃除
    • 口腔機能訓練

    これらは利用者さんの生活の質を維持し、低下させないために必要なケアなのです。

    なぜ高齢者に口腔ケアが必要なのか

    高齢者の主な死因のひとつに「肺炎」が挙げられますが、その中でも多いのが「誤嚥性肺炎」といわれています。嚥下機能が低下することで、食べ物や口の中の細菌を含む唾液が気管に入って肺炎を起こすのです。誤嚥性肺炎を防ぐために、舌や頬の筋肉を鍛えるケアが重要といえるでしょう。

    また高齢者は、入れ歯や柔らかい食事の影響で噛む力が衰えるために、唾液の分泌量が低下します。口の中が乾燥する原因になり、乾燥によって口の中の粘膜に傷がつくと、そこから細菌が侵入して動脈硬化を引き起こすことも。

    そのため、口臭の原因やその他の病気との関係も深い歯周病や虫歯、舌苔などをきれいにして、健康を維持し、食事を自分の歯で食べられるようにすることなどを目的にしています。

    口腔機能向上加算の算定要件について

    次に、口腔機能向上加算の算定要件について見ていきましょう。

    対象となる介護サービスと単位数

    対象となる介護サービスと単位数を表でまとめました。

    対象の
    介護サービス
    通所介護
    通所リハビリテーション
    介護予防通所リハビリテーション
    地域密着型通所介護
    認知症対応型通所介護
    看護小規模多機能型居宅介護
    介護予防認知症対応型通所介護
    単位数(Ⅰ)150単位/回(月2回を限度)
    (Ⅱ)160単位/回(月2回を限度)
    ※要支援者は月1回、要介護者は月2回まで
    (Ⅰ)150単位/月
    (Ⅱ)160単位/月

    単位数には、(Ⅰ)と(Ⅱ)があります。(Ⅱ)は、2021年の介護報酬改定で新しく設けられ、(Ⅰ)と(Ⅱ)を併用して算定することはできません

    (Ⅱ)を利用する場合は、科学的介護情報システム「LIFE」に利用者さんの口腔機能情報を提供し、LIFEからのフィードバックをもとに口腔機能向上ケアを改善するという仕組みを構築する必要があります。

    口腔機能向上加算の対象者

    口腔機能向上加算の前提条件として、事業所内で評価やアセスメントを実施し、地域包括支援センターやケアマネジャーのケアマネジメントを通じてケアプランに明記してもらう必要があります。また、利用者さんの同意も必要です。

    具体的な口腔機能向上加算の対象者は以下の通りです。

    • 認定調査票の「嚥下」「食事摂取」「口腔掃除」の3項目のいずれかで、見守りや一部介助、全介助を必要とする
    • 基本チェックリストの口腔機能に関連する13.14.15 .の3項目のうち2項目以上が「1.はい」に該当する

      13.半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか?
      14.お茶や汁物などでむせることがありますか?
      15.口の乾きが気になりますか?

    • その他口腔機能が低下している、またはそのおそれがある

    上記に該当する方であっても、口腔機能向上加算対象外になるケースがあります。次では、対象外の利用者さんについて見ていきましょう。

    算定対象外になる利用者さんとは

    以下の項目のいずれかに該当する利用者さんは、口腔機能向上加算対象外になるため、注意してください。

    • 医療保険の歯科診療報酬点数表にある摂食機能療法を算定している
    • 複数の事業所を利用し、他の事業所で口腔機能向上加算を算定している
    • 口腔機能向上加算算定に同意を得られていない

    摂食機能療法とは、摂食機能障害である利用者さんが、歯科医師もしくは歯科医師の指示によって言語聴覚士などが1回30分以上の訓練指導を行うことです。医療保険にて算定された場合は、口腔機能向上加算は算定されません。

    以前は、虫歯や入れ歯の治療などのために歯科を受診している場合、口腔機能向上加算は算定されませんでした。2009年4月以降は、歯科を受診していても上記の歯科診療報酬点数表にある摂食機能療法を算定していなければ、口腔機能向上加算を算定できます。

    口腔機能向上加算の算定要件

    ここでは、口腔機能向上加算における(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件を見ていきましょう。厚生労働省によると、口腔機能向上加算のサービスを提供するためには、算定要件を満たす必要があります。

    (Ⅰ)

    • 言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員を1名以上配置していること
    • 利用者の口腔機能を利用開始時に把握して、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種の者が共同して利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画を作成していること
    • 口腔機能改善管理指導計画に従い、言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員が口腔機能向上サービスを行い、利用者の口腔機能を定期的に記録していること
    • 利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画の進捗状況を定期的に評価すること

    (Ⅱ)

    • 口腔機能向上加算(Ⅰ)の要件を満たすこと
    • LIFEに口腔機能の情報提供を行うこと
    • LIFEへの提出情報やフィードバック情報を活用して、ケア方法を改善しサービスの質を管理していること

    要介護者の口腔管理は必要だが算定実績は少ない

    高齢者である利用者さんの口腔管理は、とても大切な役割があります。しかし、算定実績は少ないのが現状です。なぜ口腔機能向上加算の算定が進まないのでしょうか。

    要介護者の口腔管理の必要性

    2019年に日本歯科医学会が発表した「フレイルおよび認知症と口腔健康の関係に焦点化した人生100年時代を見据えた歯科治療指針作成に関する研究」では、要介護の高齢者のうち、歯科医療や口腔管理が必要な高齢者は64.3%でした。

    しかし、そのうち過去1年以内に歯科を受診し治療していたのは、わずか2.4%です。前述した話とこの調査でもわかるように、口腔管理の必要性が浸透していないといえるでしょう。

    口腔機能向上加算の算定が進まない理由

    2018年度に老人保健健康増進等事業が発表した「通所サービス利用者等の口腔の健康管理及び栄養管理の充実に関する調査研究事業報告書」によると、通所サービス事業所で口腔機能向上加算を算定する事業所は12%ほどという結果が明らかになりました

    算定が進まない主な理由は以下の通りです。

    • 口腔機能向上加算が必要な利用者さんの把握が難しい
    • 利用者さんや利用者さんの家族から同意を得られにくい
    • 算定を支援してくれる歯科医療機関がない

    歯科専門職が在籍していないために、利用者さんやその家族に必要性をうまく説明できないという面もあるようです。利用者さんの理解が得られるような体制づくりも課題といえるでしょう。

    口腔機能向上に対する意識改革が必要

    口腔機能向上加算は、利用者さんの健康にとって大切かつ有益な制度といえます。しかしまだ利用が進んでいないのが現状です。利用者さんの立場で考えると、介護保険を利用するのであれば、優先順位の高い事柄に使いたいと思うでしょう。介護スタッフが口腔機能向上加算の算定要件を理解し、利用者さんや利用者さんの家族に、口腔機能向上がどうして必要なのかの説明を丁寧に行わなければ、なかなか理解してもらえないはずです。説明会を行うなど、少しずつ意識改革をすると良いでしょう。また、事業所としては人材不足を解消したり、事務処理の勉強会をしたりするなど、口腔機能向上加算に取り組めるような環境整備も必要です。

  • 介護清拭の手順とは?利用者さん別の注意点もチェック

    介護清拭の手順とは?利用者さん別の注意点もチェック

    入浴などができない利用者さんに対し、介護職が行う業務の1つが「介護清拭」です。介護清拭では、蒸しタオルなどを用いて、利用者さんの体を清潔にしていきます。血行を促し、筋肉や関節のこわばりを緩和する働きもあるため、健康をサポートする目的でも活用されている方法です。この記事では、介護清拭とは何か、またその流れや利用者さん別の注意点について解説していきます。

    介護清拭とは?

    介護清拭(かいごせいしき)とは、介護職が行う業務の1つで、利用者さんの体を蒸しタオルなどで拭いて清潔にしていくことを指します。主に入浴ができない利用者さんに対して行うことが多いでしょう。介護清拭の目的は、以下のとおりです。

    • 体を清潔にする
    • 細菌感染などを防ぐ
    • 皮膚や爪の異常を早期に発見する
    • 血行を促進する
    • 拘縮(こうしゅく)や褥瘡(じょくそう)を防ぐ

    拘縮は関節の動きが制限されるため動かしにくくなる状態、褥瘡は一般的に床ずれと呼ばれており、どちらも寝たきりの利用者さんなどに起こりやすい症状です。介護清拭を行うことで、こうした症状を緩和することにもつながるでしょう。

    介護清拭の流れ

    清拭の方法は、全身を拭く「全身清拭」と、体の一部を拭く「部分清拭」、足や手などの体の一部をお湯に入れる「部分浴」に分けられます。ここでは一例として、ベッド上で全身清拭する場合の流れについて見ていきましょう。

    準備するもの

    準備物は以下のとおりです。

    1. 蒸しタオル:4~5枚(体用・顔用・陰部用)
    2. 乾いたタオル:3~4枚(体用・顔用・陰部用)
    3. バスタオルなど(利用者さんの保温用)
    4. ボディーソープまたは石けん
    5. 洗面器
    6. 使い捨て手袋
    7. ビニールシート
    8. 着替え一式

    ※必要に応じて準備するもの

    • 陰洗ボトル
    • 保湿剤またはパウダー

    蒸しタオルは、50~55℃程度のお湯または電子レンジで温め、ビニール袋に入れて保温しておきます。また、陰部洗浄時や感染症が疑われる場合には、使い捨て手袋の着用が必要なため、準備しておきましょう。

    介護清拭を行う前に確認するポイント

    介護清拭を行う前には、次のような利用者さんへの配慮や準備も必要です。

    【利用者さんへの配慮】

    • 清拭を行う了承を得ておく
    • 体調が変化しやすい空腹・満腹時は避ける
    • トイレは清拭前に済ませておく
    • 利用者さんの体にバスタオルなどをかけて保温する
    • 清拭を行う介護職の手も温めておく

    【室内環境の準備】

    • 部屋の温度は25℃くらいに保ち、すき間風に配慮する
    • カーテンや扉は締めておく

    介護清拭の手順

    介護清拭の基本は、「上半身→下半身→陰部」の手順で行います。身体を拭く際には、末梢部分から心臓に向けて行いましょう。大まかな手順は以下のとおりです。

    1. 顔

    顔用のタオルを使い、目頭から目尻に向けてやさしく拭きます。次に、「額→頬→あご」の順に、S字を描くように拭きましょう。この際、小鼻や耳の後ろなども忘れずに拭いていきます。

    2. 上肢

    体用のタオルを使い「手首→腕のつけ根」の方向に拭き、指の間やひじの内側、わきの下などを念入りに拭きます。ひじは関節を支えながら拭きましょう。

    3. 胸部・腹部

    寒さを防ぐため、下半身をバスタオルなどで保温し、「首→胸」の順に拭きます。胸部は、鎖骨や胸骨、肋骨などの骨に沿って拭きましょう。腹部は「の」の字を描くように、時計回りに拭きます。

    4. 下肢

    上半身をバスタオルなどで保温。ひざを立てて「足首→足のつけ根」の方向に拭き、ひざの裏や足裏、足の指の間を丁寧に拭きましょう。

    5. 背中

    利用者さんに横向き(側臥位)で楽な姿勢をとっていただきます。「腰→肩」の方向に、円を描くように拭きましょう。

    6. 臀部・陰部

    陰部用のタオルを使い、臀部は「外側→内側」の方向で円を描くように拭きます。陰部はデリケートな部位のため、可能であれば利用者さんにはご自身で拭いていただくよう提案しましょう。

    すべての清拭が完了したら、保湿剤やパウダーで肌を保護しておくことも大切です。

    利用者さん別の注意点

    介護清拭を行う際は、利用者さんに応じた次のような注意が必要です。

    男性の利用者さんの場合

    陰部や臀部などは、可能な限り利用者さんご自身で拭いていただきますが、介助する場合には「陰茎→陰のう→肛門」の手順で行います。この際、陰茎の包皮は伸ばして、シワの間に溜まった汚れも拭き取りましょう。

    女性の利用者さんの場合

    女性の利用者さんの場合は、胸部の清拭を行う際に、乳房の下側を入念に拭きます。また、陰部や臀部の介助に入る際は、恥骨から肛門までを一方向に拭くようにしましょう。この際、汚れが溜まりやすい大・小陰唇は丁寧に拭きます。汚れが多い場合は、石けんやボディーソープ、陰洗ボトルなどを用いて陰部洗浄を行いましょう。

    皮膚が弱い・皮膚疾患がある利用者さんの場合

    皮膚が弱いまたは皮膚疾患がある利用者さんは、タオルで強くこすらずにそっとあてる程度で清拭を行いましょう。また、乾いたタオルで水分を拭き取っておくと、水分蒸発によるエネルギー消耗が軽減できます。

    拘縮やマヒがある利用者さんの場合

    関節などに拘縮やマヒがみられる利用者さんは、無理にその部位を動かそうとすると脱臼や骨折につながるため、注意が必要です。動かす際には時間をかけて開くようにしましょう。

    介護清拭の流れを知って仕事に活かそう!

    介護清拭は、利用者さんの健康をサポートする業務の1つです。とはいえ、慣れないうちは難しいと感じる方も少なくありません。また、利用者さんに応じた注意点もあるため、流れを改めて確認しておくと安心でしょう。介護清拭のポイントへの理解を深めて、業務に活かしてみてはいかがでしょうか。

  • 認知症の周辺症状と中核症状はどう違う?基本をおさらい

    認知症の周辺症状と中核症状はどう違う?基本をおさらい

    認知症には中核症状と周辺症状があります。中核症状についてご存知の方でも、周辺症状については原因や症状を把握している方は少ないかもしれません。本記事では認知症の概要を解説し、中核症状と周辺症状の特徴を整理。周辺症状がみられる方への接し方のポイントをご紹介していきます。「介護施設で認知症の方と接する機会がある」「周辺症状について詳しく知りたい」といった介護スタッフの方々に読んでいただきたい内容です。

    認知症の基本をおさらい

    日本では65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症ともいわれ、施設利用者さんのなかにも認知症の方は少なくないかもしれません。まずは認知症がどのような疾患かおさらいしていきましょう。

    認知症とは

    認知症は、脳の変性疾患や脳血管障害により認知機能が低下して、日常生活に不便や影響が出る状態のことをいいます。認知症の代表的な種類をみていきましょう。

    <認知症の種類>

    • アルツハイマー型認知症
    • 脳血管性認知症
    • レビー小体型認知症
    • 前頭側頭型認知症

    認知症にはいくつか種類がありますが、一般的に多いのはアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症です。

    アルツハイマー型認知症は、脳神経の変性で脳が萎縮していく過程で起こる認知症。脳血管性認知症は、脳梗塞・脳出血といった脳血管障害が原因で起こる認知症です。この2つが合併して起こるケースもあります。

    レビー小体型認知症は手足が震えたり身体のこわばりがみられたりする認知症で、パーキンソン病の近縁疾患です。前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉が委縮することで起こります。

    認知症には中核症状と周辺症状がある

    認知症になると、さまざまな症状が出ます。記憶障害のほか、理解力や判断力の低下、徘徊などを思い浮かべる方もいるでしょう。こういった認知症の症状は、大きく2つ「中核症状」と「周辺症状」に分けられます

    中核症状は脳の神経細胞の障害によって起こる症状です。一方、周辺症状は中核症状に加えて環境、心理、身体、薬物の影響など複合的な要因が重なって起こります。

    次の項からそれぞれを詳しくご紹介していきましょう。

    認知症の中核症状とは

    認知症の中核症状がどうして起こるのか、どのような状態がみられるのか整理していきます。

    中核症状が起こる主な原因

    認知症の中核症状は、脳の機能低下がダイレクトに影響して出る症状です。脳の細胞が死んでしまう、脳の働きが低下する、といった要因が挙げられます。

    中核症状で起こること

    中核症状の例を確認していきましょう。

    <中核症状の例>

    • 記憶障害
    • 見当識障害
    • 理解力や判断力の低下
    • 言語障害
    • 実行機能障害

    記憶障害は、新しいことを覚えるのが難しくなり、聞いたことやしたことを忘れてしまうといった症状です。見当識障害では「いつ」「どこで」といった自分が置かれている状態の把握が難しくなります。

    理解力や判断力の低下は、一度に複数のことを言われたり、いつもと違うことが起こったりすると対応できなくなることです。言語障害では、言葉を聞き取れても理解ができない、考えていることを分かりやすく相手に伝えられないといったことが起こります。

    実行機能障害では物事を順序だてて考えて行動したり、効率良く動いたりすることが難しくなる症状です。

    認知症の周辺症状とは

    周辺症状は、BPSD(Behavior and Psychological Symptoms of Dementia)とも呼ばれます。認知症の中核症状に対して周辺症状がどのような原因で起こるのか、どのような状態がみられるのか、整理していきましょう。

    周辺症状が起こる主な原因

    周辺症状は前項で解説した中核症状にプラスして現れる症状ですが、すべての方に共通して起こる、というわけではありません。周辺症状は認知症の方の周辺環境が大きく影響し、症状にも個人差があります

    中核症状に加えて環境要因・身体的な要因・心理的な要因などが相互に作用しあって、結果として周辺症状が出るイメージです。

    周辺症状で起こること

    周辺症状では次のような例がみられます。

    <周辺症状の例>

    • 興奮
    • 徘徊
    • 妄想
    • うつ状態
    • 睡眠障害

    周辺症状は「過活動状態の周辺症状」と「非活動状態の周辺症状」に分けることができ、前者では興奮、徘徊、妄想などが例です。後者ではうつ状態となることや、睡眠障害が現れるといった例が挙げられます。

    これまでで触れているように、中核症状にさまざまな要因が加わって現れるのが周辺症状です。たとえば、中核症状で「約束を忘れてしまった」としましょう。これに対して自身が混乱した、相手に怒られた、といった要因で「うつ状態になる」「不安で眠れなくなる」などの状態がみられる場合、これが周辺症状です。

    中核症状や周辺症状が出ている高齢者への対応のポイント

    介護施設で認知症の症状がみられる高齢者の方々に接する際は、相手への気遣いが重要です。ご本人のペースを尊重して話をゆっくり聞く、明るくゆっくり分かりやすく話しかける、といったことをベースに、相手の尊厳を傷つけない接し方を心がけましょう。

    認知症の進行自体をおさえることは困難ですが、周辺症状に関しては接し方の工夫次第で軽減することができます。ポイントは3つです。

    <周辺症状がある方への接し方のポイント>

    • ご本人の自尊心を傷つけない
    • 原因に幅広く目配りする
    • 周辺症状に関しては一時的であることを説明する

    認知症の方への接し方のベースと共通しますが、まずはご本人の自尊心を傷つけない応対を心がけます。さらに、周辺症状はさまざまな要因が重なって起こるため、原因となり得る物事にアンテナを張っておくことも大切です

    周辺症状は一生続くものではありません。要因を取り除くことで軽減すること、一時的であることをご本人にお話しして、不安を除いてあげることも大切です。周辺症状がみられる施設利用者さんには、できるだけ笑顔で過ごしていただけるよう工夫していきましょう。

    周辺症状は接し方次第で軽減できる

    認知症には中核症状と周辺症状があり、周辺症状は中核症状にプラスしてさまざまな要因が重なって現れます。興奮、徘徊、うつ状態などがその例です。認知症の進行自体をおさえるのは簡単ではありませんが、周辺症状は介護スタッフの接し方ひとつで軽減のチャンスがあります。周辺症状の原因に目を配り、できるだけ施設利用者さんが楽しく、不安なく過ごせる環境を整えることがポイントでしょう。

  • 見当識障害の対応方法は?起こりやすいトラブルや予防法もチェック!

    見当識障害の対応方法は?起こりやすいトラブルや予防法もチェック!

    認知症の早い段階で現れる症状の1つに「見当識障害」があります。これは時間や場所、人に対する認識があいまいになる状態で、認知症の方であれば誰にでも現れる症状です。進行すると徐々に日常生活にも支障をきたすため、周りの方のサポートが重要となります。そこでこの記事では、見当識障害への対応法や予防法などについてご紹介。介護職が知っておきたいポイントを解説していきます。

    見当識障害とは?

    見当識障害とは、時間や場所などの認識があいまいになる、認知症の症状の1つです。認知症は大きく分けると、誰にでも現れる「中核症状」と、そこから引き起こされる二次的な「周辺症状」に分けられます。見当識障害は中核症状の1つのため、認知症の症状が現れた場合は誰にでも現れる症状です。

    見当識障害の症状

    見当識障害は、一般的に「時間」の感覚が薄れることから始まります。約束の時間に合わせた行動や日付の認識、季節に合わせた服装を選ぶことなどが難しくなるでしょう。進行すると、次は「場所」の感覚が薄れていきます。家の近所であっても道に迷ってしまい、帰れなくなってしまう方も少なくありません。さらに症状が進むと「人」に関する記憶があいまいになっていきます。たとえ目の前にいて話していたとしても、実際は誰と話しているか分からない状態となっているのです。このように、見当識障害では目の前のできごとが正しく認識できなくなりトラブルになることもあるため、周囲の理解と適切な対応が必要となります。

    見当識障害の原因

    見当識障害は、認知症の方であれば誰にでも現れる症状です。症状が現れる原因はそれぞれの認知症に由来します。例えば、アルツハイマー型認知症の場合は、アミロイドβと呼ばれるたんぱく質が脳に蓄積することが原因です。また、見当識障害が目立ちやすいレビー小体型認知症の場合は、レビー小体と呼ばれるたんぱく質が影響しています。このように、症状の出方は同じでも、発生原因は認知症の種類によって異なるのです。

    見当識障害で起こりやすいトラブル

    時間や場所、人の認識があいまいになる見当識障害は、少しずつ日常生活に支障をきたすようになります。具体的には次のようなトラブルが起こりやすいでしょう。

    • 約束の時間が守れない、遅れてしまう
    • 朝と夜の区別がつかず夜中に電話をかけてしまう
    • 店が開いていない夜中に買い物に出かけようとする
    • 近所であっても迷子になってしまう
    • 歩いていけるはずのない場所を目指して出かけようとする

    見当識障害の対応方法

    見当識障害は、症状が現れている方はもちろん、介護する側にも大きなストレスとなります。そのため、適切な対応方法を知り、接し方にも工夫を加えることが大切です。ここでは具体的な対応方法について見ていきましょう。

    見当識障害の症状を理解して冷静に対応する

    見当識障害が現れていると、いつも介護をしている方のことを侵入者と感じるなど、ときに相手の心を傷つけるような発言を繰り返します。そのため、介護にあたる方も穏やかな気持ちではいられないことが少なくないでしょう。しかし、当事者の方もわざと言っているわけではないため、怒ったり否定したりしないよう冷静に対応することが大切です。見当識障害の症状であることを認識し、振り回されずに対応していきましょう。

    環境の変化をできるだけ少なくする

    見当識障害を持つ方は、環境の変化に柔軟に対応することが難しい傾向があります。そのため、介護施設へ入所される方には、使い慣れている家具や思い出の品を持ってきてもらうよう声かけをすると、環境の変化を軽減できるでしょう。また、入所当初は「これから自分の住む場所である」と理解できない方も少なくありません。この際、「ここはあなたの家になる場所です」と説得するよりも、まずは安心できる場所であると認識してもらえるよう配慮することが大切です。

    体調に気を配る

    季節に合った服を選べなくなることも、見当識障害の症状の1つです。そのため、体調にも十分気を配るような対応が必要となります。この際、できるだけ当事者の方の気持ちを否定しない言い方を心がけることが大切です。

    【例】

    「今日は暑いから、その服はダメですよ」✕

      ↓

    「涼しい服にしてみませんか?これがとても似合いそうです」

    また、エアコンの温度調整などにもさりげなく気を配りながら、体調を崩さないよう配慮していきましょう。

    見当識障害のリハビリ方法

    見当識障害は脳のリハビリを行うことで、進行を遅らせたり現状を整理して不安を軽減させたりする効果が期待できます。ここでは、具体的な方法について見ていきましょう。

    時間や季節を意識した会話を心がける

    見当識障害は、時間や場所、人への認識があいまいになります。そのため、これらを意識した会話を心がけるとリハビリ効果が得られやすいでしょう。この方法は「24時間リアリティ・オリエンテーション」とも呼ばれており、具体的には次のような会話を意図的に投げかけていきます。

    【声かけの例】

    食事前「時計の針が12時を指していますね。お昼ご飯を食べましょう」
    散歩中「桜が満開です。春になりましたね」
    面会時「○○さんの息子の○○さんが会いに来ていますよ」

    このように、会話の中に時間や季節、人の情報を意識的に取り入れることがポイントです。この他、朝日を浴びられるようカーテンを開けたり、植物の世話をしたりなど五感を活用していくことも有効でしょう。

    失敗を減らすサポートをする

    見当識障害は、当事者の方も自分の状態を自覚しており、不安や焦りを抱いていることが少なくありません。そのため、失敗をできるだけ減らすような対応を心がけることで、自尊心を傷つけずに気持ちを整理してもらうことができるでしょう。例えば、トイレの場所が分かりやすいよう目立つ印をつけたり、定期的にトイレに誘う声かけしたりすると失敗を軽減し不安を和らげます。介護職の方のことを誰か思い出せない様子であれば「○○さんの身の回りのお手伝いをしている○○です」と自分から伝えても良いでしょう。さりげなく手助けをすることで、不安や焦りから解放するサポートが可能です。

    記憶を補うようなアプローチを取り入れる

    さまざまな記憶があいまいになってしまう見当識障害には、記憶を補うような対応も有効です。例えば、家族写真などを見ながら「この方は○○さんの息子さんですね」「この写真の場所は京都でしょうか?」など、思い出を引き出すようなアプローチをしても良いでしょう。また、当事者の方と一緒にその方の自分史年表を作っておくと、記憶を思い出す手がかりとなります。「記憶があいまいになってしまっても大丈夫」と思える安心感を少しずつ増やすことが大切です。

    見当識障害の適切な対応を知って利用者さんをサポートしよう!

    見当識障害は、認知症の方であれば誰にでも現れる症状です。そのため、適切な対応方法を知っておけば、利用者さんにこれらの症状が現れたときも冷静に対応できるでしょう。また、毎日のコミュニケーションを工夫することで症状の進行を緩やかにすることも可能です。この機会に見当識障害への理解を深め、日々の業務に活かしてみてはいかがでしょうか。

  • グループホームの仕事内容は?やりがいやメリット&デメリットも解説

    グループホームの仕事内容は?やりがいやメリット&デメリットも解説

    グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の方を対象とする少人数体制の施設です。ユニット型の家庭的な環境で利用者さんに安心して生活してもらい、それぞれに合わせたサポートや機能訓練など行います。そんなグループホームで働くなら、事前に仕事内容ややりがい、メリット&デメリットについて詳しく知っておくと安心です。「グループホームの仕事に対して興味がある」「介護業界で勤め先を探している」といった方に向けて、参考になる情報をご紹介します。

    グループホームの仕事内容について

    グループホームの役割は、認知症の進行を和らげて身体の機能維持を目指すことです。そのため、利用者さんが自宅で過ごすような状態に近い環境づくりが欠かせません。介護職員は利用者さん主体で生活を共にし、利用者さんご自身が居場所や役割を持てるよう努める必要があります。
    グループホームで働く介護職員の仕事内容を、項目ごとに見ていきましょう。

    【グループホームの仕事その1】生活援助

    グループホームでの主な仕事は利用者さんの生活援助です。利用者さんがご自身で掃除や洗濯、調理などの家事を行う様子を、介護職員が見守ります。サポートが必要であれば一緒に家事をする場合もありますが、あくまで“自立をサポートする”という立場でのケアを心がけましょう。

    【グループホームの仕事その2】身体介助

    介助が必要な利用者さんには、食事や入浴、排泄介助を行います。グループホームに入居するには、要支援2または要介護1以上の認定を受けている、集団生活を営むことに支障がない、などが条件です。そのため、負担が大きい介助が必要なケースは少ない傾向にあります。

    【グループホームの仕事その3】健康管理

    利用者さんのバイタルチェックをしてその日の健康状態を把握したり、服薬管理をしたりします。利用者さんのちょっとした体調の変化にも気付けるよう、日頃から目を配っておくようにしましょう

    【グループホームの仕事その4】認知症の進行緩和

    利用者さんの自立をサポートするグループホームには、認知症の進行を和らげて機能維持をする役割があります。レクリエーションやイベントを企画して一緒に参加することも介護職員の仕事のひとつです。

    【グループホームの仕事その5】夜間の見守り

    認知症の方が過ごすグループホームでは、夜間に徘徊する利用者さんも多く、見守りが欠かせません。巡回やコール対応、トイレの付き添い、体位変換などを夜間に行います。利用者さん一人ひとりに合わせたサポートを心がけましょう

    【グループホームの仕事その6】ケアプラン作成

    ケアマネジャーの仕事です。ケアプランの素案を作成するときは、利用者さんの日頃の様子をよく知る介護職員が対応しましょう。

    グループホームの仕事はどんな方に向いている?

    グループホームでの仕事が向いている方の特徴をご紹介します。

    コミュニケーション能力がある

    利用者さんとの距離が近いグループホームでは、あらゆるシーンでコミュニケーションが必要になります。そのため、「コミュニケーションを取ることに自信がある」方、自信はなくても「仕事を通じて利用者さんとじっくり向き合いたい」といった方に向いているでしょう。また、介護職員は見守り役の立ち位置になるため、気配りができるかどうかもポイントになります。

    臨機応変に対応できる

    グループホームで働く介護職員には、利用者さんの体調や気持ちの変化に合わせた対応が求められます。そのため、物事を冷静に判断して対処できる方が向いているでしょう。利用者さん一人ひとりの状態と個性に合わせて、安心感を与えられるサポートの仕方が大切です。

    学ぶ意欲と体力がある

    認知症の利用者さんの状態は日々変わるので、その変化の大きさに戸惑うこともあるでしょう。長く利用者さんと向き合っていくためには、学ぶ意欲と相手を知る努力が欠かせません。また、夜間の見守りも仕事のひとつなので、夜間業務もこなせる体力のある方に向いています。

    グループホームで働くことのやりがいについて

    やりがいとしては、仕事を通じて認知症ケアを学べることが挙げられます。認知症の方が入居するグループホームは、認知症ケアの実践の場。最初は理解できない利用者さんの行動も、日々関わるうちに理由や意図を理解でき、関わり方もわかってくるでしょう。
    また、サポートの効果を実感できることもやりがいのひとつです。認知症の方が家事を行うと、症状の進行を遅らせることに効果があると言われています。介護職員として日々の家事をサポートしていく中で、「利用者さんの症状が改善した(進行が遅くなった)」と実感するシーンがあれば、やりがいにつながるでしょう。

    グループホームで働くメリット&デメリット

    グループホームの仕事を通じて感じられる、メリットとデメリットをチェックしましょう。

    グループホームで働くメリット

    メリットとしてまず挙げられるのは、一人ひとりの利用者さんに寄り添った対応ができることです。グループホームは少人数制が基本なので、利用者さんとの距離が近く、一人ひとりの状態に合わせたサポートができます。
    2つ目は、資格を持っていない場合や未経験でも働けること。グループホームで働くために必要な資格は特になく、未経験の方を積極的に採用する施設もあります。未経験から認知症ケアの専門的な知識を身に付けたい方には大きなメリットになるでしょう。
    3つ目は、介護職員の身体的な負担が比較的少ないことです。共同生活ができる方が入居する施設であること、少人数制であることから、特養や老人ホームなどの介護施設と比べると介護職員が身体的な負担を感じるシーンは少ないでしょう。

    グループホームで働くデメリット

    デメリットは主に2つあります。
    1つ目は、認知症の利用者さんと接するため精神的な負担が大きいこと。認知症の影響で不安や焦燥感を抱える利用者さんも多く、介助の拒否や心無い言葉を言われることがあります。認知症だからと理解していても、精神的な疲れを感じる原因になりうるのです。
    2つ目は、夜勤対応は1人の場合が多いこと。グループホームが少人数制とはいえ、夜間に1人で利用者さんのサポートを行うのは負担になるでしょう。施設によっては夜勤専門の介護職員、という決め方ではなく交代制のケースもあり、生活リズムを整えにくいというデメリットもあります。

    グループホームの仕事を選択肢のひとつに

    高齢化により認知症の方の数が増加傾向にある現在は、グループホームで働く介護職員の需要が高まっています。「認知症への理解を深めてケアの知識を身に付けたい」「利用者さんに寄り添ったケアをしたい」という方は、グループホームの仕事を選択肢のひとつに入れてはいかがでしょうか。
    グループホームについての知識を深めるために、こちらの記事もぜひチェックしてください。

  • 入浴介助の注意点は?入浴の前・中・後に分けて詳しく解説

    入浴介助の注意点は?入浴の前・中・後に分けて詳しく解説

    階は異なるものの、介護施設で生活する利用者さんの多くが入浴介助を必要とします。入浴介助ではスムーズな進行が求められますが、注意点への意識も欠かせません。今回は入浴介助の注意点をメインテーマに、入浴シーンを3つに分けて詳しく解説します。まずは入浴介助の目的をおさらいしてから、順を追ってチェックしてください。

    入浴介助の目的は?

    入浴介助の目的は、利用者さんの身体の清潔を保って感染症を予防し、リラックスしてもらうことです。
    皮膚が汚れた状態だと、感染症や床ずれの原因になります。また、清潔さが不十分だと体臭が気になるようになり、利用者さんご自身や周りの方を不快にさせるかもしれません。清潔を保つことは、社会的に良好な関係を維持するためにも必要です。
    入浴介助のもうひとつの目的は、[btp_line]利用者さんにリラックスしてもらうこと[/btp_line]。入浴で身体が温まると緊張がほどけるので、血液の循環が促されて新陳代謝が高まります。身体がリラックスすれば睡眠の質の向上も期待できるでしょう。

    入浴介助の際に介護職員が心がけることは?

    入浴介助中に気を付けたいのが、利用者さんの安全です。転倒などの事故防止対策を徹底しましょう。体調がすぐれないときには無理をせず、清拭や足浴などを取り入れるのもおすすめです。また、着替えや体を洗うなど自分でできることはやってもらうよう促すのもポイント。難しい部分をさりげなくサポートしすることを心がけましょう。

    【入浴介助の注意点その1】入浴前はタイミングと温度変化に注意

    入浴介助の注意点として、入浴前に“入浴のタイミングと温度変化へ配慮”することが挙げられます。
    入浴のタイミングは空腹時と食後を避けましょう。空腹時は水分不足や血糖値の低下による体調不良の恐れがあり、食後は消化不良の原因になる可能性があります。また、入浴前の温度変化が大きいと利用者さんの身体へ負担がかかるため注意が必要です。入浴前に脱衣所と浴室を暖めて、ヒートショック対策をするとよいでしょう。温度変化が大きくなりやすい冬場は特に注意が必要です。
    その他、入浴前の利用者さんの体調、転倒の原因になる障害物の有無をチェックすることも入浴介助の注意点として意識しましょう。

    <入浴前の手順>

    1.体調チェック体温、血圧、脈拍、呼吸、表情など
    2.脱衣所と浴室の温度確認暖房器具や浴室暖房を活用
    3.浴槽のお湯はりと必要な物の準備お湯は38~40度を目安に
    4.脱衣所への移動移動前には利用者さんにトイレを済ませてもらう

    入浴前には、利用者さんご自身が入浴したいかどうかを確認することも忘れないようにしましょう。

    【入浴介助の注意点その2】入浴中は身体への負担と時間に注意

    入浴中は、利用者さんの身体への負担と入浴にかける時間に注意しましょう。
    身体の負担を減らすには、心臓から遠い足元からお湯をかけるのがコツ。お湯をかけるときは声かけをし、お湯の温度が熱すぎずぬるすぎないように気を付けましょう。また、長湯をするとのぼせる可能性があります。熱中症や脱水症状の原因にもなるので、5分程度の入浴を意識してください。

    <入浴中の手順>

    1.肌が触れる部分を温める床や椅子などが冷たくないように
    2.椅子に座ってもらう手すりがあれば活用
    3.お湯の温度確認介護職員と利用者さんの両方で確認
    4.足元からお湯をかけて順次洗う髪→顔→上半身→下半身の順に洗う。すすぎも入念に
    5.お湯に浸かる転倒と長湯に注意
    6.浴槽から出る転倒に注意

    浴室内は特に転倒のリスクがあります。利用者さんご自身に手すりを使ってもらうか、介護職員が身体をしっかり支え、転倒防止に努めましょう。

    【入浴介助の注意点その3】入浴後は転倒と水分不足に注意

    入浴後は、転倒のリスクと水分不足に気をつけてください。
    足が濡れていて転倒しやすい入浴後は、浴室を出てすぐに足の裏を拭きましょう。また、身体の水分が不足しやすいのも入浴後です。着替え終わったら利用者さんに水分補給をしてもらい、脱水を防ぎましょう。

    <入浴後の手順>

    1.タオルで水分を拭き取る足の裏、身体、頭
    2.着替え椅子に座った状態でゆっくりと着替えてもらう
    3.水分補給と体調チェック入浴前と同じく変化に注意

    入浴後は、入浴の疲れで利用者さんの身体に変化が出やすいタイミング。体調の変化をじっくりと確認することも入浴介助の注意点です。

    “無理なく、安全”な入浴介助を目指そう

    入浴介助は、傷や内出血など利用者さんの身体の変化に気付きやすいタイミングです。入浴をサポートしながら「いつもと違うところはないか?」と目を配ることも意識しましょう。介護職員が入浴介助で心がけることは、“無理なく、安全に”。入浴介助の注意点をふまえたうえで、利用者さんご自身でできることはなるべく任せる、という点も大切です。

  • 介護の日とはどんな日?11月11日に決定した理由は?

    介護の日とはどんな日?11月11日に決定した理由は?

    みなさんは11月11日が「介護の日」であることをご存知でしょうか。介護関係の仕事をしている方にとっては身近な話題かもしれません。本記事では、介護の日とはどのようなものか、多くの方に関心を持っていただくためのヒントとして、制定された理由や名称の由来を分かりやすく解説していきます。ぜひ身近な方へ説明する際の参考にしてください。介護の日に関連したイベントの例などもご紹介していきます。

    介護の日とは?制定の背景と名前の由来

    介護の日とは、介護を多くの方に意識してもらうことを目的に制定された日です。介護の日に関連したイベントなどに参加したことがある方もいるでしょう。もちろん「知らなかった!」という方も珍しくありません。まずは概要をチェックしていきましょう。

    介護の日は11月11日

    介護の日とは、「高齢者や障害がある方の介護に関する啓発を重点的に実施する日」として厚生労働省が制定したものです。2008年の「福祉人材フォーラム」で厚生労働大臣によって発表されました。

    介護の日は毎年11月11日にやってきます。この日程と名称になった理由は、パブリックコメント(意見募集)で最も多くの支持があったからだそうです。

    介護の日の由来

    介護の日の日程や名前の由来を深掘りしていきましょう。

    日程の由来

    日程の背景にはこのような言葉があります。
    「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」

    介護の日とは「いい日、いい日」にかけた語呂合わせで、11月11日となっているのです。覚えやすく、親しみやすくて素敵ですね。ちなみに、当初は「4月4日(よりよい介護)」「11月15日(いいかいご)」といった候補もありました。

    名称の由来

    介護の日の名称が決まった経緯もご紹介していきましょう。

    当初、ネーミングには「介護ささえあいの日」「かいごの日」「介護感謝の日」といった数々の候補がありました。これらからパブリックコメントで最も票数を集めたのが、最終的に決定となった「介護の日」だったそうです。

    介護の日が制定された理由とは?

    介護の日が必要とされた理由をより深く理解していきましょう。

    厚生労働省によると、介護の日とはこのような意味を持ちます。

    [btp_box]

    「介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日」[/btp_box]

    引用:厚生労働省:「介護の日」について

    介護の日とはつまり、「国民のみなさんに介護をより身近なものとしてとらえて関わってもらうために重点的に啓発する日」といえます。

    介護のお仕事をされている方々は、介護の必要性や支え合いの重要性、大変さまで身をもって感じ、多くの方からさらなる関心・理解を得ていくことの大切さも実感されているのではないでしょうか。「介護の日」をひとつのキッカケとして、介護についてどんどん発信して協力の輪や人材の輪を広げていけたらよいですね。

    介護の日にちなんだ啓発活動やイベントを紹介

    介護の日とはどのような日か理解を深めたところで、ここからは、介護の日にちなんだ啓発活動やイベントの例をご紹介していきます。ぜひ介護について発信する際のヒントとしてお役立てください。

    11月4〜17日の2週間は福祉人材確保重点実施期間

    厚生労働省では、介護の日を含めた11月4日~17日の2週間を「福祉人材確保重点実施期間」としています

    福祉人材確保重点実施期間とは、福祉・介護サービスについて理解を一層深めるための普及啓発を行い、福祉に関わる人材の確保と定着を促進するための取り組みをする期間です。

    介護の日にちなんだイベント

    介護の日に行われているイベントとしては、講演会やコンクールの実施、仕事の相談会などが挙げられます。日本介護福祉士会が2022年に各都道府県で行った取り組みから例をご紹介していきましょう。

    <介護の日のイベント例>

    • 「介護の仕事普及啓発事業」として「医療・福祉・介護なんでも相談会」を実施
    • イベントで介護に関する映像を上映
    • 癒しの動画を配信
    • 介護に関する作文コンクールや写真コンクールを実施、表彰
    • 介護技術コンテストを実施

    このように、介護の日にちなみ、10~11月中心に各所でさまざまな立場の方々が参加できる多彩なイベントが実施されました。

    介護の日を意識してみよう!

    介護の日とは、介護についての理解や介護に対する意識を高め、介護に関わる方が増えていくよう、啓発を行う目的で制定されたものです。これまで気にしていなかった方も、ぜひ11月11日は積極的にイベントに参加したり、介護について発信したり、有意義に過ごしてみてはいかがでしょうか。本文の内容を豆知識としてお役立てください。

  • 介護福祉士に不合格でも大丈夫!次に活かすために取り組むべきこと

    介護福祉士に不合格でも大丈夫!次に活かすために取り組むべきこと

    介護福祉士試験に落ちてしまった…という方は不合格でも諦める必要はありません。来年の試験に向けて失敗を分析し、活かしていくことが大切になります。そこで今回は、介護福祉士試験に不合格でも、再チャレンジで合格を目指す方法を詳しく解説しました。来年受験する際の手続きに関することにも触れています。どんな風に対策すればいいか分からない、モチベーションを維持する方法を知りたい、という方はぜひ参考にしてください。

    介護福祉士に落ちることは珍しくない

    介護福祉士の合格率は全体の70%といわれています。10人のうち3人は落ちる試験のため、不合格になることは決して珍しくありません。介護福祉士試験の結果は3月下旬に受験者全員に発送されます。通知は不合格でも届くため、なかなかお知らせが来ないから不合格、というわけではないことを覚えておきましょう。介護福祉士の合否は試験センターのホームページでも確認ができます。いち早く合否を知りたい方は検索してみてください。

    介護福祉士は何度でも挑戦できる国家資格です。不合格でも諦めず、来年の試験に向けて対策を始めるとよいでしょう。介護福祉士を1度受験すると、2回目以降の試験は、実務経験証明書といった受験資格を証明する書類の提出が不要になります。受験の申し込みも、インターネット上でできるようになるので、初回の受験時よりも手続きが簡単です。

    介護福祉士に何度も落ちてしまう理由

    介護福祉士に合格できない理由は、以下のような要因が挙げられます。

    • 本番に弱い
    • 勉強方法が合っていない
    • 勉強時間が足りず知識が定着していない
    • 選択式の回答のため何とかなると思っている

    次回の受験で合格を目指すためには、落ちた理由を分析することが大切です。介護福祉士の試験は、実務経験が豊富だから勉強しなくても大丈夫、というものではありません。現場の経験だけでは身につかない専門知識も多く出題されます。しかし、勤務が多忙で勉強時間が確保できない、勉強は十分しているはずなのに緊張で頭が真っ白になる。このような理由で不合格になっている場合は、対策を立てて次の試験に臨む必要があります。

    介護福祉士の不合格通知が届いたらやるべきこと

    ここからは、介護福祉士の試験に再挑戦するために押さえておきたいポイントをご紹介。今回は不合格でも次回は頑張るぞ!と思っている方は、ぜひ参考にしてください。

    まずは基本をおさらいする

    介護福祉士の問題は、基本的な内容がほとんどです。少し難しい問題も基本を応用したものばかりなので、まずは基本部分をおさらいしましょう。基本を押さえることで、正しいものを選ぶ選択問題だけでなく、事例問題の生活も導き出すことが可能になります。介護福祉士になるために必要な基礎知識はどのテキストにも掲載されているので、今持っている参考書を再度読み込んで基本を再確認しましょう。

    日常の業務や実務者研修で学んでいないことを重点的に取り組む

    介護福祉士の試験では、日々の業務で経験していること、実務者研修で学んだことも出題されます。過去に学んだことがある、体験したことがあるという範囲は理解がとても早いので、関わりが薄い分野を重点的に取り組んでいきましょう。例えば、病院で働いている場合はデイサービスや居宅サービスについて、介護保険施設ではない場所で勤務しているケースでは、介護保険になじみが薄くなりがちです。実務で経験したことが少ない範囲は苦手になりやすいことを踏まえて、効率のよい学習を目指してみてください。

    繰り返しを意識して理解を深める

    試験直前にテキストを読み込み、忘れないうちに試験を受けたという方もいるかもしれませんが、反復しない勉強方法は理解が浅くなりやすく、実は非効率です。できれば、全体的に繰り返しながら理解を深める勉強法に変えてみましょう。また、間違ってもよいという考え方で問題集を解き、解説を何度も読みこむという学習法もおすすめ。繰り返すうちに理解が深まるうえ、精神的にも楽に続けられます。

    量より質を意識した目標に変えてみる

    介護福祉士は仕事をしながら取得を目指す方も多い資格です。毎日1時間は机に向かって勉強をしよう、と決めていても思うように時間が確保できない…という日が続くこともあるでしょう。そんなときは「毎日〇個単語を覚える」「この分野を1週間で理解する」など、時間より質を意識した目標への変更がおすすめです。単語を覚えるだけなら、わざわざ机に向かう必要はありません。今はスマホで学習を進められる便利なアプリも登場しているので、通勤中や勤務中の休憩時間、トイレ中など隙間時間を活用して勉強することができます。この方法なら、短時間でも毎日勉強を続けられるので、モチベーションも維持しやすいでしょう。

    勉強する環境を変えてみる

    自宅で勉強をしていると、ついスマホを眺めてしまう、家族の生活音が気になって集中できない、という事態が起こりがちです。そんなときは、図書館やカフェなど勉強する環境を変えてみるのもおすすめ。自宅外で学習するほうが意外と集中できることに気付けるかもしれません。また、同じように介護福祉士を目指しているという方と一緒に勉強するのもよいでしょう。分からないところを教え合う場面も生まれやすいため、アウトプットできるよい機会を作ることができます。

    受験対策講座を受講してみる

    独学での勉強法がいまいちつかめないという方は、受験対策講座を受講するのもおすすめです。資格取得を専門にしたスクールが開講されており、介護福祉士の合格を目指すために必要なノウハウをいちから教えてくれます。最新の出題傾向や、頻出ポイントを押さえたカリキュラムで無駄のない学習を進められるため、勉強時間の確保が難しい方の強い味方になることでしょう。授業料は講座により異なるので、予算と相談しながら受講を検討してみてください。

    受験までモチベーションを維持することも大切!

    長期に渡って勉強をする方が多い介護福祉士の試験勉強は、モチベーションを維持することも大切な要素になります。やらないといけないと分かっていても、やる気が続かない…そんなときは、以下のようなモチベーションアップ術を試してみましょう。

    • 1度勉強から離れてリフレッシュする
    • 1日5分だけ、通勤中だけなど短い時間だけ勉強する
    • 周囲の人に介護福祉士に挑戦することを公言し、逃げられない環境を作る
    • 合格したあとの自分を想像する

    これら以外にも、学習状況を可視化してみるのもおすすめです。どこまで学習ができているかテキスト内を整理すると分かりやすいでしょう。学習の記録はやりがいにもつながります。あとどれくらい勉強しなくてはならないか、の目安も分かるようになるので今後の学習計画にも役立ててみてください。

    不合格の経験を活かして次は合格を目指そう!

    介護福祉士に不合格でも、再挑戦して合格を目指す方法をご紹介しました。10人中7人が合格する資格と思うと、どこか簡単そう…というイメージが湧くかもしれませんが、いい方を変えれば30%の方は落ちる試験です。しかし、難易度が高い試験ではないので、勉強をすれば合格を目指すことができる、と信じて再チャレンジしてみてくださいね。

  • 【介護現場の労災事例】予防するための対策法とは?

    【介護現場の労災事例】予防するための対策法とは?

    業務上で生じたケガや病気などは、労災保険で認められると一定の給付を受けられることがあります。介護現場で発生するケガや病気なども、例外ではありません。この記事では、労災保険とは何か、また介護現場の労災事例についても解説。過去どのようなときに、労災認定されてきたのかについても見ていきます。また、労災事故を防ぐ対策についても確認してみましょう。

    労災保険とは?

    労災保険とは、業務中または通勤中などにケガ・病気・障害または死亡した場合に、その労働者や遺族に必要な保険給付が行われる制度です。正式名称は、労働者災害補償保険といいます。適用される災害は、以下の3つです。

    <労災保険で適用される災害の種類>

    業務災害業務中に労働者が負ったケガ・病気・障害または死亡のこと
    複数業務要因災害複数の事業場で働く労働者の方が対象で、ストレスをはじめとした業務負荷で生じた傷病のこと
    通勤災害通勤中に追ったケガ・病気・障害または死亡のこと

    介護現場での労災事例

    介護現場でも、労災に認定される事例はいくつかあります。ここでは、具体的な介護現場での労災事例について見ていきましょう。

    転倒・腰痛・腱鞘炎など

    介護現場の労災事例として多く挙げられるのが、転倒や腰痛です。とくに腰痛は、ベッドや車いすの移乗・入浴介助・トイレやおむつ介助など、前傾や中腰姿勢で行う動作により発症する方も多いでしょう。
    介護業務における次の腰痛は、労災認定の対象になっています。

    • 災害性腰痛:業務中の突発的なケガによる生じた腰痛

     (例:体の大きな利用者さんを支えきれずに、腰に大きな力がかかった)

    • 非災害性腰痛:慢性的な腰の負荷により発症した腰痛

     (例:入浴介助を3ヶ月以上継続していたことにより腰に痛みが生じた)

    非災害性腰痛の場合は、医師から「介護業務が原因で療養の必要あり」と診断されると、労災に認定される可能性があります。また、腕や手首などに負担がかかる業務を6ヶ月以上行ったことが原因で腱鞘炎になった場合も、労災認定される可能性があるでしょう。

    交通事故

    介護現場の労災事例の中には、利用者さんのご自宅へ向かう途中や送迎中の交通事故も含まれています。厚生労働省が公表する「社会福祉・介護事業における交通労働災害の発生状況」によると、次のように一度に3人以上の労働者が被災する重大災害もあったようです。

    • 送迎中にカーブを曲がりきれず電柱に激突し、3人が負傷
    • ワゴン車での送迎中に、信号がない交差点でトラックと衝突、利用者さん1人死亡、労働者3人が負傷
    • 訪問先への移動中に、信号のない交差点で乗用車と衝突し、3人が負傷

    なお、介護現場の労災では、11時台と16時台で交通事故が発生する事例が多いというデータが示されています。

    ウイルス性の感染症

    介護現場での労災事例には、ウイルス性の感染症も入ります。過去には、介護職が新型コロナウイルス感染症にり患した際に、労災に認定された事例がありました。また、どの業務で感染したかなど原因が明らかであれば、疥癬(かいせん)などの皮膚感染症が労災認定されることもあります

    利用者さんからの暴力

    介護現場の労災では、認知症の周辺症状により暴力的になった利用者さんによって介護職が負傷する、といった事例もあります。こうした際も、事業主の管理下で勤務していたことが認められれば、労災認定される可能性があるでしょう。万が一利用者さんからの暴力によって負傷した場合は、具体的な状況や業務との因果関係を正確に把握・証明できるよう記録することが大切です。

    精神障害

    精神障害は、仕事などのストレスが原因で発病する症状です。介護職の労災事例にも、うつ病など精神障害のケースは含まれています。精神障害の労災認定では、とくに重大事故につながると判断される次の5つのケースで認められることが多いようです。

    • 重度の病気やケガをしたことが原因のとき
    • 他者に重大な病気やケガを負わせてしまったことが原因のとき
    • ミスが原因で会社経営などに重大な損失を与え、事後対応にも追われたことが原因のとき
    • 退職を強要されたことが原因のとき
    • ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けたことが原因のとき

    これらはストレスが高い事柄と認められているため、精神障害の労災が認められやすいと考えられています。

    労災事故を防ぐ対策とは?

    ここからは、労災事故を防ぐ対策について見ていきましょう。

    危険は「見える化」しておく

    介護現場では、事故につながる危険が数多く存在します。そのため、転倒しやすい場所に注意喚起のステッカーを貼るなど、危険の「見える化」をしておくと事故のリスクを軽減できるでしょう。

    KY活動に取り組む

    KY活動とは、「K:危険」「Y:予知」の頭文字をとってつけられた活動です。業務開始前に介護職同士で、職場に潜んでいる危険を見つけるための話し合いの場を設けることなどをKY活動といいます。とくに危険なポイントは「重いものを運ぶ作業姿勢ヨシ!」など、指さし呼称をして確認していきましょう。

    災害の原因を取り除く

    災害の原因を取り除く活動としては「整理・整頓・清掃・清潔」の4S活動が推奨されています。4S活動が実施されていれば、感染症や転倒のリスク軽減につながるだけでなく、作業効率を高める効果も期待できるでしょう。

    ▽介護におけるヒヤリハットの特徴が知りたい方は、こちらの記事がおすすめ!

    介護現場の労災事例から対策法を知っておこう!

    介護現場では、利用者さんの身体介護や職場環境などが原因で、労災が認められる事例がありました。介護職に多い腰痛なども、発症原因によっては労災として認められる可能性があるでしょう。介護現場の労災事例を知っておけば、防げる事故も少なくないです。この記事も参考に日々の業務を見直してみてはいかがでしょうか。

  • ケアマネ試験に◎過去問や問題が入手できるおすすめアプリ&サイト9選

    ケアマネ試験に◎過去問や問題が入手できるおすすめアプリ&サイト9選

    ケアマネジャー(介護支援専門員)の試験は働きながら挑戦する場合が多いため、[btp_line]勉強時間の確保が大きな課題[/btp_line]となっている方もおられるでしょう。そこで今回は、ケアマネジャー試験の過去問を手軽に解くことができるサイトやアプリを9個ご紹介します。過去問だけでなく、オリジナル問題が解けるツールも登場するので、なるべく多くの問題を解きたい!という方も必見です。隙間時間を活用して学習できるサイトやアプリが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

    ケアマネジャーの試験はいつあるの?

    ケアマネジャーの試験は[btp_line]毎年10月中旬の日曜日に実施[/btp_line]されています。独学で合格を目指すなら、年が明けた1月から勉強をスタートさせるのがおすすめ。働きながらケアマネジャーを目指す方は、毎日の勉強時間を確保することすら難しいため、余裕を持ったスケジュールで学習を進めていきましょう。

    ケアマネジャー試験に合格するためのポイント

    合格率が例年10~20%台と低いケアマネジャー試験に合格するには、毎日30分でもコツコツと勉強することが大切です。専門的な知識を幅広く問われるうえ、暗記重視な内容で問題が作られています。したがって、テキストで基礎知識を学び、問題集や過去問でアウトプットしながら、解けなかった問題をおさえていくという反復する学習が必要です。とくに過去問は、出題傾向を掴んだり苦手分野を把握したりするためにも、早い段階から触れておく必要があります。

    そこでおすすめなのが、ケアマネジャー試験の過去問が解けるサイトやアプリの利用です。スマホで手軽に問題を解くことができ、隙間時間を有効に使えます。スケジュール管理が難しい、仕事をしながらの試験勉強の強い味方になるので、ぜひケアマネジャー試験の過去問が掲載されているサイトやアプリを活用していきましょう。

    ケアマネの過去問が解けるおすすめ【サイト】3選

    まずは、ケアマネジャーの過去問が解けるおすすめのサイトを3つご紹介していきます。

    過去問.com(過去問ドットコム)

    「過去問.com」は2009年から毎年のケアマネジャー試験の過去問を無料で掲載しているサイトです。過去問は解きたい年度や分野を選び、出題ボタンを押すだけで解くことが可能。ランダムに出題する、法改正された問題を除外する、といった選択もできます。ログインすれば、間違った問題だけをピックアップしてくれる、問題に付箋をつけてコメントが残せるといった機能が利用できて非常に便利です。PCだけでなくスマホなどさまざまな端末から利用できます。

    サイト名過去問.com
    スマホアプリなし
    課金なし
    過去問数過去13年分(2023年2月現在)
    オリジナル問題あり

    ケアマネジャー試験過去問題集

    サッと読んで理解できる、分かりやすい解説が特徴の「ケアマネジャー試験過去問題集」。とくにポイントになる問題は、動画付きで丁寧に分かりやすく解説しています。サイト内では、全分野だけでなく分野別でもテスト問題を出題、学習効果が高まる一問一答形式もあるので、3つの勉強法を試すことが可能です。シンプルなサイト構成なので、操作方法も分かりやすいことも嬉しいポイントになっています。

    サイト名ケアマネジャー試験過去問題集
    スマホアプリなし
    課金なし
    過去問数過去10年分(2023年2月現在)
    オリジナル問題なし

    過去問クイズ

    あらゆる資格の過去問を掲載しているサイト「過去問クイズ」では、ケアマネジャー試験の過去問も無料で掲載しています。過去問を出題された通りに解くことはもちろん、分野別、ランダムでの出題形式も選択可能。問題を解くごとに正しい回答と解説を確認する、もしくは解いた後で全部まとめて確認することもできるので、お好みのスタイルで学習を進められます。

    サイト名  ケアマネジャー試験過去問題集
    スマホアプリなし
    課金なし
    過去問数過去9年分(2023年2月現在)
    オリジナル問題なし

    ケアマネの過去問が解けるおすすめ【アプリ】5選

    ケアマネジャーの過去問は、スマホアプリでも解くことができます。では、どのようなアプリがあるのかチェックしていきましょう。

    ケアマネ 過去問(解説と模試付き)

    8年分の過去問と、2回分の模擬試験を掲載した、ケアマネジャー試験に役立つおすすめアプリ。ほどよい解説が特徴で、サクサクと学習を進められます。過去問検索やマイリスト機能、消去法で解くときに便利な付箋機能もあってとても便利。科目別に分析もしてくれるので、苦手分野の把握にも役立てることができます。

    アプリ名ケアマネ 過去問(解説と模試付き)
    課金なし
    過去問数過去8年分(2023年2月現在)
    オリジナル問題あり

    【中央法規】ケアマネ合格アプリ2022 過去+問題+一問一答

    介護系資格の参考書で有名な中央法規が作ったケアマネジャー試験対策アプリです。今回ご紹介するのは2022年の最新版。過去問25問、問題集25問、一問一答60問を無料で利用することができます。フルバージョンは課金が必要ですが、実績ある出版社が作るアプリなので、無料バージョンでも満足できることでしょう。

    アプリ名 【中央法規】ケアマネ合格アプリ2022 過去+問題+一問一答
    課金ダウンロードは無料、サイト内課金あり
    過去問数無料は25問、課金で全300問、一問一答形式で全1,200問(2023年2月現在)
    オリジナル問題あり

    ケアマネ(ケアマネジャー)暗記カード+過去問解説付き

    知識の定着に便利な暗記カード機能を搭載した無料アプリ。独自の問題セットの作成や、苦手度を色分けできる付箋機能もあるので、復習する際にとても役立ちます。学習記録機能も搭載しているので、毎日の勉強を可視化しやすくモチベーション維持にも便利。これだけの機能がありながら無料で利用できるので、お試しする価値ありのアプリです。

    アプリ名ケアマネ(ケアマネジャー)暗記カード+過去問解説付き
    課金無料
    過去問数過去12年分(2023年2月現在)
    オリジナル問題なし

    ユーキャン資格本アプリ

    資格取得で有名なユーキャンが提供する一問一答形式の問題集アプリ。ケアマネジャー試験の過去問を分析したオリジナル問題を600問解くことができます。利用方法は、ユーキャン資格本アプリをダウンロードし、アプリ内でケアマネジャーの問題集を購入すればOK。試験によく出るポイントを押さえたいときの利用におすすめです。

    アプリ名ユーキャン資格本アプリ
    課金ダウンロードは無料、サイト内課金あり
    過去問数なし
    オリジナル問題あり

    ケアマネ試験400問 – 目指せケアマネジャー!

    これまでに実施された試験問題の中から400問を厳選し、4択問題に編集された問題集アプリです。ランダムに20問ずつ出題され、間違った問題のみや分野別にも挑戦が可能。テスト結果は履歴に残るので、復習にも便利です。そのほか、ケアマネジャーに関するニュースやお仕事の紹介などもあるので、無料ながら充実した内容となっています。

    アプリ名ケアマネ試験400問 – 目指せケアマネジャー!
    課金なし
    過去問数なし
    オリジナル問題あり

    番外編!ケアマネ試験におすすめアプリ

    ケアマネジャー試験の過去問は掲載されていませんが、試験のためにチェックしておきたいアプリもあります。

    ケアマネジメント・オンライン~ケアマネジャーのための業務支援アプリ~

    このアプリでは福祉にまつわるニュースや、介護保険制度の最新情報を入手できます。今現在ケアマネとして働いている方向けの内容ですが、これからケアマネジャーを目指す方にとっても有益なツールです。厚生労働省が速報する介護保険制度の情報などをいち早く知ることができるので、試験勉強に活用してみてください。

    アプリ名ケアマネジメント・オンライン~ケアマネジャーのための業務支援アプリ~
    課金なし
    過去問数なし
    オリジナル問題なし

    ケアマネ試験の過去問を1問でも多く解いて合格を目指そう!

    ケアマネの過去問が解けるサイトやアプリをご紹介しました。無料で数年分挑戦できるものも多いため、追加で問題集を購入する手間も省けるかもしれません。多機能なサイトやアプリもあるので、隙間時間に勉強したいときにおすすめです。1問でも多く問題を解いて、ケアマネジャー試験の合格を目指しましょう。

    ケアマネジャー関連の記事はこちら

  • ケアマネ勉強はいつから始める?時期別の勉強法まで徹底解説!

    ケアマネ勉強はいつから始める?時期別の勉強法まで徹底解説!

    介護系資格の中でも取得が難しいとされるケアマネジャー(介護支援専門員、通称ケアマネ)。「目指したいけど勉強をいつから始めよう」「どのくらい勉強したらいいの?」と考えている方も多いことでしょう。そこで今回は、ケアマネ勉強をいつから始めればいいのかを解説します。時期別にどのようなことをすればいいのか、勉強法もあわせてご紹介。ケアマネの試験勉強についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてださい。

    ケアマネ勉強はいつから始める?

    ケアマネの試験は毎年10月中旬の日曜日に実施されます。では、確実に合格を目指すためにはケアマネ勉強をいつから始めればよいのでしょうか。

    ケアマネの試験勉強は、年が明けた1月から勉強をスタートさせるのがおすすめです。働きながらケアマネに挑戦する方は、毎日の勉強時間を確保することすら難しいことも。なるべく余裕をもったスケジュールで勉強を進めることがポイントになります。

    1月を過ぎている場合は、勉強を始めようと思ったその日からスタートさせるのがベストです。暗記重視かつ出題範囲が幅広いという特徴があるケアマネの試験は、合格率が例年10~20%台と難易度が高め。短期間で詰め込んだ知識に頼って合格することは難しいと考え、[btp_line]毎日コツコツと反復した学習が必要[/btp_line]と思っておくのがよいでしょう。

    ケアマネの勉強は独学でも◎

    難易度が高いケアマネの試験ですが、余裕をもって勉強を始めれば独学で合格を目指すことも可能です。通学講座を受講すればケアマネの試験を専門とする講師から授業を聞けるというメリットがありますが、費用も通学する時間も費やすことに。なるべくお金をかけずに合格したいという方は、必要最低限の参考書や過去問題集といった費用だけで勉強を進められる独学から始めてみてはいかがでしょうか。

    ケアマネに合格する勉強法のポイント

    ケアマネに合格するためには、[btp_line]100~200時間の勉強が必要[/btp_line]といわれています。時間に開きがある理由は、現在保有している資格による知識量や経験値による差です。これまでに携わったこのとのない分野は基礎から覚える必要があるため、時間がかかりやすいことを念頭に置いておきましょう。

    また、勉強方法では「分からない」を「分かる」へと確実に変えていくことが重要です。1回目の学習で分からなかったことは、2回目、3回目で理解し分かるよう繰り返して学んでいきましょう。なんとなく分かっているけど、選択肢がしぼりきれない…という場面に直面したらチャンスです。解けないと落ち込むのではなく、知識の定義を学びなおすよい機会ととらえ、前向きに割り切りながら勉強を進めていきましょう。

    時期別に解説!ケアマネに合格するための勉強スケジュール

    ここからは、1月に試験勉強をスタートさせた場合のスケジュールをご紹介します。まずは1月~4月にやるべきことを挙げていくので、参考にしてください。

    1月~4月にやるべきこと

    1月~4月はテキストを読み込み、基礎知識を身につけることが大切です。ひと通りテキストを読み込んだら、早い段階で問題集を解き、アウトプットをしていきましょう。ある程度問題集を解き終わったら、分野別の過去問に挑戦していきます。ケアマネの試験は5つの選択肢から選んで回答するマーキング形式です。当てずっぽうでも正解しそうな試験と思われがちですが、きちんとした知識がないと正解を選択できない複雑な試験になっています。早い段階で過去問を解き回答方法に慣れる、頻出分野を把握できるよう過去問に取り組んでいきましょう。

    5月~8月にやるべきこと

    この頃にはテキストや問題集も2周目に入り、復習をするような勉強を進めていくのが理想です。テキストは自分が暗記できていない場所、問題集では間違えてしまう問題を中心に、苦手とする分野を明確にして取り組んでいきましょう。正解できなかった問題は、1問ずつ復習することで得点がアップしやすくなります。

    また、模擬試験の開催があれば積極的に受験するのがおすすめです。本番に近い感覚で問題を解けるため、苦手分野以外にも時間配分や緊張感など気づけることは多いはず。本番で実力が発揮できるよう、模擬試験を有効活用しましょう。

    試験直前!9月にやるべきこと

    9月までには、過去10年分の過去問を網羅しておくのが望ましいです。そして試験目前である9月は、これまで以上に模擬試験や過去問に集中して取り組んでいきましょう。試験に頻出する分野や自分が間違えた問題を、改めて学びなおしていくことが大切です。知識が確実に身についているか確認しながら問題を解き、やっぱり苦手だと感じた分野は徹底的に知識の入れ直しもしておきましょう。

    もっと短い期間でも受かる方法は?

    合格率の低さを考えると、短期間の勉強で合格することは難しいといえます。インターネットで検索すると、2週間や1ヶ月で合格したという体験談を目にすることもありますが、その情報を鵜呑みにするのは危険。よほど効率よく勉強できる人、暗記が得意な人など、人並みの学習能力ではない方のケースである可能性もあります。どうしても短期間で合格を目指したい方、独学での勉強に不安な方は、ケアマネ試験対策を専門にした講座の受講がおすすめ。費用はかかりますが、効率よく合格を目指すことができるので、検討してみてください。

    ケアマネ勉強のモチベーションを保つポイント

    10ヶ月間という長い試験勉強を継続させるためには、モチベーションを保つ秘訣を知っておくことも重要です。ここからは、モチベーションを維持するポイントを解説していきます。

    テキスト数を絞る

    勉強を始めると、あれやこれやと多くのテキストに手を出してしまいがちですが、テキストは1冊に絞り込むようにしましょう。複数のテキストに手を出して勉強すると、どれも中途半端に終わってしまいがちです。また、テキストにより表現の仕方も異なるため、理解するまでに時間がかかってしまう場合も。まずは1冊のテキストで勉強を進めるようにしましょう。

    講座の受講やアプリを活用する

    独学での勉強は非常に孤独です。自分との闘いになるため、モチベーションを保つのが難しいと感じたら、ケアマネ専門の通信講座やアプリを活用する方法もおすすめ。通信講座なら通学する手間が省けるうえ、学習サポートを受けられるというメリットがあります。また、手軽に過去問などを解くことができるアプリもあるので、検索してみてください。今日はテキストを開くのが嫌だな…という日も隙間時間にスマホで学習を進められるので、モチベーションを保つアイテムとして覚えておくとよいでしょう。

    ケアマネ勉強はいつから始めてもOK!早めにコツコツと頑張ろう

    ケアマネ勉強をいつから始めようかと悩んでいる方は、今すぐにでも始めるのが合格への近道になります。今回は1月スタートの勉強方法をご紹介しましたが、勉強時間を確保できるなら、半年での合格も夢ではありません。まずは1冊のテキストを購入するところから始めてみてはいかがでしょうか。

    ケアマネジャーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

  • 【ケアマネ試験対策】忙しい方が合格を目指すための勉強方法5選

    【ケアマネ試験対策】忙しい方が合格を目指すための勉強方法5選

    介護支援専門員(ケアマネジャー)、通称ケアマネは、介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるよう、ケアプランを作成したり、事業者との調整などを行ったりする専門資格です。厚生労働省の発表によると2022年度の合格率は20%未満と、介護系資格の中でも特に難易度が高いことで知られています。そこで今回はケアマネ試験対策として、介護スタッフとして働きながらケアマネ合格を目指すための勉強方法を5つご紹介します。

    ケアマネ試験対策1:早期から学習をスタートする

    ケアマネの仕事は、業務範囲が多岐にわたり、業務内容も専門性が高いことが特徴です。そのため資格試験にも、介護支援分野や保健医療福祉サービス分野から幅広い知識を問う問題が出題されます。そのため試験に合格するためには、適切な学習時間を確保することが大切です。

    一般的な学習期間の目安は約6ヶ月といわれていますが、介護職として仕事をしながら資格取得を目指すためにはなるべく早いうちに学習をスタートさせた方がよいでしょう。資格試験は毎年10月に実施されるため、余裕を持って1~3月ごろまでには学習を開始するのがおすすめの勉強方法です。遅くとも半年前にはスタートさせましょう。

    ただし、学習のスタートが早すぎるのも問題があります。なぜなら、用いるテキストや参考書が制度改定に対応していない可能性が高いからです。1~3月になると各社より新制度に則った参考書が出版されるため、この時期に合わせて学習を開始するのがベストといえます。

    ケアマネ試験対策2:隙間時間にいつでも学習できるよう態勢を整える

    働きながらケアマネ資格取得のための学習を進めることは簡単なことではありません。帰宅後、毎日勉強しようと計画していても、業務による疲れから思うように学習を進められない、不意な残業が入ってしまい時間を捻出できない、といったケースもあるでしょう。

    そこでおすすめしたい勉強方法が、隙間時間を有効活用して学習することです。介護の仕事は昼休憩や待機時間など、ちょっとした隙間時間がありますよね。その時間に少しでも学習を進められれば、試験合格の近道になるはずです。ペン1本と問題集の一部のコピーなど、コンパクトに持ち歩ける学習セットを準備し、いつでも勉強できる態勢を整えましょう。もし筆記用具やテキストを持ち歩くことが難しければ、参考書のページをスマホで撮影した画像などを活用したり、サイト上に公開されている過去問題などを閲覧し、解答したりするのもおすすめの勉強方法です。

    ケアマネ試験対策3:ご自身に合った参考書を選び、その一冊を最後までやり抜く

    ケアマネ試験対策のための参考書はいくつもの種類があり、中には複数の参考書を使って学習する方もいるでしょう。しかし、働きながら限られた学習時間の中でケアマネの資格取得を目指す場合は、ご自身に合った一冊を選び、その一冊をやり抜くのがおすすめの勉強方法です。いくつもの参考書に手を出し、どれも最後まで終わり切れず中途半端になってしまうことは絶対に避けましょう。

    また参考書を選ぶ際は、公式テキストである中央法規発行の「八訂 介護支援専門員基本テキスト」と連動しているか、解説の文章はわかりやすいか、図やイラストが使われているか、最新版かなどをチェックするのがポイントです。特に、法律関係のパートは法改正によって内容が大きく変わることがあるため、発行年度の古い参考書は使わず、最新版を準備しましょう。

    ケアマネ試験対策4:週末頼みを止め、毎日コツコツ学習に取り組む

    働きながらケアマネの資格取得を目指す方の中には、業務による疲れや時間の捻出が難しいといった理由で平日は学習せず、週末にまとまった時間を捻出するというスタイルで学習を進める方も多いようです。しかし週末に頼ってしまうと、時間がたくさんある分だらけてしまう、プライベートな予定が入って学習が全くできないというケースも発生しかねません。

    ケアマネ合格には、十分な学習時間が必要です。そこでおすすめの勉強方法が、毎日コツコツ勉強することです。シンプルな方法ではありますが、毎日1時間でも30分でも継続的に学習することで日々の学習ペースも構築され、勉強を苦に感じることなくスムーズに進めることができるでしょう。

    特に、苦手科目は毎日のコツコツ学習が合格のカギになります。苦手科目は勉強もはかどらず、後回しにしてしまいがちという方も多いのではないでしょうか。しかし苦手分野を敬遠していると、さらに苦手意識が高まってしまうこともあります。そのため、苦手分野は少しずつでも毎日勉強することが大切です。最初は辛いかもしれませんが、徐々に知識が定着し、モチベーションも上がってくるはずです!

    ケアマネ試験対策5:アウトプット学習をメインにする

    ケアマネの試験対策に限ったことではありませんが、学習方法にはインプット学習とアウトプット学習があります。インプット学習とは、参考書の内容を理解し、暗記する学習方法です。対して、アウトプット学習とは、過去問題や予想問題を回答することで学習する方法。つまり、インプット学習は情報を頭の中に入れ込む学習方法、アウトプット学習は頭に入れた情報を外へ引き出すことで学習する方法となります。

    学習のスタートはインプット学習ですが、ケアマネ試験対策では早い段階でインプット学習からアウトプット学習へ移行することがおすすめの勉強方法です。公式テキストと選んだ一冊の参考書を一通り読み込んだら、過去問題や予想問題を解いていきましょう。数多くの問題を解くことで、より実践的な力を身に付けることができます。過去問題を解き、間違えた箇所は公式テキストや参考書でしっかりと内容を確認するのが大切!次回、間違えることのないようしっかり復習しましょう。

    効率的な勉強方法を取り入れて、働きながらでもケアマネ合格を目指そう

    ケアマネ試験対策で何より重要なことは、十分な学習時間を捻出することです。そのため働きながらケアマネの資格取得を目指す方は、まず早期から学習をスタートさせましょう。その上で、毎日コツコツ勉強したり、隙間時間を有効活用したりすることも大切です。また、学習する参考書は一冊のみ!その一冊をとことんやり抜くことも意識しましょう。これらの勉強方法を実践して、ぜひケアマネ合格を目指してみてください。

  • 介護職の悩みを共有できる掲示板5選!仲間を見つけよう

    介護職の悩みを共有できる掲示板5選!仲間を見つけよう

    仕事をしていると、悩みが出てくることもあるでしょう。「気軽に相談できる相手が欲しいけど、職場の人には相談しにくい」、「専門的なことを理解してくれる人がいい」なんてこともあるのでは?そんなときに使えるのが、電子掲示板です。介護職というキーワードでインターネット上に集うコミュニティとしての要素もあり、情報収集や悩み解消に役立てられるでしょう。だれでも自由に登録でき無料で使える、介護職におすすめの掲示板を5つご紹介します。

    ウェル掲示板

    「Wel」は福祉や介護業界で働いている人を対象としたサイトです。福祉や介護についてのニュースをまとめてチェックできたり、ネット上で社会福祉士に相談できたりするのが特徴で、無料で登録できます。「Wel」のサービスのひとつ、「ウェル掲示板」は、実際に介護業界で働いている、目指しているといった人が匿名で情報交換ができる機能です。介護保険や障がい者自立支援、資格・受験などテーマごとに掲示板が設けられており、特定のことについて語ったり相談したりすることができます。

    https://www.wel.ne.jp/bbs.html

    ケアマネドットコム

    「ケアマネドットコム」は、ケアマネジャーとして働く方を対象としたコミュニティサイトです。ケアプラン文例や事例をチェックしたり、試験対策をしたり、業務帳票をダウンロードしたりと、ケアマネジャーならではの業務に役立ちます。会員登録すれば、ケアマネジャー同士の悩みを共有したり回答したりすることも可能。タブレットやスマホアプリでもチェックしやすい仕様で、困ったときにすぐ活用できます。

    https://i.care-mane.com/questions

    みんなの介護コミュニティ

    「みんなの介護」は、全国にある施設検索をサポートするサイトです。「みんなの介護コミュニティ」は、「みんなの介護」が運営する介護業界で働く人のためのサービス。仕事にまつわる悩みはもちろん、楽しかったこと、ビックリしたことなどを共有できます。働くママパパ、恋愛・結婚などといった項目もあり、子育てと介護職の両立や介護職員同士の恋愛などについての投稿も可能。登録すれば無料で使えるアプリがあるため、より気軽に活用しやすいでしょう。グチやつぶやきなどのカテゴリもあり、気軽に雑談したいときにもおすすめです。

    https://job.minnanokaigo.com/community/

    ケアきょう

    カイゴメディアは、高齢化社会の課題を解決し前向きで持続できる社会を目指す一環として、介護職のための動画やSNSを発信しています。そんなカイゴメディアが運営するコミュニティサイトが、「ケアきょう」です。イベント情報やニュース、転職サポートなど、介護に特化したさまざまな情報収集をすることができます。機能のひとつに掲示板があり、介助術を学んだり転職の相談をしたりできます。匿名でコメントできるため、リアルな声が集まりやすいのが魅力。ケアマネジャーに限定するなどして意見交換することもできます。

    https://carekyo.com/

    老施協.com

    全国老人福祉施設協議会(老施協)が運営している、介護職のためのWebメディア。老施協の公式アプリにある談話室コーナーでは、人間関係、仕事内容、給料などについて自由に投稿したり回答したりと、同じ介護職だからこその想いや悩みを共有することができます。集まった声を老施協が取りまとめて国に届けてくれるため、介護職の在り方を見直すきっかけになる可能性も!公益社団法人が運営しているという安心感もあるため、コミュニティや掲示板に不安がある人も使いやすいでしょう。

    https://app.adjust.com/hmjux26

    掲示板なら悩みを相談しやすい!

    同じ介護職として働いているからこそ、わかり合える悩みや想いもたくさんあるはず!匿名で相手の顔が見えないからこそ本音で相談できるのも、掲示板ならではのメリットです。気軽に相談できる相手がいないなら、今回ご紹介した掲示板を活用して、悩みを解消してみてはいかがでしょうか。

  • 介護YouTubeで人気を集めるチャンネル8選!今日から使える情報が集まる

    介護YouTubeで人気を集めるチャンネル8選!今日から使える情報が集まる

    動画制作サイト「for,Freelance株式会社」の調査によると、社会人の7割以上がYouTubeで何らかの情報収集していることが分かっています。娯楽として視聴する方がいる一方、情報収集や勉強のためにYouTubeを活用しているのです。介護に関する情報を配信するYouTubeチャンネルも数多くあり、人気を集めています。今回の記事では介護YouTubeチャンネルを8つご紹介します。動画を見ながら気軽に情報収集したい方はぜひご一読ください。

    ケアきょう

    チャンネル登録者数は10万人の介護YouTube!オムツの当て方や排泄介助といった介助方法をはじめ、転職者向けの介護施設の見極め方などを配信中。特に人気を集めている動画は、立てない方の移乗法や介護職の給与に関する動画です。仕事ですぐに使える動画が多く、見ていて勉強になりますよ。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@carekyo

    ふくくる君

    チャンネル登録者数1万人を超える「ふくくる君」。グーパー体操や脳トレ、口腔体操など今日から使えるレクリエーションのネタを配信し、人気を集めています。短い動画は2~3分程度、体操動画は10分程度なので、時間があいたときにサクッと見られるのも魅力です。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@fukukuru-locus

    キートン

    介護福祉士を目指す方におすすめしたい介護YouTubeチャンネルが「キートン」です。介護福祉士試験の過去問解説や予想問題などを配信しています。「忙しくて試験勉強する時間がない」「座学だと集中が続かない」といった方におすすめ。通勤中や家事をしている間に聞けるので、隙間時間を使った試験対策ができるでしょう。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@keaton800/videos

    はたつん介護士

    女性介護スタッフ「はたつん」による介護 YouTubeチャンネル。明るくパワフルなキャラクターで介護スタッフ目線のあるある情報を動画で配信し、人気を呼んでいます。介護スタッフあるあるはショート動画にもなっており、短時間にユニークなネタがたっぷり!介護スタッフはもちろん、介護に興味がある方も楽しめるチャンネルです。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@hatatsun_0w0/featured

    くろまめさんチ

    京都府船井郡京丹波町の介護施設「くろまめさん」が発信する、介護YouTubeチャンネル。施設で過ごす利用者さんの様子や、介護技術、デイサービス運営の経験談などを発信した動画が人気を集めています。将来介護施設を運営したいと考えている方は、チェックしてみてはいかがでしょうか?

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@user-ln9xt4bl1l

    介護YouTube大学

    ケアマネジャー兼介護福祉士であるユーチューバー、よっしーさんが配信する「介護YouTube大学」。認知症予防に効果が期待できる介助のコツや食事など、認知症に特化した配信が人気です。ケアマネジャーとしての経験を活かした国家試験のコツを紹介した動画も勉強になるでしょう。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@dementia_lab/featured

    岡本一馬の認知症専門チャンネル

    日本認知症リハビリテーション協会で代表を務める岡本一馬さんによる介護YouTubeチャンネルです。レビー小体型認知症で幻覚症状に苦しむ父親の介護体験をもとに、認知症に特化したYouTubeチャンネルを開始。理学療法士としての経験もふまえた「認知症になりやすい人の共通点」「認知症を緩和させるポイント」などの動画が人気です。認知症の利用者さんが集まるグループホームで働く方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@kazuma.okamoto/featured

    やしのきチャンネル

    毎週月曜日に介護に関する動画をアップしている介護YouTubeが「やしのきチャンネル」です。150センチの女性が177センチの男性を持ち上げる「体格差があっても介助できるコツ」や、「床に転落した利用者さんをベッドや車いすに戻す方法」など実践的な内容を取り上げています。女性でも負担のない介助のコツを紹介した動画も人気です。介助時に体を痛めた経験のある方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

    YouTubeアカウント:https://www.YouTube.com/@yashinoki-kaigo/featured

    介護YouTubeで今日から役立つネタを取り入れよう!

    介護資格試験の解説やケアのコツなど、介護スタッフに役立つ情報を発信するYouTubeチャンネルが人気を集めていましたね。特に介護技術の説明は、文字だけで勉強するよりも動画を見た方が分かりやすいでしょう。YouTubeはあなた次第で、仕事に役立つ情報収集ツールになります。また、仕事で疲れたときは介護あるある動画を見て、リフレッシュしててもいいですね。YouTube動画を上手に取り入れて、日々の仕事に活かしてください。

  • 介護職ならフォローしておきたい!インスタアカウント5選

    介護職ならフォローしておきたい!インスタアカウント5選

    転職したい、スキルアップしたい、介護職あるあるが知りたい、そんな介護職の情報収集にはSNSが役立ちます。その中のひとつInstagramは、若い世代からの支持が厚いのが魅力。そこで今回は、介護職におすすめのインスタアカウントをご紹介します。フォローしておくと気軽に情報収集できるのが、インスタの魅力。まだチェックしていないアカウントがあれば、ぜひフォローしておきましょう。

    @kaigo_worker/介護ワーカー

    介護職の転職や就職をサポートしている介護ワーカーのインスタアカウント。介護の悩みを解決できるような、仕事でつかえる情報を発信しています。イラストだけでなく動画も活用した、わかりやすい情報が魅力!フォロワー同士の意見交換の場としても使えるので、悩みがあればDMしてみるのもいいでしょう。

    インスタアカウント:https://www.instagram.com/kaigo_worker/

    @kaigo_labo/介護求人ラボ

    続いては、介護専門のアドバイザーによる転職相談ができる介護求人ラボの、公式インスタアカウントです。介護求人ラボのお役立ち情報の内容を簡単にまとめ、定期的に更新されています。介護職でよくあるお悩みやレク企画に役立つ情報のほか、「ブラック施設を見極めるポイント」や「面接を辞退するときのマナー」などといった転職のポイントについても情報をチェックでき、転職を検討中の人にもおすすめです。

    インスタアカウント:https://www.instagram.com/kaigo_labo/?hl=ja

    @kiracare_official/きらケア

    全国各地にある介護施設の求人情報を保有し、口コミでも高い評価を得ているきらケアの、公式インスタアカウント。思わず笑えるような介護職あるあるや、現場で役立つ技術など、つい読みたくなる情報をチェックできます。1分でわかる介護福祉士国家試験対策も発信しているので、これから試験に臨む人にも最適!すき間時間で知識を取り入れられるでしょう。

    インスタアカウント:https://www.instagram.com/kiracare_official/

    @carekyo/ケアきょう

    介護職のためのお役立ち情報を発信しているアカウント。介護福祉士国家試験に役立つ基礎知識や解説ライブなどもあり、試験対策に役立てることができます。無料オンラインセミナーの案内もあるので、スキルアップを目指す人にもいいでしょう。介護職のあるある川柳など、気軽に読めるコンテンツも多数。ついさかのぼってチェックしたくなってしまいます。

    インスタアカウント:https://www.instagram.com/carekyo/

    @chushikoku_kaigo_kango/中四国介護看護メディア

    中国地方、四国地方に特化したインスタアカウントが、中四国介護看護メディアです。仕事中のほっこりエピソードや困ったときの対処方法、就職、転職情報など、中四国地方の介護スタッフに役立つ情報をまとめてチェックできます。ほっこりするかわいいイラストも魅力!転職を考えているなら、中四国地方にある施設を介護スタッフ目線で見つけられる中四国介護看護メディアがおすすめです。

    インスタアカウント:https://www.instagram.com/chushikoku_kaigo_kango/

    インスタで気軽に情報収集!

    最近はインスタをはじめとするSNSで情報収集する人も多いよう。フォローしておけば自然に目に留まるため、あえて調べなくてもチェックできるのがポイントです。今回ご紹介したインスタアカウントは、どれも更新頻度が高く、役立つ情報を得られます。ぜひフォローして情報収集に活用してみてはいかがでしょうか。

  • 介護ツイッター7選!タイムリーな情報収集が強み

    介護ツイッター7選!タイムリーな情報収集が強み

    介護に関する情報収集には、何を利用していますか?タイムリーな情報を集めるなら、ツイッターがおすすめです。ツイッターはリアルタイムに特化したSNS。仕事に役立つアカウントをフォローしていれば、効率的に情報収集ができるのが魅力です。そこで、今回は介護現場で働くときに役立つ介護ツイッターアカウントを7つご紹介します!介護情報を発信するメディアや介護スタッフとして働く方など、知りたい内容のツイートが見つかるでしょう。
    ※「Twitter(ツイッター)」は「X(エックス)」に改称されました。

    tayorini byLIFULL介護(ライフル介護)

    tayorini byLIFULL介護(ライフル介護)(@tayorini_lifull)は、老人ホーム検索サイトである「LIFULL介護」が発信する介護ツイッターアカウントです。介護離職した男性が語る介護の難しさや再就職の壁、医師による認知症と発達障害の違いの解説など、一歩踏み込んだ情報を得られます。介護スタッフとして働くお笑い芸人が語るインタビュー記事もあり、思わず読んでしまいたくなる内容です。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/tayorini_lifull

    ケアきょう/介護職応援メディア

    ケアきょう/介護職応援メディア(@CareKyo)は、「株式会社カイゴメディア」が運営する介護ツイッターアカウントです。介護福祉士国家試験の受験生を応援する発信を主に行っています。試験日までは実力チェック問題を配信。試験当日は、解答や解説速報として、ライブ配信も行っていました。また女性の介護スタッフ専用の「お悩み相談室」や受験にまつわる相談室などをオープン。求人情報の発信も行い、介護現場で働くスタッフに役立つ情報をツイートしています。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/CareKyo

    みんなの介護

    みんなの介護(@minnanokaigo)は老人ホーム検索サイト「みんなの介護」が発信する公式の介護ツイッターアカウントです。成年後見制度や認知症ケア、老人ホームの選び方のポイントなど、介護サービスを利用する側だけでなく、介護スタッフにも役立つ情報を発信しています。また認知症介護にくわしい介護福祉士による「認知症介護でイライラしたときの対処法」といった情報も公開中です。実際に介護現場で働くスタッフの声を聞けるので、ケアの参考になるでしょう。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/minnanokaigo

    介護のほんね

    介護のほんね(@kaigonohonne)は全国の老人ホームが検索できる「介護のほんね」が運営する介護ツイッター。サービス付き高齢者住宅の取材レポートや老人ホームの探し方オンラインセミナーなど、要介護者のご家族も知りたいと思えるような情報が詰まっています。いろいろな施設の取材レポートが掲載されており、各施設の特徴がつかめるため、転職を考えている方にも役立つでしょう。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/kaigonohonne

    介護ポストセブン

    小学館が運営する介護ツイッターが介護ポストセブン(@kaigo_postseven)。社会福祉士によるデイケアとデイサービスの違いを解説するツイートから、日常の介護を題材にした漫画を発信しています。またイラストを使った脳トレをツイートしているので、レクリエーションに取り入れてみるのもいいですね。さらに、手軽にできるレシピ紹介もあるため、食事のネタ決めにも困りません。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/kaigo_postseven?lang=ja

    鹿見勇輔(介護芸人)

    介護芸人と介護福祉士の顔をあわせ持つ、鹿見勇輔(@shikamiyusuke)さんの介護ツイッターアカウント。介護芸人として高齢者の方も笑えるネタを発信しているので、レクリエーションの参考になるでしょう。また鹿見さんがパーソナリティを務めるRCCラジオ「福祉のラジオ」についての告知や、認知症カフェの案内なども行われています。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/shikamiyusuke

    中四国介護看護

    中四国に特化した介護施設の情報やコラム記事などを発信する介護ツイッターアカウントが、中四国介護(@chushikokukaigo)です。多くの介護スタッフが気になる手当支給や待遇改善などの情報を発信しています。介護現場で働く方に役立つ情報が詰まっているため、ぜひチェックしてみてくださいね。

    ツイッターアカウント:https://twitter.com/chushikokukaigo

    介護ツイッターで情報収集しよう!

    インターネットが普及し、今や仕事に関する情報もSNSで入手できる時代。介護に関する気になること、知りたいことがある場合は、介護ツイッターを見てみませんか?さまざまなツイートから、欲しい情報が得られるでしょう。ただし、ネットの中には誤解を生むような情報もありますので、信頼できるアカウントから情報収集するように気を付けてくださいね。

  • 【洋画編】介護映画おすすめ7選。介護をテーマにした名画紹介

    【洋画編】介護映画おすすめ7選。介護をテーマにした名画紹介

    介護スタッフとしてスキルアップを目指すなら、日々の勉強は欠かせません。しかし、少しリフレッシュしたいときもありますよね。そんなときは、介護を題材にした「介護映画」を見てみませんか?加齢によるトラブルや認知症や麻痺などを扱った作品があり、利用者さんや介護する側の気持ちが伝わってきます。名作を鑑賞することで、介護や病気への理解を深める一助になるでしょう。今回は洋画でおすすめの介護映画をご紹介します!

    最強のふたり

    フランス発のヒューマンコメディ介護映画です。主人公は全身麻痺となって車椅子生活を送る大富豪・フィリップと、世話係として雇われたスラム街出身のドリス。作り話のような設定ですが、実話をもとに作られた映画です!「最強のふたり」はフランスを始め全世界で大ヒットを記録。介護経験のないドリスがフィリップとの交流を通し、絆を強めていく姿が印象的です。

    上映時間1時間52分
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=ZsE-_rbrLBQ

    世界一キライなあなたに

    ある日突然仕事を失ったルイーザは、不慮の事故で車椅子生活を送るウィルの世話係として雇われます。生きる希望を失ったウィルが、ルイーザの明るさに触れて、生きる喜びを取り戻していきます。ルイーザもまたウィルとの出会いにより、自信溢れる女性へと成長。恋に落ちた2人を待ち受ける試練とは?ラブストーリーが好きな方にもおすすめの介護映画です。

    上映時間 1時間50分
    公式サイトhttps://warnerbros.co.jp/c/movies/sekakira/
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=GvW6rz0on90

    やさしい嘘と贈り物

    孤独な生活を送る独居老人・ロバートの前に、突如老婦人のメアリーが現れます。メアリーの存在に戸惑うものの、魅力的な性格に惹かれ、ロバートの日常は輝きを取り戻していくのです。しかし、実はロバートは認知症を患っていました。妻であることを思い出してもらえない中、懸命に寄り添うメアリー。認知症の患者さんに関わる方にぜひ見てほしい介護映画です。

    上映時間 1時間33分
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=9rYh8h_oVfo

    わすれな草

    「わすれな草」は監督自身の家族の姿を記録したドキュメンタリー介護映画です。ドイツ・フランクフルトに住む監督の母親は認知症を患い、父親は自宅でケアを行っています。リアルな映像から、家庭で介護をする難しさが伝わってくる作品です。自宅でのケアに奮闘しつつ、互いに支えあう家族の愛に心を打たれるでしょう。

    上映時間1時間28分
    公式サイトhttp://www.gnome15.com/wasurenagusa/
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=ttlq8LxS8BI

    しわ

    手描きアニメーションで描かれた介護映画「しわ」。認知症の症状が出始めたエミリオは、養護老人施設へ入居することに。そこで、さまざまな事情を抱える利用者さんと出会います。高齢化社会や認知症をテーマとした作品で、スペインの第26回ゴヤ賞で「最優秀アニメーション賞」を受賞。重たい社会問題をテーマにしながらも、くすっと笑える表現が散りばめられています。

    上映時間1時間29分
    公式サイトhttps://www.ghibli-museum.jp/shiwa/
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=8fIDtcTXOG0

    アリスのままで

    言語学者として名をはせていたアリスは、50歳にして若年アルツハイマー型認知症を発症。これまでのキャリアはもちろん、自分の名前すらも分からなくなってしまいます。徐々に記憶を失っていくアリスを、夫のジョンや子供たちが支援。苦悩するアリスを熱演したジュリアン・ムーアは、本作で第87回アカデミー賞の主演女優賞を獲得。熱のこもった演技も必見です。

    上映時間1時間41分
    公式サイトhttp://alice-movie.com/
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=0cu794RqOA4

    愛、アムール

    物語の舞台はパリ。老夫婦ジョルジュとアンヌは共に音楽家で、幸せな日々を送っていました。しかし、あるときアンヌは病に倒れ、半身麻痺が残ってしまいます。「家に帰りたい」と願うアンヌの思いを汲み、ジョルジュは自宅で介護を開始。悪化していく症状にアンヌは死を望むようになります。愛する妻に向き合い続けるジョルジュの姿から、いろいろなことを考えさせられる介護映画です。

    上映時間2時間7分
    予告編https://www.youtube.com/watch?v=626RPRSHPn0

    介護映画で病気・介護への理解を深めよう

    コメディやラブストーリー、ドキュメンタリーなどさまざまな方法で描かれた介護映画。利用者さんの中には、映画の登場人物と同じように、事故や病気、加齢などの症状と闘っている方もいるでしょう。そんな利用者さんの心や、ケアする家族の気持ちに寄り添うために、介護映画は役立つはずです。名作を鑑賞しながら、介護についての学びを深めていってくださいね。

  • 【邦画編】介護映画7選!理想のケアを考えるきっかけになる

    【邦画編】介護映画7選!理想のケアを考えるきっかけになる

    介護をテーマにした映画が多数公開されているのを知っていますか?介護映画ではドキュメンタリーやミステリー、人情ドラマなどさまざまなジャンルが楽しめます。登場人物たちの奮闘を通して、介護への向き合い方を考えるきっかけになるでしょう。今回は邦画に限定し、おすすめの介護映画を7つ紹介します。介護福祉士が主人公の介護映画もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

    『ぼけますから、よろしくお願いします。』

    テレビディレクター・信友直子さんが家族の介護を記録したドキュメンタリー介護映画。80代の母親が認知症になったことをきっかけに、90代の父親は初めての家事に奮闘します。遠く離れて暮らす信友さんは、仕事と家族の選択に迷いますが、父親から「自分の仕事をしなさい」と背中を押され……。取材を通して見えてきた両親の絆。ドキュメンタリーならではのリアル感が身に迫る介護映画です

    [btp_box]公式サイト:https://bokemasu.com/
    予告編:https://www.youtube.com/watch?v=KBg22eyg85k[/btp_box]

    『ペコロスの母に会いに行く』

    漫画家・岡野雄一さんによる同名エッセイが原作です。エッセイは16万部を超える大ヒット作となり、喜劇映画の巨匠・森崎東監督の手で映画化。夫の死をきっかけに認知症になった母親と、バツイチの息子ペコロス(ゆういち)。「ボケるとも、悪か事ばかりじゃなかかもしれん」と語るペコロスの目線で、母親との日常を描いています。喜劇でありながら、大きな感動を呼ぶ介護映画です。

    [btp_box]公式サイト:http://pecoross.jp/
    予告編:https://www.youtube.com/watch?v=XTORdG1AaOE[/btp_box]

    『明日の記憶』

    50歳のサラリーマン佐伯は、若年性アルツハイマー病に襲われます。働き者であった佐伯は徐々に記憶を失っていき、同僚の名前や慣れた道でさえ忘れてしまうのです。献身的に支える妻は「2人で明日の記憶を作っていこう」と励ますのですが……。原作小説に感銘を受けた渡辺謙さんが原作者に直接交渉!主演の熱い想いにより、映像化が叶った介護映画です。

    [btp_box]公式サイト:https://www.toei-video.co.jp/catalog/dstd02614/[/btp_box]

    『0.5ミリ』

    監督・脚本を務めるのは安藤桃子さん。主演は監督の実妹・安藤サクラさんが務めます。ある事件をきっかけに職を失ってしまった介護ヘルパーの山岸サワ。生活のために押しかけヘルパーを思いつき、自転車をパンクさせるおじいさんや、万引きをするおじいさんなど、訳ありの方を見つけて自宅へ介護をしに押しかけます。強引なサワに翻弄されながら、明るさに惹かれていく登場人物たち。全力で生きるサワを描いた人情ドラマが感動を呼びます。

    [btp_box]公式サイト:http://www.05mm.ayapro.ne.jp/
    予告編:https://www.youtube.com/watch?v=ISb6yR3GceY[/btp_box]

    『毎日がアルツハイマー』

    映画監督である関口祐加さんがアルツハイマー型認知症を患う母親の介護を記録したドキュメンタリー。もともとはYouTubeで公開され、累計視聴数20万ビューにのぼるほど話題となった映像作品です。注目を受けて映画化され、2年半にわたる記録が93分に収められています。映画祭での受賞経験も持つベテラン監督が映し撮った映像は必見です。

    [btp_box]公式サイト:http://maiaru.com/maiaru1/
    予告編:https://www.youtube.com/watch?v=AMlRYS_GP7g[/btp_box]

    『ロストケア』

    2023年3月に公開の『ロストケア』は同名小説が原作です。小説は「第16回日本ミステリー文学大賞」で新人賞を受賞し、話題を呼んでいます。物語の始まりは、民家で起こった老人と介護スタッフの殺人事件。容疑者にあがったのは献身的な介護で慕われるスタッフでした。真相に迫る検事役を長澤まさみさん、容疑者役は松山ケンイチさんが演じています。

    [btp_box]公式サイト:https://lost-care.com/
    予告編:https://www.youtube.com/watch?v=DKCSn3Y6QAQ[/btp_box]

    『ケアニン~こころに咲く花~』

    主人公は介護福祉士の青年である大森圭。小規模施設から大規模の特別養護老人ホームに転職し、効率化を重要視する施設の運営方針に戸惑います。そんなとき、認知症の女性・美重子が入居してきて、担当を任されることに。自宅介護に奮闘してきた夫に冷たく当たられながら、大森は介護のあり方を懸命に模索します。施設で働く介護スタッフは特に気になる介護映画ではないでしょうか。

    [btp_box]公式サイト:http://www.care-movie.com/
    予告編:https://www.youtube.com/watch?v=Nzh9wQwY4dQ[/btp_box]

    介護映画で仕事の魅力を再確認!

    親の介護に奮闘する家族の目線や、利用者さんの介護に向き合う介護スタッフの目線など、さまざまな介護映画が製作されています。映画を通して、介護の魅力を再確認するきっかけになるはずです。「どんなケアをしていきたいか」と考える機会になるかもしれませんね。介護現場で働く方はもちろん、介護に興味がある方も観てみてはいかがでしょうか?

  • 【介護エッセイ】体験談が共感を呼ぶ!珠玉のエッセイ7選

    【介護エッセイ】体験談が共感を呼ぶ!珠玉のエッセイ7選

    介護スタッフならぜひ1冊は読んでおいてほしい介護エッセイ。筆者の体験をつづるエッセイは、読んでいて共感しやすいのが魅力です。またエッセイは比較的簡単な文体で書かれたものも多く、読書が苦手な方も読みやすいでしょう。両親や家族の介護に奮闘する筆者の体験から、利用者さんやご家族の気持ちが分かるかもしれません。今回は珠玉の介護エッセイ7選をご紹介します!気になる本を見つけて、読んでみてくださいね。

    『ぼけますから、よろしくお願いします。』信友 直子

    同名のドキュメンタリー映画が話題となり、一度は聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?筆者はフジテレビでドキュメンタリー番組を手がける信友直子さん。85歳で認知症になった母親を、93歳である信友さんの父親が支えます。老々介護や遠く離れる両親の介護の葛藤を記録した介護エッセイです。映画には盛り込まれていない内容も入っているので、ぜひ読んでおきたいですね。

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    『32歳。いきなり介護がやってきた。』あまのさくや

    若年性アルツハイマー型認知症を患った父親は69歳。認知症が判明した1年後、母親ががんで亡くなり、「私」は32歳で介護を担うことになります。父親の認知症が診断されるまでの様子、認知症が進行して老人ホームに入居することになるいきさつなどが鮮明な描写が特徴。「泣けて泣けて仕方がありませんでした」とフリーアナウンサー・赤江珠緒さんも推薦する、多くの方から注目を集めている介護エッセイです。

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    『ポンコツ一家』にしおかすみこ

    芸人・にしおかすみこさんの介護エッセイ。Amazonカテゴリ「闘病記」ではベストセラー1位を獲得し、話題を呼んでいます。80歳の母親は認知症、47歳の姉はダウン症、81歳の父親は酔っ払い……。久しぶりに実家に戻ってみると、ゴミ屋敷と化した部屋に母親が一人。壮絶な介護の体験がうかがえます。

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    『ボケ日和-わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?』長谷川 嘉哉

    認知症専門の医師である長谷川嘉哉さんが語る介護エッセイ。これまで関わってきた認知症患者さんのエピソードをもとに、認知症の症状を段階に分けて解説しています。お笑い芸人カラテカの矢部太郎さんが表紙、挿絵を担当。認知症への向き合い方も学べる作品です。

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    『母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記』松浦 晋也

    筆者は50代独身男性。同居する80代の母親が認知症となり、介護生活が始まります。母親は認知症であることを否定しますが、通販の大量注文や暴食、失禁など、症状が進行し……。行政や兄弟の助けを受けるも、介護はなかなか楽にはなりません。独身者による親の介護を赤裸々に綴った介護エッセイです。

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    『介護のうしろから「がん」が来た!』篠田 節子

    直木賞作家である篠田節子さんは、認知症を患う母親の介護に奮闘しています。そんなとき、自身にがんが見つかり、闘病生活が始まることに。入院し、治療を進めていくものの、母親が心配でなりません。認知症介護とがんの闘病生活の壮絶な体験を、ユーモラスに綴った介護エッセイ。

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    『介護ど真ん中!親のトリセツ』カータン

    活字を読むのが苦手な方は、漫画で描かれた介護エッセイはいかがですか?認知症の母親、老人ホームに入居する父親の介護を担うのは、ごく普通の主婦である「カータン」。ひとり暮らしをする母の介護、老人ホームに住む父親の様子、家族で向き合う介護など、さまざまな実体験が紹介されています。笑えるエピソードも入っているので、介護の大変さだけなく、介護から得られるものも伝わってくる作品です。

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    心揺さぶられる介護エッセイを楽しんで

    文章でつづる作品からコミックなど、さまざまな介護エッセイをご紹介しました。「介護を扱ったエッセイは重いのでは?」と心配する方もいるかもしれませんが、筆者の語り口によって、面白く読んでいける作品もあります。誰しもに訪れる老い。老いや介護と向き合うとき、いろいろな体験談を知っていると、介護への考え方も変わってくるかもしれませんよ。

  • 【介護小説】介護スタッフなら読んでおきたい小説6選

    【介護小説】介護スタッフなら読んでおきたい小説6選

    介護現場や家族の介護をテーマにした介護小説は複数存在しています。普段本を読まない方でも、自分の仕事に関する小説なら親近感を持って読めるでしょう。そこで、今回は人気の介護小説をご紹介します!心温まる話やミステリーなど、ジャンルもさまざま。また、小説の人気をうけて実写化している作品もあります。気になる介護小説を見つけてくださいね。

    『介護小説 最期の贈り物』中島久美子

    元大学教授の徹三は、多くの人に慕われる存在。しかし、突然痴呆が始まり、下着姿で街を徘徊するようになってしまいます。家庭での介護に家族が崩壊しかけていたとき、孫の香子は徹三の安心できる居場所探しを開始。そこでグループホーム「紫苑の里」に出会います。紫苑の里は利用者さん一人ひとりの人生に寄り添う施設でした。香子は徹三とともに紫苑の里に入居し、生活を送っていきます。「最後には泣いてしまった」と感想を残す方もいる介護小説です。

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    『ロスト・ケア』葉真中顕

    ミステリー好きにおすすめしたい介護小説が『ロスト・ケア』です。ある日、高齢者施設で起こった殺人事件。主人公の大友は正義を信じる検察官で犯人を探し出そうとします。容疑者は施設に勤務する青年でした。しかし、青年は献身的な介護で周りからも慕われていた介護スタッフだったのです。なぜ心優しい青年が殺人を犯したのか。リアリティのある描写と深まる謎に、「第16回日本ミステリー文学大賞」において新人賞を受賞しています。2023年3月に映画が公開。ぜひあわせてチェックしてくださいね。

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    『恍惚の人』 有吉佐和子

    84歳の茂造は息子夫婦と孫と同居しています。妻を亡くした茂造は認知症が進み、実の娘の顔さえも忘れていました。また同居する息子の顔も認識できず、暴漢と錯覚して暴れ出してしまいます。認知症の症状は激しさを増し、家族にも疲労感が募っていくのですが…。つらい描写がありながらも、「老いていく茂造がときに見せるチャーミングさ、献身的に介護する家族の姿に感嘆の声が漏れる」と社会福祉学者からのコメントが寄せられています。1973年に映画化され、映像作品としても楽しめる介護小説です。

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    『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介

    「第153回芥川賞」を受賞した介護小説です。主人公の健斗は28歳の無職。就職活動をするものの、採用試験に落ち続けて自暴自棄な生活を送っています。同居する87歳の祖父は「もう死んだほうがよか」と呟くばかり。祖父への接し方に悩んでいたところ、介護業界で働く友人から「過剰な介護を受ければ、人間はいっぺんに衰える」と言われます。祖父の望みを叶えようと、健斗は祖父への手厚い介護計画をスタート。おかしさが漂う描写が人気を集め、2016年にNHK土曜ドラマで実写化もされています。

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    『0.5ミリ』安藤桃子

    安藤サクラ主演で映画化された介護小説です。主人公のサワは介護ヘルパー。派遣先の家族から「おじいちゃんと添い寝してほしい」と依頼を受けます。その当日に起こったハプニングも重なり、サワはいきなり無職に。生きるために、サワは道端で見かけた老人を見つけては、「押しかけヘルパー」として家事・介護をこなしていくのです。サワの明るさに関わる老人たちが、徐々に心を開いていきます。人情を描いた物語で、心あたたまる作品が読みたい方におすすめです。

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    『介護入門』モブ・ノリオ

    29歳無職の「俺」は、マリファナに溺れながら寝たきりの祖母を介護しています。著者のデビュー作ながら芥川賞を受賞した介護小説!「YO、朋輩(ニガー)」「ha、ha」などの独特な合いの手が入る文体が話題となっています。奇抜な介護小説が読みたい方におすすめしたい作品です。

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    介護小説でやる気もアップ!?

    介護スタッフとして働く主人公や家族の介護に励む登場人物の姿は、仕事の大切さを教えてくれます。介護小説を通して、仕事に向き合う姿勢を考えるきっかけになるのではないでしょうか。読書が苦手な方は実写作品から入門して、鑑賞後に小説を読んでみるのもいいですね。この記事を参考に、あなたにぴったりの介護小説を見つけてください。

  • 【紙編】介護漫画のおすすめ6選。現役介護職にも人気!

    【紙編】介護漫画のおすすめ6選。現役介護職にも人気!

    介護漫画には利用者さんや家族の介護に向き合う人々の奮闘が描かれています。介護スタッフ目線で仕事内容を描いた作品もあり、介護経験のある方なら、「分かる!」と共感できる内容です。介護業界に興味のある方は、介護のコツや認知症への対応方法など、実践でも役立つネタを知る機会になるでしょう。今回は紙で出版されている介護漫画のおすすめ6選を紹介します!気になる作品をチェックしてみてくださいね。

    『ペコロスの母に会いに行く』岡野 雄一

    62歳の漫画家・岡野雄一さん(ペコロス)が認知症の母との日々を描いた介護漫画です。岡野さんは母の認知症が判明したあと、家族と共に長崎へUターン。5年間は母と一緒に暮らしていましたが、脳梗塞で倒れた母はグループホームへ入居することに。施設へ入居し、母が亡くなるまでの日々が描かれています。漫画の人気を受けて2013年には映画化され、注目を集めた同作。「ボケることは悪いことばかりじゃない」と語る理由とは?漫画を読んだあとは、映画を観るのもおすすめです。

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    『ヘルプマン!』くさか里樹

    介護スタッフを主人公にした介護漫画でおすすめの作品といえば『ヘルプマン』です!主人公・恩田百太郎は高校3年生で介護業界を目指します。落ちこぼれの男子高校生だった百太郎が介護現場に飛び込み、型破りな方法でケアを実践していく様子が描かれた介護漫画です。斬新なアイデアも多いですが、介護現場への取材をもとに描かれたリアルな作品。いろいろなアイデアを駆使する現場の様子を伝えようと描かれた『ヘルプマン!!取材記』もセットでおすすめですよ。

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    『マンガでわかる 介護入門』上田 惣子

    「中田敦彦のYouTube大学」で紹介され、注目を集めている介護漫画が『マンガでわかる 介護入門』です。作中では、筆者が40~50代の頃を中心に、遠く離れた実家に住む父の介護について語られています。「仕事」「子育て」「介護」に奔走しながら、自分の人生を諦めない方法を目指していく筆者。介護が必要になった場合の手続きや、公的サービスの種類、利用者さんのご家族が遠方にいる場合などケース別の介護のロードマップが分かります。分かりやすい内容なので、利用者さんのご家族にもおすすめしたい介護漫画です。

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    『78歳母とブロガー娘の 今日からいきなり介護です』あぽり

    「ライブドアブログ OF THE YEAR」で受賞経験を持つ人気ブロガー・あぽりさんが描く介護漫画です。あぽりさんの78歳の母は、ある日突然倒れて寝たきりに。突然始まった看病と介護の日々に、「これからどうしていけばいいのだろう」と不安を抱える様子が赤裸々に描かれています。他にも、医師や介護スタッフの頼り方など介護の基礎知識も学べるため、利用者さんのご家族におすすめしてもいいでしょう

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    『中年マンガ家ですが介護ヘルパー続けてます』吉田 美紀子

    漫画家の吉田美紀子さんによる実録介護漫画です。吉田さんは40歳を迎えてから、介護の世界に飛び込みました。訪問介護から始め、病棟勤務や老人福祉施設の介護スタッフとして働く吉田さん。介護の現場は驚きの連続で、困難にくじけそうになりながら、仕事に向き合う奮闘記をまとめたエッセイ漫画としておすすめです。単行本としてはもちろん、電子書籍としても読めます。

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    『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』川畑 智

    何度も同じことを聞いたり、家族のことさえ忘れてしまったり…。認知症を患う利用者さんとの関わり方に頭を抱える方は少なくないでしょう。そんなお悩みを解決に導くのが、こちらの介護漫画です。著者は理学療法士の川畑さん、監修には元国立長寿医療研究センター長の遠藤英俊さんが加わり、専門的な目線から認知症が解説されています。漫画を読んだあとは、認知症の理解が一層深まるはず。人気を受けて出版されたシリーズ2もおすすめです。

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    介護漫画は専門知識を取り入れるのにもおすすめ!

    「介護は大変な仕事」と言われることが多いですが、介護漫画では利用者さんや家族の介護と向き合う難しさだけでなく、楽しさも描かれています。介護施設に入職したものの、なかなか仕事にやりがいを見出せない方は、介護漫画がおすすめです。漫画をきっかけに、仕事のやりがいや利用者さんとの向き合い方を見つめ直すきっかけになるかもしれませんよ。

  • 【ネット編】介護漫画のおすすめ6選|現役介護職が描いたものも!

    【ネット編】介護漫画のおすすめ6選|現役介護職が描いたものも!

    現場で働く介護スタッフの方々は、仕事に疲れてしまうときもあるでしょう。介護スタッフの何気ない日常を描いた介護漫画は、コミカルに描かれたものから、心温まるものまで、さまざまなエピソードが詰まっています。実体験をもとに描かれた介護漫画は、仕事の魅力を再発見するきっかけになるでしょう。今回はネットで配信されているおすすめの介護漫画をご紹介します!全話無料なので、ぜひ気軽に読んでみてくださいね。

    『介護エッセイ漫画』吉田美紀子

    吉田美紀子さんは、介護スタッフや認知症の方の目線を通した介護漫画を描いています。介護スタッフの漫画では、ショートステイでの入浴介助やおむつ交換の難しさを描写。おすすめは認知症の方の目線で描いた「介護のお話」です。散歩していたら道に迷ってしまう、見知らぬ部屋を出て行こうとしたら知らない人に怒られる…。認知症の方の気持ちが分かる漫画になっています。

    [btp_box]介護エッセイ漫画:https://mangahack.com/comics/10461

    介護のお話:https://mangahack.com/comics/10450[/btp_box]

    『支えるちゃん』彩

    特別養護老人ホームで働く介護スタッフ「彩」さんの日常を描いた介護漫画です。夜勤中にウトウトしてしまった彩さんに、利用者さんが子守歌を大音量で歌ってくれる心温まるエピソードがおすすめ。また認知症で「俺の金が盗まれた!」と憤る利用者さんに「私も全財産が盗まれて…」と話題をすり替え、混乱をおさめるエピソードも。利用者さんとの関わり方のコツが見つかるかもしれません

    [btp_box]連載一覧:https://kaigo.ten-navi.com/comic/serial-89[/btp_box]

    『介護士のキモチ』ぷらこ

    特別養護老人ホームで働く主人公「かもめちゃん」は介護スタッフ歴5年。中堅スタッフならではの目線で介護施設での日常がいきいきと描かれた介護漫画です。実話をもとにしたフィクションで全50話が1年11ヶ月にわたり連載されていました。おすすめのエピソードは、介護拒否される「新人の花ちゃん」の奮闘をサポートする話や、ステップアップに悩む話など。介護スタッフなら共感できる内容が盛りだくさんです。

    [btp_box]連載一覧:https://kaigo.ten-navi.com/comic/serial-88[/btp_box]

    『介護職10年目じぶん働き方改革はじめました!』八万介助

    漫画家の八万介助さんは49歳で未経験から介護業界に転職!初めての仕事に戸惑いながら、3年目には介護福祉士の資格を取得。仕事も板に付いてきた10年目にして、両親が同時に認知症に。職場と実家の両方で介護に奮闘する日々が描かれています。新型コロナウイルス感染症流行初期の実録や夜間の救急搬送の対応など、介護スタッフの奮闘がひしひしと伝わります。緊急時の具体的な対応も描かれているので、勉強にもなる介護漫画としておすすめです。

    [btp_box]記事一覧:https://kaigo.ten-navi.com/comic/serial-19[/btp_box]

    『介護を学ぶはーとん教室』介精神科病院で働く介護福祉士きやゆかさんの漫画

    作者のきやゆかさんは精神科病院で働く介護福祉士。仕事で役立つおすすめのアイテムやクリアファイルの意外な活用法など、「真似してみたい」と思う実践方法が漫画化されています。また季節ごとの制服の着こなし方について語ったエピソードもあり、介護現場で働いた方なら「分かる!」と共感する内容です。

    [btp_box]記事一覧:https://www.heartpage.jp/contents/list/author0004[/btp_box]

    『介護を学ぶはーとん教室』介護福祉士藤木なみきさんの漫画

    藤木なみきさんは介護福祉士やビューティータッチセラピストなどの資格を保持しています。ビューティータッチセラピストならではのエピソードも介護漫画の中に登場。「認知症になった妻にメイクをしてほしい」と家族から依頼を受け、メイクをする話があります。メイクで華やかになった女性は笑顔でデイサービスに出発し、なみきさんは仕事のやりがいを再確認。忙しさから仕事のやりがいを見失っている方にとって、やりがいを思い出させてくれる介護漫画といえるでしょう。他にも、ヘルパーならではの視点で描いた話もあるので、訪問介護に興味がある方におすすめの介護漫画です。

    [btp_box]記事一覧:https://www.heartpage.jp/contents/list/author0005?page=1[/btp_box]

    介護漫画でクスッと笑ってリラックスするのがおすすめ!

    ネットで連載されている介護漫画のおすすめ6選をご紹介しました。「分かる!」と共感できるものから、緊急時の対応など学びにつながるものまで、さまざまな作品がありましたね。今回ご紹介した作品はすべてネットで無料配信され、一話読み切りなので、休憩時間にも気軽に読めますよ。ぜひお気に入りの介護漫画を見つけてみてくださいね。

  • 介護職のキャリアアップ方法は?収入や経験につなげる3つのポイント

    介護職のキャリアアップ方法は?収入や経験につなげる3つのポイント

    介護職は、未経験からチャレンジでき、資格を取得することでキャリアアップを図れる業種です。そのため「給与を上げたい」「スキルアップしたい」というときには、キャリアアップと一緒に検討していくと良いでしょう。そこでこの記事では、介護職の主なキャリアアップ方法やそのポイントについて解説していきます。キャリアアップをしたい介護職の方は、ぜひご覧ください。

    介護職のキャリアアップとは?

    キャリアアップとは、専門的な知識やスキルを身に付け、自身の能力を向上させていくことを指します。代表的なイメージでは、職場で管理職などの役職を目指したり、資格を取得したりといったことが挙げられるでしょう。介護職であれば、経験を積んで介護福祉士の資格を取得したり、ケアマネジャーを目指したりといったキャリアアップが考えられます。

    介護職の主なキャリアアップ方法

    介護職の主なキャリアアップ方法は、次のとおりです。

    【未経験から介護職になる場合】

    1. 介護職員初任者研修
    2. 介護福祉士実務者研修
    3. 介護福祉士

    未経験から介護職になる方は、まず介護全般の知識が学べる「介護職員初任者研修」を受講しましょう。この資格は、介護職のキャリアの始まりといえるものです。すでに取得されている方は、より幅広い介護分野の知識やスキルが習得できる「介護福祉士実務者研修」を受講していきます。この研修を修了し、3年以上の実務経験を積めば国家資格の「介護福祉士」を目指すことも可能です。さらに、介護職の経験を積むと次のようなキャリアアップを視野に入れることもできます。

    【経験を積んだ介護職の場合】

    • ケアマネジャー(介護支援専門員)
    • 介護施設の管理者や施設長
    • 生活相談員
    • 独立・開業して介護施設などを運営

    このようなキャリアの広がりが考えられるため、ご自身に合った方向性を選ぶと良いでしょう。

    収入や経験につなげる!介護職のキャリアアップ3つのポイント

    ここからは、介護職のキャリアアップのポイントについて見ていきましょう。

    勤務先の資格・役職手当を確認する

    介護職としてキャリアアップを目指すメリットの1つは、[btp_line]収入が増えること[/btp_line]です。資格や役職の有無で、給与は次のように変化します。

    【資格取得による平均給与の変化】

    職種平均給与(月給・常勤の場合)
    保有資格なし271,260円
    介護職員初任者研修300,510円
    介護福祉士実務者研修307,330円
    介護福祉士328,720円
    ケアマネジャー(介護支援専門員)362,290円
    社会福祉士363,480円

    出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」

    【役職による平均給与の変化】

    役職の有無平均給与(月給・常勤の場合)
    管理職でない介護職員308,930円
    管理職(※)の介護職員344,470円

    ※管理職とは、主任やリーダー、サブリーダーなどの職場のまとめ役の職位。または訪問介護における、サービス提供責任者のこと。


    出典 :厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」

    このように、資格や役職の有無で平均給与は異なります。そのため、勤務先で資格や役職に手当はつくのかなどを確かめておくと、収入につながるキャリアアップが図れるでしょう。

    スキルアップを目指して新しい職種にチャレンジする

    介護職としてさらなるスキルを身に付けたいときには、新しい職種にチャレンジするのもキャリアアップとなるでしょう。例えば、すでにケアマネジャーとして働いている方ならば、病院や学校などでも勤務可能な「社会福祉士」を目指す選択肢も考えられます。また、介護職の中でもより高い水準の介護が求められる「超強化型介護老人保健施設」での勤務を選べば、さらなるスキルアップが可能です。経験につながるキャリアアップを目指したい方は、職種や職場環境に目を向けて見ると良いでしょう

    各種研修制度を利用する

    徐々にステップアップしていくようなキャリアプランを希望する方は、今あるスキルを底上げするような研修制度を利用するのも良いでしょう。例えば、介護福祉士として2年ほど実務経験を積んだ方が対象となる「介護福祉士ファーストステップ研修」もその1つです。この研修を受講すると、小規模な介護職チームのリーダーとなる力が身に付きます。このように、1歩ずつ前進できるような制度を利用して、キャリアアップを図るのも良いでしょう。

    介護職としてキャリアアップにチャレンジしてみよう!

    介護職は、資格や役職の有無によって給与にも違いが現れます。そのため、経験を重ねる中でキャリアアップを図ることは、有効な手段といえるでしょう。ぜひこの記事も参考に、ご自身に合ったキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

  • 【2024年度~】今からどう備える?介護事業所にて財務諸表の公表義務化へ

    【2024年度~】今からどう備える?介護事業所にて財務諸表の公表義務化へ

    2024年度の介護保険制度改正にて、すべての介護事業所を対象に財務諸表の公表義務化が予定されています。制度改正には介護事業所の経営改善や介護職の処遇改善といった前向きな目的もあるようですが、「新たな業務が増えれば現場の負担が増えそう…」といった懸念もあるようです。そこで今回は、財務諸表の公表義務化について詳しく解説。介護事業所が今からしておくべき備えについても、分かりやすくお伝えします。

    2024年、介護保険制度改正で変わることは?

    介護職の方は、2024年度から施行となる介護保険制度の改正内容についてご存じでしょうか。
    2022年12月に実施された「第104回社会保障審議会介護保険部会」にて、すべての介護事業所に対し、財務諸表などの経営状況が明示されている資料の公表を義務化することが提示されました。

    これまで財務諸表の公表義務化は社会福祉法人や障害福祉事業者のみが対象でしたが、2024年度からは介護事業所も加わることになります。制度改正後、介護事業者は財務諸表を定期的に各都道府県へ提出しなくてはなりません。そのデータを、国がデータベース上で管理します。

    財務諸表の公表が義務化された背景

    財務諸表の公表義務化に至った背景には、介護業界が抱える人材不足があります。介護業界では、以前から介護職の負担増や給与水準が低いことがたびたび問題視されていました。このままでは介護職の離職が増え、ますます人手が足りなくなる悪循環に。そこで、介護現場の処遇改善への第一歩として、介護事業所の経営状況の“見える化”が目指されるようになったのです。

    制度改正によって介護業界がどう変わるか?

    まず、財務諸表の公表義務化によって今後期待される主なメリットとしては「介護業界への施策検討の精度向上」があります。介護業界の財政状況を正確に国が把握できるようになれば、今後、介護職を対象としたさまざまな政策も、より現場に寄り添った的確な内容となるでしょう。

    また、介護施設経営者にとっても、介護業界全体の財政状況が公表されれば、自事業所の経営課題の分析に活用できるはず。経営改善につながる事業所がひとつでも増えれば、介護事業所の倒産件数が減少し、介護職の処遇も少しずつ改善していくことでしょう。その結果、人材不足という深刻な問題も改善に向かうのでは、と期待されているのです。

    その一方で「介護職の事務負担の増加」といった懸念事項もあります。これまでも介護事業所に対する経営状況調査は行われていたものの、一部を対象としたサンプル調査にすぎませんでした。

    しかし、財務諸表の公表が義務化となれば、より細かい資料の提出が求められます。複数拠点や併設サービスがある場合には、拠点ごと、サービスごとの損益計算書を提出しなくてはならないのです。さらに、その損益計算書は厚生労働省が定める「会計の区分」に従った内容でなくてはなりません。

    とはいえ、このような業務は表向きには規定の運営基準であるため、大規模施設の中にはすでに専任事務員が担当していることも多いです。しかし、中小施設では会計管理を経営者自らや外部の会計事務所が行っていることも多く、詳細な会計管理ができていないケースも少なくありません。そのため、特に中小施設において事務負担増が懸念されているのです。

    介護業界の変化に向けて今から準備できること

    2024年度からの制度改正に向けて今から準備しておくこととしては、会計管理体制の強化が挙げられます。場合によっては、新たな会計専任者の雇用や、会計事務所の再選定も必要となるでしょう。特に、会計事務所の選定基準としては、介護業界の「会計の区分」について知識があるかどうかが重要なポイントです。仮に「会計の区分」を理由に記帳代行を任せられないとなると、別途処理料金が発生することもあるため、慎重に選ぶようにしましょう。

    今後の動向に目を向け、早くから備えておくことが大切

    財務諸表の公表義務化について方針が固まったものの、「現場の事務負担増やコスト増を招かない対策を」との声もあります。2024年の施行に向けて詳細が決まっていくため、今後の動向に目を向けつつ、さまざまな備えをしていく必要があるでしょう。

  • 高齢者うつ病の症状とは?認知症との関連や原因を知ろう!

    高齢者うつ病の症状とは?認知症との関連や原因を知ろう!

    高齢者うつ病は、高齢者特有の原因から発症するうつ病です。典型的なうつ症状が現れる方は少ないため、一見すると老化や認知症と間違われることもあります。そのため、高齢者うつ病の症状を知り、疑いのある利用者さんがいた場合には適切な対応をすることが大切です。この記事では、高齢者うつ病の症状をはじめ、認知症との関連や原因について解説していきます。介護職として働く方は、ぜひご覧ください。

    高齢者うつ病(老人性うつ病)とは?

    高齢者うつ病(老人性うつ病)とは、定年退職や身近な方との死別、身体的な不調など高齢者特有の原因から発症するうつ病のことです。一般的な老化現象とは異なる症状で、通常のうつ病の診断基準では見落とされやすいといわれています。

    そもそもうつ病とは?

    うつ病とは、精神的・身体的なストレスなどを背景に、脳の機能がうまく働かなくなる疾患です。日本では100人に約6人の割合でうつ病の経験があるといわれており、男性より女性のほうが1.6倍程度多いことが知られています。感情や意欲に関わる脳の働きに不調が生じて発症すると考えられていますが、その原因は今のところ正確には分かっていません。厚生労働省が公表した「うつ対応マニュアル-保健医療従事者のために-」によると、うつ病の症状は以下のとおりだといわれています。

    【うつ病の症状】

    1. 強いうつ気分
    2. 興味や喜びの喪失
    3. 食欲の障害
    4. 睡眠の障害
    5. 精神運動の障害(制止または焦燥)
    6. 疲れやすさ、気力の減退
    7. 強い罪責感
    8. 思考力や集中力の低下
    9. 死への思い

    引用:厚生労働省「うつ対応マニュアル-保健医療従事者のために-(資料1:うつ病について)」

    高齢者うつ病で見られやすい症状

    高齢者うつ病の場合、前述のような典型的なうつ病の症状が現れる方は1/3から1/4しかいないといわれています。症状の一部が強く現れたり、反対に弱く現れたりすることが多いため、通常の診断基準ではうつ病と見なされないことも多いようです。一方で、高齢者うつ病特有の症状では、次のような点が指摘されています。

    • 悲哀の訴えが少なく、気分低下やうつ思考が目立たない
    • 症状がそろっていないうつ病の頻度が高い
    • 意欲や集中力の低下、精神運動遅延が目立つ
    • 健康状態が悪く、気分や意欲の低下、認知機能障害が見られる
    • 心身のささいな不調へのこだわりが強くなるなど、心気的な訴えが多くなる
    • 不安症状とうつ病が併存している

    参考:厚生労働省「介護予防マニュアル(改訂版:平成24年3月)について 資料8-1 高齢者のうつについて」

    高齢者うつ病の特徴

    高齢者うつ病の症状は、次のようにいくつか他の年齢層の方と異なる特徴があります。

    心身機能の低下と共に起こりやすい

    高齢者うつ病の症状として特徴的なことは、心身機能の低下と共に発症しやすいことです。心と体が連動していることは幅広い年齢層でいわれることですが、高齢になるととくにこの結びつきが強くなりやすいといいます。例えば、脳卒中によって半身麻痺となった方がうつ病を発症し、運動能力の回復が遅れることもあるようです。さらに、回復の遅れが不安を引き起こし、うつ病が悪化した例もあるといいます。このように、心身機能の低下が相互に影響していることは、高齢者うつ病の特徴といえるでしょう。

    認知症と合併することが多い

    高齢者うつ病は、認知症と合併することが多い疾患です。認知症外来に訪れる5人に1人が高齢者うつ病であるといわれています。高齢者うつ病の症状が現れ、考えることや集中することができなくなり、認知症のように見えることがあるようです。また、認知症の前触れとして、高齢者うつ病の症状が現れることもあります。このように、認知症との関連性が指摘されているため、疑いのある症状が現れた場合には、専門の医師のもとを受診することが大切です。

    生活習慣病と関連しているケースもある

    高齢者うつ病は、生活習慣病と関連している可能性も指摘されています。具体的には、糖尿病や喫煙、高血圧などは高齢者うつ病のリスクを高める要因です。とくにうつ病と糖尿病は相互に影響を与え合っており、うつ病患者の糖尿病発症リスクは1.6倍、糖尿病患者のうつ病発症リスクは1.15倍高いといいます。そのため、高齢者うつ病を予防するためには、生活習慣病にならないよう身体管理することも重要です。

    高齢者うつ病の原因

    高齢者うつ病の症状が現れる原因は、主に次の2つであるといわれています。

    身体疾患や死別などライフスタイルの変化

    1つ目は、病気などにより身体機能に障害が出たり、身近な方と死別したりといったライフスタイルの変化です。とくに、大小さまざまな喪失体験が増えることが、高齢者うつ病の引き金となりやすいといわれています。年齢を重ねるとこうした喪失体験は避けられないため、高齢者はうつの症状に陥りやすい環境にいるといえるでしょう。

    人間関係などから生まれる慢性的なストレス

    2つ目は、周囲の方との人間関係から生まれる慢性的なストレスです。老年期になると依存的な面や几帳面な性格といった、パーソナリティ傾向が顕著になりやすく、人間関係に悪影響を及ぼすことがあります。また、これまで他者と信頼できる関係性を築くことが難しかった方は、この時期に孤立しやすくうつ病に陥ることも少なくありません。さらに、人によっては寒い時期などに外出頻度が減り、季節性のうつ病を発症することもあります。このように、周囲とのつながりの有無が原因となり、高齢者うつ病の症状が現れることもあるでしょう。

    ▽「冬季うつ」の予防のポイントはこちらの記事から!

    高齢者うつ病が疑われるときの対応法

    高齢者うつ病の症状が見られる方は、通所リハビリテーションや機能訓練など、集団対応が可能な場所に出てくることは難しいと考えられています。そのため、介護の現場では訪問介護の際などに、対応を求められることが多いでしょう。高齢者うつ病の症状が疑われる利用者さんの対応をする際には、次のポイントを覚えておくと安心です。

    【対象者に接する際の10の留意事項】

    1. 何よりまず、対象者との信頼関係の構築を目的とする
    2. 時間的なゆとりを持ちつつも、ある時間を区切って話をする
    3. 他の人に聞かれる心配がなく、当事者が落ち着いて話せる場所(部屋)を選ぶ
    4. 対象者と90~120度の角度で向き合うような座り位置になるよう工夫する
    5. オープンな質問を心がけ、対象者が自分を語る手助けをする
    6. 励まさず、かつ話の腰を折らないよう、きちんと聞いている姿勢を示す
    7. 結論を急がず、本人が話しにくそうな話題については、深追いしない
    8. 不明な点を質問しながら、具体的な問題点を整理し、解決方法を一緒に考える
    9. うつ及び精神科医療についての理解を深め、必要に応じて受診勧奨を行う
    10. 緊急性が高い場合(自殺念慮・衰弱・激しい焦燥等)の対応を適切に行う

    引用:厚生労働省「介護予防マニュアル(改訂:平成24年3月)について 資料8-1 高齢者のうつについて」

    なお、厚生労働省が示す「介護予防マニュアル(改訂版:平成24年3月)について」ではこの他に、利用者さんへの声かけやの家族への対応法などについても記載されています。詳細を知りたい方は、ぜひご確認ください。

    ▽厚生労働省「介護予防マニュアル(改訂版:平成24年3月)について 資料8-1 高齢者のうつについて」

    https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-siryou8-1.pdf

    高齢者うつ病の症状を知って適切に対応しよう!

    高齢者うつ病は、気分の低下が目立たないなど、典型的なうつ症状と異なるため見逃されることがあります。しかし、年齢を重ねると身体機能の低下や身近な方との死別などの喪失体験から、うつ病を発症する方が少なくありません。高齢者うつ病の症状を知ることで、利用者さんの変化に適切に対応していきましょう。

  • 看取り介護加算の算定要件は?特養・グループホームなど事業者別に解説

    看取り介護加算の算定要件は?特養・グループホームなど事業者別に解説

    施設で看取りを行ったときに適応される「看取り介護加算」。施設の種類により算定要件が異なるため、理解するのが難しいと思っている方も多いことでしょう。今回は、看取り介護加算について詳しく解説し、施設の種類別に算定要件や取得できる単位数をまとめました。今後も需要が高まることが予想される施設での看取り。看取り介護加算について心得ておきたい方は、ぜひ一読ください。

    看取り介護加算とは

    看取り介護加算は、2006年に従来制定されていた介護報酬加算制度に、新たに加えられました。医師より回復の見込みがないと判断された終末期の利用者さんに対し、身体と精神面、両方の苦痛を緩和するケアを実施する事業所に適応されます。

    この加算は、算定要件を満たした特別養護老人ホームや特定施設入居者生活介護、グループホームなどに限られることが特徴です。似たような加算にターミナルケア加算がありますが、「医療的ケアがあるかないか」が違う点。看護師がいて、痰の吸引などを実施する介護老人保健施設は対象にはなりません。

    2021年度の介護報酬改定による変更点

    介護看取り加算は、2021年度に行われた介護報酬改定により、主に以下の3つの部分が変更されました。

    • 看取り対応についてのガイドラインの設定
    • 利用者さんが亡くなる45日前から適応可能
    • 夜間の介護スタッフの配置に対する評価

    以前は利用者さんが亡くなる30日前から算定可能でしたが、45日前に延長されました。また、看取りに携わるケアチーム(医師や看護師、生活相談員など)は、利用者さんとご家族と適宜話し合いの場を設けるようガイドラインで設定。話した内容は文書で記録し、残すことも義務付けられています。さらに、看取りが近いとされる時期に、夜勤もしくは宿直で看護師を配置する事業所は、その対応が評価され加算を上乗せすることになりました。施設で余生を過ごす利用者さんがより良く生活できること、事業所の看取りへの手厚い対応を評価することが盛り込まれた改定となっています。

    看取り介護加算の種類

    看取り介護加算は、ⅠとⅡの2種類があります。看取り介護加算Ⅰの要件は以下の通りです。

    • 病院または診療所、当該施設、訪問看護ステーションのいずれかの看護師と連携し、24時間連絡可能な体制が取れている
    • 看取りに関する指針を定め、施設に入所する際は利用者さんとご家族にその指針を説明し同意を得ている
    • 定めた看取りに関する指針は、医師や看護師、介護スタッフ、ケアマネジャー、生活相談員などが適宜見直しを行っている
    • 看取りに関する職員研修を実施している
    • 厚生労働省が定めた「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に沿った内容で取り組みを行っている
    • 看取りケアは、個室や静養室などプライバシーが確保できる場所で行い、利用者さん本人だけでなく、ご家族やほかの利用者さんに配慮する

    看取り介護加算Ⅱは上記Ⅰの要件をすべて満たしたうえ、複数の医師が配置されている、もしくは協力関係にある医師が24時間対応可能であることが追加要件となっています。

    看取り介護加算が対象になる事業所

    看取り介護加算の対象になる事業者は以下の通りです。

    • 特別養護老人ホーム
    • 特定施設入居者生活介護【有料老人ホーム、ケアハウス(軽費老人ホーム)、養護老人ホーム】
    • グループホーム

    特別養護老人ホームと特定施設入居者生活介護は、地域密着型施設も含みます。また、看取り介護加算Ⅱを算定できるのは、特別養護老人ホームと一部の特定施設入居者生活介護であることも押さえておきましょう。

    【事業者別】看取り介護加算の算定要件と単位数一覧

    ここからは、看取り介護加算の算定要件と単位数を事業所別にチェックしていきます。

    特別養護老人ホームの算定要件と単位数一覧

    特別養護老人ホームの算定要件と取得できる単位数は以下の通りです。

    加算の種類要件
    看取り介護加算Ⅰ・Ⅰの要件をすべて満たしている
    看取り介護加算Ⅱ・Ⅰの要件をすべて満たしている ・複数の医師を配置している、もしくは24時間体制で医師と連携が取れるように体制を整えている
    算定できる期間看取り介護加算Ⅰ看取り介護加算Ⅱ
    亡くなる31日~45日前72単位/日72単位/日
    亡くなる4日~30日前144単位/日144単位/日
    亡くなる前日、前々日680単位/日780単位/日
    亡くなった日1280単位/日1580単位/日

    特別養護老人ホームでは利用者さんに対して、必要な数の医師の配置が義務付けられています。したがって、ほとんどの施設で看取り介護加算Ⅱを算定することが可能です。

    特定施設入居者生活介護の算定要件と単位数一覧

    つぎは、特定施設入居者生活介護の算定要件と取得できる単位数です。

    加算の種類要件
    看取り介護加算Ⅰ・Ⅰの要件をすべて満たしている
    看取り介護加算Ⅱ・Ⅰの要件をすべて満たしている
    ・看取り期に夜間も看護師を配置している
    算定できる期間看取り介護加算Ⅰ看取り介護加算Ⅱ
    亡くなる31日~45日前72単位/日572単位/日
    亡くなる4日~30日前144単位/日644単位/日
    亡くなる前日、前々日680単位/日1180単位/日
    亡くなった日1280単位/日1780単位/日

    特定施設入居者介護では、看護師の配置が義務付けられていない施設もあります。看取り介護加算Ⅱを算定できるのは、看取り期に夜間も看護師を配置している施設のみと覚えておきましょう。

    グループホームの算定要件と単位数一覧

    最後にグループホームの算定要件と取得可能な単位数を押さえていきましょう。

    加算の種類要件
    看取り介護加算Ⅰ・Ⅰの要件をすべて満たしている
    算定できる期間看取り介護加算Ⅰ
    亡くなる31日~45日前72単位/日
    亡くなる4日~30日前144単位/日
    亡くなる前日、前々日680単位/日
    亡くなった日1280単位/日

    グループホームは医師や看護師の配置基準がないため、看取り介護加算Ⅱは算定対象外となっています。

    看取り介護研修で学べること

    看取り介護加算を受けるために必要な看取り介護研修では、以下のような内容を学ぶことができます。

    • 看取り期における基本的な考え方
    • 臨終時に立ち会うときの心構え
    • 看取り期を過ごす利用者さんの身体的・精神的苦痛とは何か
    • 臨終時と、その後のご家族に対するケア方法
    • チーム内での情報共有方法や役割分担について
    • 看取り後に実施するケアの評価方法など

    その方らしい最期を迎えるために、上記の内容について学ぶことはとても重要です。適切な対応ができるよう心得ながら研修に臨みましょう。

    正しい知識と技術で看取り介護を実施しよう

    近年は延命治療ではなく、看取り介護を望む利用者さんとご家族が増えてきています。今後も看取り介護のニーズは高まると予想されるでしょう。施設で働く介護スタッフとして、看取り介護加算の算定要件や、看取りケアに対する正しい知識を学び押さえておくことは大切です。看取り対応については下記記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

  • 重度訪問介護従業者の需要が増加!仕事内容や資格取得方法は?

    重度訪問介護従業者の需要が増加!仕事内容や資格取得方法は?

    重度訪問介護従業者は、24時間体制で介護を必要とする重度障害者に対し介護サービスを提供するための専門資格です。重度障害のある方の中にも、自宅で暮らしたい、住み慣れた地域で生活したいという方が増えており、重度訪問介護従業者のニーズが高まっています。そこで今回は、重度訪問介護従業者の概要や仕事内容、資格取得の方法などをわかりやすくご紹介。介護業界でキャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてください。

    重度訪問介護従業者とは?サービスの対象者はどんな方?

    重度訪問介護従業者は、常時介護を必要とする障害支援区分4以上の認定を受けている重度障害者に対して、介護サービスを提供するための資格です。厚生労働省「重度訪問介護に係る報酬・基準について≪論点等≫」によると、重度訪問介護従業者が携わる重度訪問介護のサービス対象者は、「重度の肢体不自由者・重度の知的障害・精神障害により、常時介護を要する障害者」とされています。

    一般的には、筋ジストロフィー・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・脊椎損傷など難病に罹患している方や、脳性まひ・遷延性意識障害・重症心身障害などのある方が重度訪問介護の対象です。

    重度訪問介護従業者の仕事内容は?ホームヘルパーとはどう違う?

    重度訪問介護従業者は、主に利用者さんの住居を訪問し、日常生活に生じる介護が必要なさまざまな場面に介入するのが特徴です。具体的な仕事の内容は以下のとおり。

    • 入浴・排泄・食事などの介護
    • 調理・洗濯・掃除などの家事
    • 更衣・洗面・歯磨き・体位変換・買い物など、生活全般にわたるサポート
    • 外出時における移動中の介護

    これらを基本とし、日常生活の中で介護を必要とするあらゆる場面に備え、見守るtも重度訪問介護従業者の仕事に含まれています。ただし、重度訪問介護従業者がサポートするのは利用者さん本人のみ。家族分の家事や飼育しているペットの世話をすることはできません。

    また、住居に訪問し介護を行うという点で共通する仕事に、ホームヘルパー(訪問介護員)があります。しかし、ホームヘルパーは重度障害者へのサポートに特化したスキルや知識を習得しているわけではなく、主に要介護認定を受けた高齢者をサービスの対象者としていることが重度訪問介護従業者との違いです。

    重度訪問介護授業者の資格を取得するメリット・デメリットは?

    重度訪問介護従業者の資格を取得した場合のメリットとデメリットをまとめました。

    重度訪問介護従業者の資格を取得するメリット

    厚生労働省「重度訪問介護に係る報酬・基準について≪論点等≫」によると、重度訪問介護の利用者数は年々増加傾向にあるようです。それに伴い、重度訪問介護従業者の需要もさらに高まることが予想されます。そのため資格を取得することにより、就職に有利かつ給料アップも期待できるでしょう。

    また一般的な介護施設では、複数の利用者さんを対象とし、複数のスタッフとコミュニケーションを図りながら仕事を進めるため、スタッフ間の人間関係に気を遣うシーンもありますよね。対して重度訪問介護は、基本的に利用者さんとマンツーマンで個別ケアを提供します。つまり、ご自身のスタイル・ペースでも仕事が可能な点は、重度訪問介護従業者のメリットといえるでしょう。

    重度訪問介護従業者の資格を取得するデメリット

    重度障害のある方を対象とするため、介護サービスを提供するためには高度な知識・スキル・対応力が必要です。重度障害者の生活を支えるという仕事の責任の重さをデメリットとして捉える方もいるかもしれません。日々勉強し、利用者さんの病状や想いに寄り添ったサービスが提供できるよう心掛ける姿勢が求められます。

    重度訪問介護従業者の資格の取得方法は?

    重度訪問介護従事者の資格は、都道府県が指定する「重度訪問介護従業者養成研修」を修了することにより取得可能です。研修の主催元は各自治体やNPO法人などで、年齢や職歴を問わず誰でも受講することができます。

    養成研修は、「基礎課程」と「追加課程」という2つのカリキュラムで構成されています。中には、上位資格として「統合課程」を設けている専門学校もあるので、目的に合わせてカリキュラムを選択しましょう。

    【基礎課程】障害支援区分4~5の利用者さんが対象

    基礎課程では、重度訪問介護従業者に必要となる基礎的な介護技術や職業倫理を学びます。基礎課程を修了すると、障害支援区分4~5の利用者さんに対して介護サービスを提供することが可能です。

    受講時間は、講義3時間および実習7時間の合計10時間です。具体的な科目は次のとおり。

    <講義>

    • 重度の肢体不自由者の地域生活などに関する講義
    • 基礎的な介護技術に関する講義

    <実習>

    • 基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーション技術に関する実習
    • 外出時の介護技術に関する実習

    【追加過程】障害支援区分6の利用者さんが対象

    基礎過程を修了した方が受講対象となる追加課程では、重度障害者の介護方法やリスク管理、緊急時の対応などについて学びます。より実践的な知識やスキルを身に付けることが可能です。実習では、実際に重度の肢体不自由者の住居を訪問し、支援を行うのが特徴。追加課程を修了することで、障害者支援区分6の方を対象とした介護サービスを提供できるようになります。

    追加過程の受講時間は、講義7時間・実習3時間の合計10時間です。具体的な科目は次のとおり。

    <講義>

    • 医療的ケアを必要とする重度訪問介護利用者の障害および支援
    • コミュニケーションの技術
    • 緊急時の対応および危険防止

    <実習>

    • 重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での支援

    【統合過程】喀痰吸引などの医療的ケアができる

    統合課程は、基礎課程・追加課程に加え、喀痰吸引(第3号研修)などの医療的ケアができる基本研修が統合されています。第3号研修の基本カリキュラムには、介護技術・喀痰吸引・経管栄養などの医療的ケアシミュレーション実技が含まれるのが特徴です。

    受講時間は、講義11時間・演習1時間・実習8.5時間の合計20.5時間。内容は基礎課程・追加過程の科目に加え、喀痰吸引などに関する演習1時間があります。

    重度訪問介護従業者の資格を取得して仕事の幅を広げよう

    重度訪問介護従業者は、重度障害者が自宅で暮らすことを叶えるやりがいのある仕事です。また重度訪問介護従業者は基本的に利用者さんのもとへ1人で訪問するため、ご自身のペース・スタイルで仕事ができることもメリットといえます。ニーズの高い重度訪問介護従業者の資格を取得して、重度訪問介護の現場で即戦力として活躍してみませんか?

  • 認定介護福祉士とは?介護福祉士との違いやメリット、取得方法をチェック

    認定介護福祉士とは?介護福祉士との違いやメリット、取得方法をチェック

    資格としては介護福祉士の上位にあたる“認定介護福祉士”。比較的新しい資格で知名度はあまり高くなく、耳にしたことがない方もいるかもしれません。そこで今回は、認定介護福祉士について掘り下げていきます。介護福祉士とどう違うのか、認定介護福祉士の資格を取得するとどんなメリットがあるのか、資格の取得方法まで詳しく解説。介護福祉士としてステップアップしたい方はぜひチェックしてください。

    認定介護福祉士とは

    認定介護福祉士は、[btp_line]介護福祉士の上位とされる民間資格[/btp_line]です。介護職のキャリアパス形成に役立つ資格で、2015年から一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が開始しました。誕生からの歴史はまだ浅い資格ですが、取得者は少しずつ増えています。
    認定介護福祉士の資格が作られた目的は、介護福祉士の意欲や資質の向上につなげるためです。以前は介護福祉士の資格取得後に目指せる資格の数が少なく、「キャリア形成のための道筋がはっきりしない」という課題がありました。しかし、認定介護福祉士という資格の選択肢が新たに作られれば、介護福祉士として頑張る方の「さらに上を目指そう」という気持ちの後押しにつながります。また、認定介護福祉士は介護福祉士よりも幅広い知識とスキルが求められる職種です。介護職員としての資質の高まりも期待できます。より良い介護サービスを提供し、利用者さんの生活を充実させるために役立つ資格のひとつといえるでしょう。

    認定介護福祉士の役割について

    介護福祉士のリーダーのような位置付けにある認定介護福祉士。そのため、介護福祉士よりも多くの役割をこなすことが求められ、介護現場だけでなく事業所内での活躍も期待されます。

    <認定介護福祉士の主な役割>

    マネジメント・人材育成介護サービスの質を高めるためのマネジメントと、教育的立場からの介護職員の育成
    他職種との連携介護現場に携わる他職種(医師・看護師・理学療法士など)と情報共有して連携を強化
    地域の介護力向上のサポート介護の専門家として、地域の方やボランティア、自宅で介護をしている方へ指導・サポート

    認定介護福祉士の資格取得で得られるスキル

    認定介護福祉士の資格取得には、研修や実務経験が必要です。資格取得後には以下のようなスキルを身に付けることを目指します。

    高度な専門知識と実践力リハビリ・福祉用具・認知症・住環境・社会支援など、高度な専門知識と実践力
    現場のリーダーへの指導力5~10名程度の介護職員チームのリーダーに対し、指導や教育を行うためのスキル
    サービスの管理能力サービス管理のためのツールの使用方法、整理の仕方
    地域の介護力向上利用者さんをサポートする視点から、地域の介護力アップの方法を知り、実践するスキル
    マネジメント能力人材マネジメント・サービス管理・チーム運営など、組織をまとめるスキル

    認定介護福祉士と介護福祉士、どう違う?

    認定介護福祉士は介護福祉士とどう違うのか、わかりやすく理解するために、4つの面から見てみましょう。

    【資格面】民間資格であること

    介護福祉士は国家試験に合格して資格取得となります。一方、民間資格である認定介護福祉士資格は、取得する際の試験がありません。代わりに研修を受講・修了して申請する流れです。資格取得の条件でいえば、介護キャリアパスの最上位である認定介護福祉士のほうが厳しいといえます。

    【仕事面】中核的な役割をこなすポジションであること

    組織の中核的役割を求められるのが認定介護福祉士です。仕事面では、リーダー格の介護職員への指導、他職種との連携といった役割をこなします。仕事内容が実践的な介護に集約される介護福祉士には、これらの役割が含まれません。中核的役割もこなすとなれば、介護の現場で直接仕事をする時間が少なくなる可能性もあるでしょう。

    【実務経験年数】5年以上必要なこと

    介護の実務経験が3年以上必要な介護福祉士に対し、認定介護福祉士は5年以上必要です。さらにいくつもの研修を受講し、科目ごとに組まれたスケジュール通りに進めても、修了まで最短1年以上かかることが多いとされています。

    【待遇面】活躍次第で良くなる可能性があること

    「認定介護福祉士になることで介護福祉士よりも待遇が良くなるか」という点については、資格の取得者数が少ないことから現時点では明確になっていません。しかし、認定介護福祉士の資格取得者が今後増え、資格として注目が集まれば手当が付く可能性もあります。業務の幅が広がるため確実に給料が上がるとは限りませんが、活躍しだいで待遇アップが期待できるでしょう。

    認定介護福祉士になるメリットは?

    介護施設で働くにあたり、認定介護福祉士になるとどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは認定介護福祉士の3つのメリットをご紹介します。

    質の高い介護サービスを提供できる

    介護福祉士に比べて責任のある立場となる認定介護福祉士は、立場を活かしたマネジメントや教育ができるところがメリットです。資格取得の際に研修で身に付けるじゅうぶんな介護実践力や指導力などを業務に活かすことで、介護サービス全体の向上につながるでしょう。

    幅広い介護スキルを得られる

    医師や看護師など他職種のスタッフとの関わりが増える認定介護福祉士。他職種と連携することで、得られる知識が増えていくのはメリットと言えます。その結果、介護スキルの幅が広くなることに期待が持てるでしょう。

    介護業界で長く働ける可能性が高くなる

    介護の仕事は身体的な負担も大きく、腰痛のような体の不調をもとに仕事を辞める方も少なくありません。介護業界で長く働くためには、現場以外の仕事も増やすことが必要です。認定介護福祉士のスキルを活かして現場の負担を減らすなど、環境づくりに目を向けて長く働ける可能性を高められることもメリットと言えます。

    認定介護福祉士の資格を取得する方法は?

    認定介護福祉士の資格を取得するには、以下の条件を満たしていることが前提になります。

    • 介護福祉士の資格を取得している
    • 介護福祉士の資格取得後、実務経験が5年以上
    • 介護職員を対象とする現任研修の研修歴(100時間以上)があること
    • 研修実施団体のレポート課題または受講試験で一定水準の成績を修めていること(一部免除される場合あり)

    これらの条件を満たしたうえで、認定介護福祉士養成研修Ⅰ類または認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の養成研修を受けます。Ⅱ類の研修は、Ⅰ類の研修を修了しないと受講できません。どちらの場合も受講条件がそれぞれ決められていて、科目数も異なります。
    Ⅰ類とⅡ類の研修を修了したら、認定申請書を提出。その後は認定証が交付され、登録手続きをして完了です。

    介護現場でより活躍するための資格

    資格の取得者数が増えることや今後の活躍が期待される認定介護福祉士。受講条件を満たして数多くの研修を受けるため、資格取得には時間がかかりますが、高度な専門知識やマネジメント能力などさまざまなスキルが身に付きます。資格を取得すれば認定介護福祉士ならではのメリットを得られるので、介護業界での活躍の場を広げるために資格取得を考えてもいいかもしれませんね。

  • ターミナルケアとは?介護施設における役割と今後の展望

    ターミナルケアとは?介護施設における役割と今後の展望

    近年耳にする機会が増えた「ターミナルケア」とはどのようなものなのでしょうか。「言葉として知ってはいるけれど、詳しい内容までは把握していない」といった方もいるかもしれません。本記事ではターミナルケアの概要を分かりやすく解説し、介護施設に取り入れる意義や今後の需要の傾向について考えていきます。人生の終末期におけるターミナルケアの重要性を確認しましょう。

    ターミナルケアとは

    近年ではターミナルケアの需要が介護施設でも増えています。ターミナルケアがどのようなもので、どのようなタイミングで行われるのか、理解を深めていきましょう。

    ターミナルケアの概要

    ターミナルケアのターミナルとは「終末期」を指し、ケアは「医療や看護、介護」を表します。つまり、ターミナルケアとは終末期におけるケアです。ターミナルケアでは精神と身体、両面における苦痛を緩和して、QOL(Quality of life:生活の質)を保ちます。

    老衰や病気などで終末期を迎えた方が穏やかに過ごせることが目的となるため、延命を目的とした治療や、痛みや苦痛が伴うような治療は基本的に行いません。痛みを和らげたり症状に応じた医療的な処置を行ったりします。

    ターミナルケアの開始時期

    ターミナルケア開始のタイミングはご本人の意思がベースです。2018年に公表された厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」では、人生の最終段階における意思決定には医療・ケアチームとの話し合いが重要としています。この医療・ケアチームには介護従事者も含まれ、大切な役割を担っているのがポイントです

    ご本人の意思が確認できないケースでは、ご家族との話し合いや複数の専門家を含めた話し合いで決定されるケースもあります。

    ターミナルケアを行う「終末期」は、施設でどう判断したら良いのでしょうか。公益社団法人全日本病院協会の2016年発表資料「終末期医療に関するガイドライン ~よりよい終末期を迎えるために~」では、終末期を以下のように定義しています。

    [btp_box]「終末期」とは、以下の三つの条件を満たす場合を言います。

    1. 複数の医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること
    2. 患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師等の関係者が納得すること
    3. 患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し対応を考えること[/btp_box]

    引用元:公益社団法人 全日本病院協会
    終末期医療に関するガイドライン ~よりよい終末期を迎えるために~

    一般的には、病気の回復が見込めない、寝たきりとなり食事が摂れない、こんな状態をターミナルケア開始時期の目安としている医療機関や施設が多いようです

    どんな場所でターミナルケアが行われているの?

    ターミナルケアはおもに「病院」「自宅(在宅介護)」「入居型介護施設」の3つの場所で行われています。

    「病院」でのターミナルケア

    ターミナルケアを行う医療施設は「ホスピス」が代表的です。余命が限られたがん患者さんやエイズ患者さんなどが入院しています。

    「入居型介護施設」でのターミナルケア

    入所型の介護施設で行われるターミナルケアは、介護スタッフ、ケアマネジャー、医師、看護師などが連携してケアし、ご家族と情報共有します。

    「自宅」でのターミナルケア

    自宅でのターミナルケアは、入院や介護施設に入所するケースと異なり医師や訪問看護師、訪問介護スタッフとともにご家族が連携して行うことが特徴です。点滴や酸素吸入といった医療処置とともに、褥瘡などのケアが行われます。

    介護施設においてターミナルケアを行う重要性

    人生の最終段階における意思の決定では、医師や看護師といった医療チームだけでなく、介護スタッフからのサポートも重視されているのが近年の傾向です。また、急激な高齢化に伴い、ターミナルケアや看取り介護を受けられる介護施設の需要も高まっています

    ターミナルケアをはじめとした利用者さんの理想とする人生の最終段階の過ごし方について検討し、質の高いケアを提供できるよう、介護施設は体制を整えていく必要があるでしょう

  • BCP策定が介護施設で義務化!どう対応したらいい?内容を解説

    BCP策定が介護施設で義務化!どう対応したらいい?内容を解説

    2024年度から、介護施設においてBCP策定が義務化されました。BCPと聞くと「難しそう…」「対応方法が分からなくて不安」といった印象を受ける方もいるかもしれません。そこで、本記事ではBCPとはどのような意味か概要を解説。BCP策定のポイントや厚生労働省のホームページに掲載されている策定支援ツールなどについて、分かりやすくご紹介していきます。全体像を把握することで、BCPへの苦手意識をなくしていきましょう。

    BCPとはどんなもの?意味や策定メリットとは

    まずはBCPがどのようなものか、内容を簡単に解説します。

    BCPは企業や団体の「業務(事業)継続計画」

    BCPは英語の「Business Continuity Plan」の頭文字をとってできた言葉です。日本語にすると「業務(事業)継続計画」と訳せます。

    BCPは災害や感染症といった緊急事態を想定して策定するもので、目的はこちらの2つです。

    <BCPの目的2つ>

    • 事業活動の落ち込みを最小限にとどめる
    • 復旧までの時間を短くする

    予期せぬ災害や感染症などが起こると、事業の継続が難しくなります。そんなケースに備えて事業がストップしないよう準備し、もし中断することになっても優先業務を進めていけるよう、あらかじめ方法を検討・計画することがBCPです。

    BCPを策定するメリット

    BCPを策定するメリットには以下のようなポイントが挙げられます。

    <BCP策定のメリット>

    • 災害に強い施設となる
    • 施設の価値が高まる
    • 重要な業務の把握ができる(中長期の経営戦略を考える機会となる)
    • 社会的責任を果たせる

    BCPを策定すれば、緊急時の対応力がつき、事業の早期復旧が可能です。災害時の事業継続の計画・対策が取られていれば、施設利用者さんや、介護スタッフ、行政などからの信頼も得られることでしょう。

    さらには、BCPを検討することで優先すべき事業や、施設にとって重要な業務を洗い出すことができます。経営戦略を立てるうえでも役立つことでしょう。介護サービスの継続や中断した場合の早期の復旧は、利用者さんの暮らしを支えたり、従業員の雇用を守ったり、社会的責任を果たすことにもつながります。

    介護施設においてBCPの策定が義務化された背景と経緯

    介護施設(介護サービス事業者)においてBCPの策定が義務化されました。その背景や内容を見ていきましょう。

    2021年の介護報酬改定で義務化

    介護施設におけるBCP の策定は、2021年度の「介護報酬改定における改定事項について」のなかで義務化されました。

    <介護施設でのBCP義務化の背景>

    介護サービス事業者は、利用者さんの健康や身体・生命を守る責任を担っています。特に入所型の施設においては自然災害や感染症などが発生しているときも、業務を継続することが大切です。

    利用者さんの安全確保、介護スタッフや従業員の安全確保、自然災害の場合は地域への貢献も重要となります。

    こういった観点から、介護施設を含む介護サービス事業者すべてを対象にBCP策定が義務化されました。業務継続のための計画などの策定とともに研修や訓練も義務化されます。

    2024年度までに対応を!

    介護施設のBCP 策定義務化に関しては、3年間(2021~2023年の経過措置期間が設定されました。移行期間の間に情報収集を進めたり、策定に動き出したりしたという施設も多いようです。

    介護サービス事業者は2024年度までに体制を整えることが必要です。

    BCP策定のポイントや参考サイト

    BCPの策定において、どのようなポイントをおさえて策定したらいいのでしょうか。

    BCP策定のポイント

    厚生労働省の「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」および「介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」によると、BCP策定には以下のようなポイントが重要です。

    <BCP策定において重要なポイント>

    • 誰が・いつ・何をするか、各担当者を決めておく
    • 連絡先を整理しておく
    • 必要な物資を整理・準備しておく
    • これらの内容を組織で共有しておく
    • 内容を定期的に見直して、必要に応じて研修や訓練を行う(PDCAサイクルを回す)

    このようなポイントを参考に対策・計画を立てていきます。

    自然災害と感染症発生時の対策の検討が必要

    BCPは、自然災害発生時と感染症発生時に分けて検討していくことが必要です。

    <自然災害時のBCP策定のポイント>

    • 正確な情報集約ができる体制や判断ができる体制を構築する
    • 自然災害対策は「事前対策」と「被災時対策」に分け、同時に対策を準備する
    • 業務の優先順位を整理する
    • 普段から周知・研修、訓練を行う

    自然災害時のBCPでは「事前の対策(平常時の対応)」と「被災時の対策(緊急時の対応)」を合わせて検討していきます。事前の対策は、日頃から準備しておけること、たとえば設備の耐震固定などです。被災時の対策は、人命安全のルール策定や事業復旧へのルール策定などが挙げられます。

    緊急事態に限られた人員で業務を回せるように業務の優先順位の整理も大切です。計画だけで終わるのではなく、実際に行動できるよう研修・訓練を行い、内容を見直していくことも必要となります。

    <感染症発生時のBCP策定のポイント>

    • 施設の関係者と情報共有・役割分担・判断できる体制を構築する
    • 感染者が発生したときの対応を整理する
    • 職員確保の方法を検討する
    • 業務の優先順位を整理する
    • 普段から周知・研修、訓練を行う

    感染症発生時のBCPでは、通常時と緊急時の情報収集・共有体制を整え、情報伝達のフローを構築しておくことが重要です。感染者や感染の疑いがある方が発生した場合にどう対応するか検討しておくことも必要となります。

    職員の不足や感染対策に備えて、早めに行政に連絡して応援を依頼するといった対応策の検討も綿密に行いましょう。

    厚生労働省の作成支援ページを利用しよう

    BCP策定はゼロから考えていくのは大変です。厚生労働省のホームページには、BCPの作成支援ページがあり、動画での概要説明や、書類の雛形が掲載されています。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

    ▶介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修資料・動画|厚生労働省

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html

    厚生労働省のガイドラインにはBCPの詳細が詳しく解説されています。

    「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」

    https://www.mhlw.go.jp/content/000749543.pdf

    「介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」

    https://www.mhlw.go.jp/content/000922077.pdf

    介護施設はBCP策定義務化の準備を

    介護施設は利用者さんの健康や身体・生命を守る重要な責任を担います。自然災害時や感染症発生時においても事業の継続が求められることから、介護施設におけるBCPの策定が義務化されました。この対応は、2024年までに行いましょう。策定は簡単ではありませんが、災害に強い施設・組織をつくるための足掛かりとなります。厚生労働省のガイドラインや雛形もぜひ参考にしてください。

  • 介護助手とは?仕事内容や導入するメリットをチェック!

    介護助手とは?仕事内容や導入するメリットをチェック!

    近年、介護業界で注目されている職種が「介護助手」です。介護助手とは、直接的な介護を行わず、主に利用者さんの話し相手や清掃などの間接的な業務を担う介護職のこと。学生や元気な高齢者など、幅広い世代の就業先の1つとなるよう制度化の検討がなされています。そこでこの記事では、介護助手とはどのような仕事か、また導入のメリットなどについて紹介していきます。

    介護助手とは?

    介護助手とは、利用者さんに直接触れる介護を行わず、見守りや清掃など間接的な業務を担う介護職のことです。食事や入浴の介助といった利用者さんに直接触れる業務を行わないため、特別な資格がなくても介護助手として働けます。また、介護福祉士などの有資格者の方が業務に専念できるようサポートすることで、介護サービスの質の向上を目指す仕事です。すでに介護助手を導入している介護施設や事業所も多数あり、2024年度の介護保険制度改正では制度化に向けた議論が行われると報じられています。

    背景には介護人材の不足あり!幅広い年代の就業を想定

    介護助手が求められる背景には、介護業界における厳しい人材不足があります。厚生労働省が2022年3月に公表した「社会・援護局関係主管課長会議資料」によると、2021年12月の介護関係職種における有効求人倍率は3.89倍とのこと。新型コロナウイルス感染症の影響で、全職業の有効求人倍率が低下したなか、依然高い水準だと報じられました。今後はさらなる労働人口の減少が予想されているため、これまで以上に介護分野の人材確保は困難となります。そのため、介護に興味のある学生はもちろん、元気な高齢者の就業先など幅広い年代が働ける職種となるよう制度化が検討されているのです。

    2022年度からは介護助手普及を目指す新事業を創設

    厚生労働省は2022年度に、介護人材の普及を目指す事業「介護助手等普及推進員(仮称)」を創設しました。これは都道府県の各福祉人材センターに配置を促した役職で、介護助手等の希望者を掘り起こし、事業所とマッチングさせることを主な仕事としています。厚生労働省が公表した「令和4年度厚生労働省予算概算要求関係-Ⅲ主要事項」によると、同事業の予算は3億円とのこと。この予算からも、積極的に推進しようとする姿勢がうかがえるでしょう。

    介護助手とはどのような仕事をするの?

    では、介護助手とは具体的にどういった仕事をするのでしょうか。ここからは、三重県が行った介護助手導入支援の例をもとに、仕事内容について見ていきましょう。

    利用者さんの見守りや話し相手

    同県では、介護助手を導入した半数以上の施設や事業所で、利用者さんの見守りや話し相手を介護助手の方に依頼しています。直接的な介護を行う職員の方は業務量も多く、利用者さん一人ひとりの話を聞きたくても「時間がとれない」と感じていることが少なくありません。一方で、話し相手を求める高齢者の方は多く、近年は「話を聞くこと」をメインとしたサービスも生まれているほどです。同県ではこの業務を、介護や看護の資格を持っている介護職の方に優先して依頼しています。

    食事の配膳やシーツ交換など

    事前研修を受けた方は、食事の配膳やシーツ交換、車いすの移動なども介護助手の仕事として割り振られています。介護助手の方が食事を利用者さんのもとへと運び、介護職の方が食事介助に入ることができれば、業務効率はアップしやすいでしょう。実際に、同県で介護助手導入の効果を測定したところ、介護職の方の業務にゆとりが生まれたという回答が半数以上となったといいます。

    居室清掃や消耗品補充など

    資格や経験がない方でも、居室の清掃や消耗品の補充などの周辺業務を担うことは可能です。介護施設では日によって突発的な出来事があり、掃除まで手が回らずに、時間外で対応するということもあります。また、介護記録の整理や消耗品の補充も、何かと後回しになりがちな業務です。こうした仕事を介護助手の方が担うことで、全体の業務効率が上がりやすいでしょう。なかでも、これまで清掃業での業務経験があり、介護業界への転職を考えたいというときには介護助手としての就業が良いきっかけになるかもしれません

    介護助手の導入メリットと課題

    ここからは、介護助手の導入メリットと今後の課題について見ていきましょう。

    介護職員の業務量軽減につながり離職率が低下するところも

    前述の三重県の介護助手導入支援事業では、次のようなメリットがあったと報告されています。

    【介護助手導入による効果】

    介護職員の業務量が軽減した84%
    介護職員が気持ちにゆとりをもって働けるようになった52%
    地域社会への貢献ができた52%
    介護職員が利用者さんに応じた丁寧な介護を行える場面が増えた48%
    介護職員の専門職としての意識が向上した36%
    介護職員の残業時間が削減された12%

    参照元:厚生労働省「三重県 介護助手の導入支援について」

    さらに、介護助手を導入した施設全体で離職率が低下したという報告もあります。このように、介護助手の方の存在が働く環境にも良い変化を与えていると考えられるでしょう。

    現場のニーズとのギャップが課題となる可能性あり

    介護助手によるメリットが伝えられる一方で、導入への課題もあるといわれています。例えば、実際の現場では介護助手ではなく、介護福祉士のニーズのほうが高いこともその1つです。独立行政法人福祉医療機構が公表した「平成30年度『介護人材』に関するアンケート調査の結果について」によると、現場で不足している職種を集計すると次のようになっています。

    【不足している職種 ※複数回答

    介護職員99%
    看護職員32.6%
    PT・OT4.3%
    介護助手3.9%

    参照元:独立行政法人福祉医療機構 平成30年度「介護人材」に関するアンケート調査の結果について

    また、業務単位で見たときに人員が足りていないと感じられるのが「食事介助」「入浴介助」「夜勤」「排泄介助」となっています。これらの業務は直接的な介護となるため、介護助手ではサポートしきれない範囲です。このように、現場のニーズとかけ離れた業務の普及に、どれだけの意義があるのかと疑問をもつ声もあります。こうした点が、介護助手導入の障壁となる可能性があるでしょう。

    介護助手とはどんな役割かを知っておこう!

    介護人材の不足を背景に、近年積極的に導入されているのが介護助手です。実際に介護助手を導入する施設では、介護職の方の業務負担が軽減するなどのメリットも見られています。2024年度の介護報酬改定での制度化も検討されているため、介護業界で働く方や介護業界への転職を希望する方は、介護助手とはどのような役割かを知っておきましょう。

  • 介護記録の開示義務はどこまで?遺族からの開示請求への対応についても解説

    介護記録の開示義務はどこまで?遺族からの開示請求への対応についても解説

    高齢化が進むにつれて介護サービスの利用者数も増加傾向にあり、それに伴って増えつつある介護施設での事故やトラブル。発生時には、介護内容や利用者さん本人の当時の状況を細かく記載した介護記録が開示請求されることも多いです。そこで本記事では、介護職が知っておくべき介護記録の開示義務について解説。日常的な業務のひとつである介護記録が万が一の事故の際には重大な証拠となり得ることについて、詳しくお伝えします。

    介護記録とは

    介護記録とは、介護スタッフが提供した介護サービスの内容や利用者さんの日々の健康状態、活動状況などの記録です。ただ、事業所によって呼び名はさまざまあります。また、フェイスシート・アセスメントシート・介護経過表・ケアプランといったいくつかの資料を総称して「介護記録」と呼ばれることも多いです。

    介護記録の作成・保管は介護保険法によって義務化されており、デイサービスや介護施設などすべての介護サービス提供者が必ず行わなければならない業務のひとつです。保管期間は厚生労働省令によって「介護保険サービスの提供終了後、2年間」と定められています。ただ、自治体によっては5年間保管を義務化しているところも多いため、注意が必要です。

    介護記録を残す目的としては、

    • スタッフ間での情報共有のため
    • 利用者さん一人ひとりに最適なケアプランを作成するため
    • 利用者さんの家族との情報共有のため
    • 介護事故発生時の証拠保全のため

    などが挙げられます。日々の業務中はもちろん、重大な事故やトラブルが発生したときにも必ず見返すことになるため、利用者さんやその家族、職員にとっても重要な資料です。
    ただ、介護記録の作成や保管は重要な業務のひとつだからこそ、介護職の業務負担となりやすい側面も。そのため、最近では手書きでの作成だけでなく、専用ソフトなどを活用して電子化する事業所も多いようです。

    介護記録はどんなときに開示請求される?

    介護記録は個人情報のため、基本的には公開されることはありません。しかし、以下のようなケースでは開示請求されることがあります。

    • 介護施設での事故やトラブルが疑われる場合
    • 遺産分割協議で相続人が故人へ行っていた介護の程度を確認する必要がある場合

    普段、利用者さんの日々の経過観察のために活用されることが多い介護記録ですが、トラブル発生時には重要な証拠として開示義務のある資料です。特に、介護記録の当事者である利用者さんが亡くなられた後は、故人に代わって事実を証明する役割を担うこともあります。

    介護記録の開示義務はどこまで?

    介護記録の開示義務について、以下にまとめています。介護保険法などの法律が絡む内容なので、しっかりと確認しておきましょう。

    利用者さん本人は開示請求ができる

    介護記録の当事者である利用者さん本人は、自ら介護記録の開示請求が可能です。ただし、本人の心身や財産に危害が及ぶ、または第三者の利益を害する可能性のある場合には開示請求が却下されることもあります。

    なお、2022年度から個人情報保護法が改正されました。その影響で、介護記録の開示義務についても以下のような変更が実施されています。

    • 第三者に提供された介護記録についても開示請求できる
    • 開示方法について紙だけでなくデジタルでの交付も本人が指示できるようになる
    • 6ヶ月以内に消去する短期保存データについても開示や利用停止ができる

    法改正の内容を一言でまとめると、本人が介護記録を開示請求できる範囲や開示方法の選択肢が以前よりも広がったことになります。さらに、個人情報を適切に取り扱わなかった場合の罰則も厳罰化されることに。この法改正によって、介護施設側の介護記録に対する開示義務はますます大きくなるでしょう。

    条件を満たせば遺族も開示請求ができる

    基本的に、介護記録は住所や病歴など重要な個人情報が含まれているため、たとえ本人の家族や親族であっても開示義務の範囲に含まれません。ただし、本人が亡くなっている場合には、条件を満たすことで遺族も介護記録の開示請求が可能です。開示請求できる遺族の範囲は、厚生労働省令によって「原則、本人の配偶者や子、父母、およびこれに準ずるもの」と定められています。

    この規定によると、利用者さん本人の孫世代は開示義務の範囲に含まれません。しかし、その親、つまり利用者さんの子がすでに亡くなっている場合には、開示可能な「これに準ずるもの」として、開示請求が認められるケースもあります。

    重大な介護事故の場合には証拠保全の対象となることも

    仮に、重大な介護事故が発生した場合、その状況証拠となり得る介護記録の重要性があまりにも高くなるため、「証拠保全」という措置が取られることもあります。この場合、遺族からの開示請求はありません。その代わり、遺族から証拠保全の申立を受けた裁判所からの証拠保全の決定通達が届くことになります。

    証拠保全とは、証拠となる文書や資料が改ざんや破棄される恐れがあるときに実施される、民事訴訟法上の手続きのことです。証拠保全の対象となることが決まると、裁判官や裁判所書記官、弁護士が現地に赴き、対象となる文書のチェックを行います。

    介護記録が証拠保全の対象となった場合、介護事業所側はこの決定に抵抗せず、従うことになります。ただし、介護事故発生時の対応について不慣れな事業所が多いのが実態で、証拠保全という手続きについても理解できていない介護職は少なくありません。それどころか、介護記録の開示請求についても適切に対応できないことが多々あるようです。介護事故の際にはスムーズに事態を収束させることが最優先。介護記録の取り扱いや開示義務について、施設内でマニュアル化しておくと良いでしょう。

    介護記録の開示請求は増えている

    年々進行する高齢化の影響もあり、介護事故は増加傾向にあります。それに伴い、介護記録の重要性もますます高まっていくことでしょう。そのため、介護職にとって開示義務についての知識を身につけておくことは必須事項です。利用者さん本人や遺族から開示請求があった際に正しい対応ができるよう、今のうちから勉強しておきましょう。

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  • 高齢者の花粉症が増えている?!花粉の季節は口の中の乾燥に注意

    高齢者の花粉症が増えている?!花粉の季節は口の中の乾燥に注意

    高齢者の花粉症が増えていることをご存知ですか?高齢者は加齢によって免疫力が低下することがあるため、アレルギー疾患を発症するリスクが高いと言われています。そして花粉症と関係の深い問題が、口腔問題です。一見すると関係なさそうですが、花粉症から口腔内にさまざまな問題が起こり、他の病気を誘発する可能性があります。そこで今回は、高齢者の花粉症事情や花粉症と口腔問題について見ていきましょう。

    高齢者の花粉症が増えている?!

    そもそも花粉症とは、体内に入ってきた花粉を異物と捉え、身体に無害なものにしようと反応するアレルギー疾患です。花粉が原因で、花粉が飛ぶ季節だけくしゃみや鼻水・鼻づまりなどを引き起こす病気を季節性アレルギー性鼻炎と言います。

    冒頭でも説明したように、高齢者は加齢によって免疫力が低下しやすいため、花粉症などのアレルギー疾患を発症する可能性が高い傾向にあります。そのため花粉症以外にも食物アレルギーやおむつなどの接触性アレルギーにも注意が必要でしょう。

    花粉症などのアレルギー疾患は、これまで何ともなかった方が突然発症することがあります。環境省が発表した「花粉症環境保健マニュアル2022(2022年3月改訂版)」によると、花粉症が増加している主な原因は、飛散する花粉の数の増加・食生活の変化・感染症の減少・腸内細菌の変化などです。

    日本における正確な花粉症有病者数は分かっていません。しかし、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした全国調査によると、1998年の第1回調査より回を追うごとに花粉症有病率が増加しています。

    地域的な調査では、2016年度に東京都がスギ花粉症の推定有病率を調査しました。この調査は1983年から約10年ごとに行っている調査で、こちらでも推定有病率が年々増加していることが分かりました。

    年齢区分別で見ると、前回調査の2006年度では60歳以上の推定有病率が14.2%でしたが、2016年度の調査では37.4%に急増。日本人の花粉症が増えていることはもちろん、高齢者の花粉症が増えていることが分かるはずです。

    花粉症と口腔問題

    花粉症の主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・鼻のかゆみなどです。鼻は、外の空気を取り込む役割がありますが、その際に花粉や塵・ウイルスなどを体内に入れないようにする役割もあります。

    また、取り込んだ空気を鼻の中で温め加湿することで、体内に最適な温度や湿度の空気を送り込む役割もあるのです。

    しかし高齢者は、加齢によって鼻粘膜が薄くなったり、粘膜内の血流が減ったりするため、花粉などの侵入を防ぐ機能が低下。しかも花粉症になると、鼻トラブルによって鼻での呼吸が難しくなります。それに伴い口で呼吸するようになりますが、口呼吸では気道に直接空気が入るため、細菌やウイルスが体内に入りやすくなるというわけです。

    他にも、口呼吸が増えると口腔内が乾燥しやすくなるため、唾液の自浄作用や殺菌作用が低下します。唾液の分泌が減ると、歯周病のリスクもアップ。歯周病になると、抵抗力が弱い高齢者は歯周病菌を排除できず、心疾患や脳卒中のリスクを高めたり糖尿病を悪化させたりなど、さまざまな全身疾患になるリスクが高まるのです。

    手軽にできる口腔対策とは

    日頃から歯磨きや歯周病治療を行う必要がありますが、花粉症による鼻トラブルで口呼吸が増えた場合に備えて、手軽にできる口腔対策を2つ紹介します。

    うがい

    まずはうがいです。散歩から帰った際など外から帰宅した場合には、必ずうがいするように推奨しましょう。うがいは水で行っても良いですが、口腔内を保湿してくれる成分が入っているマウスウォッシュを使うとより効果が期待できます

    ただし、利用者さんの中にはうがいが難しい方もいるでしょう。そういった場合には、口腔ケア用のティッシュなどで口腔内を拭き取りだけでも十分です。

    こまめな水分補給

    口呼吸が増えると口の中が乾燥するため、室内の温度や室温管理を徹底してください。そして、意識的に水分補給するように促しましょう

    高齢者は体内の水分量が減っており、口の渇きを感じにくくなっています。食事以外にも水分補給の時間を作っておくと安心です。

    花粉症と口腔問題は切り離せない!

    花粉症は、いつ誰がなるか分かりません。突然発症することもあるため、いざというときに備えて、花粉症対策や花粉症からくる口腔問題についても学んでおきましょう。口腔問題が悪化すると、抵抗力が低下している高齢者にとって大変危険です。日頃の口腔ケアと合わせて、うがいや水分補給などで口腔対策を行いましょう。

  • 運営指導(旧実地指導)で必要な書類は何年分?当日の流れもチェック

    運営指導(旧実地指導)で必要な書類は何年分?当日の流れもチェック

    事業所が適正に運営されているのかを調査するために行われる運営指導(旧実地指導)。介護サービス事業者として指定を受けているかぎり、必ず受けなくてはならない指導のひとつです。必要書類って何年分?名称変更されたことによる変更点とは?と、疑問を抱えている方もおられることでしょう。そこで今回は、運営指導(旧実地指導)について詳しく解説します。日頃の働きが正当に評価されるよう、この記事を参考に運営指導に備えておきましょう。

    2022度より実地指導は「運営指導」へ

    2022年度より、[btp_line]実地指導は「運営指導」へと名称が変更[/btp_line]されました。主な変更点としては、オンラインツールを活用した指導を受けられるようになったことです。施設の設備やサービス提供状況など実地での目視確認が必要なこと以外、今後はオンラインで指導されることになります。パソコン上でチェックするということは、書類の更新時間などもチェックできるため、不正とみなされるような行為には注意しましょう。

    運営指導で必要な書類は何年分?

    運営指導があると分かったとき、まず心配になるのが書類についてではないでしょうか。書類って何年分必要だったかな?と不安になったときは、行政から事前に通知される「お知らせ」に明記されているので確認しましょう。

    一般的には約2年分の書類が必要

    運営指導では約2年分の書類を提示するよう求められるのが一般的なようです。ただし、書類を保管しておく期間は自治体により異なりますが2~5年分となっています。事前通知には具体的にどの年度の書類を準備すべきか明記されているため、現時点から2年前までの書類と勘違いしないようにしましょう。保管期限内の書類はいつ指導を受けてもいいよう日頃からチェックしておくと安心です。

    運営指導をする場所の確保も大切

    実地で運営指導を受けるときは、利用者さんがいる場所とは離れた場所を確保しておくのがおすすめです。利用者さんや、その家族がいるところに行政の職員が出入りしていると、この施設には問題があるのでは?と勘違いされる場合があります。行政側から質問される内容を聞かれることで利用者さんが不安になるケースも否定できません。可能であれば運営指導を受けるスペースを事前に確保しておきましょう。

    運営指導当日の流れ

    運営指導当日のスケジュールは、事前に通知されるお知らせに明記されています。以前は丸1日かかるケースがほとんどでしたが、現在は半日で終了することもあるようです。運営指導当日の主な流れは、以下の通りなので押さえておきましょう。

    1.指導担当者が来所し挨拶

    運営指導担当者が来所し、まずは職員の紹介があります。その後、運営指導をする目的を説明されたのちに、当日の流れが伝達され運営指導のスタートです。

    2.利用者さんの状況や、施設の設備をチェック

    まずは、事業所内の環境や実際のケアの様子を巡視されます。利用者さんの状態や、部屋の状況、設備だけでなく、掲示物なども確認されるので事前確認が必要です。部屋の使用状況は届け出と相違がないか、水回りの衛生面、個人情報の取り扱い状況、消火器の位置など、確認項目は多岐にわたります。利用者さんへの言葉遣いや対応もチェックされるポイントなので注意しておきましょう。質問されたことはメモを取るなどして残しておくと、今後の運営指導対策に便利です。また、介護スタッフの間で注意点を共有しやすくもなるので、今後に活かしていきましょう。

    3.運営指導、報酬請求の指導

    運営指導、報酬請求については、オンラインでチェックできることも多いため、実地では省略または簡略化される可能性があります。ただし、高齢者虐待防止や、身体拘束に関する内容を理解しているか対話でチェックされることも。突然聞かれても答えられるよう心づもりしておくとよいでしょう。

    運営指導当日は、質問される内容にしっかりと答えることができるスタッフが出勤できるようシフト調整しておくと安心です。「的確に答えられる=適切な運営をしている」という印象に繋がりやすくなります。事業所の運営状況や、サービス提供状況を把握しているスタッフに回答してもらい、不信感を抱かせない対応を目指しましょう。

    4.講評

    すべてのチェックが終了すると、介護事業所側に15分ほど席を外すよう言われ、指導内容がまとめられます。その後、運営指導担当者から運営指導の結果について講評を受け、実地での運営指導は終了。講評は、運営指導中に質問や指摘を多数受けたとしても、大まかな感想程度に終わることが多いようです。

    5.運営指導結果の通知(約1ヶ月以内)

    約1ヶ月以内に、運営指導の詳しい結果の通知が届きます。その後の対応は次項で解説するので、参考にしてください。

    運営指導後の対応

    運営指導は受けたら終わりというものではありません。ここからは、運営指導後の事業所の対応について説明していきましょう。

    口頭で指摘されたとき

    実地での運営指導中は、指導担当者からさまざまな質問や指摘を口頭で受けます。資料を準備している段階で不備などが分かった場合も、すでに改善に向け尽力していることを伝えれば口頭での指導にとどまることも。口頭での指摘は改善報告や公示されることはないですが、事業所内で必ず共有し、改善に活かしていくことが大切です。

    書面指導や是正勧告をされたとき

    口頭指示以外に、書面で是正勧告された事項は「是正改善報告書」の提出が求められます。是正改善報告書は、指定された期限内に必ず提出しなければなりません。提出期限を過ぎれば、追加の改善命令や公示されてしまうことも。どうしても、期限内に対処することが難しい場合は、現在の取り組み状況や、改善できない理由を明確に記載して報告するようにしましょう。

    不安な場合は専門家の立ち合いも◎

    運営指導は法的な根拠に基づいて実施されますが、年々改善される項目も多く、すべてを把握することは難しいかもしれません。そこで頼りになるのが、介護業界に精通した弁護士のサポートです。運営指導の準備から、運営指導時の立ち会い、指導後の改善報告書類の作成まで尽力してくれます。万全に運営指導に備えたい場合は、専門家にお願いする方法も検討するとよいでしょう。

    適正な事業所運営を目指そう!

    運営指導の必要書類が何年分必要か、また、当日の流れもお分かりいただけたでしょうか。運営指導は介護業界全体の質を保つために、すべての事業所に対し公平に実施されます。決して、事業所の不正を暴くことを目的に行うものではないことを念頭に置いて臨みましょう。指摘を受けたことは真摯に受け止め、改善に尽くすことも大切です。

  • 春の外出レクは【山菜採り】がおすすめ!旬や注意点をチェック

    春の外出レクは【山菜採り】がおすすめ!旬や注意点をチェック

    暖かくなる春は、外出することも視野に入れてレクリエーション企画を考えてみてはいかがでしょうか。そこでおすすめしたいのが「山菜採り」です。足腰を中心に全身を動かすことができ、自然を観察する楽しさや収穫の達成感を味わうことができます。コミュニケーションの場としてもぴったりで、春の外出レクにもってこいです。本記事では、春に採れる山菜や、山菜採りレクを楽しむための注意点をご紹介していきます。

    「山菜採り」のおすすめポイント

    [btp_line]春の外出レクには山菜採りがおすすめ。[/btp_line]念入りな準備や下見は必要ですが、山菜採りには魅力的なポイントがたくさんあります。それがこちらです。

    <山菜採りのおすすめポイント5つ>

    • 歩く・しゃがむといった足腰を使った運動ができる
    • 外の空気にふれてリフレッシュできる
    • 山菜を探す楽しさや採る達成感を味わえる
    • 調理してみんなで食べる段階まで楽しめる
    • 地主さんなど地域の方とのコミュニケーションの機会にもなる

    山菜を採るには里山や田んぼのあぜ道など、自然のなかを歩き回る必要があります。また山菜は、足元に生えていたり、目線よりも高い位置に育っていたりさまざま。山菜に夢中になっているうちに、意識せずとも足腰を使った運動ができます。

    さらに、外の空気を肌で感じて自然のなかでリラックスする良い機会にもなるでしょう。山菜を探す楽しさ、見つける喜び、採れたことによる達成感など、さまざまな感情を味わえます

    調理して食べるステップまで取り入れればより充実したレクとなりますし、地主さんや地域の方々と親睦を深める機会としてもうってつけです。

    春に採れる山菜は?

    春は山菜が豊富な季節。このような山菜が旬を迎えます。

    <春が旬の山菜>

    • ふきのとう
    • ふき
    • わらび
    • たらの芽

    ふきのとうは2月~4月が旬。里山や河原といった水気のある場所を好みます。ふきのとうと同じ植物の葉柄であるふきは、4月~5月が旬です。

    わらびやたらの芽は4月から6月が旬。わらびは里山や田んぼのあぜ道、たらの芽は山間部や里山で、日当たりの良い場所を探すと見つけることができるでしょう。

    「山菜採り」をレクに取り入れるときの注意点

    外出レクとして山菜採りを実施する際には、気をつけておきたいポイントが4つあります。

    <山菜採りレクの注意点4つ>

    • 地主さんの許可をもらう
    • 適した人数で向かう
    • 無理のないスケジュールで行う(下見はマスト)
    • 毒性がある植物と見分けをつけにくい山菜もあるため注意(確実に食べられると分かっている山菜を事前に確認して採る)

    山菜採りをレクリエーションにする際は、山菜を採るエリアの地主さんの許可をいただいたうえで実行に移しましょう。私有地に勝手に入る、内緒で山菜を採る、といったことがないよう気をつけます。また、大人数だと迷惑となってしまう場合があるため、事前に地主さんと打ち合わせるなどして適した人数で向かいましょう

    施設利用者さんに過度に負担をかけることや危険がないよう、無理のないスケジュールを組むことも大切です。現地の歩きやすさや、所要時間、山菜があるかどうかなどをチェックするために下見は必ず行います。

    また、万が一にでも食べられる山菜とそうでない植物を間違えてしまわないよう、採れる山菜の種類などをリサーチしておくことも重要です。毒がある植物もあるため、確実に食べられると分かっているもの以外は口に入れないよう気をつけましょう。

    春の外出レクは山菜採りがおすすめ!楽しく運動しよう

    山菜採りは足腰を使った運動ができて、見つける楽しさや収穫の達成感まで味わえる、レクリエーションにぴったりのイベントです。春は馴染み深い山菜が豊富なので、きっとどなたでも楽しむことができるでしょう。ご紹介した注意点を意識しながら、ぜひ企画を練ってみてください。

  • 運営指導(旧・実地指導)とは?監査との違いもチェック!

    運営指導(旧・実地指導)とは?監査との違いもチェック!

    運営指導(旧・実地指導)は介護施設の運営において重要な役割を果たします。しかし、監査との違いを意識していない方もいるかもしれません。そこで本記事では、運営指導(旧・実地指導)の概要や監査との違いについて分かりやすく解説。介護施設の経営に関わる方はもちろん、介護スタッフの方もぜひご確認ください。正しく運営指導(旧・実地指導)の内容を把握し、該当する施設は適切な準備をしていきましょう。

    「運営指導(旧・実地指導)」とは?2022年から名称が変更に!

    運営指導(旧・実地指導)の目的や、行われるタイミングについて解説していきます。2022年から名称が変更になっているので、あわせて確認していきましょう。

    運営指導(旧・実地指導)とは

    運営指導(旧・実地指導)は自治体(行政の実地指導監督)により実施されます。一部オンラインなどでの対応もありますが、原則として実地で行われるのがポイントです。介護サービスの質や運営の体制、介護報酬請求の実施状況などが確認され、必要に応じてアドバイスを受けます。

    これまでは「実地指導」と呼ばれていたため、介護職の方々のなかには「運営指導」という言葉に馴染みがない方もいるかもしれません。厚生労働省老健局の2022年3月31日付「介護保険施設等の指導監督について(通知)」をベースに2022年10月1日から「運営指導」となっています。お間違えのないようご注意ください。

    運営指導の目的

    運営指導の目的は、「サービスの質の確保」と「保険給付の適正化」です。介護施設が法令などを守って適切に運営できているか、介護報酬の請求が適切に行われているか、などをチェックし、必要に応じて支援・育成することを目的としています。

    後半で「監査との違い」としてもご紹介しますが、「介護施設を健全に運営するためのサポート」と、とらえることもできるでしょう。

    運営指導はいつ行われる?頻度は?

    運営指導が行われるタイミングや頻度は介護施設により異なります。

    <運営指導の頻度>

    • 居宅介護支援事業所…1事業所あたり3年に1回以上
    • その他の事業所…1事業所あたり6年に1回以上

    対象となる介護施設には、運営指導の約1ヶ月前までを目安に「実施通知書」が届きます。必要に応じて書類の作成などをすることになるため、心しておきましょう。

    運営指導のチェックポイント

    運営指導で重要となるポイントをおさえておくと、準備がスムーズ。運営指導で具体的にチェック・指導される項目がこちらです。

    <「運営指導」のチェックポイント>

    • 介護サービスの実施状況指導
    • 最低基準等運営体制指導
    • 報酬請求指導

    運営指導では、上記のポイントについて書類の確認やヒアリングなどが行われます。書類は印刷物を確認するだけでなく、実際にパソコン上でチェックするケースも。

    介護サービスの実施状況指導は、おもに利用者さんへのサービスの質を実地で確認する目的で行われます。最低基準等運営体制指導は、サービス種別ごとの規定に即した運営体制であるかどうかを確認することが目的です。報酬請求指導は、不正請求の防止や制度管理の適正化といった観点から、報酬基準をベースに介護保険給付が適切に事務処理されているか、適したサービスが提供されているか、などがチェックされます。

    運営指導が終了すると「結果通知書」が届くので、必要に応じて「改善報告書」や「過誤調整完了報告書」を作成しましょう。

    介護サービスの実施状況指導は基本的に実地で行われますが、最低基準等運営体制指導や報酬請求指導はオンラインで行われるケースもあります

    指導と監査の違いとは?

    「運営指導と監査の違いが分かりにくい…」と感じる方もいるでしょう。ここからは、指導と監査の違いに焦点を当てて解説していきます。

    運営指導と監査の違い

    運営指導と監査は似ているようで違います。どのような点が違うのか分かりやすくまとめました。

    <運営指導と監査の違い>

    • 監査は問題があった場合に事実関係を調べるために行われる
    • 監査には事前通知がない
    • 監査結果に応じて行政上の措置が取られる

    運営指導はあくまでも介護施設の任意のもとで協力をしてもらい、必要に応じて指導やサポートをするスタンスです。対して監査は問題があったときに違反の事実関係を調べる目的で行われるところに違いがあります。監査が入るのは、定められた人員基準や設備基準、運営基準や介護報酬の請求などで違反が疑われる場合や実際に違反があった場合、虐待の可能性がある場合などです。

    前項でご紹介したように運営指導では事前に通知が届きますが、監査が入る際は事前通知がない点も両者の違いのひとつ。監査が行われる場合は事前通知ではなく、監査開始時の文書にて通知されます。

    運営指導では、結果に応じて「改善報告書」や「過誤調整完了報告書」を作成しますが、監査では結果に応じて行政上の措置がとられる点も両者の違いです。監査では立ち入り検査などが行われ、実際に違反や不正が認められると勧告や命令、指定の取消、設備の使用制限といった行政措置がとられます。

    運営指導の最中に監査に変更となるケースもある

    運営指導の最中に不正や不適切な面が見つかった場合、運営指導がその場で監査に変更となるケースもあるため覚えておきましょう。

    運営指導中に定められた人員基準や設備基準、運営基準や介護報酬の請求などで違反が疑われる・違反が見つかった、利用者さんへの虐待や安全に危害を及ぼしていると考えられる、といった場合などです。ただちに運営指導が中止となり、「介護保険施設等監査指針」に基づき監査へ変更となります。

    運営指導と監査の違いを把握してしっかり準備を

    運営指導は、2022年10月に実地指導から現在の名称に変更となりました。介護施設の「サービスの質の確保」と「保険給付の適正化」を目的に行われ、問題があるときに事実関係を明確にする目的で行われる監査とは違います。基本的に実地で書類等の確認やヒアリングが行われるので、事前通知が届いたら早めに準備に取りかかりましょう。

  • 春は旬の山菜で美味しく健康づくり!高齢者に喜ばれるメニュー3選

    春は旬の山菜で美味しく健康づくり!高齢者に喜ばれるメニュー3選

    春に旬を迎える山菜は、日本ならではの季節を感じられる食材のひとつ。栄養価が高く、高齢者にも好まれやすいため、介護施設の食事に取り入れられることも多いでしょう。そこで今回は、代表的な山菜の種類やそれぞれの栄養価をチェック。おすすめの簡単レシピも紹介します。独特な風味の山菜を美味しく調理する方法について知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

    春が旬!山菜の魅力とは

    まずは、知っているようで意外と知らない山菜の基礎知識について押さえておきましょう。

    山菜ってどんな食材?

    山菜とは、その名の通り、野山に自生している食用植物の総称です。野菜との違いは、人が栽培しているかどうか。山菜は野菜と違って品種改良されることもなければ、農園で大量栽培されることもありません。そのため苦みやアクが強くなりやすく、収穫量もごくわずかです。形も不ぞろいで、必ずしも見た目がいいものばかりではないでしょう。
    ただ、野菜にはない独特の風味があり、希少性も楽しめます。旬を迎える春には、普段の料理に取り入れるだけで季節感も増すでしょう。

    どんな種類がある?

    よく食卓に並ぶことの多い代表的な山菜とそれぞれに含まれる栄養を紹介します。

    タラの芽たんぱく質やミネラル、食物繊維、ビタミンEの他、風邪予防に効果的なβカロテンを含む。苦み成分のエラノサイドは糖の吸収を抑える働きがある。
    ふきのとう抗酸化作用のある数種類のポリフェノールを含有。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で整腸作用が期待できる。
    山ウド抗酸化作用のあるクロロゲン酸が日焼けによるメラニン抑制に効果的。疲れにくい身体をつくるアスパラギン酸も含む。
    ぜんまいパントテン酸や葉酸が特に多く、βカロテンやビタミンCも豊富。アンチエイジング作用のあるビタミンAも含まれている。
    わらび髪や肌の再生に関わるビタミンB2の含有量が山菜の中でもトップクラス。
    せり抗酸化作用があるβカロテンやカルシウム、カリウムが豊富に含まれている。鉄分や食物繊維も豊富。

    ちなみに、山菜の独特な苦みやえぐみの素となっているのは、ポリフェノールです。ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化や生活習慣病の予防に効果的といわれています。栄養の宝庫である山菜は、旬を迎える春の時期にぜひ取り入れたい健康食材なのです。

    高齢者に喜ばれる春の山菜メニュー3選

    最後に、山菜を使ったおすすめのレシピをご紹介します。

    タラの芽の天ぷら

    <材料>(4~6人分)

    • タラの芽…16本程度
    • 小麦粉…大さじ2
    • 片栗粉…大さじ2
    • 水…大さじ3
    • 塩…適量
    • 揚げ用油…適量

    <手順>

    1. まずは水洗いしたタラの芽の袴部分を手でむきとります。穂先や根本の乾燥した部分、幹のように硬い部分は包丁で取り除いてください。火の通りをよくするために、根本の切り口に浅く十文字の切り込みを入れておきましょう。
    2. ボウルに小麦粉と片栗粉を合わせ、水を加えて軽く混ぜ合わせます。
    3. 1のタラの芽を衣の中にひとつずつ落とし、ボウルの淵で余分な液を落としましょう。
    4. 180度に熱した油で1分半ほど揚げます。
    5. 揚がったらしっかりと油をきり、塩を全体的にふりかけて完成です。

    山ウドとそら豆の梅酢和え

    <材料>(4人分)

    • 山ウド…100グラム
    • そら豆…200グラム
    • 梅干し…2個
    • はちみつ…小さじ1
    • 酢…小さじ2
    • だし…小さじ2

    <手順>

    1. 塩を入れたお湯でそら豆を茹で、氷水で冷まして皮をむきます。
    2. 山ウドは厚めに皮をむいてスライスし、酢水につけておきます。
    3. 種をとった梅干しを包丁で細かくたたき、酢・はちみつ・だしを混ぜます。
    4. そら豆と山ウドを3の梅酢で和えて完成です。

    ぜんまいのナムル

    <材料>(4人分)

    • ぜんまい(水煮)…400グラム
    • ごま油…大さじ2
    • (A)酒…大さじ6
    • (A)鶏ガラスープの素…小さじ2
    • (A)ニンニク(すりおろし)…小さじ1
    • (A)醤油…大さじ2
    • 白ごま…大さじ2

    <手順>

    1. ぜんまいを食べやすい大きさにカットします。
    2. ごま油を熱したフライパンにぜんまいを入れ、中火で炒めます。
    3. ぜんまいに油がまわったら、(A)をすべて加えて水分を飛ばします。
    4. 仕上げに白ごまを加え、混ぜ合わせて完成です。

    健康づくりにも!春は旬の山菜メニューがおすすめ

    栄養豊富な山菜は、日々の健康づくりにも効果的。利用者さんに元気で長生きしてもらうためにも積極的に取り入れたい食材です。施設の食事の献立に悩んだときは、ぜひ簡単で美味しい山菜レシピをチェックしてみましょう。

  • 服薬介助のマニュアルを作るメリット!注意点を網羅し情報共有しよう

    服薬介助のマニュアルを作るメリット!注意点を網羅し情報共有しよう

    服薬介助は、介護職に認められている医療行為の1つです。しかし、利用者さんの命にも関わるサポートのため、実施するときには十分な配慮が求められます。そこでこの記事では、介護職が行える服薬介助とはどんなものか、また注意点などをご紹介。さらに、服薬介助のマニュアルを作成するメリットについても解説していきます。服薬介助に課題を感じている介護職の方は、ぜひご覧ください。

    服薬介助とは?

    服薬介助とは、利用者さんが医師から処方されている薬を正しく服用できるようサポートすることです。通常であれば服薬のサポートも医療行為にあたるため、看護師などが行わなければなりません。しかし、事前に介護職が服薬介助にあたることを利用者さんとご家族に伝え、次の条件を満たす場合のみ介護職が服薬介助することができます。

    1. 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること
    2. 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと
    3. 内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、当該医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと

    引用元:医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)

    実際に服薬介助を行う際は、医師や薬剤師による服薬指導と、看護師からの保健指導を遵守した適切な対応が求められます。あらかじめ注意点などを確認し、服薬介助を行いましょう。

    ▽介護職が行える医療行為についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ

    服薬介助の注意点

    服薬介助は、利用者さんの命に関わりかねないサポートのため、対応には十分な注意が必要です。ここでは、服薬介助の具体的な注意点について見ていきましょう。

    介護職が行えない服薬介助がある

    服薬介助は一定の条件を満たした場合のみ、介護職が行うことが認められています。その範囲は次のように定められています。

    <介護職にできる具体的な服薬介助>

    • 一包化された内用薬の準備
    • 服薬時の声かけ
    • 飲み残しや飲み忘れの確認
    • 軟膏の塗布
    • 湿布の貼りつけ
    • 坐薬挿入
    • 点眼
    • 鼻腔内に噴霧する薬剤を使用する際の介助

    一方、次のように利用者さんの状態や薬の種類などによっては、介護職が行えない服薬介助もあることを確認しておきましょう。

    <介護職がしてはいけない服薬介助>

    • 入院・入所が必要な治療を受けており、容態が安定していない場合
    • 副作用の危険性・投薬量の調整など、医師または看護師が連続的に容態の経過観察をしなければならない場合
    • 専門的な配慮が必要な場合
    • PTPシートからの薬の取り出し

    このように、体調が急変する可能性がある利用者さんへの服薬介助は、介護職の対応範囲から外れています。また、PTPシートからの薬の取り出しも介護職が禁止されている医療行為のため注意しましょう。

    飲み間違いや飲み忘れに注意

    薬によっては、指定より多くの数を飲んでしまったり、飲み忘れてしまったりすると体調が悪化してしまうことがあります。そのため、薬の飲み間違いや飲み忘れには十分注意しましょう。対策としては、1回で飲むべき薬を一包化しておくことが考えられます。

    ただし、介護職は薬をパッケージから取り外すことは禁止されているため、利用者さんが通う薬局などで一包化を依頼してもらうことが必要です。薬局によっては若干費用が高くなる可能性もあるため、利用者さんやご家族に利点を説明し、検討してもらうよう働きかけてみると良いでしょう。

    また、服薬介助の手順などをまとめたマニュアルを作成することも、飲み間違いや飲み忘れを防ぐ対策の1つです。施設ごとに適した方法で服薬介助が行えるよう、手順や注意点をまとめていくと良いでしょう。

    水分の種類にも注意が必要

    内用薬の場合、基本的には水またはぬるま湯で服用しなければなりません。どうしても水で飲めない方に限り、お茶での服用を検討していきます。この場合は、カフェインの含有量が少ない、玄米茶や麦茶を選びましょう。

    利用者さんの中には、薬の苦みなどを緩和するため、ジュースでの服用を希望する方もいるかもしれません。しかし、ジュースでの服用は副作用や効果の減少につながる可能性があるため、安易に応じることは危険です。この場合は水分の種類を変えるのではなく、より飲みやすいタイプの薬がないか、医師に相談してみるほうが良いでしょう。

    飲み込み確認・飲んだ後の変化にも気を配る

    内用薬は、できるだけ体を起こして薬を飲んでもらい、誤嚥に気をつけることも大切です。起き上がれない利用者さんは、姿勢を横向きにしたり頭を持ち上げたりして飲みやすくなるよう配慮しましょう。

    また、服薬後の変化にも気を配っていきます。体調に変化がないか、薬を吐き出していないかなど、確実に服薬できているかを確認しましょう。万が一体調に変化が見られた場合には、医師や看護師に知らせ、適切な対応をとることが大切です。

    服薬介助のマニュアルを作成した事例

    利用者さんの服薬介助を安全に行うためには、マニュアルを作成し、介護職同士での情報共有を適切に行うことも対策となります。実際に服薬介助のマニュアルを作成した介護施設では、飲み残しや飲み忘れが起こる要因を分析したところ、次のような問題点が明確になったようです。

    • 薬の取り扱いについて不安をもつ介護職が少なくない
    • 薬の名前の確認が徹底されていない
    • 服薬の方法を見直したい
    • 服薬中の観察が十分されていない

    これらの課題に対し、同施設では看護師による服薬介助の勉強会を開催したり、配薬の方法についてマニュアル化したりといった対応を行いました。これらの取り組みが徹底されたことで、誤薬ゼロを達成したといいます。このように服薬介助の問題点を見直し、マニュアル化していくことは、利用者さんのサポートを安全に行うためにも大切だといえるでしょう。

    服薬介助のマニュアルを作るメリット

    介護施設での服薬介助など、ケアのマニュアルを作ることは、利用者さんにとっても介護職にとってもメリットがあります。ここでは、服薬介助のマニュアルを作るメリットについて見ていきましょう。

    事故やトラブルを未然に防ぐ

    服薬介助のマニュアルを作ることは、介護職個人の判断による、事故やトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。ケアの基本をマニュアルにまとめておけば、個人の勘や経験に頼らずに済むため、正しい手順と方法で利用者さんの服薬介助にあたれるでしょう。

    また、服薬介助にマニュアルを導入することは、介護職の方を守る役割も果たします。万が一事故やトラブルが生じたときでも、マニュアルに沿ったケアをしていることが示せれば、個人を守ることにもつながるでしょう。

    業務を的確に効率よく進められる

    服薬介助の手順がマニュアル化されていれば、業務を的確に進められるため、生産性が上がりやすいでしょう。介護職の負担を減らすことはもちろん、利用者さんの個別ケアの時間を増やすこともできるため、お互いにとってメリットが高いといえます。また、新しく入ってきた方にも指導が行いやすくなるため、早期育成の一助にもなるでしょう。

    服薬介助のマニュアルを作り情報共有していこう!

    一部の服薬介助は、介護職が行うことが認められています。ただし薬によっては、誤薬や飲み忘れが体調を悪化させる可能性もあり、十分な配慮が必要です。そのため、服薬介助の基本手順をまとめたマニュアルを作成すると、トラブル防止や生産性向上につながるでしょう。まだ作成していない介護施設は、服薬介助のマニュアルを作り、安全性を高めてみてはいかがでしょうか。

  • 服薬介助はどこまでOK?介護職員ができる・できないことを学ぼう

    服薬介助はどこまでOK?介護職員ができる・できないことを学ぼう

    利用者さんが薬を飲むサポートをする“服薬介助”。介護職員が服薬介助をどこまでできるか、という認識をはっきりさせておかないと、誤薬によって利用者さんに何らかの影響が出ることも考えられます。今回は、介護職員に必要な“服薬介助の理解を深める情報”がメインテーマです。できる・できないのボーダーラインや服薬介助の方法、注意点について詳しく解説していきます。

    服薬介助とは

    服薬介助とは、利用者さんが正確に薬を飲むために介護職員がサポートすることです。どの薬を、どのタイミングで、何回に分けて飲む、といった確認事項をふまえたうえで正しく薬を飲むのは、高齢である利用者さんにとって負担になります。飲み間違いや飲み忘れ、過剰摂取などのリスクを回避するために、介護職員が服薬のサポートをするのです。
    リスクを考えるとあらゆるシーンで服薬介助をするほうが安心であるように思えますが、介護職員ができる服薬介助には限りがあります。「服薬介助はどこまでOKか?」という点を明確にするために、次の見出しで“できる・できない”項目に分けて掘り下げてみましょう。

    介護職員ができる・できない服薬介助について

    介護職員は医療従事者ではないので、医療行為にあたるサポートはできません。しかし、服薬介助と医療行為は線引きが難しく、介護職員の悩みの種になることも多いといわれています。そのため、介護職員一人ひとりができる・できない服薬介助を把握し、どこまでできるか理解しておくことが必要です。

    【服薬介助はどこまでOK?】介護職員ができること

    介護職員ができる服薬介助の例は、薬の準備や服薬の声かけ、飲み残しの確認など。“利用者さんが正しく薬を飲むためのサポート”が基本です。内服薬以外の服薬介助については、医療行為にあたらない点眼や軟膏の塗布、湿布の貼りつけ、坐薬挿入などがあります。

    【服薬介助はどこまでOK?】介護職員ができないこと

    利用者さんが正しく薬を飲むために薬の準備をサポートすることはできますが、介護職員がPTPシート(錠剤やカプセルが入った薬のシート)から薬を取り出す行為はNGとされています。一包化された内服薬についてはOKとされているので、間違えないよう気をつけましょう。
    他にも、以下の項目にあたる利用者さんへの服薬介助はできません。

    • 入院治療が必要な場合など、容体が安定していない
    • 服薬において専門的な配慮が必要
    • 副作用のリスクや投薬量の調整のために、医師または看護師の経過観察が必要
    • 誤嚥のリスクがあり医療的な知識が求められる介助が必要

    これらの項目に該当するケースを含め、体調の急変が考えられる利用者さんへの対応は、医師や看護師の業務領域になります。

    服薬介助の方法と注意点

    介護職員が服薬介助をどこまでできるかを理解したら、続いて方法と注意点を見ていきましょう。方法については、内服薬と外用薬に分けてご紹介します。

    内服薬の服薬介助について

    まずは姿勢の確認から。利用者さんの体調や様子を観察して姿勢を確認しましょう。次に、薬とぬるま湯を用意します。むせやすい方にはぬるま湯にとろみをつけるなどの工夫が必要です。服用前には、処方される薬を介護職員と利用者さんの両方でチェックします。
    錠剤やカプセルを飲むときは、1つずつ舌に乗せましょう。粉や顆粒剤なら複数回に分けて少しずつ服用するのがポイント。飲みづらさがあれば、オブラートに包んだり、服用ゼリーを使ったりするのがおすすめです。液体薬は容器を振って中身を均一にし、少しずつ服用します。舌下剤は唾液で溶かす必要があるので、薬を舌の下に置いたら、利用者さんが噛んだり飲み込んだりしないように見守りましょう。
    服用後は、きちんと飲み込めたことを確認します。利用者さんが自力で薬を飲める場合は見守りに徹し、過度な介助に気をつけてください。最後に服薬を記録して完了です。

    外用薬の服薬介助について

    坐薬の挿入では、利用者さんに横向きに寝てもらいます。坐薬の先端にワセリンを塗って滑りを良くしたら、指の第二関節が隠れるくらいまで挿入。坐薬が押し戻されないように、そのまま肛門を10秒ほど押さえましょう。
    目薬の場合、ふき取り用のティッシュを用意してから利用者さんの頭を固定します。下まぶたを軽く押さえて粘膜に目薬を落としたら、すぐに目を閉じるよう利用者さんに伝えましょう。目薬があふれたときはふき取り用のティッシュを使ってください。

    服薬介助の注意点

    医療行為にあてはまらない服薬介助でも、飲み方を間違えると心身に影響をおよぼす可能性があります。注意点をまとめた表をチェックしておきましょう。

    服用時の姿勢ベッドの背もたれを30~90度に調節するか、横向きに姿勢を変える。気管や肺に水分が入り込まないようにするため、なるべく起き上がった状態の姿勢が望ましい。
    水分の種類服用時は水またはぬるま湯で。水に抵抗があればお茶もOKだが、麦茶のようなカフェインの少ないものを選ぶのがポイント。ジュースは薬の効果半減や副作用のリスクがあるためNG。
    薬の種類、数薬の種類や数が多いほど管理が難しくなるので、介護職員がきちんと確認したうえで服用を促す。
    飲み込み確認きちんと飲み込めたか、口の中を確認する。口に残っているのを忘れて吐き出す、その薬で誤嚥する可能性があることも忘れずに。
    服用後の変化副作用のリスクを考えて、服用後は変化に気をつける。

    認知症の利用者さんへスムーズに服薬介助を行うには?

    認知症の利用者さんへ服薬介助を行うときは、いつも以上に慎重になる必要があります。注目ポイントは、“忘れる”“拒否する”の2点です。そのため、利用者さんがすでに薬を飲んだことを忘れてしまったり、薬を飲むこと自体を拒否したりする可能性があることをふまえて対応しましょう。
    利用者さんが薬を飲んだことを忘れてしまったときは、すでに飲んでいることをそのまま伝えるのは避けてください。利用者さんは「否定された」と感じ、意地を張ってしまいます。利用者さんの興味が他のことに向くよう話題を変える、治療に影響がなく見た目が薬に似ている疑似薬(サプリメントやラムネ菓子)を飲んでもらう、などの対応を試してみましょう。
    利用者さんが服薬を拒否するときには、薬の味を変える、介護職員が疑似薬を飲むところを見せて利用者さんに安心してもらう、などの対応がおすすめです。認知症の利用者さんは特に、服薬に不安な気持ちを抱えているケースがあります。安心して薬を飲んでもらうためには利用者さんの不安を和らげる工夫が必要です。どうしても薬を飲んでもらえない場合は、医師の指導をもとに食べ物に混ぜる方法を試すことなども検討してみましょう。

    服薬介助はどこまでOKか…きちんと認識して誤薬を防ごう

    服薬介助は、介護施設で行われる医療的援助にあたるものです。介護職員が服薬介助をどこまでできるか、という正しい知識を身につけることはもちろん、意識を高く持つことや介助に真剣に取り組む姿勢も欠かせません。誤薬のリスク回避にもつながるので、服薬介助について今一度考えてみましょう。
    服薬介助の知識をより深めるために、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

  • 「高級老人ホーム」ってどんなとこ?実際に働いた人の口コミもご紹介

    「高級老人ホーム」ってどんなとこ?実際に働いた人の口コミもご紹介

    とにかく豪華で、お金持ちだけが入居しているというイメージがある高級老人ホーム。一般的な有料老人ホームと何が違うのだろう?と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、高級老人ホームについて解説。気になる人員配置基準や、介護職として求められるスキル、実際に働いた方の口コミもご紹介しています。高級老人ホームへの転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

    高級老人ホームとは

    高級老人ホームとは、有料老人ホームに分類される介護福祉施設。一般的な有料老人ホームにはない設備や、サービス、医療体制が整えられていることが特徴です。入居一時金は約1,000万円~1億円以上、月額料金は30万円~50万円程度とかなり高額に設定されています。施設により仕様は異なりますが、内装は高級ホテルのように豪華で、温泉やシアタールーム、カラオケ、プールといった娯楽施設を完備していることも。利用者さんだけでなくご家族にとっても利便性がよい都市部や、リゾート地のように自然豊かな場所に建っているケースも多いようです。

    有料老人ホームとの違い

    一般的な有料老人ホームとの違いは、利用者さんが生活する環境すべてがハイクオリティなことです。建物や内装だけでなく、置いてある調度品や家具も洗練されたものが設置されています。食事は有名レストランが監修した健康的なメニューを毎食提供。介護や医療体制も幅広く手厚く対応しており、施設内のホームクリニックで、医師や看護師が365日常駐している施設もあります。

    高級老人ホームの人員体制は?

    高級老人ホームも、人員体制の基準は一般的な有料老人ホームと変わりません。有料老人ホームの人員配置基準は以下のとおりです。

    管理者1人(兼務可)
    生活相談員要介護者等:生活相談員=100:1
    看護・介護職員要支援者:看護・介護職員=10:1 要介護者:看護・介護職員=3:1
    機能訓練指導員1人以上(兼務可)
    計画作成担当者介護支援専門員1人以上(兼務可)

    ただし、高級老人ホームの場合は手厚い介護や医療サービスを提供するため、上記基準より多めにスタッフを配置している施設がほとんどです。利用者さんとゆっくり関わる時間も取りやすい環境といえるでしょう。

    高級老人ホームの職員として求められるスキルとは?

    老人ホームには、要介護認定を受けていない方もいれば、要介護5の方もいます。利用者さんがどのようなADLであっても対応できるスキルが必要です。

    自立の方はあらゆることが自由に選択できます。食事をする場所も、居室や共有のダイニングルームなどその時の気分で選べるため、利用者さんに合わせた対応をしなければなりません。要介護状態の方は、居室で訪問介護を利用する方もいれば、施設内のデイサービスを利用する方などさまざまです。

    また、失礼な対応はクレームにつながるため、ホテルのコンシェルジュのような接遇も高級老人ホームで働く上で必要な能力。介護技術だけでなく、言葉遣いや立ち振る舞いを学ぶ必要があることも、高級老人ホームならではの特徴といえるでしょう。

    高級老人ホームで実際に働いた方の口コミ

    では、実際に高級老人ホームで勤務されていた方の口コミをご紹介します。

    介護職Aさん(30代)

    とにかく豪華な内装に驚きましたが、入居金が高いだけあって、利用者さんは品があり立ち振る舞いも穏やかな方が多い印象です。最初の1年は接遇面をしっかりと学ぶため非常勤でしたが、今は正社員で働いています。

    介護職Bさん(40代)

    以前働いていた施設よりも、利用者さんと関われる時間が多いです。一人ひとりの性格や望んでいることの把握ができて、やりがいと嬉しさを感じています。

    介護職Cさん(20代)

    転職時、介護スキルには自信を持っていましたが、車いすからベッドへの移乗の際「ここではズボンを持って移乗はしないのよ。もっと丁寧に」との指摘を受けました。改めて心地良い介護とは何か?を考えさせられ、より成長できたと思っています。

    利用者さんに深く寄り添える高級老人ホームで働こう

    口コミからも分かるように、利用者さんが心地よく生活できるよう、介護だけでなく人としての対応力も高級老人ホームでは求められます。利用者さんとコミュニケーションをもっと取りたい、より深く利用者さんと関われる介護をしたい、という方は高級老人ホームへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 認定特定行為業務従事者になるには?できることや取得メリットも解説

    認定特定行為業務従事者になるには?できることや取得メリットも解説

    認定特定行為業務従事者とは、利用者さんに喀痰吸引などの医療行為が行える介護職のこと。それぞれの現状に合わせた手続きをとれば、未経験からでも目指すことが可能です。この記事では、認定特定行為業務従事者になるにはどうすれば良いか、またできることや取得するメリットについて解説していきます。認定特定行為業務従事者を目指したい方はぜひご一読ください。

    認定特定行為業務従事者とは?できることも解説

    認定特定行為業務従事者とは、一定の条件のもとで一部の医療行為が行える介護職のことです。介護施設で行われる医療行為は医師や看護師が行うのが原則ですが、体温・血圧測定、服薬管理など一部例外的に介護職が行えるものがあります。認定特定行為業務従事者になると、さらに次のような医療行為が行えるため、提供できるサービスの幅を増やすことが可能です。

    喀痰の吸引

    喀痰(かくたん)の吸引は、気管に溜まった「たん」を、吸引装置を使って体外に吸い出す医療行為です。嚥下機能の低下などにより自力で喀痰を排出できない利用者さんには、定期的に喀痰の吸引を行うことで、誤嚥や気管閉塞などのリスクを軽減していきます。通常は看護師などが行う医療行為ですが、認定特定行為業務従事者になると、医師の指示のもと喀痰の吸引を行うことが可能です。口や鼻から行う吸引はもちろん、気管カニューレを使用する利用者さんの喀痰吸引も行えるようになる方もいます。

    経管栄養(胃ろう・腸ろうなど)

    経管栄養とは、口から食べ物を摂取できない、または十分な食事量が摂れない方が胃や小腸などから栄養剤を注入し、栄養状態を維持・改善する方法です。脳梗塞による嚥下障害や誤嚥性肺炎を繰り返す方など、何らかの原因で口から食べ物が摂取できないときに行うことが多いでしょう。認定特定行為業務従事者になると、胃や小腸に直接栄養を届ける「経管栄養」などを行うことができます。

    ▽介護職が行える医療行為についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もチェック!

    認定特定行為業務従事者になるには?

    認定特定行為業務従事者になるには、次の2つの方法があります。ここでは、それぞれの状況ごとに、認定特定行為業務従事者になるにはどうすれば良いかを確認していきましょう。

    これから介護福祉士になる方

    養成施設などに通って介護福祉士を目指している方が、認定特定行為業務従事者になるには、次の段階を経ていきましょう。

    1. 養成施設に入学し、養成課程の中で認定特定行為業務従事者に必要な知識を身につけていく。
    2. 卒業後「介護福祉士」の国家試験を受験。合格したら、介護福祉士としての登録を行う(「介護福祉士登録証」が交付される)。
    3. 介護事業所などで就業開始。養成課程において「実地研修」を修了していない場合は、同研修を受講する(修了後「修了証明書証」が交付される)。
    4. 実地研修を終了した後、「介護福祉士登録証」の変更を行う。以降、医師の指示のもと、看護師などと連携してたんの吸引などの提供が行える。

    まずは、介護福祉士の国家試験に合格し、就業してから認定特定行為業務従事者になるというのが、この場合のステップです。

    すでに介護業務に携わっている方

    すでに介護職として事業所や施設で就業している方が、認定特定行為業務従事者になるには、次の段階を経ていきましょう。

    1. 各都道府県が認める登録研修機関にて「喀痰吸引等研修」を受講する(終了後「修了証明証」が交付される)。
    2. 都道府県に「修了証明証」を添付し、認定特定行為業務従事者認定証の申請を行う。
    3. 研修終了が都道府県で確認されると、認定特定行為業務従事者認定証が交付される。
    4. 医師の指示のもと、看護師などと連携してたんの吸引などの提供が行える。

    すでに介護職に就いている方は、登録研修機関で研修を受けた後、都道府県から認定を受け認定特定行為業務従事者になるというのが一般的です。ただし、すでに一定の要件のもとでたんの吸引などを提供している方は、研修を受けずに都道府県への手続きのみで認定証が交付されます。経過措置対象者として通知が来ている方は、こちらの流れに沿いましょう。

    出典:厚生労働省「平成24年4月から、介護職員等による喀痰吸引等(たんの吸引・経管栄養)についての制度がはじまります。」

    介護職が認定特定行為業務従事者になるための喀痰吸引等研修とは

    介護職として就業している方が認定特定行為業務従事者になるには、「喀痰吸引等研修」の受講が必要です(経過措置対象者を除く)。同研修は3種類あり、それぞれ処置を行える相手や実施できる医療行為が異なるため、自分に合った研修を選びましょう。

    なお、どの研修も受講資格で学歴や経験などは問われません。未経験からも受講可能ですが、研修機関によっては特定の資格を有していれば研修の一部が免除されることもあります。こちらの詳細は、研修を実施する機関にお問い合わせください。

    第1号研修

    第1号研修では、不特定多数の方に喀痰吸引などの医療行為が行える基本研修と実地研修が行われます。基本研修では講義を合計50時間受けた後、知識確認のための筆記試験を受験して、9割以上の得点で合格することが必要です。また、各医療行為の治療演習も行われ、治療技術が十分に身についた方から勤務先で実地研修を行っていきます。

    処置対象不特定多数
    基本研修の期間8~10日ほど
    受講費用10~20万円ほど
    研修内容講義50時間+各医療行為の治療演習+実地研修
    筆記試験の合否基準正解率9割以上で合格

    第2号研修

    第2号研修でも、不特定多数の方に喀痰吸引などの医療行為が行える基本・実地研修が行われます。ただし、第2号研修では「気管カニューレ内吸引」と「経鼻経管栄養」についての学習は行われません。そのため、これらの治療が必要な利用者さんがいない場合は、第2号研修を選ぶと良いでしょう。

    処置対象不特定多数
    基本研修の期間8~10日ほど
    受講費用10~20万円ほど
    研修内容講義50時間+各医療行為(※1)の治療演習+実地研修
    筆記試験の合否基準正解率9割以上で合格

    ※1 口腔内・鼻腔内吸引と経管栄養(胃ろう・腸ろう)のみ

    第3号研修

    第3号研修は、重度障がい者など特定の方にだけ喀痰吸引などの医療行為が行える基本研修と実地研修が行われます。そのため、カリキュラム自体が第1号・第2号研修とは異なる点に注意しましょう。

    処置対象重度障がい者など特定の方
    基本研修の期間2日ほど
    受講費用5万円ほど
    研修内容講義および演習9時間(※1)+実地研修(※2)
    筆記試験の合否基準正解率9割以上で合格

    ※1 重度訪問介護従事者養成研修と併せて実施する場合は20.5時間
    ※2 特定の方に対して必要な行為のみ実地研修を行う

    認定特定行為業務従事者になるメリット

    ここからは、認定特定行為業務従事者になるメリットについて見ていきましょう。

    介護職としての仕事の幅が広がる

    認定特定行為業務従事者として働く方は、まだまだ少ないのが現状です。一方で、たんの吸引などが必要な利用者さんは少なくないため、同研修を修了していると仕事の幅が広がりやすいでしょう。認定特定行為業務従事者となりできることが増えれば、さらに利用者さんの役に立つことができます。

    現場ですぐに役立つ技術が得られる

    喀痰吸引等研修では、人体模型を使ってたんの吸引などの治療演習が行われます。看護師からカテーテルの扱い方などの指導が受けられ、さらに実地研修も積むため、実践的な技術を身につけることができるでしょう。このように介護現場ですぐに役立てられる技術が得られることも、認定特定行為業務従事者になるメリットです。

    認定特定行為業務従事者になるには現状に合った方法を選ぶ!できることを増やそう

    介護職ながら、喀痰吸引などの医療行為が行える認定特定行為業務従事者は、現場でも求められている存在です。認定特定行為業務従事者になるには、これから介護福祉士になる方とすでに介護職として就業している方で方法が違うため、自分に合った手続きをとりましょう。認定特定行為業務従事者となり、できることをさらに増やしてみてはいかがでしょうか。

  • 地域密着型通所介護とは?小規模デイサービスで働くメリット・デメリット

    地域密着型通所介護とは?小規模デイサービスで働くメリット・デメリット

    地域密着型通所介護とは、地域と密接に連携した小規模デイサービスのひとつ。介護職として働く方の中には、地域貢献したいという想いから興味を持つ方もいるでしょう。今回は地域密着型通所介護について詳しく知りたい方のために、仕事内容などの基本的な知識から働くうえでのメリット・デメリットまで分かりやすく解説します。就職先、転職先として気になるという方もぜひ参考にしてみてください。

    地域密着型通所介護とは?

    まずは、地域密着型通所介護の概要について押さえておきましょう。

    地域密着型通所介護とは18人以下向けの小規模デイサービス

    地域密着型通所介護とは、定員18人以下の小規模デイサービスのことをいいます。

    このサービスの目的は、

    • 利用者さんが自宅で自立した生活を送るための心身機能の維持
    • 自宅にこもりがちな利用者さんの孤立感の解消
    • 利用者さんの家族、親族の介護負担の軽減

    です。

    主なサービス内容は、食事・入浴などの支援や心身機能の訓練、口腔機能向上サービスなど。すべて日帰りで実施し、介護スタッフが利用者さんの送迎も行います。
    対象となるのは65歳以上、かつ施設のある地域に住民票のある方で、要介護1~5までの方です(国指定の特定疾患に該当する40~64歳の方も対象)。要支援1・2の方は利用できません。

    地域密着型通所介護が創設された背景

    地域密着型通所介護が導入されたのは2016年4月からで、創設の背景には高齢者数の増加があります。この影響によって地域の実情に合わせた介護施設の整備が求められるようになり、都道府県管轄の小規模デイサービスは市区町村管轄の地域密着型通所介護へと移行しました。この変更によって地域との密着性が増し、運営元の透明性が高いサービスとして活用されるようになったのです。

    地域密着型通所介護の人員基準

    地域密着型通所介護の人員基準は、以下のとおりです。

    (参考:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」)

    生活相談員専従で1人以上。事業所ごとにサービス提供時間に応じた配置が必要。
    看護職員単位ごとに専従で1人以上。 サービス提供時間帯すべてに専従での配置は不要で、訪問看護ステーションなどと連携も可能。
    介護職員単位ごとにサービス提供時間に応じた専従配置が必要。 ※利用者数15人以下なら1人以上、16人以上なら利用者が1人増えるごとに+0.2人以上追加する。
    機能訓練指導員1人以上。
    管理者専従で1人以上。

    ※定員10人以下の場合は看護職員または介護職員は、1人の配置で可。

    ※生活相談員または介護職員のうち、1人以上は常勤。

    なお、以下の職種には資格要件があります。

    生活相談員社会福祉士・社会福祉主事任用資格・精神保健福祉士・介護福祉士・介護支援専門員
    看護職員看護師・准看護師
    機能訓練指導員作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・看護師(准看護師)・柔道整復師・はり師・あん摩マッサージ指圧師・きゅう師

    介護職員は無資格でも働けます。ただし、地域密着型通所介護のような小規模デイサービスでは配置可能な人数が限られるため、スキルの高い方が歓迎される傾向にあるようです。そのため、介護職員初任者研修修了者や実務者研修修了者、介護福祉士などの資格を有していたほうが就職には有利でしょう。

    地域密着型通所介護の仕事内容

    地域密着型通所介護の仕事は一般的な小規模デイサービスとほぼ変わりません。以下、主な業務です。

    • 食事・入浴・排泄介助などの身体的なサポート
    • 機能訓練補助
    • レクリエーション
    • 介護記録の作成
    • 介護施設内の環境整備
    • 利用者さんの自宅と施設間の送迎

    定員の多い大型介護施設と異なるのは、利用者さんやその家族との距離が近いところです。送迎時には家族とこまめにコミュニケーションをとり、自宅での様子や施設での過ごし方について情報交換をします。
    また、地域密着型通所介護では、一般的な小規模デイサービスよりも地域活動への参加が多くなることもあるようです。

    地域密着型通所介護で働くメリット

    地域密着型通所介護には、以下のメリットがあります。

    アットホームな雰囲気の中で働ける

    地域密着型通所介護の仕事ならではのメリットとしては、通常の小規模デイサービスや介護施設にはない「アットホームな雰囲気」が挙げられるでしょう。利用者さん一人ひとりとじっくり向き合えるため心の距離も縮まりやすく、多くの利用者さんを相手にすることが苦手な方にとっても働きやすい環境です。

    介護職としてのスキルアップにつながる

    地域密着型通所介護のような小規模デイサービスでは、少数精鋭なスタッフ配置となる傾向があるため、上司や同僚の働き方からも良い刺激を受けられるでしょう。介護職としてステップアップしたい方にとっては、働きがいのある職場となりそうです。

    地域密着型通所介護で働くデメリット

    地域密着型通所介護は介護職にとって学びが多く、やりがいのある現場ではありますが、注意すべきポイントもあります。

    経営難になりやすい

    地域密着型通所介護は小規模ゆえに、大きな収益を得にくいサービスでもあります。福祉医療機構が発表した「通所介護の経営状況について(2022年度) 」によると、地域密着型通所介護の約4割が赤字経営に陥っているというデータも。ただ、最近では古民家などの空き家をデイサービスの拠点として利用する方法も注目されています。古民家活用をすれば、さまざまな税制上の優遇措置を受けられるため、施設の運営費用の削減につながるでしょう。

    新人研修が不十分になりやすい

    少ない人員で日々のさまざまな業務をこなさなければならないため、スタッフ1人に求められるスキルも自然と高くなります。しかし、新人教育に割ける時間も人員もなかなか捻出できないため、研修が不十分になりやすいという傾向も。そのため業務に慣れるまでに時間がかかるという新人スタッフも少なくありません。

    地域密着型通所介護なら介護職のやりがいがきっと見つかる!

    地域密着型通所介護とは、一般的な小規模デイサービスよりも高いスキルが求められる仕事。介護職としての知識、経験不足を痛感することもある一方で、自分の得意分野ややりがいを見つけやすい職場でもあります。介護職としてスキルアップしたい方、利用者さんとしっかり向き合って仕事がしたい方はぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

  • 介護職が働きやすい施設とはどんな所?特徴や探し方を紹介

    介護職が働きやすい施設とはどんな所?特徴や探し方を紹介

    介護職の資格の勉強を始めると、取得後の就職先が気になるでしょう。せっかく働くのであれば、今後の人生設計をしやすかったり、キャリアアップができたりなどの働きやすい環境で長く勤めたいものです。また転職を考えている方にとっても、働きやすい施設探しは重要といえます。それでは、どんな施設が働きやすい施設なのでしょうか?そこで今回は、介護職が働きやすい施設とはどういった施設なのか、特徴や探し方について紹介します。

    働きやすい施設の特徴は?

    介護職が働きやすい施設の特徴について見ていきましょう。

    研修体制を整備している

    介護施設によっては未経験者を募集している施設もあります。介護に関する資格を取得したものの勤務したことがない方や、まだ介護の資格を持っていない方が、介護施設で働けるというメリットも。

    ただし、教育体制が整っていなければ、長く続けることは難しいかもしれません。なぜなら介護現場では専門的なスキルを要するため、未経験の場合は先輩の介護スタッフに多くのことを学ぶ必要があります。

    研修体制が整っていない施設ですと、右も左もわからない中に放り出されるようなものです。これでは精神的にも体力的にもすぐに限界を迎えてしまうでしょう。

    ワークライフバランスを意識している

    介護職は他の職業と比べて体力的に負担が大きい仕事といわれています。また夜勤や土日勤務がある場合も。そのため、休暇取得を意識的に行わなければ、仕事もプライベートも充実できません。

    ストレスや疲れがたまったり、健康に影響が出たりすると、自分への被害はもちろん利用者さんにも迷惑をかけてしまいます。介護スタッフの負担を少しでも減らすために、ワークライフバランスを意識している介護施設を選ぶと良いでしょう。

    利用者さんや介護スタッフの表情が明るい

    人は作り笑いができますが、心身ともに疲れがたまると、作り笑いも曇ってしまいます。介護施設へ見学に行った際は、利用者さんや介護スタッフの表情をチェックしてみましょう。笑顔が多い施設では、利用者さんや介護スタッフが笑顔になれるよう努力をしている可能性が高いためです。

    キャリアアップが狙えるか

    介護スタッフの技術力や知識を向上させて、利用者さんの満足度がアップすれば、その介護施設に「入居したい」と思う方が増えます。

    そのため、介護スタッフのために資格取得支援制度を導入するなど、キャリアアップを応援する介護施設なら働きながら介護スキルを向上させられるでしょう。またそういった介護施設であれば、介護スタッフのモチベーションを高くキープできるため、介護スタッフ同士で切磋琢磨しながら介護スキルを磨けるというメリットもあります。

    自分に合った介護施設の探し方

    介護職にとって働きやすい施設の特徴がわかったら、次に自分に合った介護施設の探し方について見ていきましょう。

    自分にとっての理想の介護職をイメージ

    まずは自分の理想の介護職をイメージしてみてください。また介護職としてやりたいことなど、目的を明確にしましょう。

    次に、自分が持っている資格を活かせる場所なのか、スキルアップできる場所なのかを考えます。そうすると、その施設でどんなスキルを習得できるのかなどをイメージでき、自分の理想と合致する施設かどうかを判断できるはずです。

    いくつかの介護施設を見学する

    最初に見学に行った介護施設を気に入って、そのまま就職する方もいるはずです。すぐにそういった介護施設に出会えるのは良いことですが、実は見学の際には見えていなかったデメリットが隠れている場合があります。

    どんなに良い介護施設と思ったとしても、できるだけ別の介護施設も見学して比較しましょう。複数の介護施設を見学することで「思っていた職場と違った」という理由での短期間の退職は防げるはずです。

    口コミをリサーチ

    介護施設探しでは、教育体制やワークライフバランスなど介護施設自体の取り組みも重要ですが、日々顔を合わせ、協力しなければならない同僚との関係性も大切。良好な人間関係が築きづらい場合、介護スキルに関係なく精神的に疲れる可能性があるためです。

    実際に働いている方に話を聞いたり、インターネット上にある口コミをチェックしたりすると良いでしょう。また疑問に思ったことなどがあれば、そのままにせず介護施設に確認することも大切です。

    自分に合った介護施設を探そう!

    すべての希望が叶う理想的な介護施設が見つかることが1番ですが、実際には希望をすべて叶えることは難しいかもしれません。そのため、自分が優先したい事項をあらかじめ考えておきましょう。その上で、複数の介護施設を見学したり口コミをチェックしたりすれば、介護職にとって最善の働きやすい施設を見つけられるはずです。